4月21日に、英国を代表する女流作家シャーロット・ブロンテの生誕200周年を迎える。ブロンテ姉妹の名や彼女の代表作である 「ジェーン・エア」の題名を耳にしたことはあっても、実際にその著作を通読したり、彼女がどんな人物であったかを知っている日本人は数少ないのではないだろうか。「ジェーン・エア」はいかにして英文学の金字塔となったのか。有名なブロンテ姉妹はなぜそろいもそろって文才を発揮したのか。シャーロット・ブロンテにまつわる8つの豆知識を紹介する。
1代表作「ジェーン・エア」が
人気を集めるのはなぜ?
シャーロット・ブロンテの代表作「ジェーン・エア」は、1847年の発表直後に話題の一冊となった。同作に描かれていたのは、仕事を持ち、社会的階級の壁を乗り越え、自由恋愛を追い求めながら、困難な状況の中でも信念を持って自らの人生を歩んでいく女性の姿。女性の社会的な役割が限定されていたビクトリア朝の価値観においては、異色の物語として受け止められた。また本 作が発表されるまではシャーロット・ブロンテが無名の存在だったことや、劇的な展開を見せる物語の筋書きなどがあいまって、シャーロット・ブロンテは瞬く間に時代の寵児になったという。
「ジェーン・エア」の主人公が
生きた波乱万丈な人生
孤児として生まれる
↓
寄宿舎学校で出会った親友が結核で死んでしまう
↓
貴族の屋敷で家庭教師として働き始める
↓
屋敷の当主から求婚される
↓
当主には既に妻がいて、しかもその妻を屋敷の一室に幽閉していたことが発覚
↓
路頭に迷っていたところを牧師に助けられる
↓
牧師から求婚される
↓
牧師からの求婚を拒否して、再び当主の元へ戻る
↓
火事のために妻そして片腕と視力を失った当主と結婚することを決意する
2ジェーン・エアとシャーロット・ブロンテの
人生はそっくり?
「ジェーン・エア」の主人公ジェーンとその著者シャーロット・ブロンテの間には驚くほど共通点が多い。まるでこの物語は、著者の人生がそのまま反映されているかのようだ。
ジェーン・エアとシャーロット・ブロンテの人生の相似点
| ジェーン・エア | シャーロット・ブロンテ |
|---|---|
| 伯父の夫人に育てられる | 実母の姉に育てられる |
| 寄宿舎学校で勉強する | 寄宿舎学校で勉強する |
| 親友を結核で失う | 姉妹を結核で失う |
| 家庭教師として働く | 家庭教師として働く |
| 既婚者の貴族と恋に落ちる | 既婚者の教師と恋に落ちる |
| 聖職者から求婚される | 聖職者と結婚する |
3シャーロットと
父親の名字はなぜ違う?

シャーロット・ブロンテの父親が
英雄視していたというネルソン提督
シャーロット・ブロンテの父親の名は、パトリック・ブランティ。娘と父の名字が微妙に違うのは、父親が後年になって名字を「ブロンテ」に変えたから。パトリックは、北アイルランド北東部ダウン州の農家に生まれ、鍛冶屋や織工などの職を転々とした末に、名門ケンブリッジ大学を卒業。最終的には牧師となった。識字率が低い地域で生まれ育ったために、「パトリック・ブランティ」という氏名は持っていたものの、その綴り方はきちんと決まっていなかったという。そこでケンブリッジ大学時代に「ブランティ」という名字に「ブロンテ(Brontë)」という綴りを当てた。この綴りとなった理由には、①貧しい出自を隠すため、②ギリシャ語の教養を生かすため(「ブロンテ」はギリシャ語で「雷」の意) 、③トラファルガー海戦で活躍したネルソン提督(初代ブロンテ公爵)に憧れていたから、などの説がある。
シャーロット・ブロンテの父親は変わり者?
シャーロット・ブロンテの死後、父親であるパトリックの依頼を受けて、彼女の親友だった同じく女流作家のエリザベス・ガスケルは「シャーロット・ブロンテの生涯」と題した伝記を執筆。この伝記では、父パトリックが過去にブロンテ家において銃を発砲して威圧したり、ドレスを切り裂くといった奇行を繰り広げたりしていたとの記述がある。
左)「シャーロット・ブロンテの生涯」の表紙4「ジェーン・エア」を執筆したのは
シャーロット・ブロンテではない?

