ドン・キホーテの足跡を求めて(前編)

2009年01月06日 By 編集部員(籠)

新年明けましておめでとうございます。2009年1発目となる編集日記では、ある1人の男の年末年始を描いた小話をお届けしたいと存じます。

ロンドン市内のとあるオフィス・ビルに、いまだ発展途上の編集者が佇んでいました。在英邦人向けのフリーペーパー「英国ニュースダイジェスト」の2008年最終版の締め切りを何とか終えたその男は、年末年始の休暇を、今さらながらどう過ごすか考えあぐねていたのです。

そのとき、男の目に入ったのは、知人が日本から送ってくれたスペインの文豪セルバンテス著作の「ドン・キホーテ」。騎士道の読み過ぎで狂ってしまった男を描いたこの物語に運命的な何かを感じた男は、「短絡的だなあ」と呟きながらも、ドン・キホーテの舞台を目指してスペインのマドリードで年越しを過ごすことを決めたのでした。

ドン・キホーテ
前後編それぞれ3巻ずつある、冗長過ぎやしないかとも頻繁に感じた物語でした

ロンドン郊外に位置するガトウィック空港から飛行機に乗ってマドリードに到着した男はさっそく、市内中心のスペイン広場に建つドン・キホーテ像の前で、記念写真を撮影したのでありました。
マドリッド
ところでロンドンでは寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか

そして旅の途中で、ドン・キホーテの愛馬として知られるロシナンテという名の駄馬にも出会います。

ドン・キホーテ
盗難予防のためにと推奨されているお買い物袋を利用しての旅となりました

ただ男はこの馬を思うように操ることができなかったようで……

ドン・キホーテ
写真だけ見ると何しているのか分からないでしょ

前にも後ろにも……

ドン・キホーテ
たぶん僕の体重にバネが耐えられなかったのだと思うのです

そして横にも移動することができませんでした

ドン・キホーテ
気付いたら体は砂だらけになっていました

しかしこうした数々の困難にもめげず、男は旅路を歩んでいくのでした。(続く)

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