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Fri, 20 October 2017

安心で快適な英国生活を送るための保存版 - 在英邦人のための生活の手引き

春は英国で新生活を始める方の多い季節。新たな決意や希望とともに大きな一歩を踏み出した方々に向けて、英国で暮らす際に気を付けておきたい基本情報をお届けします。来英してからでないと分かりにくい、現地に根差した情報の数々を用意しました。(宮田さち / 本誌編集部)

歯科医療の仕組み
NHSを利用する際の注意点
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NHSにおける歯科医

NHSでは専門医へ行くにはまずGPへ連絡すると先にお伝えしましたが、そのほかの病院と異なり、歯科医はGPを通さずに治療を受けることができます。ただしNHS診療でも料金が発生することに加え、治療方法によってはNHSではなくプライベート料金が適用されることもあります。NHSだから料金が安いだろうと行ってみたら高額だった、という場合もあるので注意が必要です。歯科医では治療開始前に治療費の見積もり額を患者に伝えなければいけないという決まりがあるので、きちんと確認しましょう。

英国の歯科医事情
プライベートの歯科医
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プライベートの歯科医の強みとは

GPと同じように、NHSの歯科医ではすぐに予約が取れない場合が往々にしてあります。しかし、プライベートの歯科医なら問い合わせて即日で治療を受け付けるところもあるので、奥歯の詰め物が取れた、前歯が欠けてしまったといった緊急事態でもすぐ対応してもらえるのが強み。国で定める料金体系に則った治療をするNHSに比べれば料金は割高ですが、高度な技術を要する治療やインプラント、矯正、ホワイトニングなどの、基本的にNHSでは行わない審美治療(Cosmetic Dentistry)を受けることもできます。

歯科専門の保険について

NHS歯科医は無料ではないと前のページでもお知らせしましたが、そのためか、英国には歯の治療に特化した比較的簡単に入れる医療保険が数多く存在します。月々手ごろな料金(年齢やプランにもよる)で利用できるので、使いようによっては、いざというときに心強い味方になってくれるかもしれません。保険にはNHS治療のみをカバーするもの、プライベート治療のみをカバーするもの、NHSとプライベートの両方をカバーするものの3種類があります。ただし多くの場合、治療の3カ月から半年前に加入している必要があるほか、プライベート治療の保険返済額はおよそ55~75%であること、純粋な審美治療に適用される保険は種類が少ないことなどは、知っておいた方が良いでしょう。歯科保険でカバーできる治療の代表的なものは下記の通りです。

保険でカバーできる治療
  • • 定期的な歯のチェック:歯石除去、レントゲンなどのクリーニングや定期検査
  • • 治療と修復:詰め物、クラウン、義歯、入れ歯など。矯正や根管治療が加わる場合も
  • • 口内がんなどの治療
  • • 海外での歯にまつわるアクシデント

※ 保険会社により詳細が異なります

保険会社AXA PPPとDencoverのプランをサンプルに、プライベート治療をカバーするポリシーの一例を上げてみましょう(例は2015年のもの)。

● AXA PPP
60歳の人がPremier Cover プランを選択した場合、年間保険料は246ポンド(1カ月に約20.50ポンド)。チェック・アップや歯石除去、レントゲンは合計年125ポンドまで申請可能で100%カバー。全体の支払い額は1年で1000ポンドまでですが、その枠内でクラウン、詰め物、かぶせ物に利用できるのは500ポンドまで。カバー率は50%となっています。
● Dencover
18~59歳の人がDencover Silver プランを選択した場合、年間保険料は102ポンド。チェック・アップ及びレントゲンは年30ポンドまでで100%、歯石除去は年35ポンドまでで80% カバー。クラウン、詰め物、かぶせ物、入れ歯、根管治療などに利用できるのは年210ポンドまでで55%がカバーされます。

ここではAXA PPPとDencoverを例に取りましたが、歯の保険を扱う会社はほかにも、Boots、BUPA、WPA、Simplyhealthなど色々あります。利用する場合はご自身のニーズに合わせ、最適な保険を選ぶようにしたいものです。

