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コニストン・ウォーター
Coniston Water
コニストン・ウォーター
~夏休みに行きたい湖水地方②~

芸術家、詩人、そして評論家として19世紀に活躍したジョン・ラスキンは、「革命的な環境保護論者」であったといわれ、ナショナル・トラストの創立にも大きな貢献を果たしました。そのラスキンが晩年に居を構えた場所が、湖水地方にあるコニストン湖の湖畔です。1872年から亡くなるまでの約28年間を過ごしたその邸宅は、ブラントウッドと呼ばれる深い緑に囲まれた場所にあります。

ブラントウッドへは、ナショナル・トラストが運営している18世紀の歴史的蒸気船ゴンドラ号で行くことができます。1859年に産声を上げたこのゴンドラ号は、ベニスのゴンドラとヴィクトリア朝時代の蒸気船技術を組み合わせて造られたものです。船内に一歩足を踏み入れると、深紅のカーテンで装飾されたサロンの豪華さに驚きます。ただの観光船とは一味も二味も違う、エレガントで優美な姿。そして湖上を滑るように走る様は、まさにラスキンが生きたヴィクトリア朝時代を彷佛とさせます。

コニストン湖はウィンダミア湖のさらに西に位置し、その湖畔の多くがいまだ観光地化されず、ラスキンがこよなく愛した美しさを今もまだとどめています。ブラントウッドはこのコニストン湖とウィンダミア湖に挟まれた位置にあり、その北東にはピーターラビットを生んだビアトリクス・ポターのコテッジ、「ヒル・トップ」があります。ポターもラスキン同様、ナショナル・トラストの設立に大きく貢献した1人です。

ゴンドラ号の遊覧コースの地図には「シークレット・ボート」と記された秘密の船が描かれていて、ちょっとした冒険家気分も味わうことができます。また途中の停留場で降りれば、海水浴ならぬ湖水浴を楽しむ家族連れの姿が。そんな夏休みらしい光景を目にすることが出来るのがこの場所の一番の魅力でしょう。(文責・小野まり)

Coniston Water
Address NT Gondola Booking Office
The Hollens, Grasmere, Cumbria LA22 9QZ
map
Tel 015394 41288 (Gondola Pier)
Access Amblesideから車でA593に入り、Lake Roadを終着地点まで行く(専用駐車場あり)。もしくはWindermereからフェリーと車または定期バスを乗り継ぎ約16キロ。
Open Hour

4月~10月末迄毎日。但し天候などによって運行スケジュールが変更されることがあるので、事前に要確認。
£6(子供£3)
詳細は www.nationaltrust.org.uk
Brantwood(ジョン・ラスキンの家) www.brantwood.org.uk

フェル・フット・パーク
Fell Foot Park
フェル・フット・パーク
~夏休みに行きたい湖水地方~

湖水地方にある一番大きな湖、ウィンダミア湖。その最南端の湖畔に位置する、家族で楽しめる気持ちの良い公園がフェル・フット・パークです。

日本でも相変わらず人気の高い湖水地方、せっかく来たのだから・・・・・・とついつい観光優先になってしまいがちですが、子供連れの夏休みぐらいは家族一緒に遊べる場所で、ゆったりとした英国流サマー・ホリデーを体験するのも、悪くありません。

夏場の湖水地方はどこへ行っても観光客でいっぱいですが、ここフェル・フット・パークで目に付くのは地元に住む英国人親子やリピーターばかり。観光地にいることを忘れて、きれいな湖畔でゆったりとした時間を楽しむことができます。

ヴィクトリア朝時代の避暑地として栄えた湖水地方ですが、このフェル・フット・パークもかつてはリーズ市長の個人宅として建てられた、優雅な大邸宅の敷地でした。そして1859年にカーネル・リドラフとい う資産家が買い取り、美しい湖畔にたくさ んのボートハウスを建てました。おそらく 当時、上流階級の湖畔のもてなしの場とし て優雅な一時期を経たのだと思います。

