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ロンドンのゲストハウス
Mon, 15 July 2019

本税年度の所得税・個人税制に関する改正について

4月6日より2019/20新税年度が始まりました。今回の所得税改正は非課税所得金額が大幅に上がるなど、私たちに有利なようです。個人に対する税制改正のポイントについてじっくり理解しておきましょう。

個人所得税の非課税額が大幅に上がるのですか?

はい、そう言えると思います。収入の内、税金がかからない(税率が0%)金額は前年と比べ5.5%も増え(前年上昇率は3%のみ)1万2500ポンドとなります。1万2500ポンド(約180万円)までは税金がかからないとは低所得者にとって寛容な改正と言えます。ちなみに日本の所得税控除額は48万円(3300ポンド)です。また、20%の税率が課せられる基礎税率所得も3000ポンドも上がる(前年度は1000ポンドのみの上昇でした)ので、所得が5万ポンドを超えなければ、高税率の40%が課せられないということです。控除額や税率は下記表を参照ください。

個人控除額と所得税率(勤労所得)

税年度2018/192019/20
個人控除額 (Personal Allowance) £11,850 £12,500
ただし、右記を超える所得
£2に対し£1控除額が減少
£100,000 £100,000
所得税率控除額を差し引いた後の所得額
基礎税20%のかかる所得 ~ £34,500 ~ £37,500
高税率40%のかかる所得 £34,501~150,000 £37,501~150,000
追加税率45%のかかる所得 £150,001~ £150,001~

具体的な例で説明していただけますか。

年2万5000ポンドの給与所得の方の税金は昨年度の (£25,000-£11,850)x20%=£2,630から本税年度は(£25,000-£12,500)x20%=£2,500と、130ポンド納税額が下がります。同じく5万ポンドの所得者の方は(£34,500x20%)+(£50,000-£46,350)x40% =£8,360から(£37,500x20%)=£7,500と本税年度は860ポンドも下がります。さらに次年度から個人控除額と基礎税率金額はインフレーション(Consumer Price Index (CPI))に連動するということです。

5万ポンドといえば、児童手当(Child Benefit)の支給額が減額され出す所得ですね。この額に変更はありますか。

Child Benefitは子供のいる家庭に支給される福祉金ですが、残念ながら、減額の始まる金額は現状維持のようです。2018/19年は第1子について週20.70ポンド(年1076.40ポンド)、第2子から1人週13.70ポンド(年712ポンド)支給されています。ただし、夫婦どちらかの所得が5万ポンドを超えると高額所得者児童手当税(high-income child benefit charge)が課せられます。超えた分の100ポンドにつき1%が課税されますので、5万6000ポンドの所得のだと(£56,000-£50,000)/100 =60%、つまり60%のChild Benefitを税金として納税することになり、実質Child Benefitの減額となります。子供が1人の場合は£1,076.40x60%=£645.84が納税金額なので実際のChild Benefit金額は430.56ポンドということになります。

国民年金支給額は上がるのでしょうか。

はい、約2.5%上がり、週164.35ポンド(年8546ポンド)から週168.60ポンド(年8767ポンド)に上がります。こちらは2016年以降65歳、35年間NIを支払っていた方の年金(2016年4月に開始された同率国民年金=flat rate single tier state)の金額です。国民年金の受給年齢は今年の65歳から引き上げられる予定で、2020年の10月には66歳になります。

貯蓄や投資に対する税制はどうですか。

銀行預金などの金利収入や株式などからの配当所得にはそれぞれSavings Allowance(SA)、Dividend Allowance(DA)が適用され、一定の金額(下記参照)までは非課税です。本年度は特に変化はないようで、非課税の貯蓄・運用口座(ISA)の枠も前年度と同じ2万ポンドですが、子供向けJunior ISAは4260ポンドから4368ポンドに上がります。

金利・配当収入の控除金額

税年度2018/192019/20
Dividend Allowance (DA) £2,000 £2,000
Savings Allowance (SA)
基礎税率納税者
£1,000 £1,000
高税率納税者(SA) £500 £500
追加税率納税者(SA) £0 £0

不動産関連課税に変化はありますか。

不動産を購入する際にはStamp Dutyという取得税が購入者に課せられ、本年度も同様の税率になる予定です(税率は下記の通り)。初めて不動産を購入する方(First Time Buyer)は購入価格が30万ポンドまでであれば0%、30万ポンドを超える場合は、超えた金額に対し購入価格50万ポンドまで税率が5%になります。日本など、英国外に不動産を所有していてもFirst Time Buyerになりませんのでご留意ください。なお、2軒目の不動産を購入する場合は、追加Stamp Duty の3%がさらにかかります。

居住用不動産に対するStamp Duty rates 2019/20

購入不動産の価値2019/20
£0 ~ £125,000 0%
£125,001~ £250,000 2%
£250,001 ~ £925,000 5%
£925,001 ~ £1,500,000 10%
£1,500,001~ 12%

※ 次回のマネー教室は6月20日に掲載致します。
当コラムは2019年4月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。投資助言を含まない税務助言はFCAに規制されていません。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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