ジェーン・エアの表紙。著者名が
カラー・ベルと記されている
「ジェーン・エア」が発表された当初は、その著者名には本名のシャーロット・ブロンテではなく、カラー・ベルというペン・ネームが使われていた。また「嵐が丘」を執筆した妹のエミリー・ブロンテも同作の発表時にエリス・ベルというペン・ネームを使用。「アグネス・グレイ」を著したもう一人の妹アン・ブロンテはアクトン・ベルと名乗っていた。それぞれ「ベル」という名字を用いた上で、本来の氏名と同じイニシャルを維持し、男性的な名前へと変更したのだ。しかし、作品への注目があまりに大きくなったためにやがて本名を公表せざるを得なくなり、その結果、シャーロット・ブロンテの名前は瞬く間に英国の文学界に広まっていったという。シャーロット・ブロンテは後年になって、自分たちの作風や考え方が、当時の社会が思い描く女性像とは相容れないと考えたため、世間の偏見から逃れようと男性的なペン・ネームを使ったと説明している。
5無名の姉妹の作品が
なぜ突然ベストセラーとなったのか

シャーロット・ブロンテがウェリントン公爵の姿を
一目見ようと出掛けたとされる教会
シャーロット、エミリー、アンの俗にいう「ブロンテ姉妹」は、無名の存在から突如としてベストセラー作家となった。そもそもブロンテ姉妹は教職を本業としており、地元に新しい学校を開校する計画さえ進めていた。しかし十分な数の生徒が集まらなかったためにこの計画を断念。次に3姉妹は詩集を自主出版するが、売れたのはわずか2部だった。さらには「ジェーン・エア」を始めとする姉妹の作品群を各出版社に持ち込むも、ことごとく拒否されている。
そんな中、出版社を父親から受け継いだばかりの23歳の青年社長が「ジェーン・エア」の手書き本の内容に注目。シャーロットとアンがロンドンまで上京して必死の売り込みをかけたこともあって、ブロンテ姉妹による一連の作品が出版されるに至った。
「ジェーン・エア」の大ヒットを受けて、シャーロット・ブロンテは出版社の社長への挨拶などを目的にその後も何度かロンドンを訪問。この社長の自宅に宿泊した上で、ナショナル・ギャラリーや王立芸術院といったロンドン市内の美術館やロイヤル・オペラ・ハウスなどに連れて行ってもらったりした。さらにこの社長は、シャーロット・ブロンテが幼少時に創作したミニチュア本 の登場人物である憧れのウェリントン公爵の姿を一緒に見るために、ロンドン中心部のセント・ジェームズ宮殿内にあるチャペル・ロイヤルで行われた礼拝に共に出掛けたこともあったという。
6ブロンテ一家はなぜ誰もが
早死にしているのか
| 名前 | 死亡年齢 | 死因 |
|---|---|---|
| マリア | 11歳 | 結核 |
| エリザベス | 10歳 | 結核 |
| シャーロット | 38歳 | 妊娠中毒症* |
| ブランウェル | 31歳 | 過度な飲酒* |
| エミリー | 30歳 | 結核 |
| アン | 29歳 | 結核 |
シャーロット・ブロンテの兄弟姉妹は皆そろって若くして死を迎えている。衛生状態が悪い学校の寄宿舎で生活していた長女 マリアと次女エリザベスは結核にかかり、幼くして死去。またシャーロットが「ジェーン・エア」、エミリーが「嵐が丘」、アンが「アグネス・グレイ」を立て続けに発表して話題を呼んだ翌年にブラ ンウェル、エミリー、アンがそろって30代前後で亡くなっている。シャーロットの没年齢も38歳だ。
ブロンテ博物館の運営などを担うブロンテ協会によると、一家が生まれ育ったイングランド北部ハワース地域の当時の平均寿命は25.8歳。赤痢、コレラ、チフス、天然痘などが流行していたため、若くして命を落とす者が多かった。ブロンテ一家は大通りの上方で暮らしていたため汚水被害を受けることが少なく、また恐らくは裏庭の井戸を通じて清潔な水を汲むことができたために、むしろ比較的長生きした方だという。
7ブロンテ姉妹は
なぜそろって文才があるのか
シャーロット・ブロンテは、マリア、エリザベス、シャーロット、ブランウェル、エミリー、アンという6人兄弟姉妹の第3子として生まれた。長女マリアと次女エリザベスは幼くして病死。残った4人は後にすべて芸術家となり、シャーロット、エミリーとアンは小説家、また一人息子のブランウェルも画家や詩人として活動していた。
兄弟姉妹がそろって芸術の才能を発揮した理由の一つとして、彼らが幼少期に兄弟姉妹そろって本作りに熱中していたことが挙げられる。きっかけは、父親のパトリックが長男のブランウェルに買い与えた木製の兵隊の人形だった。兄弟姉妹は、この人形を主人公とした物語を次々と創作。それらの物語の数々を、人形の大きさに合わせたという5×4センチのミニチュア本に記していった。日本語で言うところの豆本を彷彿とさせるこのミニチュア本に書かれた文字は非常に小さいために、大人たちは全く判読できず、秘密の物語を自由につくり出すには格好の素材となったという。
8シャーロット・ブロンテについて
もっと知りたいと思ったら?