パークの中央には、左の絵に描いたこの 地方特有の石造りのボートハウスが今も 残っています。湖面にはナショナル・トラ ストの印である、オークの葉をあしらった お洒落なボートが並んでいます。 ボートハウスの並びには、同じく石で造 られた天井の高い、居心地の良いティー・ ルームが。湖に面した壁はガラス張りで、 ついつい時間を忘れて長居してしまいそう な空間です。

湖水地方には、このフェル・フット・パーク同様に、素晴らしい湖畔を眺めることができる場所が数多くあります。地元のツーリスト・インフォメーション・センターなどにナショナル・トラストの日本語パンフレットが置いてありますので、是非手に取ってみてください。(文責・小野まり)

Fell Foot Park
Address Newby Bridge, Ulverston, Cumbria LA12 8NNmap
Tel 015395 31273
Access ウィンダミアからA592を南下。ウィンダミア湖の最南東。ウィンダミア駅から約12.8キロ。
Open Hour

開園日時: 毎日9:00~17:00
入園料: 無料 
詳細は www.nationaltrust.org.uk

ショーズ・コーナー
Shaw's Corner
ショーズ・コーナー
~「マイ・フェア・レディ」が生まれた書斎~

ショーズ・コーナーは、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の元となった「ピグマリオン」の原作者、ジョージ・バーナード・ショーが亡くなるまでの44年間を過ごした家です。ロンドンからわずか1時間ほどの距離というのが信じられないくらい、何もない小さな村の中にあります。

1943年に良きパートナーであった妻シャーロットが亡くなった翌年、ショー自らナショナル・トラストに連絡を取り、自分の死後はこの家が同団体によって保存・管理されることを望む意思を伝えてプロパティの寄贈を申し出ました。そしてショーはその後さらに7年にわたってこの家で生活することになります。

玄関をくぐると、そこにはショーが暮らしていた当時そのままの空間が広がっています。玄関ホールにある帽子掛けには彼が使っていた帽子のコレクションとステッキがあって、書斎や寝室も彼の生前そのままの状態で保存されています。直筆の原稿はもとより、机上のタイプライターに挟まれた便箋、ペンやインク瓶もあります。日めくりカレンダーに至っては、ショーが亡くなった日付のままです。

家を一巡した後は、ショーが愛してやまなかったガーデンへ。ショーとシャーロットの遺灰は、ショーの没後に混ぜ合わされてこのガーデンにまかれたそうです。そういえばここで私たちがスケッチをしていたら、当時まだ4歳だった息子がガーデンの松ぼっくりを集めてきました。自由に駆け巡ることができる広々とした芝生がとても気に入ったようです。

ショーはこのガーデンを毎日歩くことを日課としていました。そしてガーデンの奥には、ショーの執筆小屋が建っています。彼は亡くなる最後の年まで、毎日規則正しくこの小屋に向かい、執筆していたのです。この秘密の書斎でショーの数々の名作が生まれたことは、言うまでもありません。(文責・小野まり)

Shaw's Corner
Address Ayot St Lawrence, nr Welwyn, Hertfordshire AL6 9BXmap
Tel 01438 820307
Access A1(M)のJunction 4またはM1のJunction 10からB653に入り、Welwyn Garden CityとLuton Roadの間。Ayot St Lawrence Village内。
Open Hour

開園日時: 3月中旬-10月末の月、火を除く毎日13:00~17:00
詳細は www.nationaltrust.org.uk

スタンデン
Standen
スタンデン
~ウィリアム・モリスを堪能できる~

ロンドンから緑深いイングランド南部へ小1時間ほどドライブすると、ウエスト・サセックスにあるナショナル・トラストのプロパティ、スタンデンに到着します。

ここはウィリアム・モリスゆかりの邸宅。19世紀に英国で起きたアーツ&クラフト運動の中心的存在となったモリス商会によって設計され、1894年に完成しました。同時期に作られたマナー・ハウスなどはシンメトリーなデザインが多いのですが、このスタンデンは時代に反するかのように自由で機能性の高い設計になっています。

