光の祭典「リュミエール・ロンドン 2018」

冬のロンドンをカラフルに彩る、光のアート・イベント「リュミエール・ロンドン」が、スケールアップして2年ぶりに再登場。インスタレーションや建築物に映像を映し出すプロジェクション・マッピング、体験型など、さまざまなアートが、6つのエリアに4日間にわたり設置されました。ピカデリーやオックスフォード・サーカスなどは、歩行者天国となり多くの人で賑わいました。その中から特に印象に残った作品をご紹介します。

● ウェスト・エンド・エリア

Origin of the World Bubble 2018 by Miguel Chevalier
オックスフォード・サーカスの交差点に吊るされた巨大な球体。サイケデリックな模様が切り替わるこの球体は、微生物学や細胞などからインスパイアされたアートのようです。

リュミエール・ロンドン

イベント開始の2週間前から設置準備されていた巨大な球体は、SNSでも何が起こるのかと話題になっていました。

Flamingo Flyway by Lantern Company with Jo Pocock
ソーホーの中華街にはフラミンゴが出現!中華街の門と幻想的な雰囲気がマッチしていて、とても美しい光景でした。

リュミエール・ロンドン

沢山の人であふれるチャイナ・タウンに現れたフラミンゴ

Aquarium by Benedetto Bufalino and Benoit Deseille
ロンドン名物、赤い電話ボックスが水槽に変身!いるはずのない金魚が電話機のまわりを縦横無尽に泳ぐ様子を見ていると不思議な感覚に陥ります。イベント中は定期的に水温を測るなど、金魚のヘルスチェックがきちんと行われていたようです。

リュミエール・ロンドン

今ではほとんど使用されなくなった電話ボックスに、大勢の人が群がり、こぞって写真を撮っている様子もシュールで面白かったです。

Aquarium

Nightlife by Lantern Company with Jo Pocock
いつも多くの人で賑わうレスター・スクエアには、ウサギ、キツネ、カエルなどが登場。野生動物をリアルに象ったランタンと夜の都会とのミスマッチが、ファンタジーな世界を作り出していました。

リュミエール・ロンドン

キツネ

リュミエール・ロンドン

ウサギ

リュミエール・ロンドン

カエル

リュミエール・ロンドン

Badger(バジャー)と呼ばれるアナグマ

リス

木の実を持ったリスと野ねずみ

Reflektor by Studio Roso
St James’s Marketに吊るされたダイヤモンドのようなオブジェクト。そこから放射される光がキラキラとビルを照らしてきれいでした。

リュミエール・ロンドン

ダイヤモンドが夜空に浮遊しているよう

Supercube by Stéphane Masson
瓶に映し出される画像(ミニチュアの女性、キリン、ピンクの像など)とノスタルジックな音楽が醸し出す、不思議なインスタレーション。

リュミエール・ロンドン

448個の瓶が使用されているアート

● ウェストミンスター・エリア

The Light of the Spirit (Chapter 2) by Patrice Warrener
ウエストミンスター寺院では一昨年に続き、フランス人アーティストによるプロジェクション・マッピング。色鮮やかでまるで万華鏡を覗いているようです。

リュミエール・ロンドン

いつもとは全く違った雰囲気のウエストミンスター寺院

リュミエール・ロンドン

鮮やかに彩られたGreat North Door。通常の厳かな雰囲気と比べてみるのも面白いかも

Child Hood by Collectif Coin
トラファルガー・スクエアでは、心臓の鼓動と共鳴するかのようなサウンドと共に、白く光るたくさんの風船が点滅しながら、風に揺られていました。

Collectif Coin: Child Hood

● キングス・クロス・エリア

Waterlicht by Daan Roosegaarde
洪水をバーチャルで表現している光と霧の作品。地球温暖化による海面上昇を表現しています。風で流れる霧に光をあてると、その光の揺らぎでまるでオーロラのなかにいるよう。

リュミエール・ロンドン

風で流れる霧に光があたると、その揺らぎはまるでオーロラのなかにいるよう。

Between ranks by Rami Bebawi / kanva
花のような形をした反射板を使用して麦畑を表現。

リュミエール・ロンドン

キングス・クロスに突如現れた光の草原

IFO (Identified Flying Object) by Jacques Rival
ネオンで光る巨大な鳥かご。中にはブランコがあり、自由に遊ぶことができます。

リュミエール・ロンドン

こちらは常設のパブリック・アートワークなのでイベント後も楽しめます。

● メイフェア・エリア

Was That a Dream? by Cédric Le Borgne
メイフェアのバークレー・スクエアには、一羽の鳥のインスタレーション。バラードの名曲「A Nightingale Sang in Berkeley Square」が流れてゆったりした雰囲気の中、多くの人が高い枝にとまった光るナイチンゲールを見つめていました。

リュミエール・ロンドン

チキンワイヤー(鶏飼育用のネット)で作られているナイチンゲールのオブジェ

Love Motion by Rhys Coren
ピカデリーにあるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの前庭は、素敵な音楽の流れ、マチスの切り絵のようなカップルがダンスするアニメーションが映し出されました。

Love Motion by Rhys Coren

ロイヤル・アカデミーのプロジェクション・マッピング

Impulse by Lateral Office and CS Design (Produced by L4 Studio and Wireframe Studio)
光るシーソーが設置されたサウス・モルトン・ストリート。夜の公園で大人も童心に帰り笑顔でギッコンバッタンしていました。

llumaphonium by Michael Davis
光る鉄琴。とても幻想的な音色です。

● サウスバンク・エリア

The Wave by Vertigo 
多くの人でごった返すなか、色やサウンドが刻々と変わる三角のトンネルの中で列を成して歩く様は、まるで初詣にきたようでした(笑)

The Wave by Vertigo

ロンドンは、クリスマスも終わり寂しく、暗くて寒い時期ですが、このようなアート・イベントで街が賑わうのはいいですね。もし来年、または再来年もリュミエールが行われたら、ぜひ皆さんも参加してみてください。

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