spacer spacer
Eikoku News Digest
France Germany
UK
search
2008/08/20 Wednesday 16:29 BST
-
HOME
NEWS
英国発ニュース
今週のタブロイド
英国における日本報道
ヨーロッパ三面記事
CLASSIFIED
求人・求職
貸家・貸部屋
マーケット
レッスン
エトセトラ
お申し込み / Apply now
ENTERTAINMENT
2008年 Happy Astrology
当たる!ロンドン占い
隠れ家ストリート
UKグルメ・レストラン
読んで・見て・聞いて
SPECIAL
最新のオススメ特集
BLOG
セレブの部屋
ダイジェスト編集日記
COLUMN
バスカー土門の人生相談
木をみて森もみる
お遍路さんがゆく
この言葉 名言に想う
知って楽しい建築ウンチク
LIFE
UKビザ必勝法
Mr.Cityの世界経済
マネー教室
在英日本人の本音
CURRENCY
Exchange rate on 2008.08.20

GBP GBP  JPY JPY
1.00  204.53
0.000 %

Edit - About - More

 
HOME arrow 木をみて森もみる arrow バックナンバー arrow 第15回 苦情電話も国境を越える。


15 May 2008 vol.1147

第15回-苦情電話も国境を越える。

5月に入って間もない、深夜のことである。

パソコンのアンチウイルス・ソフトが期限切れになり、ダウンロードで新たな日本語版のソフトを購入した。ところが、どうも私のパソコンと新ソフトは相性が悪いようで、ソフトの文字の多くが化けている。説明書を読みながら何度操作しても、結果は同じだ。もともとがパソコンに詳しくないから、もしかしたら、どこかで操作を間違っているのかもしれない。そう思って製造元のサポート・センターに連絡を取った。

これが、しかし、たいへんだった のだ。

◆ ◆ ◆

英国の午前1時すぎ。

「03」で始まる東京の技術サポートに電話をかけた。すると、この電話がつながらない。10数回もダイヤルしただろうか。ようやくつながったと思ったら、「担当者は別のお客さまと対応しております。このまま、しばらくお待ち下さい」というテープが延々と流れる。

やっとのことで相手が出たら、電話口の女性の日本語は、中国語訛りである。中国人であっても、それ自体は問題ないのだが、日本語のニュアンスが分からず、こちらの状態を理解しきれないようだ。通話時間が30分ほどになり、電話代も気になってきたので、「そちらからロンドンに電話してもらえませんか」とお願いしてみた。

すると、「無理です。ここは大連です。国際電話はつながらないと思います」という。いやいや、中国であっても国際電話はできるでしょう? 「では、2時間後に電話します」。2時間も待ったら朝になります。申し訳ないけれど、できるなら、すぐに掛け直してもらえませんか。「分かりました。掛け直します」。

そして、その電話が待てども待てども、かかって来ないのだった。

◆ ◆ ◆

午前2時半だっただろうか。もう一度、こちらから技術サポートに電話したが、やっぱりつながらない。仕方なく、「03」で始まる顧客センターに電話した。再び、中国語訛り。聞くと、やはり大連だという。

事情を説明すると、「技術担当者にすぐロンドンへ電話するよう伝えます」と言ってくれた。でも、技術担当者からは電話が来ない。ようやく電話が来たのは、午前3時半すぎだった。説明によると、ソフトが正常に作動しない理由は不明であり、返品を受け付けるので手続きしてほしい、と。そして「部署が違うので、この電話では手続きができない」と言われ、別の番号を教えられた。

その後は、そう、お察しの通り、この販売担当への電話が全くつながらないのである。そこで、最もつながりやすかった顧客センターに再び電話した。時計はもう朝4時半近い。

「返品の手続きをあなたの部署でお願いできませんか。この通話は録音しているでしょうから、販売担当の方も私の返品意志を確認できるでしょう?」

「できません。販売担当に電話させます。1~2時間、待ってください」

◆ ◆ ◆

個人客の注文や苦情、サポートなどを電話で受け付ける「コール・センター」は、1990年代後半から急に発達した。販売・製造元に代わってそれらの業務を請け負う専門業者も多数誕生。コール・センターは日本各地に次々と開設され、自治体は補助金制度を拡充して誘致を競った。沖縄と北海道が特に多かったのは、人件費が安く、言葉の訛りが少なかったからだという。

それから10年ほどが過ぎ、日本企業のコール・センターは中国に大挙して移動している。成田空港などで提供される「日本での携帯電話無料レンタル」も、申し込み電話に応対するのは中国人だ。電話番号が「03」などの日本国内であっても、電話はすぐ、中国に転送される。しかも、音声ガイダンスに従って操作しても、なかなか担当者にたどり着けない仕組みが実に多い。

英国企業のコール・センターもインドなど人件費が安い他国に多数開設されているし、顧客サポート業務の国境越えは世界的な傾向だと思う。そして、それが進めば進むほど、客のいらいらも世界中でじわじわと沈殿していくのだ。たぶん。

アンチウイルス・ソフトの返品は結局、販売担当者と直接会話しないまま、その日のうちに電子メールで手続きが済んだ。

やれやれ、ほんと、疲れたなあ。


高田 昌幸
北海道新聞ロンドン駐在記者。1960年、高知県生まれ。86年、北海道新聞入社。2004年、北海道警察の裏金問題を追及した報道の取材班代表として、新聞協会賞、菊池寛賞、日本ジャーナリスト会議大賞を受賞。
  spacer  
eBOOK THIS WEEK
木をみて森もみる
バックナンバー
PROMOTION
最新物件情報はこちらから
日本の電化製品を直送!
from News Digest
ご意見・ご感想
リンクダイジェスト
定期購読のお申込み
WEATHER
LONDON
20°C
spacer spacer