ロンドン中心部にあるナショナル・ポートレート・ギャラリーでは現在、シャーロット・ブロンテの生誕200年を記念した展示会を開催。本稿で紹介したシャーロット・ブロンテが幼少時に制作したミニチュア本や、長男ブランウェルが描いた3姉妹の肖像画、エリザベス・ガスケルが資料として使用したシャーロット・ブロンテの手紙などが展示されている。
Celebrating Charlotte Brontë: 1816-1855
無料 10:00‐18:00(木・金は21:00まで)
National Portrait Gallery(Room 24)
St. Martin's Place, London WC2H 0HE
Tel: 020 7306 0055
Leicester Square / Charing Cross駅
www.npg.org.uk
ブロンテ博物館 The Brontë Parsonage Museum

ブロンテ一家が暮らした家は現在、博物館として一般公開中。また周囲には妹のエミリー・ブロンテ執筆の「嵐が丘」の舞台となった荒野などブロンテ一家にまつわる名所が点在しているため、この一帯は「ブロンテ・カントリー」と呼ばれている。
The Brontë Parsonage Museum
£7.5(12カ月間有効)
10:00-17:00(4月1日から17:30まで)
Church Street, Haworth, West Yorkshire BD22 8DR
Tel: 01535 642323
Kings Cross駅からKeighley駅まで約3時間。
同駅からバスまたは蒸気機関車でハワースへ。街の中心部に博物館がある。
www.bronte.org.uk



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「自分がつくった雪だるまと友達のように一緒に遊ぶことができたら」という子供の夢を叶えてみせた世界的な大ベストセラー。文章がなく、絵だけで話が構成されているため、まだ文字を読むことができない子供でも物語の世界にどっぷりと浸かることができる。友情や愛といった大切なものを学べる内容が描かれているという意味においても良書。ちなみに作者のレイモンド・ブリッグズは児童向けだけでなく、社会派の作品も多数残している。
夫のアランが執筆、妻のジャネットがイラストを担当するアルバーグ夫妻は、英国人なら誰もが知っている児童作品の名作を数多く残した。その代表作とでも言うべきものが、この「もものきなしのきプラムのき」。親指トムにシンデレラ、ロビン・フッドといった有名な童話や昔話の主人公たちが、本の中でかくれんぼう。言葉遊びにも似たリズムにあふれる文章を手掛かりに、各ページに隠れた登場人物たちを見つけ出していく内容となっている。
いつも忙しい父親に構ってもらえず、寂しい思いを抱いている少女のハナ。そんな彼女に、お父さんがゴリラのぬいぐるみをプレゼントする。そのぬいぐるみが突然大きくなり、なんと本物のゴリラに変身。しかも、そのゴリラがハナを動物園へと連れていってくれることになる。目をよく凝らしてこの絵本を眺めると、ゴリラの隠し絵が見つかるといううれしいおまけ付き。実際に毎日仕事で忙しいお父さんから娘へのプレゼントに最適。
おしゃまな女の子を描いた「クラリス・ビーン」シリーズで有名な絵本作家のローレン・チャイルドの作品。食べ物の好き嫌いが激しい妹と、何とかしてその妹に好き嫌いなく食べさせようとする兄の奮闘ぶりを描いている。他の絵本とは一線を画す現代的なイラストがまず特徴的。さらには様々な大きさの書体や写真のコラージュを多用するなど、ありとあらゆる視覚的な仕掛けがいっぱい。子供の好き嫌い克服に役立てばもう言うことなし。
「お城の中で夕食を食べるのと、気球の中で朝食を食べるのとどっちが良い?」「自分が通う学校でお父さんがダンスをするのと、カフェでお母さんが大騒ぎするのとどっちが我慢できる?」。ページを開いた途端に次々と繰り出される究極の選択の数々。本を一緒に読みながら「うーん、こっち!」「どっちも嫌だ!」といった子供たちの反応を見ることで大人も満足するはずだ。兄弟姉妹や同い年の友達同士で楽しむにもぴったりな本。
