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財政再建へ年5兆円増税
2年連続、厳しい予算に
主要税を引き上げない公約は優先

11月26日、秋の予算案を提出するため、ダウニング街11番地を出発するレイチェル・リーヴス財務相

（ロンドン 11月27日 時事）リーヴス財務相は11月26日、2029～30年度までに年間260億ポンド（約5兆3800億円）規模の増税を実施する方針を盛り込んだ予算案を発表した。財政不安を機に市場が暴落した「トラス・ショック」の再来を警戒し、財政再建に向けて2年連続の大増税に踏み切る。支持率低迷にあえぐスターマー労働党政権にとっては厳しい予算編成となった。　

歳入確保のために政府は当初、所得税率自体の引き上げを検討していたが、主要税を引き上げないとする公約を優先。広く「ステルス税」として知られる、所得税の課税基準額と個人所得控除額の凍結を3年間延長し、富裕層への課税強化にも取り組む。25年度は財源不足を補うための国債（借金）発行額を3037億ポンド（約62兆8000億円）まで増やす。ロイター通信によると、発行額は過去2番目の規模となる。

大増税などにより28年度に財政収支が黒字化する見通しを示したことで、英国の財政が悪化に向かうとの危機感がひとまず和らいだ。