5秒の進歩

By 編集部員(籠)

昨年10月に、10キロ・マラソンの自己ベスト・タイムを出したレースに今年も挑んできました。 レース会場となったのは、「名は体を表す」という言葉がピタリとはまる、ロンドン西部の高級住宅地、リッチモンドの河岸。

リッチモンド

天気が良いときのこの河沿いの景色は、何回眺めても美しいなと思います

昨年末には、マヨルカに行って100キロの走り込みを行ったり(その後に飲んだビールの味が忘れられない)、Runner’ Worldっていうジョギング愛好者向けの雑誌を購読して走るフォームを研究してみたり(わりと形から入るタイプなんです)と、準備は万端。目指すは、昨年に出した40分59秒の自己ベスト・タイムを1分更新する、40分切りです(おっと大きく出た)。

いつもよりも準備運動を少し多目にしておいて、いざ、ヨーイ・ドン。1キロ4分のペースで突っ走ります。

5秒の進歩

去年のレースのときと比べて、フォームがきれいになったような気がする

前半はこのペースをうまく維持していたのですが、5キロ地点ぐらいから、おっと(籠)選手、早くも苦しくなってきた。この辺りからペースが徐々に落ちていきましたが、それでも般若の形相で、何とか前を走るランナーたちについていきます。そして、最後はゾンビの顔になってゴール。

気になるタイムは、40分54秒。5秒だけ、自己ベストを更新した。

たった5秒。されど5秒。去年のレースの2倍の疲れを感じているのに、200倍うれしい。5秒なんて短い時間を縮めるのってこんなに大変でこんなにうれしいんだって実感した途端、思わず涙が出てきちゃった・・・・・・。だって、ランナーだもん。

5秒の進歩

レース直後に自分のタイムと順位を、ゴール付近に備え付けられたコンピューターがはじき出してくれるんです

ちなみに所詮、素人ランナーたちが、ダイエットや思い出作りのために走ろうね、といった感じで参加するといった趣旨のレースなので、感動の涙を流している人なんて僕のほかにはいなかったんじゃないかと思います。

あと、レースが終わった後は、ついさっきまで必死で競争していた見ず知らずのランナーたちと一緒にお茶を飲んだりバナナを食べたりする習慣みたいなものが少なくとも英国にはあるようで(僕はこの時間が好きでレースに出ているようなものなのですが)、そこでも僕が自己ベストを更新した、ということを我がことのように喜んでくれる赤の他人がいたりして、それもちょっと感動。

ということで、5秒の進歩に乾杯。今日は飲みにいくぞーっ。(籠)

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