皮肉屋の英国人がいかにも好みそうな絵本。物語の主人公は美人でお金持ちのお姫様。一人でバイクを乗り回し、飼っているペットは恐竜。女王に何を言われても、結婚なんか絶対にしたくない。だから次々と現れる花婿候補の男性たちに無理難題を課して困らせていたら、「からいばり王子」が現
れて……。伝統的な童話で描かれる「可愛らしい女の子」像を見事なまでに破壊する一作。狭量なお父さんが読んだら腰を抜かしてしまうかも。
国籍を問わず、子供たちが大好きな仕掛け絵本。物語の語り手が動物園のおじさんに向けて「ペットを送ってください」と依頼したことから物語は始まる。立体的な仕掛けが施されている檻を開けると、様々な動物が顔を出すという仕組み。
小さなお子さん用に本を選ぶとなれば、やはり物語の面白さや絵の魅力に加えて、音読して楽しいものが好ましい。本の題名からしてリズミカルな本作は、音読の楽しさを味わうにはうってつけ。日本語訳もよくできているため、英語で読んでも、日本語で読んでも独特のリズムを楽しむことができる。尚、作家のドナルドソンと挿絵画家のシェフラーの共作では、ねずみが想像上の怪物「グラファロ」と出会う物語である「グラファロ」シリーズも人気。
物語は家族で紅茶を共にする場面から始まる。ありふれた日常空間が描かれているのは最初だけ。突如として人間の言葉を話すとらが登場し、お父さんの夕食から冷蔵庫に残っている食べ物までひとつ残らず食べてしまう。ほのぼのとした絵とシュールな筋書きの組み合わせが独特の魅力を放つ作品。作者のジュディス・カーは、看護婦として働いた後に自身の子供のために絵本を描き始めたという異色の経歴を持つことでも知られている。
親であれば、構ってもらおうとして話し掛けてくる子供に対して「今はだめ」と諭した経験が誰しもあるはず。この物語の主人公であるバーナードは、両親から「今はだめ」と言われ続けた揚げ句に、怪物と化してしまう。それでも尚も「今はだめ」と言い続けるバーナードの両親。多忙な大人にメッセージを投げかけているようにも受け取ることができる意味深な作品。作者のデービッド・マッキーは「ぞうのエルマー」シリーズの作者でもある。
大人も子供も怖がるねずみ。でも、ねずみにだって怖いものがある。人間は気付いていないかもしれないけれど、ねずみは他の動物や大きな音、さらには迷子になることを恐れているのだ。そんな臆病なねずみの視点から紡ぎ出される物語。内容の面白さに加えて、落書き、新聞記事の切り抜き、折り込みページといった視覚的に面白い要素が詰まっているのが魅力。実際にねずみが噛んだ紙をスキャンしたものを背景として使っているという。
魔女のメグと猫のモグ、そしてフクロウのホーが織り成す「メグとモグ」シリーズの第1作。モグとホーそして友達の魔女が集まったハロウィーンのパーティーで魔法を試そうとするメグだったが、そこで思わぬ展開が待っていた。「魔法を上手く使えない魔法使い」をテーマとしたこの愉快な物語は、英国で生まれ育った子供であれば誰もが読んだことがある定番の絵本。20冊以上もの続編がつくられているほか、テレビ・アニメ化もされている。
本作も英国で絶大な人気を集める仕掛け絵本の一つ。主人公は、家の中で子犬を探し回るお母さん犬。扉の向こう側、ピアノのふたの中、ベッドの下をのぞいてみても、そこにいるのはクマ、ゾウ、ワニといった他の動物ばかり。さて、お母さん犬が愛する子犬はどこに隠れている? 文章は各ページにほんの一文程度しか書かれていないので、言葉を覚えたばかりの子供にはぴったりの絵本。家の中にある物や動物の名前を学ぶのにも適している。
温かみを感じさせるイラスト付きでありながら、お父さんと小さな子供4人でなんと「くま狩り」に出掛けるという実は冒険譚的な内容。しかも草原を抜けて、川を渡って、森を突き進んでといった具合に、その行程は困難を極める。シンプルな言葉の連なりが繰り返し出てくるので、子供は自分で口に出した言葉の響きを大いに楽しむことができるはず。日本語訳版には、「飛び出す絵本」という呼び方がぴったりな大型の仕掛け絵本もある。
