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Tue, 18 June 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

引当金と偶発事象

何年も前であれば、企業は実際の利益を見た上で「望ましい収益状況」を達成するために引当金を計上して利益を操作できました。この会計手法は「ビッグバス会計」と呼ばれ、ある年度に企業が履行の約束のない引当金を計上し、翌年度にそれを覆すということが行われてきたのです。

1980年になると標準会計実務基準書(SSAP)18号の「偶発事象会計」が導入され、これが98年に財務報告基準(FRS)12号(IAS / 国際会計基準37号)の「引当金、偶発負債及び偶発資産」に置き換えられました。FRS12号で定められた要件は、新たな財務報告基準であるFRS102のセクション21に引き継がれています。

引当金が貸借対照表に記載されれば、必ず債務になるということですか。

貸借対照表での引当金の意味合いは、取引先の債権者などに対するほかの債務と同じです。ただFRSでは、引当金を「時期や金額が不確実な負債」と定義しています。一方、取引先の債権者への債務は時期も金額も確実なため、この定義には当てはまりません。

それではどのようなときに引当金が計上できますか。

FRSでは、企業が引当金を計上する必要があるのは次の場合だけと定めています。

• 企業が過去の事象の結果として、報告日時点で債務を持つ。
• 企業は債務を決済するために、経済的便益を流出させる必要性が恐らくある(可能性が高い)。
• 債務の金額について信頼性のある見積りができる。 

企業は財務諸表に計上する引当金について、上記の条件をすべて満たさなければなりません。重要なのは、債務が法的債務か推定的債務かという点です。推定的債務とは、過去の事象によりその企業が債務支払いの責務を果たすことについて、他者が妥当な期待を抱くような債務です。

当社では主要な設備を4年ごとに点検整備していますが、かなりの費用がかさみます。この費用を引当金として、点検整備までの各年度に分けて計上できますか。

そのような費用に対する引当金は認められません。企業の将来的な行動には引当金を計上できないためです。たとえ行動を起こす可能性があるとしても、貸借対照表日の時点で債務がありません。また取締役たちが、点検整備の前にその設備の売却を決める可能性もあります。

偶発債務とは何ですか。

偶発債務とは、可能性はあるものの不確実な債務、あるいは引当金を計上する基準に合わないために計上できない現在の債務のことです。例えば企業が訴訟に関わっていて、報告日の時点では訴訟の結果が不確実な場合です。これは引当金の基準を満たしていないため、財務諸表では注記として偶発債務を開示できます。

引当金あるいは偶発事象は資産になり得ますか。

経済的便益の流入がほぼ確実な場合には、偶発資産ではなく、報告日の時点での資産として計上できます。例えば過去に起きた事象について、保険金が貸借対照表日の後に支払われることを保険会社が確認している場合です。経済的便益の流入が確実ではないもののその可能性が高い場合には、財務諸表で注記として偶発資産を開示する必要があります。

イアン・ロウ イアン・ロウ
パートナー
会計監査部署に所属。25年以上の経験を様々なビジネスにて駆使し、また財務会計に関して企業の立場からアドバイスを提供する姿勢から、多くのクライアントの信用を得ている。

 

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当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
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