設計者はモリスの親友で、モリス商会の家具デザイナーでもあったフィリップ・ウェッブ。内装はウェッブの家具、そして壁紙やカーテンなどのテキスタイルはすべてウィリアム・モリスの手によるものです。この2人の名匠によるオリジナル作品が最も良い状態で数多く保存されている場所が、このスタンデンであると言われています。いわばウィリアム・モリスとモリス商会の結晶のような邸宅です。

初めてここを訪問したのは、もう8年も前のこと。当時のプロパティの責任者は日本の公立校で教師として働いたこともあり、日本語が堪能な人でした。3カ月で58カ所のトラスト取材をしていた途中、家族以外の人間と久々に日本語で話す機会となり、連日のトラスト巡りでの緊張がほっと和らいだ記憶が今も残っています。

見ごたえのある邸内を一巡したら、ガーデンに出てみましょう。夏ならローズ・ガーデンが素晴らしく、秋にはワイルド・フラワーが楽しめるウッドランド・ウォークがお勧めです。

また天井が高く気持ちの良いレストランでは地元産の安全な食材を使った美味しいメニューが充実しています。さらに外せないのが、スタンデンならではのショップ。モリス柄のグッズはもちろんのこと、アーツ&クラフト運動に関する資料などを買い求めることができます。
(文責・小野まり)

Belton House
Address West Hoathly Road East Grinstead West Sussex RH19 4NE map
Tel 01342 323029
Access East Grinsteadの市街中心地からB2110を南へ3.2キロ。
Open Hour

5月中旬~10月下旬迄の
月・火を除く毎日11:00-16:30。
但し7月~9月までは火のみ休。
詳細は www.nationaltrust.org.uk

ウールスソープ・マナー
Woolsthorpe Manor
ウールスソープ・マナー
~アイザック・ニュートンの生家~

東イングランドのリンカンシャー州にあ るウールスソープという小さな村に、こじ んまりとした古い農家が建っています。そ の家の前の芝生には、リンゴの古木と若い 木が1本ずつ。何の変哲もないこの農家こ そ、実はリンゴが木から落ちるのを見て 「万有引力の法則」を発見した天才、アイ ザック・ニュートンの生家なのです。

1642年12月25日、アイザック・ニュー トンはこのウールスソープで生まれまし た。ニュートンが生まれる3カ月前に父親 が内戦で死去し、2年後には母親が再婚。 ニュートンはこの家で祖母によって育てら れます。いわゆる「神童」であったニュー トンは地元のグラマー・スクールを卒業 後、1661年にはケンブリッジのトリニティー・カレッジに入学し数学者の道を進 みます。1665年に学位を取得後、ロンド ンでペストが大流行したため、大学がその 予防のために閉鎖。ニュートンは故郷ウー ルスソープへ戻り、研究を続けます。

そして、この地で研究した1665年後半 から1666年の1年半の間に、ニュートンは 生涯に成し遂げたほとんどの研究の成果を 得ました。このウールスソープ・マナーは、 後に「驚異の1年半」とも呼ばれた時間を 彼が過ごした現場なのです。もちろん、家 の窓から見えるリンゴの古木は、「万有引 力の法則」発見のきっかけになったと言わ れている木です。新しいリンゴの木がその 側にあるのは、台風で古木が朽ちかけた時 に、その子孫を残そうと植えたもの。でも 結局その後元気を取り戻し、今でもしっか りと大地に根を張っています。

ここは30分もあれば十分見て回れるほどの本当に小さな家です。そして、その家に隣接するように建っているのが数年前にで きた「サイエンス・ディスカバリー・セン ター」。この施設はニュートンの残した偉 大な業績を知るとともに、子供も大人も楽 しくニュートンの発明を体験学習できるよ うになっています。
(文責・小野まり)

Woolsthorpe Manor
Address 23 Newton Way, Woolsthorpe-by-Colsterworth
nr Grantham, Lincolnshire NG33 5NR map
Tel 01476 860338
Access Grantham の南約11キロ。A1のColsterworth のラウンドアバウトでB676へ。2番目の交差点を右折後、Water Lane で左折。
Open Hour

開園日時: 3月上旬-10月末の月、火を除く
毎日13:00~17:00。但し3月と10月は土・日のみ。
詳細は www.nationaltrust.org.uk

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