車いすテニスのマスターズ最終日に行ってきた

2014年11月30日 by 編集部(籠)

ロンドンのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークで開催された、車いすテニスの世界ランキング上位8人の選手同士で争うマスターズの最終日に行ってきました。

主役は、何と言っても決勝で圧倒的な力の強さを見せつけ、本大会3連覇を成し遂げた日本の国枝慎吾選手。試合後のヒーロー・インタビューでは「調子が良すぎた」みたいなことを言ってましたけど、一人だけもう別次元でした。

とにかく運動量が半端なく、これでもかというぐらいの凄まじいショットを連発。本大会のほかのどの試合よりも観客のテンションは一段も二段も高く、彼が好プレーを披露する度に観客は文字通りどよめいていました。もう「ミスター国枝ショー」って感じ(フェイスブックにも写真動画をUPしたので良かったらみてください)。

人気も抜群です。試合終了後、国枝選手がメディアの写真撮影や記者会見に臨もうと場所を移動する度にファンも民族大移動。優勝後の記者会見が行われている真っ最中に割り込んで国枝選手に感動を直接伝えてしまう日本人ファンまでいたりして(さすがにこの人は運営スタッフから優しい声で注意を受けていたけど)。

国枝選手

試合後、メディアとの写真撮影に臨む国枝選手。
途中からなだれ込んできたファンとの記念撮影会になりました


国枝選手は、以前行った英国ニュースダイジェストのインタビューで「車いすテニスの試合は、そのまま中継して面白いと感じてもらえるだけのレベルにもう達している」と言っていましたが、まさにその面白さを有言実行で十二分に見せつけてくれた試合でありました。

国枝選手の圧倒的なすごさに加えて、今大会を通じて感じたことがもう一つ。それは運営スタッフのホスピタリティーです。最寄駅から会場までのシャトル・バスの運ちゃんから、チケット係のおじさん・おばさん、日本人選手とのサイン会を仕切ってくれたお姉さんたちまでがとっても明るく、そして優しかった。この雰囲気が「何かに似ているな」と思っていたのですが、その正体が何であるかに帰り道で気付きました。2012年のロンドン五輪とパラリンピックのボランティア・スタッフの感じです。あのときも「あれ? イギリス人ってこんなにフレンドリーで明るい人たちだったっけ?」と驚いたんだった。

ロンドン五輪・パラリンピックは「ロンドンにレガシー(遺産)を残す」というテーマを掲げていましたが、オリンピック・パークといった施設や建物だけでなく、もしかしたらその精神までもが遺産として各スポーツの大会に受け継がれているのかも、と勝手ながら思った次第です。

来年も同じ時期にロンドンのオリンピック・パークで車いすテニスのマスターズが開催されるそうなので、まだ国枝選手を生で観たことない人は来年ぜひぜひ。

それではごきげんよう。(籠)

前の記事:
次の記事: