ロンドンから気軽に行けるイングランド南東部の小さな町巡り
ロンドン南東に広がる通称「英国の庭」ケント州、そして趣のある海辺の風景が魅力のサセックス州。そこではロンドンとは異なる、一味違った魅力を持った素朴で小さな町に出合うことができる。今回は、派手さはなくともほっと一息つけるような、イングランド南東部の小さな町をご紹介。遠足気分で日帰りするのも、休日を利用してのんびりと一泊旅行を楽しむのもいい。家族や友人と共に、春の小旅行はいかが?(文: 黒澤里吏)
鉄道情報: National Rail Enquiries www.nationalrail.co.uk

❶ 王侯貴族ゆかりのスパ・リゾートRoyal Tunbridge Wells
ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ
1606年、ダドリー・ノース卿によって体に良いとされる鉱泉が発見されて以来、ロンドンをはじめ各地から噂を聞きつけた人々が次々と訪れ、やがて優雅なスパ・リゾートとして栄えるようになったロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ。なかでも隆盛を極めたのが18〜19世紀のジョージ王朝期からヴィクトリア王朝期で、当時、夏は西のバース、冬はここロイヤル・タンブリッジ・ウェルズに慰安旅行に出掛けるという人も少なくなかった。
町中には、ハイド・パークやロンドン動物園の設計を手掛けた19世紀の著名な建築家、デシマス・バートンによるヴィラや家屋など、華やかなりし頃の建築物が残されており、その多くがショップやレストランとして再利用されている。なかでも最も目を引くのは、17世紀に造られた「パンティリーズ」と呼ばれる、柱の列によって作られたコロネード式の歩道だろう。
パンティリーズの北側にはカリービーアット・スプリングと呼ばれる鉱泉がある。400年前から変わることなく湧き続け、「飲む温泉」として知られるこの鉱泉水は、ミネラル・ソルトや鉄分、カルシウム、マグネシウムをたっぷり含んでおり、かつては二日酔いから不妊症、肥満まで、どんな病にも効くと言われてもてはやされた。ヴィクトリア女王は、1834年にこの地に滞在した際、この鉱泉水を毎日飲んでいたという。現在は毎年夏の間に限って飲むことができ、特別なコスチュームを身にまとったディッパーと呼ばれるスタッフが、伝統的な作法でサーブしてくれる。
時間があれば、この歴史的なスパ・タウンと、かつてここを訪れた著名な人々について詳しく学べるブルーバッジ・ガイドによるウォーキング・ツアーに参加してみるのも手だろう。
Information
ロンドンからタンブリッジ・ウェルズまでのアクセス
ナショナル・レール London Charing Cross駅から所要約1時間、Tunbridge Wells駅下車
● カリービーアット・スプリング Chalybeate Spring
イースターから9月末の木〜日 10:00-15:00
● ウォーキング・ツアー
木・土 10:30〜 £5(チケットはパンティリーズにある観光案内所で購入)
詳細はツーリスト・インフォメーションを確認
❷ 中世の面影を色濃く残す、かつての港町Rye ライ
まるで童話の世界を切り取ったかのような愛らしさで、小さいながらも世界各国から観光客が絶えず訪れているライ。12世紀にドーバーやヘイスティングスなどと並んで海防の責任を負った特権港として栄えた町で、今もその時代の趣をそこかしこに漂わせている。というのも、当時は町が海に直接面していたが、徐々に海岸線が後退していったために港町としての機能を失い、この町はそこでそのまま時が止まってしまったのだと言っていいだろう。鉄道駅を降りて、徒歩数分で町の中心に到着。
町自体は非常に小さく、路地を隈なく歩いても15〜20分で一周できてしまうほどだ。丘の上のランドマークともなっている、英国最古の時計を備えたセント・メアリー教会を中心に、丸い石を敷き詰めた石畳の路地が続き、独特の味わいを出している。なかでも1156年創業の英国王室ゆかりの名宿で、今も多くの宿泊客を迎えている「マーメイド・イン」で有名なマーメイド・ストリートや、その通りと並行するウォッチベル・ストリートは、漆喰の壁に黒い木枠を配した「ハーフ・ティンバー」と呼ばれるチューダー様式の建物が並んでいて雰囲気たっぷり。
