布袋寅泰さんとフィリップ・マーロウ

By 編集部員(籠)

皆様こんにちは。編集部の(籠)です。大変ご無沙汰しておりました。10月にリニューアルしたダイジェストの制作作業とか、その後の祝賀会とか反省会とかようやくひと段落したところです。皆さんはダイジェストの誌面がリニューアルしたって知っていましたか。したんですよ。

リニューアル第1号の特集インタビュー記事には、今年、ロンドンに移住したロック・ミュージシャンの布袋寅泰さんにご登場いただきました。

インタビューが行われたのは、ロンドン市内にある「チャンセリー・コート・ホテル」の地階にある「パール」というバー&レストランの一室。英国の料理番組なんかにもよく登場する米国生まれの日系英国人シェフ、ジュン・タナカがプロデュースする高級感いっぱいの空間です。

チャンセリー・コート・ホテル

「パール」っていう名前だけあって店内は真珠のデザインに満ちているの

皆さんは、「布袋寅泰」という名を聞いてどんな人を思い浮かべますか。正直に言います。僕はほんのりビビッてました。だって、「新・仁義なき戦い」に出演した人ですよ。そうでなくてもロック・ミュージシャンって全般的に破天荒なイメージあるのに。しかも大物芸能人って気を遣うことが多そうじゃないですか。なんか気に障る質問して星一徹みたいにテーブルひっくり返されたりでもしたらこの部屋中に飾られているパールの被害総額はどれくらいになるのだろう、というのが心の内だったんです。

でも、布袋さん、実はとても温かな人でした。ロック・ミュージシャンに対して変な偏見を持っていたことを恥じました。実るほど こうべを垂れる 稲穂かな。

待ち合わせ場所となったホテルのロビーで最初にお会いした瞬間に、布袋さんの方から夜露死苦、じゃなかった「宜しく!」と握手の手を差し出してくれて。

話す言葉も語彙が豊富で、しかも一つひとつの質問にものすごく丁寧に答えてくれる人で。インタビューの会話がそのまま詩になってしまいそうなぐらいに奇麗な言葉遣いをする方でした(このインタビューを録音した音声記録は僕の一生の宝物です)。

写真撮影やらなんやらで長時間拘束しちゃったんだけど「そんなのぜーんぜん気にしなくて大丈夫だよ!」と言ってくれて本当にほっとした。

実際お会いしてみると、逆にあの人が大観衆を前にしてギターをかき鳴らすことを生業としたり、ヤクザ映画の主役を張ったりしているということの方がちょっと信じられないかも。

インタビューを終えての帰り道では、名探偵フィリップ・マーロウの名セリフ「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない」が頭の中でこだましていました。

12月18日にロンドンで行われるコンサートでは、打って変わって猛々しくなった布袋さんに精一杯の声援を送ろうと思っています。みんなでいこうぜ。(籠)

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