スコットランドの首都エディンバラ。エディンバラ城、ホリールード宮殿、ロイヤル・マイルを中心としたオールド・タウンなど、世界遺産に指定されたその美しい街並みに惹かれてこの街を訪ねた人は多いことだろう。さらに毎年夏に開催されるエディンバラ・フェスティバルには、はるばる日本からも多くの観光客が押し寄せる。でも英国に住んでいる私たちは、せっかくだから数日滞在するだけの観光客が知らないエディンバラを見つけたい。そこで、今回は、エディンバラにまだまだ沢山ある魅力あるスポットやエピソードを紹介。何度訪れても楽しめる街であることがわかるはずだ。(野口大輔)
エディンバラの忠犬ハチ公 グレーフライアーズ・ボビー
Greyfriars Bobby
川沿いの散歩道 ウォーター・オブ・リース・ウォークウェイ
Water of Leith Walkway
グレーフライアーズ・カークヤード
ここには小説家のアラン・ラムゼイやニュー・タウンの街路を設計した建築家ジェイムズ・クレイグといった、エディンバラゆかりの名士たちの墓が数多くある。
スコットランド国立博物館 独自の歴史や文化を誇るスコットランドを様々な展示を通して紹介している博物館。スコットランドの「生き字引」を目指す人は、この博物館を訪れることから始めよう。
スコットランド国立近代美術館 スコットランドの現代美術の殿堂。ここではピカソやマティス、モンドリアンなど現代美術の巨匠たちの作品やスコットランドのアーティストの作品を鑑賞することが出来る。 唾を浴びる幸運のハート?
ハート・オブ・ミドロジアン
ハート・オブ・ミドロジアンは、ロイヤル・マイルにあるセント・ジャイルズ教会(St GilesCathedral)の西側のドアのそばにある舗道に施されたハート型のモザイク模様。この場所にはかつてTolbooth of Edinburghと呼ばれる建物があった。ここはかつてエディンバラの政治の中心であった一方で、牢獄もあり、公開処刑が行われたいわくつき場所でもある。さて、ここではこのハート・マークに向かって唾を吐いている人を見かけるかもしれない。どうやら「幸運になれますように」という、おまじないみたいなものらしい。かつて牢獄に入れられる悪人がTolboothのドアに向かって唾を吐いた、という言い伝えから発している風習だという。 ちなみにエディンバラを本拠地とするプロ・サッカー・チーム「ハーツ」の正式名称も、ハート・オブ・ミドロジアンFCである。こちらはスコットランドの小説家ウォルター・スコットの同名小説に由来して名付けられたダンス・ホールの名前から取られたらしい。唾を吐いている人の中にはハーツのライバル・チームのファンがいるという噂も。
奇抜な現代建築
スコットランド議事堂
エディンバラというと英国を代表する古都だけに、どうしてもホリールード宮殿やエディンバラ城といった歴史的なスポットに足が向きがちになるのはやむを得ないところ。しかし今、エディンバラは大きく変わりつつある。その変化の一番の象徴として挙げられるのが、スコットランド議事堂だ。この建物は、1997年にスコットランド自治の象徴として議会の開設が認められたことにより建設されることになった。そういう意味では、スコットランドの人々にとって最も重要な建物といえるのではないだろうか。この現代的かつ奇抜なデザインは、バルセロナ生まれの建築家エンリック・ミラージェスによるもの。建設の過程で、一番の非難の対象となったのは、4000万ポンド(約96億円)と見積もられていた建設費用が最終的に約10倍にまで膨れ上がったこと。とても見積もりをしたとは言えない気もするが……。スコットランドのアイデンティティや文化、自然を反映したというデザインに疑問符を付けたくなるが、これまでのエディンバラの雰囲気とはまったくかけ離れた建物は、新しいスコットランドの躍動を表現しているともいえる。とにかく、一見の価値はある。
ハリー・ポッターが生まれたカフェ
エレファント・ハウス
エレファント・ハウスは、エディンバラにあるカフェ。このカフェを特に有名にしたのは、ハリー・ポッターの作者として知られるJ・K・ローリングが、シリーズの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の原稿をこのカフェで書いたと言われているからである。エレファントというその名の通り、店内にはたくさんの象が飾ってある。窓からはエディンバラ城も見える、とても気持ちのいいカフェ。ローリングはエディンバラ城でも眺めながら、コーヒーを片手に小説を書き上げたのだろうか。そんな物思いにふけりながら、コーヒーをすするのもいいかもしれない。 ローリングは、ニコルソンズ・カフェ(Nicolson's Cafe)という別のカフェでも小説を書いていたそうである。残念ながら、こちらは中華料理店になってしまったらしい。