また教会の東隣には、1249年、フランスからの侵略を防ぐために造られたイプラ・タワー(ライ城)があり、異彩を放っている。また、ライはアンティークの町としてもよく知られており、可愛らしいショップがあちこちに点在する。運河沿いのストランド・キー(Strand Quay)にはいくつかの店が集まっているので、興味のある人はのぞいてみよう。
Information
ロンドンからライまでのアクセス
ナショナル・レールLondon St Pancras International駅から所要約1時間、Ashford Internationalで乗り換えてRye駅下車
● セント・メアリー教会 The Parish Church of St. Mary
Church Square, Rye, East Sussex TN31 7HF
Tel: 0179 722 2318
● イプラ・タワー(ライ城)Ypres Tower
3 East Street, Rye, East Sussex TN39 7JY
Tel: 0179 722 6728
月〜日 10:30-15:30(3月30日から10月30日は10:30-17:00) £4
● マーメイド・イン The Mermaid Inn
Mermaid Street, Rye, East Sussex TN31 7EY
Tel: 0179 722 3065
https://www.mermaidinn.com
❸ 穫れたての新鮮な牡蠣を思う存分味わい尽くすWhitstable ウィスタブル
カンタベリーの約8キロ北、「ケントの真珠」として知られるウィスタブルは、潮風が香る風光明媚な牡蠣の町。牡蠣漁の歴史はローマ時代にまで遡り、現在でも毎年7月に約1週間にわたって行われている「オイスター・フェスティバル」は、ノルマン王朝時代の感謝祭に端を発するとも言われている。期間中は町を挙げての盛大なお祭りとなり、各地からやってきた多くの人々で賑わう。
もちろん、おいしい牡蠣が味わえるのはフェスティバル期間に限ったことではない。海岸沿いの大通りを中心に、シーフード・レストランや昔ながらのオイスター・バーなどが軒を並べており、ロンドンよりずっとお手頃な値段で新鮮な旬の魚介を堪能できる。
ここで必ず足を運びたいのが、サウス・キーにあるフィッシュ・マーケット。1830〜1952年まで、ウィスタブル港からカンタベリーまでを結んでいた英国最古の乗客鉄道のひとつ、クラブ&ウィンクル・ラインの車庫を再利用した建物内に、穫れたての魚介類から加工品までがずらりと並べられていて、見ているだけでも楽しい。2階には、同鉄道の名を冠したマーケット直営の「クラブ&ウィンクル・レストラン」があり、湾岸風景を眺めながら、魚介をはじめ、地元産の食材をふんだんに使ったこだわりの一皿を味わうことができる。
食欲が満たされたら、ウィスタブル・ミュージアム&アート・ギャラリーや小さなギャラリーを巡るのもいい。趣のある小道にも個性的なショップやカフェ、パブなどがあるのでお見逃しなく。
Information
ロンドンからウィスタブルまでのアクセス
ナショナル・レール London Victoria駅またはLondon St.
Pancras International駅から所要約1時間20分、Whistable駅下車
● ウィスタブル・フィッシュ・マーケット / クラブ&ウィンクル・レストラン
Whitstable Fish Market / Crab and Winkle Restaurant
South Quay, The Harbour, Whitstable, Kent CT5 1AB
https://crabandwinklerestaurant.co.uk
● ウィスタブル・ミュージアム&アート・ギャラリー
Whitstable Museum and Art Gallery
5A Oxford Street, Whitstable, Kent CT5 1DB Tel: 0122 727 6998
木〜土 10:30-16:30 日〜水休(7・8月は日〜火)£3
https://www.whitstablemuseum.org
❹ 古きよき時代へしばしタイム・スリップSandwich サンドイッチ
