
| 駐在員のためのファイナンシャル・プラニング |
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秋は駐在員の方の赴任・帰国のシーズンです。そこで今回は、駐在員の方がより有意義な英国滞在を送られますように、知っててお得なマネー情報をお知らせ致します。 渡英1年目の駐在員です。少し貯金が貯まったので、金利の良い口座の開設を検討しています。「Online Saver」や「E-Saver」などと呼ばれる、インターネットのみで取引を行う貯蓄口座が比較的高い金利を提示しています。通常、最低預金額が10ポンドなどと低く設定されていて、さらには当座預金への送金によりいつでも引き出し可能な柔軟性の高い口座です。取引はインターネットを通じてのみなので、インターネット機能が作動しない場合は取引ができなくなることもあるのでご注意ください。 当座預金がある銀行のインターネット預金であれば、資金が必要な際に当座預金へと瞬時に資金を移動することが可能です。一方、「ING Direct」などの当座預金口座がない銀行の場合は、他行への当座預金口座送金に3、4日かかります。またセキュリティーの理由により送金金額に限度があります。
上表にある「AER」とは何を意味しますか。「Annual Equivalent Rate」のことで、1年間の総利回りを示したものです。銀行によっては、預金当初の一定期間に限って高い金利(ボーナス金利と呼ばれることもあります)を提示することがあります。年1、2回または毎月など金利支払いの頻度によっても表示金利が違ってきますので、AERを目安にすると各銀行の金利を比較するのに便利です。 英国赴任早々の駐在員の妻です。住所の証明がないとの理由で、いまだに銀行口座が開けない状態です。どうしたら良いでしょう。銀行口座を開設するには、パスポートなどの身分証明書と、公共料金の請求書などの住所証明書類が必要になります。問題は住所証明ですが、水道や電気などの公共料金の請求書やカウンシル・タックスの請求書をご主人と奥様の両名義あてに変更してもらうのが得策です。ご主人と同じ姓をお使いでしたら、「Mr & Mrs ~(姓)」と変更してもらうだけで住所証明になります。英語が苦手な場合は、ご主人が働く会社の英国人の同僚にお願いして、電話していただいてもいいかもしれません。 ISA(非課税貯蓄口座)に興味があります。駐在員でも申し込めますか。ISAは英国居住者であれば誰でも設定できますが、開設に当たってはナショナル・インシュランス(NI)番号を必要とする金融機関が多々あります。しかし昨今の駐在員の方は日英の社会保険料免除条約によってNIの支払いが免除されているため、NI番号を持ち合わせておらずお困りの方も多いようです。 NI番号を持たずとも、英国の居住者であれば所得税はきちんと支払っているはずですので、ISAを申し込む資格はあります。金融機関(銀行)にその旨を伝えてみましょう。税年度終了後に会社から支給されるP60には収入と納税額が記載されていますので、持参すると良いかもしれません。資産運用会社が設定するStock & Shares ISA(株式・投資信託)であれば、NI番号なしでもプラン設定が可能な場合が多いです。 国際金融の中心地であるロンドンに住んでいることですし、ちょっとした冒険の意味も込めて、2桁の利回りを期待できる投資信託運用を試したいと思っています。どのような商品がありますか。英国には日本ではアクセスできないような凄腕ファンド・マネージャー(資金運用最高責任者)がいます。小額から投資することが可能ですので、英国滞在中に彼らが運用する投資信託を試してみるのも良い案かもしれません。今年は特に中国・アジアや新興国関連株式などが2桁の運用利回りを達成しています。凄腕ファンド・マネージャーの運用成績をその分野の平均と比較した下の表をご参照ください。平均の30%を上回る成績を達成している方もいるということです。 これらの投資信託は高リスクです。利回りが高い反面、資産が急減する場合もあり、中長期投資が前提の商品となります。このリスクを十分認識してからご検討ください。尚、ISA内にて購入することにより、非課税運用が可能です。
ISAでは運用額が年7200ポンドまでに限定されていましたよね(6月11日付本欄参照)。もう少し高額の資金を扱った節税方法はありませんか。ISAの限度額は次年度(2010年4月6日)から1万200ポンドに増加される予定 * ですが、それ以上の金額でしたらオフショアで設定されるInvestment Bond (ボンド)を検討できるかもしれません。英国の大手保険会社のタックス・ヘイブン(ジャージー島やガンジー島など)支店にて管理運営されている一括投資プランで、複数の投資信託と預金にて運用します。 当プランは保険契約なので、預金利子や売却益はプランを解約するまで課税されることなく複利運用されていきます。また解約の際に英国居住者であれば本人の所得税率で利益に対して所得税が課せられますが、在英邦人の方が帰国後など非居住者になってから解約した場合は非課税となります。 日本からまとまった円を送金する良い方法はありますか。日本から英国への送金については、円を日本の金融機関にてポンドに両替し、金融機関に手数料を支払い電信送金する方法が一般的です。そして為替取引の主なコストが、「スプレッド」と呼ばれる買いレート(TTB)と売りレート(TTS)の差になります。ポンドと円の場合、大手都市銀行ですと通常8円程度です。新生銀行やシティバンクの口座保有者であれば、1~4円と優遇両替コストが適用されることもあります。もし両行に口座がない場合は、個人向けにわずかなスプレッドでリアルタイムの両替を提供する英国内の為替スペシャリスト会社を利用することも検討できます。扱う金額にもよりますが、そうした会社が提供するポンド・円のスプレッドは大抵1~2円のようです。 数年間にわたり英国に住んだ後に本帰国した会社の先輩が、英国国民年金をもらえるはずだと言うのですが、帰国後でも受給資格はあるのでしょうか。英国基礎国民年金(Basic State Pension)の受給有無また受給額は、受取主が在英中であるかその後帰国したかどうかに関わらず、NI支払い年数によって決定されます。従来は年金受給に必要な最低NI支払い年数は男性11年、女性10年でしたが、2010年4月以降に受給年齢(男性65歳・女性60歳 ** )を迎える方々には、この最低年数がなくなります。言い換えますと、1年でもNIを払っていれば、英国基礎国民年金をいただけることになります。結論としまして、過去にNIを支払っていたのであれば帰国後手続きを踏めばもちろん受給可能ですし、帰国後に一定金額のNIをまとめて支払い、受給年金額を増やすことも可能です。 それは吉報です。英国の国民年金ではいくら位もらえるものなのでしょうか。本税年度は満額で週95.25ポンドで、この金額は毎年インフレに連動し増加しています。2010年4月からは満額受け取りに必要なNI支払い年数は30年となり、これ以下の場合は支払い年数に応じて受給額が計算されます。例えばNIを10年間支払っていれば、受給額は95.25ポンド×10年間/30年間=31.75ポンドとなります。基本的に、働いていない配偶者も本人の3分の2程度の金額を受給することが可能です。 (*) 50歳以上の方への適用は2009年10月6日より 次回のマネー教室は12月10日に掲載致します。 当コラムは2009年9月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。ご自身のファイナンシャル・プラニングに関しましては専門家にご相談なさることを強くお勧めいたします。 |
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和枝 ドゥルーリー FPC 日本人ファイナンシャルアドバイザー(FA)。 十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。 e-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk URL: http://www.kazuedrury-ifa.co.uk |





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