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Wed, 23 October 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第34回: 英国での不動産投資に関するVAT

ロンドンにある賃貸用のフラットに投資しようと考えていますが、付加価値税(VAT)を支払う必要はありますか。

リース期間が21年以上の新築フラットならば購入時のVATはゼロ税率です。また中古物件に対してはVATそのものが課税されませんので、売却時も免除されます。

賃貸収入についてはどうですか。

居住用不動産の賃貸収入についてもVATは免除されています。ただし、サービス付き賃貸物件や賃貸収入が年間で7万7000ポンド(950万円)を超える場合には、VAT登録をしてVATを支払う義務が出てくる可能性があります。

居住用不動産には「指定建造物」となっている建物がありますね。これはどういう意味ですか。VATを支払う必要がありますか。

法的に保護の指定を受けた、特殊な建築上の価値や歴史的価値を持つ建物のことです。この指定建造物について、購入時におけるVATの支払いはありません。しかし2012年10月1日より、第1級と第2級の指定建造物の改築・修繕費用にはVATの標準税率(現行20%)が課せられます。

商業不動産でも規則は同じですか。

いいえ、新築の商業不動産の購入にはVATの標準税率が課せられます。この税率は購入時だけでなく最初の売買契約締結日から3年以内の売買にも適用されますが、3年を過ぎると免除されます。ただし、賃貸収入や売却益にVATを課税されることを選択して歳入関税庁(HMRC)に届け出ることも可能です。

なぜ、そんなことをするのですか。購入者やテナントにとっては賃貸や売却時の費用が増えることになりませんか。

VATの課税を選択する主な理由は次の通りです。

1) 新築不動産を購入する際に支払うVATの返還を受けられるようにするため。

2) 不動産を改修する予定で、その改修費用にかかるVATの返還を望んでいる場合。

購入者やテナントがVAT登録をしていれば、購入時などにVATの還付を受けることができ、最終的には高くつくことはありません。

テナントが事業者なら、ほとんどがVAT登録をしていると思いますが。

登録している事業者が多いものの、していない事業者も実際にはかなりあるので注意してください。例えば銀行や保険会社、住宅金融会社、そのほかの金融機関はVAT登録が免除されていますので、こうした企業はVATの還付を受けることができません。

VATの課税を選んだ後に変更はできますか。

一定条件により6カ月のクーリング・オフの期間があります。ただ、この6カ月が過ぎると取り消しができるまで20年間も待たなければなりません。

テナントが入居している不動産で、VATの課税が既に選択されている際にはどうなりますか。

売主が課税を選択している場合には、その不動産の購入は「継続事業の移転(TOGC: Transfer Of Going Concern)」として扱われます。購入時のVATの還付を受けるためVAT登録をして、テナントからは引き続き標準税率20%のVATを徴収する必要があります。この種の投資については規則が複雑なため、必ず専門家のアドバイスを受けてください。

ニック・ニコラウ ニック・ニコラウ
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税務パートナー。国境を越えて展開する日系企業や駐在員への税金アドバイスなど、国際税務を専門とする。税金はコントロール可能な経費、というのが持論。初孫と遊ぶのが週末の楽しみ。

 

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