ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 10 December 2025

LISTING イベント情報

アラビア語は禁止? ロンドン・アイ from UK

世界中から観光客が訪れる観覧車、ロンドン・アイ ロンドンの名物観覧車であるロンドン・アイに乗ろうと行列に並んでいたある家族が、アラビア語で会話をしたため、列から外さ れるという目に遭った。 サイエド・フセインさん(62)は北ロンドンに住む、滞英30年のアラブ人。ドバイからホリデーのため英国を訪れていた妹夫婦と共に、ロ ンドン・アイに来ていた。並ぶ前に金属探知機 による検査を受けた3人がいざ行列に加わり、 フセイン氏の妹サイダさん(60)がアラビア語で話し始めた途端、警備員の1人が彼らに対する態度を変えた。その警備員は、フセイン氏が 持っていたミネラル・ウォーターとオレンジ・ジュースのボトル入りの袋に目をつけ、ロンドン・アイの中に持ち込まないよう注意。さらに手荷物をウォータールー駅のロッカーに預けてくるよう指示したため、フセイン氏が戻ってくるまでの間、妹さん夫婦は列を外れて彼を待つ羽目になった。その後、彼らが再び列に並んだところ、先程と同じ警備員がまたまたやってきて、今度は 「ナイフを持参しているか?」と聞いた。持っていないと答えたのにも関わらず、警備員はフセイン氏の着ていた洋服のポケットに手を突っ込みナイフの有無を確認。その後、無事3人をロンドン・アイに乗車させた。

5月に起きたこの出来事について、フセイン氏は「行列から外されたのは実に恥ずかしく、ショックでした」と振り返る。「なぜこんな目に遭ったのか。妹がアラビア語を話していたという以外に理由が見当たらない。行列に並ぶ人達の目の前で侮辱され、私達を不審な目つきで眺める人達もいた。きっとアラビア語を話す人は皆テロリストだと思っているのでは。妹のホリデーが台無しになった」と憤る。

この一件についてロンドン・アイ側は無料パス2枚と共に詫び状をフセイン氏に送付。「弊社の従業員は、国籍、宗教、文化などあらゆる背景を持つ者ばかり。社内方針や規定に反しない限り、ご利用を断ることはありません」という声明を発表している。

8月22日付「Evening Standard」紙ほか"Banned from the Eye because we'd spoken in Arabic"



 

温暖化の星の王子さま from UK

本誌1076号(12月21日発行) 伝統ある英国王室の皇太子が、一般市民と同じ列車に乗り合わせる? この驚きの図、「環境に優しいライフスタイル」を王室内で率先して行うことを発表したチャールズ皇太子自身の発案なのだ。

彼の新ライフスタイルの最初の犠牲となったのが、二酸化炭素をたれ流す専用ジェット機とヘリコプター。今後の皇太子の移動はなるべく鉄道や車を利用して行われることになる。空路を利用する場合も、可能な限り通常スケジュールで運行されている便への搭乗を考えているそうだ。

とはいえ環境に優しい移動方針の適用範囲にも限界があり、皇太子がロンドンを地下鉄や自転車で移動というのはさすがに実現不可能。代わりに彼の愛車ジャガーが、使用済み植物油などから作られる燃料で走るバイオディーゼル車へと変更される見込みだ。

皇太子のより良い環境への情熱はそれだけに留まらない。例えば、二酸化炭素排出が環境に与える影響を企業の会計要素に組み入れるべきだと提言。環境保全に関する情報を企業側に開示させ、株主や消費者からの企業への圧力を高めようというのである。もちろん情報開示のイニシアチブを取るのは皇太子自身の会社。彼が所有するオーガニック食品会社のダッチー・オリジナルズは、原料の育成、製品の加工と供給のプロセスにおいて、温暖化を促進する成分がどれだけ削減されているかを計量し、その数値を商品パッケージに表示するそう。

「こんな問いを発する経営者が何人いることでしょう?『我々のビジネスは、何マイル分の南極の氷を溶かしているのか?』『何インチの海面を上昇させた?』『どれだけの種を危機にさらしている?』。決して気分のいいものではありませんが、それでも問わねばならないのです」、そう皇太子は語る。

その生活に市民の血税が注ぎ込まれているという部分では評判の芳しくない王室だが、影響力の使いどころをしっかり心得えた彼の行動は高く評価されるべきだろう。ロンドン市内を自転車で駆け巡る皇太子の姿が見られないのは、多少残念だけれども。

「The Guardian」紙 "Prince Charles pledges greener royal lifestyle"他



 

入国審査で、海外アーティストにストップ! from UK

入国を拒否されたウィルソンとバトラー 夏になると、英国各地で音楽フェスティバルが次々開催されるに伴い、海外から大物アーティストが空港に降り立つ機会も増える。入国管理局の決まりでは労働許可証を持たない者でも「特定のイベントの出演者としての招待状」と有効な入国許可証を所持していれば、エンターテイナーとして入国可能。しかし今年はビザ審査の段階で、門前払いを食らうアーティストが後を絶たない。
例えば先日行なわれた、ウーマッド・フェスティバルでヘッドライナーとして出演が決定していた、ジンバブエのトーマス・マップフーモ氏。 現在米国に滞在中の同氏は、英国の労働許可証保持者であるにもかかわらず、入国を拒否された。その背景には、氏が米国に入国した際、ミュージシャンに発行されるビザを取得した後に心変わりをし、政治的亡命者に対する保護を要請したいきさつがある。これが原因で、英国大使館の入港許可証担当者は、マップフーモ氏の真の渡英目的が不明だと判断したのだ。
またエディンバラ・フリンジに出演予定だった英豪2人組のフォーク・グループ「ウィムジカル・トライシクル」。そのメンバーであるバイオリニストのミッシェル・ウィルソンさんは昨年末、病気の母親を見舞いに一時オーストラリアへ帰郷。フェスティバル出演のために再び来英し、入国を試みたところ、不法労働の過去があるという理由で拒否された。確かに、ウィルソンさんは04年10月から05年6月まで看護婦として英国の病院で働いていた。当時、病院側が労働許可証を申請しているとの話だったが、今回ホーム・オフィスの捜査により、申請そのものが行なわれていなかったことが判明。現在、彼女の相方であるキーラン・バトラー氏は今月行なう予定のライブに間に合うよう、急遽ピンチ・ヒッターを迎えた。
入国許可が降りなかったアーティスト達は、イベント出演をドタキャンせざるを得ない。業界関係者はこうした動きにより、今後のフェスティバル主催者がビザ関連のトラブルを抱えるアーティストへの出演依頼を避けるという「文化的検閲」につながるのでは、と懸念している。