謎の歴史に彩られた教会
ロスリン・チャペル
映画「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台の一つともなったロスリン・チャペル(Rosslyn Chapel)。500年以上にも及ぶ歴史を持つこのチャペルは、他の教会とは全く異なる雰囲気を醸し出している。バラ十字団のシンボルであるバラと十字架で装飾されたこのチャペルで、特筆すべきは、内外に施された彫刻である。キリスト教から異教に至るまで、その彫刻の精巧さ、多様さは見るものを圧倒する。この教会は、テンプル騎士団とのつながりを持つシンクレア家によって建てられたが、それはコロンブスの新大陸発見(1492年)より前のことである。にもかかわらず、とうもろこしやサボテンといった北アメリカの植物の彫刻が存在している。また、キリスト教に関する重大なものがこのチャペルに保管されている、といった伝説もある。「ダ・ヴィンチ・コード」の著者ダン・ブラウンが、このチャペルを訪ねてインスピレーションを得たというのもうなずける。本当に謎に満ち溢れているこの教会。実際に訪ねてみると、あなたも何かを感じられるかもしれない。
渡英を控え予習をたっぷり行った日本在住の知り合いから「エディンバラについて教えて」と聞かれたら、たじろいでしまう人は多いのではなかろうか。ここでは、在英邦人としてそんな好奇心に溢れた日本人観光客を知的に満足させるためのエディンバラにまつわるウンチクをご紹介しよう。世界初のクローン羊がスコットランド国立博物館にある
シャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルがエディンバラ出身で、エディンバラ大学で医学を学んだことはよく知られるところ。さて、ロンドンのベーカー・ストリートと同様に、ここエディンバラにもシャーロック・ホームズの銅像が建っている。実はその銅像の建っている場所は、ドイルの出生地のすぐそば。近くには「コナン・ドイル」と名づけられたパブもあり、地元出身の名士を称えている。住所: Picardy Place Edinburgh EH1 3JT エディンバラの街は火山の上に作られている 例えば、エディンバラ城は、3億年以上前に火山の爆発によってできた丘の上に建てられている。またロイヤル・マイルから見える、標高250メートルのアーサーズ・シート(Arthur's Seat)と呼ばれるこの丘もかつては火山だった。
発明家グラハム・ベルはエディンバラ出身だった エディンバラで浜松の大凧が舞う 日時: 9月2日(日) 会場: Lauriston Castle 住所: 2a Cramond Road South Davidson's Mains, Edinburgh EH4 5QD 問い合わせ先: 0870 033 9577(渋谷) 住所: Holyrood Palace Royal Mile Edinburgh EH8 8DX Tel: 0131 556 5100 Website: www.royal.gov.uk エディンバラ国際フェスティバル ツアー観光客が知らない、エディンバラの奥深さを紹介してきた今回の特集。でも夏のエディンバラといったら、誰もが知っているエディンバラ国際フェスティバルはやっぱり外せない。フェスティバルが開催されている期間には、人口が約2倍に膨れ上がるとか。今年も世界中から一流のアーティストがこの街に大集結。約3週間にわたってオペラ、ダンス、クラシック・ミュージックそして演劇などの様々なイベントが目白押しだ。開催期間: 8月10日(金)~9月2日(日) Tel: 0131 473 2000 Website: www.eif.co.uk |
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エディンバラを訪れた多くの人が知らないうちに通り過ぎている、グレーフライアーズ・カークヤード(Greyfriars Kirkyard)のすぐそばに立つ犬の銅像。グレーフライアーズ・ボビーと呼ばれるこの犬は、実はエディンバラ版の「忠犬ハチ公」なのである。
エディンバラの街の喧騒に疲れたら、ちょっと足を伸ばしてウォーキングに出かけるのはどうだろう。そこでお勧めなのがウォーター・オブ・リース・ウォークウェイと呼ばれる川沿いの遊歩道。エディンバラを経由して海まで続いている長い道になっている。今回取り上げるのは、エディンバラ市街からスコットランド国立近代美術館とディーン・ギャラリーへと向かうルートだ。
