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Wed, 26 July 2017

本税年度の個人向け税制や貯蓄などの改正事項

4月6日より2017/18税年度が始まりました。今回の所得税・相続税改正は基本的に私たちに有利なようです。個人に影響を与えそうな税制改正のポイントについて勉強していきましょう。

今年の個人所得税変更は納税者に有利になるのでしょうか。

はい、そう言えると思います。税金がかからない収入である基礎控除額(Personal Allowance)が1万1000ポンドから1万1500ポンド(約160万円)に上がります。

例えば年2万5000ポンドの給与所得金額の方の税金は、昨年度(£25,000 -£11,000)× 20% = £2,800から (£25,000 -£11,500)× 20% =£2,700、 と下がります。

また基礎税率(20%)が適用される所得金額が3万3500ポンドに上がりますので、所得の4万5000ポンド(£11,500 + £33,500)までは高税率40%がかからないこととなり、高税率納税者にも有利になると言えます。控除額や税率は下記表をご参照ください。

控除額と所得税率(勤労所得)
税年度2017/182016/17
控除額
(税金のかからない所得)
£11,500 £11,000
*ただし、10万ポンドを超える所得50%に対しては控除額が減少
所得税率基礎控除額を差し引いた後の所得額
基礎税率20% ~£33,500 ~£32,000
高税率40% £33,501~150,000 £32,001~150,000
追加税率45% £150,001~ £150,001~

貯蓄や投資に対する税制はどうですか。

利子の控除(非課税)額であるPersonal Savings Allowance (PSA)や配当の控除額であるDividend Allowance (DA)の金額は下記の通り変更なしです。これらの非課税枠は、前述の所得税控除額に加えて適用となります。例えば、2万5000ポンドの給与収入のある方が300ポンドの銀行利子と500ポンドの株式や投信からの配当を受け取られる場合、利子と配当は控除額以内なので非課税ということです。

税年度2017/182016/17
Dividend Allowance(DA) £5,000 £5,000
Personal Savings
Allowance(PSA)
基礎税率納税者 £1,000 £1,000
高税率納税者 £500 £500

Individual Saving Accounts (ISA)枠が大幅に拡大すると聞きましたが。

はい、本税年度から2万ポンドになります。Junior ISAは4128ポンドです。また、18歳から40歳の方向けのLifetime ISA (LISA)も始まります。こちらは不動産購入か老後向けという使途制限付きの非課税口座で、本人の積立額の25%を政府がボーナスとして追加してくれます。限度額は年4000ポンドですのでボーナス金額は1000ポンドまでとなります。

私たち外国人にとって大きな変化はありますか。

外国人はNon-Domicile (非定住者)と税法上定義され、所得税や相続税に一定の特典が適用されています。例えば、英国外で生じた所得は「送金課税ベース」を選択すれば、英国に送金しない限り非課税ですし、英国外の資産は相続税対象外です。しかしながら、本税年度から過去20税年度中、15年を超えて英国居住者であった場合は「Deemed Domicile」=Domicile(定住者)としてみなされ、それらの特典が失われます。居住して15年までは一定の特典が適用されます。

外国人に適用される税的特典についてもう少し詳しく教えてください。

英国外で生じる所得について、Non-Domicileは「送金課税ベース」か「申告課税ベース」を選択することができます。前者では、英国居住後7年間は、その所得を英国に送金しなければ非課税です。例えば、英国に最近赴任してきた方が日本に残してきた不動産から家賃収入を得ていたとしますと、その家賃所得は英国では非課税です。ただし、家賃収入が2000ポンドを超える場合、前述しました所得控除や利子・配当控除が適用されなくなりますのでご留意ください。更に、過去9年中、7年を超えて英国の居住者であった場合は、年3万ポンド課税され、14年中、12年を超えて居住すると6万ポンドに増えます。

相続税について吉報があると聞きましたが。

英国では通常、死亡した方の財産が相続税非課税枠(Nil Rate Band=NRB)の32万5000ポンドを超える場合、40%の相続税がかかります。居住用不動産の高騰にかかわらず、このNRBは何年も上昇していなく、毎年多くの方、特に不動産価値上昇の激しいロンドン居住者が相続税を払うことになってしまっています。そこで、政府はやっと重い腰を上げ、居住用不動産に対する相続税非課税枠(Resident Nil Rate Band (RNRB))を設定しました。親・祖父母が死亡時に自宅を直系子孫に残す場合は、NRBの32万5000ポンドに加え10万ポンドまで相続税が非課税になります。非課税枠は相続人が死亡した場合に生存する配偶者に残すことが可能ですので、生存した配偶者の資産合計85万ポンド(£325,000 × 2 + £100,000 × 2)まで非課税ということになります。RNRBは毎年徐々に上昇し 2020/21税年度には17万5000ポンドになる予定です。

ほかに良いニュースはありますか。

超低金利は私たちにとって問題です。そのため、政府の金融機関である国民貯蓄投資機構(National Savings & Investments) が3年の定期預金(Savings Bond)を発行します。金利は2.2%(市場状況により変更される場合あり)で16歳以上の方1人につき100ポンドから3000ポンドまで利用できます。今年の4月から1年間提供されるということですが、インターネットでの申し込みに限るようです。

※ 次回のマネー教室は6月16日に掲載致します。
※ 本コラムのバックナンバーにつきましてはこちらをご参照ください。なるほどマネー教室バックナンバー
※ 当コラムは2017年3月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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