黒田日銀総裁による2%の物価目標
Japan's economy is not like any other economy
日本経済は他国のそれとは違う
「フィナンシャル・タイムズ」紙 4月11日
黒田東彦日本銀行総裁は、イングランド銀行を始めとする各国の中央銀行が定める物価目標と同様の方式を用いて、2015年までに2%のインフレ目標の達成を目指していくとの考えを述べた。しかし、日本経済の実態は他国のそれと大きく異なる。消費者物価は15年にわたり下落し続けており、この傾向は今後も続くという認識が世間に根深く浸透している。このため、黒田氏は諸外国における各中央銀行の総裁よりもずっと強い口調で「中央銀行は物価をコントロールすることができる」というメッセージを発する必要があったのだ。
Now it's your turn, Mr Abe
次は安倍首相の出番
「エコノミスト」誌 4月13日
黒田総裁は、15年にわたり続いたデフレ脱却に向けて異次元金融緩和を進めることを確約した。日本の基準では革命的と評価できる動きである。だが日本のデフレの原因には少子化や国内需要の低下、リスクを恐れる企業による過剰な内部留保といった構造的な問題も含まれており、これらの問題は今後も続く。安倍首相も日本経済の自由化を進めることで、黒田氏に続かなければならない。今後数カ月で、首相が日本の救世主であるか、もしくは異端とされる通貨政策を推進することで日本を滅ぼす存在なのかが明らかになるだろう。