(8月29日 時事)来日中のジョン・ヒーリー英国防相は8月29日、日本との防衛協力について「黄金時代を共に築いている」と述べ、安全保障環境の変化に対応して結束が強固になっているとの認識を示した。その上で「英国にとって日本はアジアで最も親密な安全保障上の友好国だ」と強調した。東京都内で記者団の質問に答えた。
ヒーリー氏は、英海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の米軍横須賀基地などへの寄港に合わせて日本を訪れた。2020年に英国が欧州連合(EU)を離脱した後、当時の保守党政権はインド太平洋地域の友好国との関係強化に傾斜し、日本に接近。ウクライナに侵攻するロシアを経済面で支援する中国を警戒し、労働党政権に代わった後も日本を重視する外交方針を維持している。
英海軍のプリンス・オブ・ウェールズを中心とする空母打撃群は今年4月、インド太平洋に向けて英国を出発した。ヒーリー氏は、約4000人が参加する今回の活動について「英海軍にとって過去数十年で最大規模だ」と指摘。さらに「欧州の安全保障はインド太平洋地域の安全保障と不可分だ。平時にわれわれが緊密に連携を図ることが可能なら、有事においても可能だ」と訴えた。
英空母の日本寄港は21年の「クイーン・エリザベス」以来で、プリンス・オブ・ウェールズは今月上旬、フィリピン東方の太平洋で、日米を含む6カ国の共同訓練に参加。同艦のステルス戦闘機「F35B」が、事実上の空母化が進む海上自衛隊の護衛艦「かが」に発着した。日英は次世代戦闘機の共同開発やサイバー攻撃対策でも連携を深めており、ヒーリー氏は「(両国の)結び付きはかつてなく強い」と語った。
プリンス・オブ・ウェールズは横須賀から同28日、東京国際クルーズターミナルに移り、報道機関に公開された。
Thu, 04 September 2025