片時も手を放したことがなかった大切な犬のぬいぐるみが行方不明となり、途方に暮れてしまう男の子。探しに出掛けてみると、そのぬいぐるみは学校のバザーで販売されていることが発覚! さて、この男の子はどうやってぬいぐるみを取り戻すことができるのか。今年で齢88歳になった英国の人気絵本作家シャーリー・ヒューズによる心温まる物語。同氏の作品では、普通の男の子の日常を描いた「アルフィー」シリーズも根強い人気がある。
おむつが大嫌いなお姫様と、代わりにおまるを使うことを勧めるお妃様。最初は嫌がっていたお姫様もおまるで遊ぶようになっていき……。物語を読み終えた子供は、おまるを使う機会を待ち遠しく感じるようになっているという、親にとっては何ともありがたい絵本。作者のトニー・ロスが自身の娘をモデルとして、少女の様々な成長段階に合わせて描いた「リトル・プリンセス」シリーズにおける最初の作品。他に「ごはんまあだ?」などがある。

RSCが英国各地のアマチュア劇団と協力してつくり上げる「夏の夜の夢」。プロの俳優18人が、全国14地域のアマチュア劇団の メンバーと共演。プロと1つのアマ劇団が組んで公演を行う形式なので、何通りもの「夏の夜の夢」が生まれることになる。ロイヤル・シェイクスピア・シアターでの上演を始め、各劇団が位置する都市の劇場を回るツアーも行われる。
昨年は人気俳優ベネディクト・カンバーバッチが演じたことで話題となった「ハムレット」。今回タイトルロールを演じるのは、一昨年にナショナル・シアターで上演されたサイモン・ラッセル・ビール主演 「リア王」で、上演途中のトラブルで後半から代役に立ち高評価を受けたパーパ・エシデュ。父王を殺害し、母と再婚した叔父への復讐を誓う王子ハムレットを、期待の若手俳優がどう演じるのか、要注目だ。
頻繁に上演されることのないロマンス劇「シンベリン」が登場。シンベリン役をチャンネル4のドラマ「ティーチャーズ」などで知られる女優ジリアン・ビーバンが務める。秘密裏に恋人のポステュマスと結婚した娘イモージェンに激怒したブリテン王シンベリンは、ポステュマスを追放。イタリアへ渡ったポステュマスは、そこで出会ったヤーキモーから、イモージェンの貞節をヤーキモーが奪えるかどうかという賭けを仕掛けられる。
RSCがバーミンガムを拠点に活動する劇団スタンズ・カフェに委託し、制作されたガイドなしの無料ツアー。「お気に召すまま」で言及される「人生の7段階」に着想を得たという同ツアーは、リーフレットの地図に記された同地の8カ所に赴く趣向になっている。
死去した日であるとともに誕生日ともされる4月23日に行われる恒例のパレード。バンドや当時の衣装に身を包んだ俳優らが街をパレードする。11時にはいくつかのストリート沿いに設置された旗が掲揚。また、教会ではシェイクスピアの銅像に飾られている羽ペンの羽を交換するセレモニーが行われる。






ロンドン大火やシャーロック・ホームズなど様々なテーマでツアーを提供しているロンドン博物館が、シェイクスピアの足跡をたどるガイド付きのウォーキング・ツアーを実施。テムズ川沿いの劇場街から、シェイクスピアが住んだ下宿の跡地、映画のロケ地などを2時間かけて回る。シェイクスピアが活躍した当時に思いを馳せながら、古今のロンドンを自分の目と足で体験してみよう。
ロンドンの金融街シティに位置する法曹院ミドル・テンプルの一角にあるミドル・テンプル・ホールと言えば、1602年にシェイクスピアの「十二夜」が初演された場所。この由緒正しきホールでも、没後400年を記念して、シェイクスピアが単独で書いた最後の作品と言われる「テンペスト」が上演される。
イングランド中部シェフィールドで30年以上にわたり活動を続ける6人のアーティストから成る劇団フォースド・エンターテインメント。世界各国の演劇フェスでも注目を集める彼らがシェイクスピア没後400年を記念して制作したのがこちら。シェイクスピアの戯曲36作品を一作品1時間弱にまとめ数日にわたって上演する。出演者は何と、塩や胡椒の小瓶やスプーン、ろうそくなど、身の回りの生活用品。テーブルの上に、シェイクスピアの偉大なる物語が次々と繰り出されていく。
2014年にロンドンで手掛けた「橋からの眺め」で演劇賞を総なめにした演出家イボ・バン・ホーベが、芸術監督を務めるオランダの劇団トネールフループ・アムステルダムで制作した本作を引っ提げてロンドンにやって来る。シェイクスピアの「ヘンリー5世」「ヘンリー6世」「リチャード3世」を融合させ、政情不安下の支配者3人による究極の選択を描いていく。14人の出演者たちが計35人の登場人物を演じ、上演時間は休憩を入れて計4時間強というスケールの大きな作品。
