ロンドンの偽警官と偽ツーリストに注意

ブログに初投稿する英国ニュースダイジェストの(嵐)です。

先日、会社帰りの18時半くらいにロンドン中心部ラッセル・スクエア駅近くのブランズウィック・センターで買い物してから帰ろうと歩いていたら、50メートル先くらいから私に向かって早歩きしてくる若干白髪で小太りの60代くらいのおじさんの姿が。ロンドンの地図を片手に、ゆっくりとしたしゃべり方で「ラッセル・スクエア駅はどこか」と質問してきたのです。

「怪しい」という気持ちでいっぱいの私

そのおじさんが歩き始めた場所にはパブもあって外には結構たくさんの人がいたし、ホテルもあって、外に出ているテーブルに着いている人たちも大勢いたのにもかかわらず、わざわざ50メートル近くも歩いて私に聞いてきたことに対して「とっても怪しい」と疑いの気持ちでいっぱいになり、最初からかなり防衛的な態度をとることにしました。

まず、そのおじさんが自分になるべく近寄らないように、少し離れ気味で道案内しようと説明を始めたのですが、おじさんは英語を話せないなのか1回で理解してくれず、自分の持っている地図で示してくれと要求してきました。その際もなるべく近くに寄って来ないように地図を渡してもらい、説明を続けました。

すると、背の高い男が急に「私は警察だ」と言いながら、腰下辺りで警察手帳を上下にパカっと開けて見せつつ、おじさんの背後から現れたのです。過去に読んだ在英国日本国大使館の「偽警官詐欺に関する注意喚起」の記事の手口が思い出され、「絶対こいつ偽者やわ、どっかに隠れとったんちゃうん?」という心の声とともに、SOSモードでいっぱいに。

警官と名乗る男はその後、状況の説明をしてほしかったのか「こっちに来て」と私に向かって話し掛けてきましたが、私の頭の中は早くこの場を去らねばという思いでいっぱいで「私、忙しいから!」と伝えてその場をすぐさま去りました。

その「警官」は特に私を引き留めようともせず、私はできるだけ早く、人がいる方へ向かって歩き、少し経ってから後ろを振り返ると、その2人はまだ同じ場所で親密に何か話している様子でした。

買い物を済ませた後、先ほどの出来事について色々なことが頭を巡り、念のために警察に行ってみたものの時間が遅かったのか閉まっていたので、とりあえず帰宅。まずは忘れないうちにできるだけその人たちの姿や状況の詳細を紙に残すことに。

 

ロンドンの偽警官と偽ツーリスト

記憶が新しいうちに残した似顔絵と状況の詳細のメモ

 

いざ警察へ

翌日の昼休み、その紙を持ってオフォス近くのホルボーン警察署へ行きました。

英国で警察に行ったのは幸か不幸かこれで2回目。7~8年前にブリクストンのDJイベントがあるパブで携帯を盗まれた件で自ら警察署に出向いたとき以来のこと。

ホルボーン警察署はかなり大きいのですが、中に入るとすぐに待合室があり、ガラスの自動ドアの向こうにリポートできる個室が3室ほどあります。しばらく待って自分の番がきて、部屋へ入ると男性の警官がガラス越しに座っており、私は説明をスタート。まず、自分がメモした似顔絵と彼らの特徴を書いた紙を出し、前日に起こった出来事についてすべて話すと、男性警官はその紙を持って部屋の奥へ。しばらくしてから戻ってきて、私自身の詳細と事件内容をコンピュータに打ち込みました。いわく、ブルームズベリー界隈では、こういった「偽警官」によるIDやカードの窃盗が時々起こっているそうで、私の書いたメモに対して「とっても役に立つ」とお礼を言われました。

それから自身の警察手帳を私に見せてくれたので、ラッセル・スクエアで警官と名乗った男が持っていたものと比べることができたのですが、その形は全く違っており、前日の男たちが「偽警官と偽ツーリスト」だったことを再認識。もし、私が親切心を出してその場で対応していたら財布の提示を求められ、現金を抜き取られたかもしれないし、クレジット・カードが不正使用されてしまったかもしれない……そう思ってゾッとしました。

何はともあれ、同じようなことが日本人だけでなく、他の人に起こってほしくないという思いから警察にリポートしてスッキリ。現場のCCTVなども確認し、何か分かれば数日後に警察から連絡がいくかもしれないと言われましたが、まだ受けていないので、犯人の身元は判明していないのでしょう。

皆さん、見知らぬ人に声を掛けられたら気をつけましょう。(嵐)

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