本当にあった怖いお話

2008年7月29日 By 編集部員(籠)

英国には不似合いな暑い日が続いていますね。換気が悪いニュースダイジェスト編集部のオフィスの中は、もはや熱帯雨林気候です。そこで束の間の涼しさを感じられるような、本当にあった怖い話をここでひとつ。

ロンドン東部ニュー・クロスにある自宅で過ごした昨晩のこと。そろそろ寝ようとしていた矢先の午前1時30分頃、玄関のベルがけたたましく鳴りました。

3階の自室から、真っ先に玄関まで下りていった僕。続いて2階からはパジャマ姿で眠い目をこすりながらイスラエル人女性ダンサーのヤエルと、1階からはゲイ・バーに行くのが大好きだが、この日は安眠を妨げられてかなり切れ気味のジェームズがやってきました。そんな僕たちの目に飛び込んできたのは、玄関の窓ガラスに密着させている男の横顔。

本当にあった怖いお話

再現図です

もう、これを見ただけで僕はちびる寸前。ジェームズはまだ寝ぼけたままです。紅一点ながらイスラエルでの軍務経験で腕っ節には自信のあるヤエルが、一番堂々としていました。

ヤエル
「どちらさまですか」

ドレッドの男
「ルーム「3」の人に会いたい」

ヤエル
「どちらさまですか」

ドレッドの男
「妹を探しているんだ!」

ヤエル
「どちらさまですか」

ドレッドの男
「……」

しばらく無言が続いた後に、なんとこの男は外から鍵の部分をカチャカチャいじくり出したのです。

すぐに携帯電話から「変な人が私たちのフラットに入り込もうとしています」と警察に電話するヤエル。

ようやく事態の重さに気付いて、机で入り口を封鎖したジェームズ。

本当にあった怖いお話

再現映像


なぜかほうきとかつかんでみて、怖い気持ちを誤魔化してみたりする僕。
本当にあった怖いお話

再現映像パート2


その体勢のまま20秒くらい静止していると、なんだか外が騒がしくなってきました。恐る恐るドアを開けてみると、もう、警察が到着しています。そして、その警察の前にはドレッド男が。

警察
「通報があったが、変な奴ってどいつだ」

ドレッド男を指差す3人一同。

警察
「このドレッド・ヘアの男か」

頷く3人一同。

その時、半地階からスキンヘッドの男が出てきました。先日、私たちのフラットに引っ越してきたばかりの新入居人です。どうやら、このドレッド男はスキンヘッドの弟だったようなのです。だって「俺の弟に何するんだ!」と逆ギレされたから。警察は「勘違いで良かったです」と温かい言葉を残しながらすぐに退散しました。

でもドレッド男とスキンヘッドに血縁関係があるって本当に信じていいのでしょうか。そもそもなぜこのドレッド男は名乗らなかったのか。なぜ「妹に会いたい」なんていったのか。なぜヤエルが住む「部屋番号3」を探していたのか。なぜ深夜に玄関のベルなんて鳴らしたのか。結局分からずじまい。

釈然としないまま、怖い記憶ばかりが残って、この日はそのままほうきを抱きながら寝ました。お陰で今日は寝不足です。(籠)

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