銅像になった英国ニュースダイジェスト愛読者

2008年6月17日 By 編集部員(籠)

意外な読者がいるものです。

主に在英邦人の方々を対象にした週刊新聞として始まった英国ニュースダイジェストですが、最近ではEブックやらウェブサイトやらができたおかげで、英国文化全般に興味を持つ日本在住の方々や、日本語を母国語としない英国在住の日本語学習者の皆様からも感想や激励のメールをいただけるようになりました。ありがたいことです。

読者層は、僕たちが想定していたよりも、ずっと幅広いようです。そして驚くべきことに、なんと、英国の歴史に燦然と輝く偉人たちの中にもニュースダイジェストの愛読者が数多くいたらしい。

19世紀ヴィクトリア朝の英国を生きたアイルランド出身の文豪、オスカー・ワイルドもその1人。チャリング・クロス駅前にある彼の銅像が、その事実を物語っています。
オスカー・ワイルド
さらに、第二次世界大戦下で英国を勝利に導いたウィンストン・チャーチル首相。実は彼も、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領とともに、当時は敵国だった日本の情報を得るために、英国ニュースダイジェストの記事をチェックしていたと伝えられています。オールド・ボンド・ストリートにある銅像は、そんな2人がニュースダイジェスト片手に談笑する様子を捉えたものです。
ウィンストン・チャーチル首相とフランクリン・ルーズベルト大統領
時代は遡ること17世紀。清教徒革命を起こしたオリバー・クロムウェルが死去した後に、イングランドで王政復古を果たしたチャールズ2世もまた、戦闘の合い間に英国ニュースダイジェストを読むことで束の間の休息を楽しんでいたようです。最近発表されたある研究によると、トッテナム・コート・ロード駅近くのソーホー・スクエアにある銅像の左手部分は、彼がいかに英国ニュースダイジェストを愛していたかを示しているとのこと。
チャールズ2世
少々おふざけが過ぎましたが、今週の特集記事は、ロンドンを中心とする英国のあちらこちらに置かれたパブリック・アートについてです。お楽しみください。(籠)

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