オードリー・ヘップバーンの写真展に行ってきた

2015年07月01日 by 編集部(女)

こんにちは。インターンの(女)です。突然ですが、皆さんにとって憧れの人は誰でしょうか。私にとって憧れの人というのはたくさんいて、一人に絞ることはなかなか難しいのですが、その中の一人にオードリー・ヘップバーンがいることは間違いないでしょう。私は小学3年生のとき、映画「ローマの休日」を観て初めて彼女を知りました。白黒の画面に映し出された、無邪気で愛らしく、かつ凛とした彼女はそのときから私の理想像です。現在、ナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催されている「Audrey Hepburn: Portraits of an Icon」のプレビューに行ってきたので、ご報告させていただきます。

このエキシビションではオードリーの幼少期から晩年までを70枚以上もの写真とともに振り返ります。オードリーのファンという方でも、果たしてどのくらい彼女のことを知っているでしょう。もちろん彼女の美貌は周知の事実だと思いますが、出身国はどこか、幼少期には何をしていたのかなど、知らないことも多いのではないでしょうか。私自身、冒頭で彼女を憧れの人と言ってはいますが、彼女の女優としての姿は見たことがあっても、恥ずかしながらそういったことはまるで知らなかったのです。

会場は年代ごとに分けられた3つの部屋から構成されており、1つ目の部屋には幼少期からコーラス・ガールとして活躍していたころまでの写真が展示されています。彼女はベルギー生まれのイギリス人で、幼少期はクラシック・バレエに夢中な美少女でした。ロンドンのウェスト・エンドの舞台に立っていた経験もあります。幼少期の彼女の写真を見て驚いたのは、その顔立ち。あどけなさの中にも、もう既に女優オードリー・ヘップバーンの貫録がありました。また、この部屋には写真だけでなく、オードリーが実際使っていたバレエ・シューズも展示されています。そして、忘れてならないのが彼女の女優としてのキャリアのきっかけともなったコーラス・ガール時代。歳を追うごとに色気を増していく彼女に、多くの写真家が魅了されたと言われています。

オードリー・ヘップバーン写真展

幼少期のオードリー


2つ目の部屋には主にオードリーが女優として最も活躍した1950、60年代の写真が展示されています。映画「ティファニーで朝食を」や「マイ・フェア・レディ」など彼女が主役を務めた名作のワン・シーンも展示されています。最も多くの写真が飾られたこの部屋で私が心惹かれたのは、とびきり鮮やかに撮られた下の写真。ジバンシーのピンクのドレスはオードリーの体をより美しく見せ、「奇麗でしょ」と言わんばかりに振り向く彼女に惚れ惚れしてしまいます。
オードリー・ヘップバーン写真展

ジバンシーのドレスを着ているオードリー


3つ目の部屋には女優業を遠ざかり、後半生をユニセフなど慈善団体の活動に捧げたオードリーの写真が並びます。彼女はアフリカ、南米、アジアなど20カ国以上に出向き、子供たちの援助を絶え間なく行っていたそうです。それまでの女優としての彼女とは明らかに違う、母としての強さなのか、または人としての強さなのか、何とも言えない強さを感じる写真の数々でした。そして、この部屋には26点にも及ぶ、彼女が表紙を飾った雑誌も展示されており、彼女が女優としてだけではなくファッション・アイコンとしても絶大な支持を受けていたことが分かります。
オードリー・ヘップバーン写真展

慈善活動を行うオードリー


また、今回のプレビューにはオードリーの次男であるルカ・ドッティさんも出席していました。憧れの存在のオードリーを「僕の母が……」と語る彼を見て、なんだか私は不思議な気持ちに。というのも、私は白黒の映画でしか彼女を見たことがないわけで、約20年前まで生きていた人とは思えないのです。でも、もし彼女がまだ生きていれば現在86歳で、私の祖母と同じ年齢。だから今回、息子さんを目の前にして私の中のオードリーが少し近くなったような、そんな気がしました。ちなみに、彼のお気に入りは1951年にオードリーがブロードウェイ・ミュージカル「ジジ」で主役を演じたときのもの。長い髪を下ろしたオードリーがとても新鮮な一枚です。
オードリー・ヘップバーン写真展

ブロードウェイ・ミュージカル「ジジ」で主役を演じた時のもの


このように、オードリーの外見的な美しさだけでなく、彼女の人生のストーリーにフォーカスすることで彼女の持つ内面的な美しさも感じることができるエキシビションでした。最後に、亡くなる2年前に撮られたオードリー62歳のときの写真と生前に彼女が残した言葉を添えて、ごきげんよう。(女)
オードリー・ヘップバーン写真展
「魅力的な唇のためには、優しい言葉を紡ぐこと。
愛らしい瞳のためには、人々の素晴らしさをみつけること」

Audrey Hepburn: Portraits of an Icon
2015年10月18日(日)まで
10:00-18:00(木・金は21:00まで)
£9

National Portrait Gallery
St. Martin’s Place, London WC2H 0HE
Tel: 020 7766 7344
Leicester Square/Charing Cross駅
www.npg.org.uk

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