(ロンドン 6月26日 時事)米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(電子版)は25日、英石油大手シェルが英同業BPの買収に向け、初期段階の協議を行っていると報じた。実現すれば、米エクソンモービルが誕生した大規模合併以来、石油業界で最大規模の買収になるとみられる。一方、シェルは報道を否定した*。
BPの時価総額は約800億ドル(約11兆6000億円)。同紙は関係筋の話として、BPは慎重に提案を検討していると伝えた。別の関係筋によると、買収は確実というには程遠い状況という。シェルは報道を受け、「市場の臆測にすぎない。協議は行われていない」とコメントした。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)によれば、買収が現実になれば、エクソンや米シェブロンを上回る日量500万バレル近い石油・ガス生産能力を持つエネルギー大手が誕生する。世界の液化天然ガス(LNG)市場の4分の1を占め、米国でも大きな存在感を示すことになるという。
BPは化石燃料から再生可能エネルギーへの転換失敗で業績が低迷し、株価が急落。今年2月には石油・ガス事業の拡大に向けて軌道修正を図ったものの、買収の標的となる可能性が高まっていた。
*26日、シェルは再度明確に買収を否定している。
Mon, 30 June 2025