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Tue, 21 January 2020

英国発ニュース

焦点は貿易交渉―英のEU離脱、第2幕へ

 (ロンドン 1月10日 時事)英政府の欧州連合(EU)離脱関連法案が9日、下院を通過し、今後の焦点は月末の離脱達成を受けて始まる英EUの貿易交渉に移る。話し合いが不調に終われば、「合意なき離脱」に匹敵する規模の混乱が英EU間の貿易に生じる可能性が残っており、英国のEU離脱は第2幕も曲折が予想される。

 「移行期間を延長しなければ(英EUの)新たな協力関係の全ての点では合意を期待できない」。EUのフォンデアライエン欧州委員長は8日の講演でこう強調した。

 移行期間は、英国が離脱後もEU加盟国並みの扱いを受ける特別な措置。離脱に伴う社会・経済の激変を緩和するのが目的で、「事実上のEU残留」(英メディア)に近い。英国がEUから「完全離脱」を果たすのは、同措置の終了後になる。

 移行期間は原則として今年末に終わるが、最大2年の延長もできる。英国とEUはこの間に自由貿易協定(FTA)交渉を済ませ、完全離脱時になるべくスムーズな貿易を確保する方針だ。

 通常、FTA交渉は妥結に数年かかる。しかし、ジョンソン首相は「移行期間を延長しない」と繰り返し主張。下院で可決された離脱関連法案には、延長を禁じる条項すら盛り込まれた。月末の離脱から年末までの11カ月では「短すぎる」というEUの意見に英政府は耳を傾けていない。

 背景には、英国だけでなくEUにも悪影響が及ぶFTA交渉の決裂リスクをちらつかせる瀬戸際戦術によって、EUから譲歩を引き出そうとするジョンソン首相の狙いがあるとみられている。

 EUは、移行期間を年末で打ち切るなら、交渉案件に「優先順位を付ける」(フォンデアライエン氏)と反発。完全離脱時に間に合うFTAは不十分な内容にとどまると警告しており、前哨戦は既に熱を帯びている。

 英国の最大の貿易相手はEU。完全離脱時にFTAが発効していなければ、英EU間の貿易に関税などの制約が課され、現在の自由で円滑な物流は停滞する恐れもある。離脱の成否は、英国がEUと引き続き良好な経済関係を保てるかに懸かっている部分が大きい。
 
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