ロリータおじさんに叱られた

2011年7月28日 By 編集部員(籠)

7月22日~24日までロンドンで行われた、日本食と日本のポップ・カルチャー・イベント「ハイパー・ジャパン」での出来事です。

会場は、コスプレとか、ロリータとか、オタクだとか呼ばれる人がいっぱい。ちょっと見てくださいよ。

セーラームーン

萌え~


ハイバージャパン

萌え萌え~


ハイバージャパン

?!?!?!


こうしてひたすら萌えの世界に浸っていたところで、突然、僕の視界を遮ったのが、ロリータの恰好した、恐らく50歳ぐらいと思われる英国人のおっさん。既に皆さんもお気付きかと思いますが、「ロリータ」と、「50歳ぐらいのおっさん」って、かなり相性悪いです。さすがに目立っちゃって、周囲の人々から「おい、あのひらひらのスカート履いているの、男だよ」「しかもいい歳したおっさんだよ」みたいなことを言われていました。

どうしてもその存在が気になってしまったので、勇気を振り絞って、僕の方から話し掛けてみることに。といっても、どう話し掛ければいいかもよく分からない。そこで、安直にも「今日のコスプレのテーマは何ですか」と聞いたのが、いけなかったみたい。そのおっさん、ドスの利いた声で、「ちょっと君、こっちに来て」と僕を隅っこに追いやりました。

ロリータおじさん: 「悪気がないのは分かるけど、君は今、私に対して、非常に失礼な物言いをした。分かるかい?」

僕: 「えっ・・・・・・ごめんなさい、分かりません」

ロリータおじさん: 「私は見ての通り、ロリータだ。君はさっき、『コスプレのテーマは何ですか』って聞いたろ」。

僕: 「はい。では、今日のあなたのテーマはロリータってことですか」

ロリータおじさん: 「君、まだ分かっていないようだね。ロリータっていうのは、アニメやゲームのキャラクターの被り物をして満足するだけのコスプレとは違うんだよ。ロリータとは、生活態度であり、価値観であり、哲学だ。ロリータは、コスプレと混同されることを徹底的に嫌う」

僕: 「・・・・・・」

ロリータおじさん: 「まだ納得していないみたいだ。ならば、僕の友人にも聞いてみようか。(と言って、側にいた、同じくロリータ・ファッションに身を包んだ10代ぐらいの少女に声をかける)この日本人記者、私の服を『コスプレ』って呼んだんだ。君がそう言われたら、どう思う?」

10代のロリータ: 「怒って然るべきだと思う」

僕: 「・・・・・・・」

ロリータおじさん: 「これで分かったかい? 今後、ロリータに対して『コスプレ』なんて言っちゃ絶対に駄目だ。相手が私だったから良かったものの、ほかのロリータたちが相手だったらどうなっていたことか」

僕: 「・・・・・・」

ロリータおじさん: 「分かったかい?」

僕: 「は、はい」。

ロリータに、コスプレと言うべからず。(籠)

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