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Sun, 22 April 2018
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在英ジャーナリスト 木村正人氏在英ジャーナリスト
木村正人氏 インタビュー

本コラム「英国ニュースの行間を読め!」でもおなじみのロンドン在住ジャーナリスト、木村正人氏。

2014年11月26日(水)に開催されるWillis、Lloyds Banking Group、Reynolds Porter Chamberlain LLP主催のセミナーでスコットランド独立問題について講演される木村氏に、前職の産経新聞記者時代から現在の活動までを語っていただきました。

まず、産経新聞の記者時代について教えていただけますか。

16年間も大阪で事件記者をしていたので、事件が自分の記者活動の原点となっているというか、朝駆けと夜回りはもはや宮本武蔵の言う「鍛と錬」の域に達しているかな(笑)。38歳まで大阪で殺人や汚職、脱税事件などを手掛けて、大阪府警のキャップをした後に東京へ行きました。それから社長秘書を2年して、米国のニューヨークにあるコロンビア大学へ社費留学。1年2カ月間勉強し、戻って来てから3年政治部にいて憲法改正問題などを担当、その後1年間の外信部デスクを経てロンドンの特派員になりました。

16年間も事件担当というのは珍しいのでは?

16年というのはかなり長い方だと思いますね。英国でも、「タイムズ」紙や「デーリー・テレグラフ」紙、タブロイド紙であっても、事件というのは世相を映している部分があるから、おろそかにはできない。特に新聞メディアはナショナルと言われているけれどもローカルでないとだめなんですね。地方ジャーナリズム、大阪では大阪ジャーナリズムと呼んでいたんだけれども、大阪で地元に密着した問題を取り上げていくというのは、非常に意味のあることだと思います。

そしてその後、ロンドン支局の支局長として渡英されました。

ロンドンには2007年7月に来ました。支局長といっても、英国人の助手が一人と記者は僕だけ。だから最初は苦労しましたね。何ができて何ができないということすら分からず、取材の機会がどの程度あるのかも知らなかったから。

実際の取材活動でご苦労された点は?

一番難しいのは、ロンドンという都市が持っている性格が日本にいると分からないという点。非常に特異な歴史的変革を経て、独自の時間的・地理的位置を持ち、様々な人種がミックスしている、グローバビリティに富んだ場所だから、英国にあるといっても英国じゃないんですよね。目に見えないものが世界中とつながっていて、そんな中でどんどん進化していっている。やはり日本人の意識としては、衛兵交代やビッグ・ベン、ロイヤル・ファミリーが中心で(笑)、少し詳しい人になると英国の民主主義に関心があったり、フィナンシャル・センターとしてのシティの重みを知っている程度。やはり米国中心の世界観が日本にはあるから、その点に気付くのに時間がかかりましたね。で、結局自分が気付いても、日本に伝えるのは非常に難しい。BBCやスカイといったテレビがまず報じて、次の日にタブロイド紙などが伝えたニュースをすぐに送っても、東京は食いついてこない。どのようにニュースが伝播していくかというと、例えばハリー・ポッターのようなネタは別として、知名度のない出来事が起こった場合、米国のメディアが取り上げて初めて日本でもブレイクするんですね。タイムラグがある。

特派員時代に最も印象に残った事件は何でしょう。

やはり2010年の政権交代。当時の首相がナンバー10(首相官邸)から荷物をまとめて出ていき、新しい首相がやって来るまでの時間はわずか1時間半足らず。日本では首相が私邸と公邸の間を行ったり来たりしています。漆黒の扉にある10というシンプルな文字が、心身ともに政治に捧げるということを象徴しているわけです。特に2010年の場合はハング・パーラメントになって、水面下のやり取りが激しかったじゃないですか。(当時の首相の)ブラウンが、最後の最後まで政権を維持することに死力を尽くして、最後に万策尽きてあそこを出た。そのときの最後のスピーチがまた素晴らしかった。多数決で決められて、国民の負託を得て、自分たちがこの国の未来を切り開いていく――民主主義の基本を、自らの行動で示しているんだなと感動しました。

後編に続く

ビジネスセミナー
「スコットランド独立問題の総括と今後の行方」

木村正人のロンドンでつぶやいたろうライブ

2014年11月26日(水) 18:00-20:30
全4回シリーズセミナー 第1回

事態は本当に丸く収まったのか? 在英日本企業の留意点は? など、9月に実施されたスコットランド独立の是非をめぐる住民投票の様子とその後について、現地での取材を行った木村氏に語っていただきます。


特別ゲスト:在エディンバラ日本国領事館総領事 北岡 元氏
メイン・パーソナリティー:ジャーナリスト 木村 正人氏


開催場所:The Willis Building, 51 Lime Street, London EC3M 7DQ
主催:Willis / Lloyds Banking Group / Reynolds Porter Chamberlain LLP
セミナーに関する詳細、お問い合わせ: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください

 
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木村正人氏木村正人(きむら・まさと)
在英国際ジャーナリスト。大阪府警キャップなど産経新聞で16年間、事件記者。元ロンドン支局長。元慶応大法科大学院非常勤講師(憲法)。2002~03年米コロンビア大東アジア研究所客員研究員。著書に「EU崩壊」「見えない世界戦争」。
ブログ: 木村正人のロンドンでつぶやいたろう
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