ストゥー川に並行して建つ双塔型のバービカン(城郭の外塁)が中世へと手招きする町、サンドイッチ。その名前から食べ物のサンドイッチ、もしくはそれを発明したとされるサンドイッチ伯爵に関わりがあると思われがちだが、町の歴史はそれよりもずっと古く、特に接点はない。とはいえ偶然か必然か、近隣に「ハム」という名の村落もあり、交差点に「ハム サンドイッチ」と記された標識が立っていたりして、笑いを誘っている。
長い年月を経て海岸線が後退し、ストゥー川もその川幅を狭めてしまったとはいえ、ケントおよび英国を代表する特権港として栄えた中世の趣をそのまま残している貴重な町のひとつであることに変わりはない。のんびりと町歩きを楽しみながら、 中世の建物を再利用したサンドイッチ・ギルド・ホールや、中世以降の町の歴史がひと目で分かる併設のミュージアムなどの名所を訪れよう。
また、ストゥー川を行き来するリバー・バス(ボート)に揺られて、川の上から町を眺めるのもまた一興だろう。
Information
ロンドンからサンドイッチまでのアクセス
ナショナル・レール London St. Pancras International駅から
所要約1時間30分~2時間、Sandwich駅下車
● サンドイッチ・ギルドホール / サンドイッチ・ギルドホール・ミュージアム
Sandwich Guildhall / Sandwich Guildhall Museum
Cattle Market, Sandwich, Kent CT13 9AH
Tel: 0130 461 7197
水〜日 10:00-16:00 月・火休 無料(要予約)
www.sandwichguildhallmuseum.co.uk/visit-us
● リバー・バス(ボート) Sandwich River Bus
The Quay, Sandwich, Kent CT13 9EN(乗り場)
Tel: 079 5837 6183 料金は要問い合わせ
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
www.facebook.com/Sandwich-River-Bus-138007920039064
緑あふれるウィールド地方の名所に足を延ばして ウィールド The Weald
ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズの南東に果てしなく広がる緑の大地、ウィールド地方(The Weald)には、小さな村落がいくつもあり、ここを縫うようにして観光名所が点在している。休日のお出掛け先として人気だ。
ウィールド地方交通情報(Traveline): https://www.traveline.info
※営業時間はウェブサイトを参照
Sissinghurst Castle Garden
シシングハースト・キャッスル・ガーデン
英国随一との呼び声も高い、ロマンティックなガーデンを備えたナショナル・トラスト所有の城。ホワイト・ガーデンが特に有名。
Cranbrook, Kent TN17 2AB
Tel: 0158 071 0700
料金: £10.40~15.95
https://www.nationaltrust.org.uk/sissinghurst-castle-garden
Scotney Castle
スコットニー・キャッスル
廃墟となった古城、スコットニー城。丘の上には19世紀の居城もあり、現在、城内の一部を公開中ナショナル・トラスト所有のヴィクトリア時代のカントリー・ハウスと、堀に囲まれた14世紀の城跡。ガーデンを含め、景観の美しさは随一だ。
amberhurst, Tunbridge Wells, Kent TN3 8JB
Tel: 0189 289 3820
料金: £14.90~16.40
https://www.nationaltrust.org.uk/scotney-castle
Bewl Water
ビュール・ウォーター
1970年代につくられた、英国最大の貯水池。各種ウォーター・スポーツからボート・トリップ、クルーズまで、さまざまなアクティビティーが楽しめる。
Bewlbridge Lane, Lamberhurst, Kent TN3 8JH
Tel: 0189 289 0000
料金: アクティビティーによって異なる
https://www.bewlwater.co.uk
Bedgebury National Pinetum and Forest
ベッジベリー国立松栽培園

