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Sat, 20 July 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第40回: 財務報告違反審査会: 年次報告書

「FRRPの年次報告書」とは一体何ですか。

毎年9月ごろに、財務報告違反審査会(Financial Reporting Review Panel、FRRP)が年次報告書を出します。FRRPが、対象期間内に公表された財務報告書を調べる中で気付いた間違いについての要点を説明したものがその内容となります。

FRRPが指摘した重要な問題点をいくつか教えてください

以下をご覧ください。

● 取締役報告書と事業概況
2006年会社法の規定では、小規模企業を除くすべての企業は取締役報告書で事業概況を示さなければなりません。事業概況においては、企業が直面している主なリスクや不確実性についての記述など、企業の事業を公正に記載する必要があります。FRRPが示した懸念とは、例えば企業が直面している重要なリスクについて全容が分かるような記述がないことや、リスクと不確実性を明確に分けていないなどの点です。

● 会計方針
会計基準では、財務諸表の理解に関わる重要な会計方針を開示するよう企業に求めています。FRRPが指摘した例では、企業の事業規模、事業の性質や複雑性との関連から重要と思われる会計方針についての記述がありませんでした。

会計方針の開示においては、一文だけの一般的な内容で済ませるのではなく、詳しく記述した情報が必要です。一例を挙げますと、具体的な収益源について、収益認識の適格な基準を満たしている根拠を明確に説明していない企業があるという指摘がなされています。

● 法人税
各企業は、繰延税金資産を税務上の繰越欠損金に計上する必要があるとの指摘がなされています。ただこうした資産は、後に相殺できる将来的な課税利益が見込める場合のみ計上できます。

● 関係当事者の開示
国際財務報告基準(IFRS)では、非常勤の取締役を含めて全取締役が「経営幹部」として関係当事者に該当するため、こうした取締役を開示すべき関係当事者の中に含めなければなりません。FRRPは、こうした利害関係をきちんと開示しようとしていない企業があるとの疑いを持っています。

● 連結財務諸表と個別財務諸表
FRRPは、グループ企業の財務諸表の中に関連子会社の一部が含まれていないとの疑いから、多くの企業に対して異議を唱えました。このため、子会社の連結を裏付けるのに必要と思われる関連情報や説明をすべて入手するための対策を講じるべきとの指摘がなされています。

● 引当金、偶発債務及び偶発資産
財務諸表の開示情報が引当金の必要性を示しているにも関わらず、財務諸表の中では引当金を計上していない事例がある点にFRRPは懸念を表明しました。また引当金が未払費用の中に含まれていて、その費用の性質や予想される支払い期日、出ていく資金の金額や支出時期が不確実な点について開示がない場合もFRRPは異議を唱えました。不利なリース債務が、引当金ではなく未払費用に含まれているものなどがこの例に相当します。

上記の点を情報開示のためのチェック・リストとして利用すれば、犯しやすい間違いを回避するツールとして役立つでしょう。

トニー・サイアン トニー・サイアン
パートナー
監査パートナー。日系企業など国際ビジネスの監査を長年にわたり担当。日本カルチャーへの理解から、迅速かつきめ細かい対応とアドバイスに定評がある。アーセナルの大ファン。

 

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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