今回もハイレベル!第27回ビジネス日本語スピーチ・コンテスト

先日2月14日(火)に、ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)で行われた開催27回目となる「ビジネス日本語スピーチ・コンテスト」の決勝大会へ、本選まで選び抜かれた8名のスピーチを拝聴してきました。

日本国籍を持たない外国人ということですが、さすが決勝戦とあって、そしてビジネスでも日本語を使う機会のある出場者達の日本語は本当に素晴らしく、難しいことわざや言い回しまで、スピーチ内容に織り交ぜていました。
また、ビジネスがテーマのこのコンテスト、日本語という言語だけでなく、日本の文化や背景を理解した上で実際に社会に出て、国際的なビジネスの現場を体験しているからこそのプレゼンテーションは、日本人には考えもつかないような独自の観点を持っていて、とても興味深い内容で、感心してしまいました。

大勢の人前で話すことが苦手な私にとっては、ましてや第二言語でなんて、想像するだけで冷や汗がでてきそうですが、出場者達はスピーチの内容のみならず、声の大きさや絶妙な間を使って、雰囲気たっぷりに伝えようとする人、自分の意見をスピーチに盛り込み、力強くプレゼンテーションをする人などなど、立ち居振る舞いも堂々としていて、輝いてみえました!

このようなレベルの高い出場者達の中、1位を受賞したフィリッパさんは、「私はいつも遅れて出勤するが、その代わりに必ず早く帰る」という、 200年前にチャールズ・ラムというイギリス人のエッセイストが書いた言葉から始まり、会場を笑いに包み、日本とイギリスが抱える非効率な労働という問題をテーマに、統計や自身の実体験など交え、様々な観点から、勤務時間を減らすことで労働効率を上げられるのではないか、そのためにはワークライフバランスの改善が必要だと提案しました。最後も「さぁ皆様も今日から早く帰りましょう!」という締めで会場を沸かせていました。目を閉じていたら日本人なのかと思わせるほどなめらかな日本語で、中学生の時ピカチュー(ポケモン)を好きになり、それが日本語を学ぶきっかけとなったそう。アニメの力はこんなにも偉大なのだと、日本の文化の凄さも再確認してしまいました。

スピーチ・コンテスト

1位を勝ち取ったフィリッパさん

また、他の出場者とは少し異なった観点から発表し3位を受賞したのはジョナサン・メイさん。彼は大学で哲学を学んだため、国際的な言葉のコミュニケーションについての問題を、哲学的な観点から分析など踏まえ、また、ライオン語が分かってもライオンとコミュニケーションは出来ないというユーモア溢れる例えを出して、言葉が分かっても、単語や文法などだけでは伝わらないこともある、文化や背景を知ってこそコミュニケーションが成り立つと説明し、積極的に海外へ出て文化や背景を肌で感じてほしいという意見を述べていました。

スピーチ・コンテスト

3位を受賞したジョナサン・メイさん

特別賞を受賞した中国系イギリス人というビクター・チューアさんは、日本語も堪能で、容姿も日本人に見えてしまうため、スピーチの際に「よく日本人に間違われます!」と観客を笑わせ、スピーチ後の質疑応答の際にも、「日本人に間違われることで困ったことは?」という質問に、「日本人に間違われることで困ったことはないが、中国語が日本語より出来ないので中国語はもっと勉強しないといけない」と回答し、会場を笑いに包んでいました。

スピーチ・コンテスト2017

特別賞を受賞した中国系イギリス人というビクター・チューアさん

皆さんこんな突然の質問でも日本語で笑いを取り回答できるなんて、どんなに練習、勉強しているのだろうと思うと、同じビジネスマンとして忙しさに感けて時間がないなんて言っていられないなと、奮い立たされた良い機会となりました。

前の記事:
次の記事: