チェルシー・フラワー・ショー2015に行ってきた

2015年05月18日 by 編集部(籠)

皆様お久しぶりです。英国ニュースダイジェスト編集部の(籠)です。ロンドンにもついに春が来た! 英国のガーデニング愛好家が殺到する「チェルシー・フラワー・ショー」のプレビューに行ってきたので報告申し上げます。

チェルシー・フラワー・ショーと言えば、まずこの方を紹介しないわけにはいきません。景観アーティストの石原和幸氏です。このショーではもう数えきれないくらい、様々な部門で金賞と部門別の最優秀賞を受賞しています。

景観アーティスト 石原和幸氏

チェルシー・フラワー・ショーにてこれまで数々の賞を受賞してきた石原氏


ここでちょっと補足説明を。チェルシー・フラワー・ショーでは素敵なガーデンが展示されているというだけでなく、それぞれのガーデナーたちが腕を競い合っているんです。言わばガーデニング大会なんですね。ガーデンの種類によって、「ショー・ガーデン」「フレッシュ・ガーデン」「アーチザン・ガーデン」などと分けられ、それぞれ細かい審査項目が定められています。そして、各部門で一定以上の得点を得た作品に対しては金、シルバー・ギルト、銀、銅といった賞が与えられるのです。

ちょっと混乱しがちなのは、金賞を獲得する作品が複数あることも決して珍しくない、という点。例えば昨年は、ショー・ガーデン部門において金賞が6つ出ています。さらにこれとは別に、各部門で最も素晴らしい作品に捧げられる最優秀賞がある。こちらは各部門につき一つのみ。石原氏は昨年、アーチザン・ガーデン部門で金賞と最優秀賞をともに受賞しています。

石原氏は、今年もアーチザン・ガーデン部門への参加です。作品のタイトルは、「Edo no Niwa-Edo Garden」。江戸時代には、日本の園芸文化はすべての日本人に向けて開かれていたという歴史を踏まえて創作したガーデンとのこと。周囲にいたメディアとか関係者らしき人たちが「今年も受賞しそうだね」といったような言葉を交わしていたので、期待大です。

石原和幸氏の作品

石原氏の作品「Edo no Niwa」。植物はほぼすべて現地調達したとのことです


今回は、日本からの出場者がもう一名いらっしゃいます。フレッシュ・ガーデン部門の戸髙文晴氏。作品のタイトルは「Home: Personal Universe Garden」。子供たちは自然に触れることで好奇心を搔き立てられる。大人たちは水のきらめきを見て心を癒される。そんな家族のためのプライベート空間が広がっています。
石原和幸氏の作品

真ん中の滝に随分長いこと見惚れてしまいました


実は戸髙さん、離婚歴があるのだそうです。離婚してから「家族に戻りたい」と言ったら、元の奥さんから「バカ野郎」って言われてしまった。失ってから初めて気付いた大事なもの。離れて暮らし始めてから随分経つお子さんには、もう伝えることができないかもしれない気持ち。遊び心に満ちているように見えるこの作品には、簡単には言葉にはできない、色々な思いが詰まっています。
フレッシュ・ガーデン部門の戸髙文晴氏

あいにくの雨の中、ピースで写真撮影に応じてくれた戸髙氏


お二人の作品は、チェルシー・フラワー・ショーの審査員からどのように評価されるのでしょうか。こっちまで緊張してしまいます。

チェルシー・フラワー・ショー2015の模様を写した写真を英国ニュースダイジェストのフェイスブックにアップしておりますので、宜しければご覧ください。

それではごきげんよう。(籠)

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