「硫黄島からの手紙」記者会見で思うこと

2007年2月27日 By 編集部員(月)

25日に行われた第79回米アカデミー賞受賞式。ここ英国では米国以上の盛り上がり様でしたね。まさに女王の貫禄を見せ、主演女優賞を獲得したヘレン・ミレン。若手女優に囲まれても褪せることのない美貌はすごかった。一方日本勢は残念な結果に終わりました。でもこうやって日本人が個人賞や作品賞にたびたび絡むようになっただけでも、日本映画界も変わってきたな、と感じます。 さて、今日ネタにしたいのは今回アカデミー賞で作品賞と監督賞など4部門にノミネートされていた「硫黄島からの手紙」です。弊誌1084号では、フランスで行われた合同記者会見レポートをご紹介しましたが、この時、悲しいかな浦島太郎状態になっている社内の実態が明らかになったのです。

この記者会見をレポートすることが決まった時、社内では誰が記者会見に出るのかが話題になりました。「クリント・イーストウッドが来たらすごいですよねー」「ケン・ワタナベも出ますかね」そんな中、1人の編集部員(若い女性)が言った「ニノが来たらいいですよね~」の一言が、周りの空気を変えたのです。「え、ニノって誰?」「私も知らない」そんな言葉が相次ぎ、この話題を出した女性があせって「二宮和也ですよ」と言っても「え、やっぱり知らない……」という一言で片付けられてしまいました。そう、英国滞在歴が長ければ長いほど、日本の芸能界事情に疎くなるという切ない現状が明らかにされたのです。「月さんは知ってます?」と聞かれ、「 もちろん知ってますよ。人気グループ、「嵐」のメンバーですよね。彼、演技派なんですよね」と(何故か)偉そうに答えると、続いて「じゃあKAT―TUNの読み方、知ってます?」という質問が。……し、知らない……。難問だ。「カ、カッツン?」と恐る恐る言うと、「カトゥーンって読むんですよ」という憐憫のこもったお言葉をいただきました。そんなの、知らなきゃ絶対読めないですよね。

そういえば以前、同じような会話で「関ジャニ∞」の読み方が話題になったことがありました。皆さんは分かります? 「カンジャニ・エイト」と読むんです。……これも厳しい。仕事柄、世の中の流れは常に把握しておきたいところですが、ここで問題が一つ。某有名タレント事務所は著作権に対して非常に厳しくて、インターネットで写真などを見ることができないんですよね。出演ドラマの公式サイトでさえ、そこのタレントだけはイラストになってたりする。だから海外在住の人間にとって、そこの事務所の新人タレント把握はとっても難しかったりするわけです。

したがってここの事務所のタレントをどこまで知っているかは、踏絵のごとくその人間の英国滞在年数を物語るのです。じつに興味深い。でも記者会見レポートの伊原剛志さん(念のため……有名演技派俳優。40代。長身。会見時はヒゲを生やしていました)の写真を見て、「この人がニノ?」と無邪気に聞いてきた○○さん、それは勉強不足です(さらに念のため……二宮和也さん: 見た目は10代と言っても良いくらいの20代前半のアイドル。小柄)。(月)

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