「虫歯」を英語で言うことができますか
歯医者で症状を伝えるための英語表現
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歯医者で使える単語集

虫歯
bad tooth / cavity/tooth decay / corrupt tooth
歯石
calculus / dental stone / scale / tartar
歯冠
crown
入れ歯
artificial tooth / dentures
詰め物
filling
歯茎
gum
根管治療
root canal treatment
親不知
wisdom tooth

歯医者で使える文例集

たぶん虫歯だと思うのですが。
I think I have a cavity.
冷たいものを飲むと歯がしみます。
It feels sensitive when I have cold drinks.
歯がズキズキと痛みます。
I have a throbbing toothache.
歯がぐらぐらします。
My tooth is loose.
詰め物が取れてしまいました。
My tooth filling came out.
被せものが取れてしまいました。
My tooth crown came off.

NHSとプライベートの違い

英国の歯科医は大きく分けて国民医療制度(NHS)の歯科医とプライベート歯科医の2つに分かれます。NHS歯科医は、国で定められた料金体系に則った治療を提供*1。高度な技術を要する治療や審美治療はプライベート歯科医でのみ受けることができます。


審美治療や高度な技術を必要とする施術*2で用いられる用語

ホワイトニング (whitening)
歯石やタバコのヤニなどで変色してしまった歯を明るい白色に戻す施術。
インプラント治療(implants)
歯を失ってしまった箇所に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せる外科手術。
ブリッジ治療(bridges)
抜歯した後で前後の歯を削りながら橋をかけるようにして新しい歯をつくる方法。
歯列矯正(orthodontics)
歪んでしまった歯並びをきちんと整える審美治療のこと。
シーラント(Sealant)
奥歯の噛み合わせ部分にプラスチックを埋め込んで虫歯を予防する方法。

*1 プライベート治療を施すNHS歯科医も多くあります。
*2 NHS歯科医がどのような施術を提供できるかは、治療目的や患者の歯の状態によって異なります。

そのほかの医師とは異なる
英国の特殊な歯科医事情
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NHS歯科医の見つけ方NHS歯科医の見つけ方

NHSサービス提供の病院については、前述したNHSのウェブサイトの中央にある「Dentists」をクリックして、自宅やオフィスなどのポストコードを入力すれば検索できます。GPと同じく、利用者からの評価などを閲覧可。ただGPの場合とは異なり、担当地区が定められているわけではないので、利用者はどの地域の歯科医でも利用することができます。

NHSとプライベートが両方ある歯科医

NHS歯科医院では、NHSとプライベートの両方の治療を提供することがあります。言い換えると、冒頭で紹介した規定の治療費とは全く異なる料金体系で治療を施すことがあるのです。例えば、奥歯の虫歯を治療後に詰め物をする場合、銀色の詰め物であればNHSのサービス、白色の詰め物であればプライベート料金が適用されるといったことが起こり得ます。歯科医では治療開始前に患者にあらかじめ治療費がいくらになるかを伝えなければならない決まりになっているので、きちんと確認しましょう。

治療の選択肢が多いプライベート歯科医

プライベート歯科医では、治療費は各歯科医によって大きく異なります。いずれもNHSではカバーしていない治療までも提供しているのが特徴。とりわけ歯のホワイトニングや矯正治療、インプラント治療などの審美治療はプライベート歯科医でのみ受診することができます。

※ 尚、日本人患者にとっては「一般的な治療」と思えるものでも、英国では「審美治療」に位置付けられる場合があることにあらかじめご注意ください。

またNHSでは予約がすぐに取れない場合が往々にしてあるのに対して、プライベート歯科医の中には問い合わせから即日で治療を受け付けるところがあります。さらに多くのNHS歯科は平日の日中のみ開院する傾向にありますが、プライベート歯科医の中は週末も開院しているものが多いというのも大きな特徴の一つです。

*本稿では主にイングランドを中心とする状況について取り上げています。

 
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