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Fri, 29 March 2024

ダニエル・スチュワードさん
Daniel Steward
Cricket Player / University Student

ダニエル・スチュワードさん
肩書き
クリケット選手、大学生
経歴
1997年4月14日生まれ、千葉県出身。クリケット・クラブでのプレーを趣味とする英国人の父親と紅茶研究家として活動する日本人の母親とともに、幼少期をロンドン郊外ミドルセックスで過ごす。6歳でクリケットを始める。日本の初等教育に相当するプレパラトリー・スクール在学中にミドルセックス地区のクリケット代表に選抜され、同代表の主将に。13歳から18歳まで名門パブリック・スクールのハロー校に在籍。伝統の一戦とされるハロー校対イートン校の試合にも出場し、最終学年では同校クリケット部の主将を務めた。2015年9月よりスコットランドのエディンバラ大学の政治学部に在学中。

クリケットは良き仲間たちと
濃密な時間を過ごせる競技

名門ハロー校のクリケット部主将にはどのようにして選ばれたのでしょうか。

候補者3人が実地試験のようなものと面接を受けるという過程を経て選ばれました。クリケットという競技においては、監督ではなく選手が試合中に様々な判断をしなければならないのですが、同学年では私を含めた3人が作戦を考える役割をよく担っていました。そこでこの3人が主将候補となり、ハロー校が南アフリカ遠征に出掛けた際に、それぞれが別々の試合で主将を務めて能力を試されるという機会があったのです。さらに遠征から戻ってから主将候補の選手と監督そしてコーチによる3者面談が開かれました。最終的に主将に任命された際には、とてもうれしかったです。

クリケットにおける主将の役割を教えてください。

例えばサッカーであれば、主将は何よりもチームの精神的な支柱となることが求められると思います。逆に主将が試合中に戦略を考えてチームメート全員に伝えるという場面はあまりないでしょう。あれだけ試合展開が速いスポーツであれば、一つひとつのプレーに対して作戦を考える時間なんてとてもじゃないけどありませんよね。

一方でクリケットは、戦略を考える機会と時間が山ほどあります。野球の打者に相当するバッツマンがどんな選手であるかによって、投手に相当するボーラーを誰が務めるか、どのような守備隊形をとるかといったようなことを主将が決めます。しかも試合時間はほぼ丸一日、場合によっては数日間続くこともある。主将は、その長い時間の中で起こる様々な出来事に応じて、次々と決めごとをしなくてはなりません。だから、主将は常に冷静であることが重要。パニックを起こしていては、正しい判断などできませんからね。ちなみにクリケットの監督は、日ごろの練習における細かな技術的指導に徹することが多いです。

クリケットというスポーツの最大の魅力は何だと思いますか。

クリケットは試合時間が非常に長いスポーツです。例えば自分がバッツマンとして一度アウトになってしまったら、そのあと半日ぐらいはチームメートのプレーをただ見守るだけということもあります。だから、試合の状況を見守りながら、チームメートと話をする時間がたくさんあるのです。良き仲間たちと濃密な時間をたくさん過ごすことができるという意味では、最高のスポーツだと思います。非常に社交的なスポーツであるという言い方もできるでしょう。逆に言えば、チームメートに恵まれなければ、このスポーツの魅力は半減してしまいますね。

クリケット選手として経験したこれまでで一番のハイライトを教えてください

やはり、名門パブリック・スクール同士の伝統の一戦であるハロー校対イートン校の試合に出場したときでしょう。「クリケットの聖地」と呼ばれる、ロンドン北西部セント・ジョンズ・ウッドにある試合会場のローズに、両校の全校生徒がバスに乗って応援に駆け付けるのです。そして、この試合の応援のときにだけ歌われる歌を皆が合唱する中でプレーします。しかも2014年に行われた試合では、最後に私のキャッチで試合が終了するという幸運にも恵まれました。間違いなく、私のクリケット人生におけるハイライトでした。

Information
「本当の英国」を知りたい方のために

クリケットを始めとする英国ならではの文化に関する情報については、私の母であるスチュワード麻子の書籍「英国スタイルで楽しむ紅茶」(河出書房新社)またはブログhttp://ameblo.jp/asteward でもご覧いただけます。

 
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