閉館間際のロンドン漱石記念館へ

残念ながら今月末で閉館してしまうロンドン漱石記念館に行ってきました。

地下鉄ノーザン線のクラッパム・コモン駅から歩いて10分程度、閑静な住宅街の一角、実際に漱石が1901年7月20日から1902年12月4日まで下宿していた家 81 The Chase(ロンドンで5回目の下宿)の真向かいにあります。

夏目漱石の下宿 81 The Chase

夏目漱石の下宿 81 The Chase

ブループラーク

ブルー・プラーク NATSUME SOSEKI 1867-1916 Japanese Novelist lived here 1901 1902

ヴィクトリア時代のポスト

漱石が日本への手紙を投函したと思われるビクトリア朝時代のポスト

館内には、漱石研究家の恒松郁生氏が長年かけて蒐集、研究した貴重な資料、漱石の翻訳本などがところ狭しと展示されています。
1900年から1902年まで、約2年にわたる漱石の留学生活の様子が、写真や当時の新聞や雑誌などで解説してあります。

漱石記念館の館内

壁一面に展示された写真や資料

秋山清水氏による漱石の肖像画

秋山清水氏による漱石の肖像画

また、ショーケースには、漱石が鑑賞した演劇のパンフレット、漱石の名前が記載されている1901年度の国勢調査のコピーなどが展示。

国勢調査のコピー

国勢調査のコピー

劇場のパンフレット

漱石の日記に出てきた Her Majesty’s Theatre で上演された「十二夜」のパンフレット

漱石のロンドン

漱石に関連する場所を示した地図

ヴィクトリア女王の葬列

漱石も見物に行ったヴィクトリア女王の葬列の様子。下宿のご主人が漱石を肩車してくれたなどのエピソードが日記にも書かれていました

子どもの本「Droll Doings」

漱石が子どものおみやげに買ったとされる絵本「Droll Doings」

キプリングの本

漱石のお気に入りの英国人作家キプリングの本

写真や資料には、どれも詳しい説明がついていて、劇場や美術館、チャリング・クロス・ロードの書店に通う漱石の姿が目に浮かぶようです。

漱石をまた読み直してみようと思いながら、32年にもわたり記念館を続けてこられた恒松郁生さん、芳子さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

最終開館日は9月28日(水)となりますので、お時間のある方はぜひ!

ロンドン漱石記念館
オープン:水・土曜 11:00〜17:00 / 日曜14:00〜17:00(最終入場は16:30)
入館料:大人£4 / 学生£3(要学生証提示)
80B The Chase, London SW4 0NG
アクセス:Clapham Common (ノーザン線)駅から徒歩約12分
http://www.soseki.org

 

日本の偉人たちの英国留学生活
http://www.news-digest.co.uk/news/features/5570-uk-life-of-the-great-japanese-men.html

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