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Fri, 23 June 2017

東日本大震災チャリティーCD発売 鈴木奈緒美さんインタビュー

Naomi Suzukiロンドン在住の歌手、鈴木ナオミが、東日本大震災の被災者に向けて応援歌のCDを制作した。CDが売れ続ける限り、その収益金を寄付するという形で継続的に支援が続けられるという彼女の意見に仲間のアーティストたちが賛同。6月28日・29日には、中ノ森文子(中ノ森BAND)、小柳ゆき、夏木マリ、斉藤ノヴといった豪華ゲストをロンドンに招いてのチャリティー・コンサートを主催する。
(執筆: 松永亨(Bash on Production))

*本記事は、6月16日発刊のニュースダイジェストに記載された内容を転載しています


鈴木ナオミ:歌手、女優、司会者としてヨーロッパで活動するマルチ・タレント。6月12日、東日本大震災への応援歌「 Mother」を発表した。

3月上旬。鈴木ナオミは肝機能不全に苦しんでいた。白血球が異常減少し、合併症を起こせば、最悪そのまま死を迎えるという危険な状態。緊急入院後も高熱は下がらず、意識を保てないという絶対安静の日々が続いていたが、ようやく症状が落ち着いた頃、東日本で大震災が起きたというニュースを耳にする。

「病気と向き合いながら、震災で大変な思いをしている人を見て、どうしようもない苦しみに襲われました」。

彼女は無力感に苦しみながら、なにか被災者のためにできることはないかと考えた。朦朧とした意識の中で、いつも心に思い浮かぶのは、ミュージシャンとして、これまで様々な人々に支えられてきた感謝の気持ち。その想いは彼女にとって、唯一の生きる希望となっていた。

鈴木は日本に暮らす人々へ向けた、勇気と笑顔を取り 戻す歌をつくることを病床で誓った。

「私がこの先、生きるためにも必要な決心でした。今、頑張って生きようとしているすべての人への応援歌をつくることが、私の使命だと直感したんです」。

被災者と共同で歌詞を書いた

今年の初頭、日本に一時帰国をした。その時に出会った音楽プロデューサーの穂谷野学氏に応援歌のCD 制作 を相談したところ、快諾してくれた。そして彼自身がプ ロデュースしている中ノ森文子さんを紹介された。

「たまたま故郷が同じだったことが分かり、しかも塾の先生も一緒で(笑)。あんな小さい街の出身者同士が、こんなところで出会うなんてあり得ない!これも何かの御 縁ということで、『同郷コンビが世界から日本を応援します!』というテーマでスタートしたんです」。

気力を振り絞って病床から立ち上がった鈴木は、早速、曲作りを始めた。そんなある日、簡易ブログのツイッターに、見知らぬ被災者の一人から「世界各地から、音楽で被災者の人々を救って欲しい」というメッセージが届 いた。差出人の男性は、震災により自宅が全壊してしまい、 すべてを失っていた。

「でも、彼が毎日弾いていたベースが、奇跡的に瓦礫の中から見付かった。彼は『音楽を続けなさい』という啓示だと受け止め、地元で復興ライブをガンガンやっているそうなんです。私もミュージシャンとして負けられない、という闘争本能に火がついたというか、もっとハートを燃やさなきゃ!みたいな気になりました(笑)」。

彼女はツイッターにメッセージを送ってきた被災者と共同で歌詞を書き上げると、仲間とともに徹夜でレコーディングを行った。参加したミュージシャンは、日本のメジャー・シーンで活躍するアーティストを始め、ロンドン側はジャミロクワイ、シンプリー・レッド、ビョークなどのバック・バンドのメンバーやアレンジャーなど、世界的に活躍する面々がずらりと顔をそろえた。

「後は私のボーカルを録音すれば完成という日を迎えたんですけど、高音域になると自分が思うような声が出ず、一旦、中止しようという瀬戸際まで自分を追いつめちゃったんです。でも、そのとき一緒に作業をしてくれていた原田くまさんの『この曲そのものに、十分ナオミちゃんの気持ちや魅力が詰まっているんだから、後は素直に歌えばいいよ』という言葉を聞いて、肩からスッと力が抜けたんです。それからは、気持ちを切り替えることができて、順調に進みました」。

「とんでもないことでも何だか断れない」

原田くま氏は、欧州各国で40年以上も活躍するベー シスト。これまでヴァン・モリソン、ミック・テイラー、ケイト・ブッシュなど、大物ミュージシャンとの共演も 数多く、また、ドリカムや今井美樹といった日本人アーティストらが絶大な信頼を寄せるプロデューサーでもある。その原田氏は東日本大震災が起きた日に、たまたま 仙台に滞在していた。後ろ髪を引かれる思いでロンドンに戻ってきた原田氏は、このプロジェクトの話を聞いたときに、即答で賛同する意向を伝えたと言う。

理由は、「継続して支援をする」という考え方に共感したから。今回の震災を現地で体感していた彼は、チャリティー・コンサートを開いて義援金を募るということも大切なことだが、とても一度きりの支援で事足りるようなものではないと強く感じていた。だからCDを制作して、1年後も5年後も10年後も、継続して支援を続けていきたいという鈴木の熱意に打たれたと言う。

「ミュージシャンだったら、誰でもCDを発売したり チャリティー・コンサートをすることを考えるよ。でも、僕の今までの経験上、そんな話は色々出ても、なかなか実現することはなかった。でもナオミちゃんには不思議な魅力があって、とんでもないことでも何だか断れないんだよね(笑)。まんまと乗せられちゃうというか(笑)。でも今は、参加して良かったと思います。曲もすごく良いし、皆も気に入ってくれると思うよ」。

そんな原田氏の言葉を横で聞いていた鈴木は、ちょっと恥ずかしそうな笑顔を残しながら、こう言い放った。

「CD制作を手伝ってくれて、ありがとうございました。次は復興チャリティー・コンサートもやりますよ!当然、くまさんも出演OKということで、もう広告に名前載せてありますから」。

命を強く輝かせたい

CD は6月12日に発売された。iTunes やアマゾンで も世界配信されている。さらには、CDの発売を記念し て6月28日・29日に復興チャリティー・コンサートの開催が決定した。当初はこのコンサートの開催は考えていなかったという。

「曲の発表の場をロンドンで作りたいなと考えていました。そんなとき、U2のプロデューサーが主催するコンサートに出演して欲しいというオファーが来たんです。つい数週間前まで死線を彷徨っていた私にも、まだ必要としてくれる人がいるんだと思うと、またまた胸の中が熱くなりました。それで絶対にロンドンでコンサートを開こうと決意したんです。あのときに死んでいたかもしれないと思えば、これぐらいのことができない訳がない!限界を自分で決めるな!って(笑)」。

CDに収録されている「Mother」というタイトルのテーマは、「あなたが私にくれた命があるから、強く強く輝かせたい」というもの。コンサートが終わった瞬間、鈴木やその仲間たち、そして会場を訪れた人々はきっと、今ここに生きているという喜びをともにし、輝くような笑顔に溢れているはずだ。

鈴木ナオミが、今回の震災をずっと忘れないために、そして被災者をずっと応援し続けるために応援歌CDを発売し、6月28日に発売記念ライブを開催。CDの収益金はPlay for Japanから日本赤十字社を通じて東日本大震災の義援金として寄付される。このプロジェクトに賛同した夏木マリ、小柳ゆき、中ノ森文子(中ノ森BAND)といった豪華ミュージジャンが多数参加。
チャリティーCD販売: JP BOOKS
ダウンロード: iTunes、Amazon など
 
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