ウォーキングはニュー・タウンの北西から始めるのが良いだろう。この遊歩道に足を踏み入れると、石造りの街並みが続くエディンバラ市街とはうって変わり、自然の息吹が感じられる。そして上流に向かって進んでいくと、川沿いに立ち並ぶ古い建物群が視界に入ってくる。ここはディーン・ビレッジ(Dean Village)と呼ばれる、穀物製粉の村として800年以上も続いた由緒ある歴史的な集落。絵のように美しい光景は、格好の写真撮影スポットだ。さらに川のせせらぎを聞きながらのんびり先へと歩いていくと、スコットランド国立近代美術館にたどり着く。川沿いのウォーキングはここで終了。
ハート・オブ・ミドロジアンは、ロイヤル・マイルにあるセント・ジャイルズ教会(St GilesCathedral)の西側のドアのそばにある舗道に施されたハート型のモザイク模様。この場所にはかつてTolbooth of Edinburghと呼ばれる建物があった。ここはかつてエディンバラの政治の中心であった一方で、牢獄もあり、公開処刑が行われたいわくつき場所でもある。
エディンバラというと英国を代表する古都だけに、どうしてもホリールード宮殿やエディンバラ城といった歴史的なスポットに足が向きがちになるのはやむを得ないところ。しかし今、エディンバラは大きく変わりつつある。その変化の一番の象徴として挙げられるのが、スコットランド議事堂だ。この建物は、1997年にスコットランド自治の象徴として議会の開設が認められたことにより建設されることになった。そういう意味では、スコットランドの人々にとって最も重要な建物といえるのではないだろうか。
エレファント・ハウスは、エディンバラにあるカフェ。このカフェを特に有名にしたのは、ハリー・ポッターの作者として知られるJ・K・ローリングが、シリーズの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の原稿をこのカフェで書いたと言われているからである。
映画「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台の一つともなったロスリン・チャペル(Rosslyn Chapel)。500年以上にも及ぶ歴史を持つこのチャペルは、他の教会とは全く異なる雰囲気を醸し出している。バラ十字団のシンボルであるバラと十字架で装飾されたこのチャペルで、特筆すべきは、内外に施された彫刻である。キリスト教から異教に至るまで、その彫刻の精巧さ、多様さは見るものを圧倒する。
渡英を控え予習をたっぷり行った日本在住の知り合いから「エディンバラについて教えて」と聞かれたら、たじろいでしまう人は多いのではなかろうか。ここでは、在英邦人としてそんな好奇心に溢れた日本人観光客を知的に満足させるためのエディンバラにまつわるウンチクをご紹介しよう。
1861年11月24日、ロイヤル・マイルに面していた築250年の長屋が突然崩れた。その長屋に住んでいた35人の住人が死んでしまうという悲劇だった。ところが、建物の残骸を片付けていたところに崩壊した建物の間から、少年の叫び声が聞こえた。「Heave awa' chaps, I'm no'dead yet".」彼は無事に救出され、崩壊した場所にあたるペイズリー・クロース(Paisley Close)には少年の胸像と言葉が残された。
シャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルがエディンバラ出身で、エディンバラ大学で医学を学んだことはよく知られるところ。さて、ロンドンのベーカー・ストリートと同様に、ここエディンバラにもシャーロック・ホームズの銅像が建っている。実はその銅像の建っている場所は、ドイルの出生地のすぐそば。近くには「コナン・ドイル」と名づけられたパブもあり、地元出身の名士を称えている。
例えば、エディンバラ城は、3億年以上前に火山の爆発によってできた丘の上に建てられている。またロイヤル・マイルから見える、標高250メートルのアーサーズ・シート(Arthur's Seat)と呼ばれるこの丘もかつては火山だった。
ツアー観光客が知らない、エディンバラの奥深さを紹介してきた今回の特集。でも夏のエディンバラといったら、誰もが知っているエディンバラ国際フェスティバルはやっぱり外せない。フェスティバルが開催されている期間には、人口が約2倍に膨れ上がるとか。今年も世界中から一流のアーティストがこの街に大集結。約3週間にわたってオペラ、ダンス、クラシック・ミュージックそして演劇などの様々なイベントが目白押しだ。


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