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冷静と情熱の間 ~フランスからKikoriさんが~ 2007年6月5日 |
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By 編集部員(籠)
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冷静と情熱の間 ~フランスからKikoriさんが~ 先週の土曜日に、フランス・ニュースダイジェストのKikoriさんがロンドンにやって来た。
在英邦人の方々にはいまだに余り知られていないことなんだけれども、ニュースダイジェストはフランス、そしてドイツにもオフィスがある。それぞれ現地のニュースやイベントを中心にした記事作りで独自に活動しているのだが、それでも毎日何か、電話なりメールでコミュニケーションを取ることになる。
各国で取り組んでいる課題の進捗状況についての報告。様々なニュースに関する情報交換。編集予算の奪い合い。愚痴り合い。でもお互い顔が見えないまま話してもきりがない、たまには腹を割って話そうか、ということで、フランス・ニュースダイジェストのKikoriさんが、その大きな体をユサユサと揺らして、顔には余裕の笑顔を浮かべながらロンドンにやって来た。しかも、チャーミング・ポイントだった長年生やし続けた自慢のヒゲまで剃り落として、意気揚揚としていた。
ニュースダイジェストでは、こういった会議が年に数回ある。まあ、社会人の出張というのは大概そういうものなのかもしれないが、せっかく外国に来ているのに、暗い部屋で会議だけしてすぐにトンボ帰りということになる。
今回は違った。なぜって、会議の司会が、会議嫌いで有名な英国編集部のN君だったから。N君はKikoriさんのために、会議行程に「16:00 大英博物館見学」と入れておいた。なんてことはない。そんな簡単な一文を挿入するだけで会議はとっとと終了し、Kikoriさんの人生初となる大英博物館見学が実現した。
「館内に入ると、まずは目に入るのがこの美しきグレート・コートです。左手に進みましょう。人だかりになっているところが、Kikoriさんの国が生んだ暴君、皇帝ナポレオンがエジプト遠征から持ち帰ったというロゼッタ・ストーンがありますね。奥に進むと、英国人からパルテノン神殿からもぎ取ってきたという彫刻群、エルギン・マーブル。2階に上りましょう。ほら、Kikoriさんの前で寝転がっているのがミイラですよ」。N君の解説が、手際良く、淀みなく続いていく。
大英博物館ツアーに同行した英国女性編集スタッフのMさんが、ここで割り込むように、「ミイラだったら、ジンジャー見ましょうよ!」と提案する。髪の色がしょうが(ジンジャー)みたいに赤いからそんなニックネームを付けられたというミイラの展示に向かう一同。その中で1人、ちょっと挙動不審になるKikoriさん。尋ねてみると、この博物館のどこかに神社が存在する、と聞いてキョロキョロしてしまったらしい。全く話にならない。「ジンジャー」を「神社」なんて、今時オヤジ・ギャグにもならない。Mさんも、余計なこと言わなくて良かったのだ。
Kikoriさんは気を取り直すと、周りの写真をバシャバシャ撮り始めた。大きな体を狭そうに縮めて小さなコンパクト・カメラを構える姿には、哀愁を感じた。そんなKikoriさんのはしゃぎぶりにMさんは辟易してしまったようで、途中で退却。取り残されたN君は、残りの1日をKikoriさんと2人きりで過ごさなければいけないことなった。そして、自分を置いてけぼりにしたMさんのことを深く呪った。
結局、N君はKikoriさんとロンドン名所めぐりすることにした。ピカデリー・サーカス、リッツ・ホテル、バッキンガム宮殿、そして国会議事堂。そしてN君は思った。「今回は、随分Kikoriさんに恩貸しちゃったな」。パリ出張が楽しみになってきたN君であった。(籠)
Kikoriさんの手記:
http://www.newsdigest.fr/newsfr/content/view/616/40/
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