木々が生い茂る広大な森林公園。ウォーキングからハイキング、乗馬など、年代を問わず各種アウトドア・アクティビティーを体験できる。
Lady Oak Lane, Goudhurst, TN17 2SJ
Tel: 0158 087 9820
料金: 無料
www.forestry.gov.uk/bedgebury
Merriments Gardens
メリメンツ・ガーデンズ
季節の花々に彩られた愛らしいガーデン。約1万6000㎡という広大な敷地に変化に富んだレイアウトを施しており、のんびりと散歩するにも最適。
Hawkhurst Road, Hurst Green, East Sussex TN19 7RA
Tel: 0158 086 0666
2021年は10月31日からオープン
https://www.merriments.co.uk



パン柄トートバック販売中
中世の面影をそのまま残すパンティリーズ
「Oast House」と呼ばれる、ホップなどの乾燥釜を備えた建物も点在する
1606年に発見された鉱泉、カリービーアット・スプリング
ティリンガム川沿いには1932年建造の風車を利用したB&Bもある。
町のいたるところでアンティークが売られている。お気に入りが見つかるかも
かつてはフランス軍の侵攻を防ぐための要塞であったイプラ・タワー
マーメイド・インの中。深紅の絨毯が敷かれ、まるで中世にいるかのような錯覚を覚える
新鮮な魚介類を楽しむなら、ぜひ訪れたいフィッシュ・マーケット
「ネイティブ」というヒラガキは冬期限定の楽しみ。ウィスタブル産の牡蠣を味わおう
古風な漁船が置かれたビーチは、この町ならではの風景
近年リノベーションを終えたベル・ホテル(写真左)は、リバー・ビューの客室が評判だ
1579年建造の建物を再利用したサンドイッチ・ギルドホール
英国ではあまり見かけない風車の内部が、民俗博物館になっている
ハム サンドイッチの標識
時計の針は1月31日の後も、移行期間の終了する12月末に向けて進んでいる。
ある英国人にとっては独立記念日、またある英国人にとっては
祝祭の後には何がやってくるのか。
30年にわたる抵抗を経て、偉大な英国の人々はとうとう離脱を成し遂げた。
英国は47年にわたる欧州の共同体のメンバーとしての活動を終えた。
霧の都の出船、波高く、風強し
日英関係を深めるための好機ととらえるしかない
今後はみんなで心を一つにしてほしい
新海 誠 



Fuminori Maro Shinozaki
1963年生まれ。愛称はマロ。多くの演奏家を輩出した篠崎永育(父)と幼児教育の第一人者である美樹(母)から3歳よりヴァイオリンを学ぶ。毎日学生音楽コンクール全国第1位獲得。81年よりウィーン市立音楽院に留学。欧州の主要コンクールで受賞実績を重ねつつ世界各地の国際音楽祭に招聘されるなど幅広い活動を行う。88年、同音楽院を修了後、帰国。群馬交響楽団コンサートマスター、読売日本交響楽団コンサートマスターを歴任し、97年4月にNHK交響楽団コンサートマスターに就任。現在は第1コンサートマスターとして活躍中。桐朋学園非常勤講師、東京藝術大学非常勤講師、昭和音楽大学客員教授。
NHKホールでの定期公演、本番前リハーサル中の篠崎氏(写真中央左)とヤルヴィ氏(同右)
2017年、ロイヤル・フェスティバル・ホールで行われたロンドン公演

難関ルートに挑戦し続ける原動力を問うと、「ただただ好きなことをしている」という
世界選手権にて、リード種目に挑むメゴス選手(種目については、競技解説を参照)




ラグビーW杯開催中に期間限定でオープンした「プライドハウス東京2019」
マチュア部門大賞







「お気に入りの散歩コース」蔭浦 明日香さん Kageura Asuka
「Spectrum of memories」マユ・ティーべンさん Mayu Teeven
「海底に沈む船」 垣江 眞依さん Kakie Mai
「ひととき」 Sayaka Walkerさん
「初めての海」 田中 伸昌さん Tanaka Nobuaki
Thomas Lockley
欧州の使節と思われる集団に従じ、やりを持つアフリカ人の護衛。







審査員コメント
表現方法が優れています。男の子の背景は、どこなのか分からないくらいぼかしているにもかかわらず、サングラスにはっきりビーチの景色が映り込んでいますね。大人のサングラスとゴム付きの帽子のギャップにもクスリとさせられます。映画「ボヘミアン・ラプソディ」にも、こんなサングラスの映り込みが印象的なシーンがありました。