instagram Facebook ツイッター
ロンドンのゲストハウス
Sun, 15 September 2019

新興国への投資

米国と中国の貿易戦争がメディアで騒がれています。トランプ米大統領が中国の台頭を抑えるような合意を結べるか否かにかかわらず、中国が世界経済にとって超大国になるのは目に見えており、急成長を遂げているインドなど他の国も後に続いている様子。今回は新興国への投資について考えてみましょう。

新興国の定義は何でしょうか。

新興国とは日欧米のような経済先進国と肩を並べようと、まい進している高い成長の可能性を秘めた国々のことを言います。「エマージング・カントリー」とも呼ばれ、発展の途上にあるので概して先進国のような厳格な会計水準や証券市場規制を有していませんが、その高い成長率ゆえに投資家に注目されています。具体的には、中南米、東南アジア、中東、東欧などの国々を指し、ブラジル、中国、インドネシア、メキシコ、ロシア、インド、トルコなどが代表的な例です。

どれほど成長率が高いのですか。

国際通貨基金(IMF)発表の世界成長率を引用した、2019年4月13日発行の「フィナンシャル・タイムズ」紙によりますと、2018年の前年対比米国の成長率は2.9%、欧州は1.8%であるのに対し、新興国経済は4.5%に達すると報道されています。長年6%超の成長率を達成している中国経済は今後減速するものの、インド経済は2018年の7.1%から2024年には7.4%へと拡大する見込みとのことです。急増する人口、豊富な若年層、個人の所得水準の向上、拡大する消費市場などが高い成長率の理由として挙げられています。英国の独立系調査会社である経済ビジネス調査センターは2033年の世界経済大国10カ国を下記のように予想しています。

トップ10世界経済大国予想(GDPは10億米ドル単位)

2033年の予想順位2018年の順位国名2033年の予想GDP
1 2 中国 37,706.2
2 1 米国 35,416.0
3 7 インド 10,913.0
4 3 日本 8,571.5
5 4 ドイツ 6,688.8
6 5 英国 4,862.7
7 6 フランス 4,079.0
8 9 ブラジル 3,702.0
9 10 カナダ 3,444.7
10 11 韓国 3,427.0

参照: The World Economic League Table 2019 Center for Business and Economic Research in December 2018.

2017年度の世界人口の順位

順位国名人口
- 世界 7,550,262,101
1 中国 1,409,517,397
2 インド 1,339,180,127
3 米国 324,459,463
4 インドネシア 263,991,379
5 ブラジル 209,288,278
6 パキスタン 197,015,955
7 ナイジェリア 190,886,311
8 バングラディッシュ 164,669,751
9 ロシア 143,989,754
10 メキシコ 129,163,276

Data: United Nations

どのようにこれらの国に投資し経済的恩恵を受けることができるのでしょうか。

経済が拡大すると企業の収益が伸び株価に反映されることになりますので、まずはこれらの国の企業が発行している株式への投資が検討できると思われます。ただ、各国の企業数も相当な数ですので有望な企業を選定するのは至難の業です。そこで投資家への目安として、大手金融機関のモルガン・スタンレーが新興国24カ国の大・中企業の株価を反映させる株価指数(MSCI Emerging markets index)を開発しました。

ではこのインデックス自体を購入すればいいのですか。

インデックス通りに運用されている投資信託を購入することは可能です。ただ、インデックスは各企業の株式時価総額にて構成されているので例えば中国のアリババや韓国のサムスン、または銀行などの大企業の比率がとても大きくなります。一方、インドは若年層が豊富で世界3位の経済大国になると予想されているような高成長を遂げているものの、その株式市場はまだまだ規模が小さいのでインデックス内のインド企業の比率は低いです。従って、そのような将来有望な国の企業を調査・選定し、投資している投資信託も検討できると思われます。右上の図は、先進国株式と新興国株式の長期パフォーマンスを比較したものです。

過去15年の投資信託パフォーマンス(平均値)

過去15年の投資信託パフォーマンス(平均値)

Data: Trustnet 13.6.2019

新興国投資の不利な点は何ですか。

前述したように先進国ほど会計水準は厳格でなく、証券取引規制も整備されていません。また新興国株式は時価総額が小さいため流動性が低く、市場下落時に売却するのが困難になるかもしれません。上記グラフのように、先進国株式に比べとても変動率も高い(高リスク)です。しかし、それを長期的な視野で許容できるのであれば、最終的には相当な資産価値の上昇が見込める可能性をもつ、有意義な投資と言えると思われます。

※ 次回のマネー教室は8月15日に掲載致します。
当コラムは2019年6月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。過去の運用成績は将来のそれを保証するものではなく、投資より元本割れすることもあります。

 
  • Facebook

和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

お金に関する質問受付中!
このコラムで取り上げて欲しいトピックやご質問などを随時受け付けています。ご要望などがありましたら、editorial@news-digest.co.uk までどしどしお寄せください。
※ 件名に「マネー教室」とご記載ください。
※ 郵送でも受け付けております。編集部宛にお送りください。


キャリアコネクションズ ゲンダイ・ゲストハウス
バナー バナー

ロンドン・レストランガイド ブログ