2014年に短剣で自らの胸を刺すジュリエット、毒蛇に自分を噛ませるクレオパトラ、毒の塗られた剣で刺されて倒れるハムレット……。シェイクスピアの戯曲において、舞台上で死が表現される74のシーンを90分という上演時間の中で一気に見せるという意欲作。演じるのは、フィジカル・コメディー劇団の「スパイモンキー」。5月に英南部ブライトンで開催されるブライトン・フェスティバルにて開幕した後は、国内、海外各地を回る。詳細は下記サイトにて発表されるので要チェック。
イングランド南東部ルイスにあるカントリー・ハウスで毎年開催されるグラインドボーン音楽祭。今年はブリテンの「夏の夜の夢」と、「から騒ぎ」を基にしたベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」という、2本のシェイクスピア関連オペラが上演される。前者は演劇や映画でも同作を手掛ける演出家ピーター・ホールが1981年に演出して以来、複数回にわたり再演されているもの。2014年に同音楽祭にてラベル作曲のダブル・ビルでタクトを振った大野和士が指揮を務める。
1616年4月23日に亡くなったシェイクスピアには、妻のアン、娘のスザンナとジュディスがいた。彼は始めのうち、不動産の大半を長女のスザンナに遺すとする遺書を作成していたが、1616年1月に次女の取り分を増やすよう手を加えている。このエキシビションでは、シェイクスピアの遺書を始めとする貴重な資料の数々が展示される。なお、この遺書自体は別人の手によって書かれているものの、シェイクスピア直筆の署名が残されている。
シェイクスピアの芝居は、時代とともに変化を遂げてきた。それぞれの時代に即するように翻訳や改訂、改変を経ているからこそ、現在でも英国を始めとする世界各国で愛され続けているのだ。今回は、シェイクスピアの文化的アイコンとしての立場を確立させる節目となった10の出来事に着目。そのほか、現存する唯一のシェイクスピア直筆の台本や、1623年に出版された最初の作品集ファースト・フォリオ、映像や衣装なども展示される予定となっている。
ロイヤル・フェスティバル・ホールを本拠地とするロンドン・フィルハーモニー管弦楽団。1月から6月にかけて多数の関連コンサートを行う。4月23日には、スペシャル・ガラが開催。俳優のサイモン・キャロウをディレクターに迎え、チャイコフスキーの「幻想序曲『ハムレット』」やベルディの「オセロ」などの抜粋が演奏される。また、6月5日には子供向けのファミリー・コンサート、「夏の夜の夢」のミュージカル版「ボトムズ・ドリーム」が上演。
英国を代表するオーケストラの一つロンドン交響楽団も、関連コンサートを実施中。拠点であるバービカンでのコンサートのほか、LSO St. Luke'sでもランチタイム・コンサートが開催されている。オケの演奏を背景に俳優たちがシェイクスピア作品の笑いや魔法を届ける子供向けコンサート「Play on, Shakespeare!」や、朝から夕方までシェイクスピアの魅力を音楽で味わえる「Berlioz & Shakespeare」にも要注目。
その生涯を「絵本作家」の一言で済ましてしまうにはあまりにも惜しく、誤りであるとさえ言えるほど、ポターの人生は多彩なエピソードに満ちている。そしてこれら豊かな経歴の根底に流れていたのは、今ではちょっと使い古された感のある言葉となった、ある1人の女性が「自己実現」を遂げるまでの物語だった。





陸上
水泳


12月2日から6日までロンドン東部のクイーン・エリザベス・オリンピック・パークで開催中の車いすテニスのマスターズ「NEC Wheelchair Tennis Masters 2015」。









左)チャールズ・ディケンズ
ヴィクトリア時代に運営されていた「ラゲッド・スクール(ボロボロの学校の意)」。
左)世界で初めて商業用クリスマス・カードを制作したヘンリー・コール
チャールズ・ディケンズ博物館にある応接間。


















