
Wales and Japan 2025
中間レセプションを訪れて
モーガン首席大臣(写真左)と鈴木大使(同右)
2025年は、日本とウェールズの絆をさらに強化することを目指した、「Wales and Japan 2025」キャンペーンが初頭から展開されている。その一環として6月11日、ウェールズ政府による「日本年」の中間報告イベントが、在英日本国大使館で開催された。会場には、鈴木浩大使、エリュネッド・モーガン首席大臣に加え、在ウェールズの日本企業関係者やウェールズの企業・行政関係者など、170名を超える人々が集い、日本とウェールズの経済・文化交流の深化を感じさせる活気にあふれていた。
会場入口で賑わいを見せていたのが、ウェールズ各地から集まった食品関連企業によるテイスティング・ブースだ。SnowdoniaやCaronWenのチーズ、Aber Fallsのウィスキー、Wrexhamのビールやジンなど、多彩なラインアップが並び、各担当者が熱心に商品の魅力を紹介していた。また、伝統的な丸くて平たいウェルシュ・ケーキがその場で焼かれ、試食が提供された。当日はレセプションのため、特別に日本の抹茶を練り込んだバージョンがふるまわれ、ウェールズの食文化の豊かさと独自性が印象深く紹介された。
ウェールズ産のチーズやビールの数々
鈴木大使もお気に入りという、伝統的なウェルシュ・ケーキ
公式プログラムでは、ウェールズ政府による「Wales and Japan 2025」の中間報告に続き、ビジネス・パネルディスカッション、そして11~19歳のウェールズ人男子約20人からなる青年合唱団「Only Boys Aloud」によるパフォーマンスが披露された。「ふるさと」など日本の歌も取り上げられ、参加者たちは和やかな雰囲気の中で交流を深めた。モーガン首席大臣は冒頭のあいさつで、「人と人との交流こそが真の関係を築く鍵である」と強調し、文化・経済両面における草の根のつながりの重要性に触れた。
青年合唱団「Only Boys Aloud」が歌声を披露
ビジネス・パネルディスカッションに耳を傾ける人々
昨年末の大使就任時にウェールズの国歌を披露したことでも知られる鈴木大使だが、閉会間際に個人的に好きなウェールズの食べ物を尋ねたところ、「ウェルシュ・ケーキ」と即答してくれた。モーガン首席大臣に教えてもらったのだそうで、紅茶と一緒に食べるのが1番、と笑顔で語った。素朴ながら味わい深いこのお菓子は、まさに人と人とをつなぐ「日常に根ざした交流」の象徴のように思えた。中間地点を迎えた「Wales and Japan 2025」。今後どのような広がりと実りが生まれていくのか、楽しみにしたい。