instagram Facebook ツイッター
ロンドン生活便利サイト neconote
Sun, 18 August 2019

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

第37回: 法定監査の免除に関する改正

大手の国際企業で働いていますが、私が経営に携わる英国子会社は小規模です。もともと小企業は法定監査が必要ない場合が多い上、最近になって監査が免除される対象がさらに拡大されましたね。当社はもう監査が必要ないということですか。

仰る通り、小企業の場合は法定監査を必要としない場合が多く、また最近では監査が免除される対象を広げるために規則が改正されました。ただ、この規則はかなり複雑なので、順を追って見ていくことが大切です。

これまで財務上で小企業であると見なすための基準と、法定監査の免除が認められる小企業であるか否かを区別する基準にやや違いがありました。新規則では、両者の基準が同一となります。これにより、法定監査の義務が免除される小企業が増えます。

当社も法定監査が免除されますか。

法定監査の免除の基準と照らし合わせる際に、子会社の場合はグループ企業全体の規模を合算する必要があります。貴社のグループ企業は大手ということなので、恐らく免除の対象となる基準を超えると思います。その場合には、小企業という理由では免除は受けられません。

なるほど。でもほかの理由で法定監査の免除を認められる場合があるということですね。

その通りです。規則の改正により、企業規模に関係なく、子会社に対しては法定監査を特別に免除することになりました。ただし、一定の条件が課せられます。主な条件としては、親会社が欧州経済領域(EEA)内の企業で、監査を受けた連結財務諸表の中にその子会社を含めるとともに、親会社が子会社の負債をすべて保証することです。

そうですか。当社はフランス企業の子会社ですが、そのフランス企業自体は日本企業の子会社です。その場合は条件に該当しますか。

はい。貴社の場合は、先に述べたそのほかの条件を満たせば法定監査の免除を受けられます。ただし企業が監査を受けるのは、別の理由があることも念頭に入れておくべきです。グループ全体の監査人が監査を必要とする可能性もありますし、規制当局や銀行、顧客、サプライヤーなどがその企業が監査を受けている方が好ましいと考える場合や、監査を受けていることを必要とする場合もあります。

また金融サービス業界のような一部の業種の企業やグループ企業に対しては監査免除の特典が認められない点にも注意してください。

単純に免除が認められるかどうかだけだと考えていましたが、色々と複雑ですね。当社の立場については理解できたと思いますが、専門家に再度確かめてみます。ほかに何か関連した改正点はありますか。

新しい法規では、国際会計基準(IFRS)から英国会計基準(UK GAAP)への切り替えが容易になりました。これまでの規則では、IFRSからUK GAAPへの切り替えは非常に限られた場合にだけ認められていました。改正により、過去5年間に同様の切り替えをしていなければ、どのような事情であっても、IFRSからUK GAAPに会計の枠組みの変更を決めることができます。これにより子会社では、IFRSで義務付けられている情報開示をUK GAAPにおいて軽減することが認められます。

全体としては比較的小さな改正ですが、自社に適用する場合には大きな違いが出てくる可能性があるでしょう。

ジョン・フィッシャー ジョン・フィッシャー
パートナー
Ernst & Young、野村證券を経てグリーンバック・アランへ。会計技術はもちろん、高度なビジネス日本語を操り、日系顧客から大きな信頼を寄せられる。日本語スピーチコンテストでは2年連続入賞。

 

パートナー陣

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ポール
  • 会計パートナー陣ニック
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣シャロン
  • 会計パートナー陣祐介

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

グリーンバック・アラン LLPGreenback Alan LLP
11 Raven Wharf, Lafone Street
London SE1 2LR
Tel: 020-7403-5959
Email: jonf@gballp.com(日本語)
Website: www.gballp.com
  • Facebook

初めての治験はHMR
キャリアコネクションズ ゲンダイ・ゲストハウス
バナー バナー

英国・ドイツニュースダイジェスト主催 フォトコンテスト 2019 ロンドン・レストランガイド ブログ