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Mon, 16 September 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第54回: 2014年予算案-日本企業への影響

先日の予算案についての演説において、英国の税制に関する様々な改正が発表されたと聞きましたが、本当ですか。

確かに多くの改正が発表されましたが、総選挙が1年後に迫っているため、その内容は有権者のことをかなり意識したものとなっていました。特に年金受給者や貯蓄を持つ人、初めて不動産を買おうという人への支援を示す内容が含まれています。英国に支店や子会社のある日本企業に影響を与えそうな項目もあります。

個人所得税では有利な改正があると聞きました。

はい、その通りです。財務相は、基礎控除額を2014年度に1万ポンド(約170万円)に引き上げると正式に発表し、さらに2015年4月には1万500ポンドにすると明らかにしました。また40%の高額税率が課せられる所得の最低額も今月からわずかですが引き上げられ、来年4月にはさらに引き上げとなります。

我が社の従業員にとっては朗報ですね。

確かに貴社における現地採用の従業員で、標準税率や40%の税率を課せられている人にとっては有利な内容と言えます。また駐在員でも福祉手当を含めた総所得が10万ポンド以下の人であれば、課税後の手取り額は増えます。ただし、総所得が10万ポンドを超える人では、所得が2ポンド増えるごとに基礎控除額は1ポンドずつ減るため、減税の効果は限定的です。

ほかに個人に影響を与える改正はありましたか。

年金受給者は、年金ファンドの利用についての制約が少なくなります。また少額投資非課税制度(ISA)の年間預け入れ限度額も2015年7月1日から1万5000ポンドに引き上げられるので、貯蓄を持つ人には朗報ですね。

企業の場合はどうですか。

財務相は、法人税の標準税率を2015年4月から引き下げることを改めて発表しました。ただ日本のタックス・ヘイブン対策税制との関係で、一部の日本企業には問題が生じる懸念もあります。

また現在、期限付きで引き上げられている年間投資償却(AIA)の上限額が2倍の50万ポンドになる上、期限も2015年12月31日まで延長されるため、設備投資がさらに促進される見込みです。一部のエンタープライズ・ゾーンの企業にとっては、100%を償却できる初年度特別償却の適用も2020年3月31日まで延長されます。

中小企業向けの研究開発(R & D)税制もさらに有利となり、損失を出している企業の税額還付の割合が14.5%に引き上げられます。ただ「中小企業」と見なされるか否かについては英国外の関連企業も含めての判断となるので、大半の日本企業にとって恩恵はなさそうです。

それでは今回の予算案では、企業にとってあまり大きな改正点はないわけですか。

予算案自体にはそれほど大きな改正点はありませんが、財務相の演説を注意深く聞いていた人なら、「企業が利益を国外に移転すること」を食い止める国際的な課税ルールに言及があったことに気付いたかと思います。これは、財務省と歳入関税庁(HMRC)が「税源浸食と利益移転(BEPS)」の対策について詳細を発表したものです。このBEPS対策において、2015年以降に導入される改正点や今年発効する日英租税条約の改正は、予算案よりもはるかに大きな影響を及ぼす可能性があります。

ジョー・ストッブス ジョー・ストッブス
パートナー
税務パートナー。会社設立、資金調達、事業・組織再編における複雑な課題に対して、法人税・源泉税の観点から英国に進出する日系企業をサポート。ビジネス・レベルでの日本語対応可。


 

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