ロンドン地下鉄48時間スト、こんなふうにサバイブしてます

by 編集部員(月)

ロンドンでは4日夜から7日朝にかけて、48時間の地下鉄ストが行われています。「なんで48時間ストなのに4日間も影響が及ぶんじゃい!」と解せない思いを抱えつつ、それでも通勤のためにサバイバル・ゲームに参加せざるを得ない社会人の皆さんを代表して、僭越ながらロンドン中心部にオフィスを構えるダイジェストの社員たちの例をご紹介いたします。

例をご紹介する前にまずは今回の地下鉄スト全体の実態、大まかに言うとこんな感じです(当事者による主観含む)。

・スト実施期間は4日夜9時30分から7日朝(だから「朝」っていつまで!?)まで。

・一部路線は運行、ただし運行時間は朝7時から夜11時まで。多くは間引き運行。多数の駅が閉鎖(おまけにロンドン中心部の大部分が閉鎖)。

・地下鉄閉鎖にともないバスが混雑。自動車通勤者増加による道路混雑。

・公共交通機関をあきらめて自転車通勤する人増。徒歩通勤者も増加。

ダイジェスト社員サバイブ例

● 南東部在住Aさんの場合

・ナショナル・レール(地上線)→徒歩なので影響なし。いつも通り出勤。

ナショナル・レールって地味だけど意外と便利なんですよね。今回のストでここまで影響ない人ってかなり珍しいはず。

● 西部在住Bさんの場合

・普段はディストリクト線→ピカデリー線。今回、ピカデリー線は中心部が全滅だったので、一部間引き運行のディストリクト線で行けるところまで行き、そこからバスに乗る計画。

ディストリクト線って、普段から朝の運行本数が少なくて満杯になってしまうことが多いんです。今回はさらに間引き+一部路線のみの運行ということでかなり早めに家を出ているのですが、困ったのが「どの駅にとまるのか、運転手を含め誰も分からない」ということ。一駅ごとに運転手さんが「残念ながら次の駅もとまりません」とか「次の駅はとまります!(自慢げ)」とか放送してくれるのですが、自分の降りたい駅にとまるのか、直前まで分からない。運を天に任せるしかないというスリリングな状況なのです。ちなみに駅が開くか開かないかは、職員がそろったかそろっていないかで判断しているもよう。4、5駅先の駅について「5分後には職員もそろうと思うけど、今は何とも言えない。運が良ければ(hopefullyってこちらは良く使いますねー)とまるよ」なんて運転手さんが教えてくれるんですが、そんな自由集合感覚でいいんですかね……。

5日朝はほぼ全部の駅をすっとばしていて、「残念ながらタワー・ヒル(東部の駅)までとまらないかも……」なんて運転手さんが言っていたので、東西縦断はまっぴらと早々に下りて流れのままに別の地下鉄に乗って、それも早々に降りてバスに乗りました。中心部に近づくほど渋滞はひどくなるので、早め早めの変更決断が勝利のポイント。6日は無事、希望の駅で降りられましたが、その後のバス待ちの列が非常に長かったので、20~30分、歩きました。歩きが一番確実。

● 東部在住Cさんの場合

・ロンドン五輪会場だったストラトフォードよりさらに東に位置するエリアからはるばる中心部にやって来るCさん。普段はナショナル・レール(混んでいたらバス)→セントラル線ですが、ストの影響を鑑み、バス一本に絞ることに。

Aさんのケースと矛盾するようですが、同じナショナル・レールでも東西南北によってその運は大きく左右されます。東部から中心部へ行くナショナル・レールは普段からロンドン郊外からやって来る通勤客で既にいっぱいになっていることが多く、もちろん今回は利用不可。距離は長くともバスに乗れば一本でオフィスまで着くので、5日は朝6時に家を出発。無事バスに乗れたは良いのですが、大通りが大渋滞で全く動かなくなってしまい、途中で下車、生まれて初めてのボリス・バイク(ロンドン各地に駐輪所があるレンタ・サイクル)にチャレンジ! 道路の混雑を横目に自転車で軽やかにオフィス近くまでたどり着いたまでは良かったものの、中心部の駐輪所はどこも満杯。空いている駐輪所を探しまくり、ようやくオフィスに着いたのは11時過ぎでした。通勤時間、計5時間以上なり。あ、6日は学んで朝5時に家を出たら、7時にはオフィスに着いてしまいました。

とまあ、こんな感じでスト期間をサバイブしております。朝オフィスに着いた時点で既に「ミッション・コンプリート」って感じですが、ちゃんと仕事もしていますよ。恐ろしいのはこの「48時間」スト、今月中にもう一回予定されているんですよね。次はサバイブできるだろうか……。

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