
| 本年度の税制と次年度以降の変更事項について |
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4月22日に本年度の予算が発表され、所得税の最高税率が次年度から50%になるなどの様々な変更事項の内容が明らかになりました。そこで今回は、新税率やその他私たちに関連のありそうな変更事項についてお話します。 本年度の所得税率などについて教えてください。本税年度(2009年4月6日から2010年4月5日まで)における給料などの勤労所得に適用される税率は下表の通りです(*)。一人一税年度につき基礎控除(税金のかからない所得)が設けられており、こちらをまず所得から差し引きます。その後所得金額に応じて20%、40%の税率が適用されます。 例えば年収が3万ポンドの方は、(£30,000-£6,475)x 20% = £4,705の税金を払うことになります。ただし会社勤めの方は給料支払いの際に税金が差し引かれていますので、別段手続きを取る必要はありません。年収が最高税率に該当する方や自営業の方は、タックス・リターンを申請する必要があります。尚、基礎控除額は65歳以上になりますと増加します(**)。 (*)下記は今後発表になるFinance Billにて変更される可能性もあります。
タックス・リターンの締め切り日はいつですか。税年度終了後の1月31日です。昨年度(2008年4月6日から2009年4月5日)の締め切りは2010年の1月31日となります。また郵送にて申請する場合は2009年10月31日まで、オンラインにて行う場合は2009年12月31日までとなっています。1月31日の締め切りを過ぎますと100ポンドの罰金が科せられますので、早めに行うようにしましょう。 次年度より最高税率が50%になるのですか。はい、その予定です。景気後退による大幅な税収減や銀行への公的資金注入などにより国家財政は大変悪化しており、何らかの方法で税収入を増やさなければなりません。そこで労働党政府は最高税率を上げることにしたようです。次年度(2010年4月6日以降)より、15万ポンドを超える年収金額には50%の税率が適用される予定です。さらに年収が10万ポンド超の場合、基礎控除額が減額 / なしとなります。具体的には10万ポンドを超える金額2ポンドに対し1ポンドの基礎控除額が減額されます。例えば年収が11万ポンドの場合、基礎控除額(今年の金額を使用)は£6,475-(£110,000-£100,000)/£2 = £1475のみとなってしまいます。 10万ポンド超の所得に対する税率など、今回の予算における変更事項は一般市民には関係のない話ですね。必ずしもそうとは言えません。残念ながら、ナショナル・インシュランスが2011年4月6日から一律0.5%上昇する見込みです。上記基礎税率が適用されるおおよその所得に対して支払う割合は、被雇用者は11%から11.5%へ、自営業者は8%から8.5%へ上がることになります。 年金の税額控除が引き下げられるそうですが……はい、そうです。しかし、こちらも年収が15万ポンドを超える方に対してのみです。従来は年収の100%まで(本年度の限度額24万5000ポンドまで)は個人の所得税率に順じた最高40%の税額控除が適用されていました。しかし、2011年度(***)より15万~18万ポンド超の高額所得者の年金拠出金に対する税額控除は40%~20%へ引き下げられることになる見込みです。 言い換えますと、年収15万ポンド以下の所得者には従来と変わらない税額控除が適用されますので、当面一般の所得者が不利益を被ることはないようです。しかし国家財政が改善しないようですと、この税額控除額がさらに引き下げられることも十分ありえます。該当される方は40%の税額控除が利用できるうちに最大限利用しておきたいところですね。 ISA枠が引き上げられるようですね。はい、本税年度までは7200ポンド(そのうちキャッシュISAは3600ポンド)だった限度額が次年度より1万200ポンドまで(そのうちキャッシュISAは5100ポンドまで)積み立て可能となります。また50歳以上の方は次年度からではなく、今年の10月6日から限度額が10万200ポンドに引き上げられます。 ところで、ISAは非課税の貯蓄・運用口座です。毎年限度額まで積み立てが可能で、増えた分に対する利息も非課税ですので資金が複利で増えていきます。例えば今年7200ポンドの積立金が来年度に8000ポンドになっているとしますと、次年度はこの8000ポンドに対する利息が非課税となります。また定期預金などを除いて資金の引き出しに制限はなく、いつでも現金化できます。積極的に利用したい商品ですね。 キャッシュISAは毎年利用していますが、Stock & Shares ISAはどうもよく分かりません。どのようなことが可能なのでしょうか。Stock & Shares ISAは預金以外の金融商品、例えば、株式・公社債・またそれらを運用対象とした投資信託などで運用します。分散投資や投資専門家にお任せできるとの利点から、投資信託にて運用されることが多いです。投資信託は元本保証ではありませんが、中長期にて投資するために短期的な価格変動を許容できる場合、銀行預金より高い利回りを得られる可能性があります。また、通常投資信託といいますと株式のように価格変動の激しいものを想定しがちですが、国債や社債など比較的安定性のある運用対象を選択することも可能です。現在、公社債投資信託の平均利回りは銀行預金より高くなっています。 キャッシュISAのみを利用していますとISA限度額の半分までしか積み立てできませんが、Stock & Shares ISAを利用することによりその倍の積み立てが可能です。毎年限度額いっぱいに積み立てて複利運用することにより、数年後にはかなりまとまった資金となる場合が多々あります。定年時にはこの蓄積されたISA資金から利息や配当を非課税にて受け取ることも可能なので、年金の不足分を補う商品として検討することもできます。 (**) 収入が2万2900ポンドを超えると減額されます。 次回のマネー教室は8月13日に掲載致します。 当コラムは2009年4月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。ご自身のファイナンシャル・プラニングに関しましては専門家にご相談なさることを強くお勧めいたします。 |
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和枝 ドゥルーリー FPC 日本人ファイナンシャルアドバイザー(FA)。 十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。 e-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk URL: http://www.kazuedrury-ifa.co.uk |


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