8月1日付「The Independent」紙"Immigration rules deprive festivals of foreign stars"



 

ポップ・スターが集う夢のホテル from UK

本誌1074号(12月7日発行) 現在、とあるホテルがレコード業界の注目を一身に集めている。その名は「ハボ・ホテル」。なんと人気ロック・バンドのU2が、新作アルバムのプロモーション活動の一環として同ホテルのバーでパブ・クイズを開催するというのだ。

といっても、このホテルの住所は仮想3D空間にしか存在しない。宿泊客は皆、登録ユーザーの好みに合わせてカスタマイズされた「アバター」と呼ばれるキャラクターたちだ。つまりU2メンバーのボノやジ・エッジたちも、アバターとなって登場する仕掛けである。

ハボ・ホテルはフィンランドの会社スラケ・コーポレーションが開発したオンライン上の仮想空間。ユーザーは自分の分身であるアバターを動かし、ホテル内を自由に歩き回る。そこでは部屋を借りたり、他のユーザーと会話をしたり、さらには自分の店を出すことさえも可能。ユーザー数は英国内だけで80万人に上り、その多くが11歳から18歳までの少年少女だという。

このホテルの存在に目をつけたのがレコード業界。なにしろCDの売上高に大きく貢献する10代の若者は、業界の主要ターゲットだ。彼らへのアプローチ方法に四苦八苦していた業界にとって、まさにその年代のユーザーが集まる3D空間は格好のPRチャンスといえる。英国の若手ポップ・グループ、マクフライのメンバーたちも、アバターを通して若者たちと交流することでさらなるファン層を広げている。

そんな風潮の中、今やロック界では大御所と呼べる存在のU2さえもハボ・ホテルに足を踏み入れることになった。若者たちがもはや音楽雑誌やライブ番組といった既存メディアでは満足しないという現実に対して、レコード業界のマーケティング戦略が大きく方向転換しているのが見て取れる。デーモン・アルバーンによる仮想バンド、ゴリラズが05年に同ホテルで「ライブ」を行ったのも記憶に新しい。

現在、ハボ・ホテルを利用しているユーザーの数は世界27カ国のおよそ700万人。ちなみにこのホテルでは日本語も通じる……のではなく、日本語版も存在する。日本版サイトでは「Habooホテルってなに?」というお子様口調でお出迎え。年配の宿泊客にはやや肩身が狭い、気がしなくもない。

「Spiegel 」紙 "Lust auf lovely Deutschland"



 

国外移住するならドイツ?! from Germany

本誌1074号(12月7日発行) 就職難を背景に、昨年は過去50年来最大となる14万5000人のドイツ人が職を求め国外に移住した。ちまたでも、夢と期待に胸をふくらませ、国外で第2の人生をスタートさせる家族を追ったドキュメンタリーTV番組が花盛り。ドイツ政府は、「若くて有能な頭脳が国外に流出している!」と危機感を募らせるが、ちょっと待った。ちらっとよその国を見てみれば、どうやら状況はそんなに悲観的でもないようだ。例えば英国。年間の移民数がドイツのそれをはるかに超える同国では、移住先候補にドイツの名を挙げる人も少なくないという。

クリス・アランさん、63歳。観光で有名な英東海岸沿いの町ノルウィッチでリタイヤ生活を送る彼はいま、毎年休暇を過ごすコブレンツ近郊の町への移住を考えている。「ラインラント地方の素朴な風景が大好きなんだ。英国に比べて不動産も安いしね」。ロンドンからミュンヘンにやって来た44歳の技術師、スティーブ・ヘイスティングスさんも、ドイツに魅せられた一人だ。「バイエルン州ではハイテク産業の需要が豊富。当初は3年の予定だったけど、これからもずっとドイツかな。それに、ロンドンでは週末ともなると道端で酔っ払った奴らの騒動が耐えないけど、ミュンヘンの酔っ払いはみんなビアガーデンに集まって楽しく騒ぐだけで、治安も抜群だしね」。「英国 人のユーモアが聞けないのはちょっとさびしいけど」と付け加えながらも、ドイツでの暮らしにおおむね満足している様子だ。

英国の昨年1年間の移民数は35万人。失業率は約5.5%とドイツに比べてかなり低い同国だが、生活費が高すぎる、天候が悪い、などの理由でドイツの倍以上の国民が国外に脱出した。しかも大半は20代半ばから40代の若い世代だ。

しかし、ドイツのマスコミが醸す憂国的なトーンとは違い、英国人の中にはそういった状況を問題視する向きはあまりないようだ。所変われば見方も変わるということか。音楽プロデューサーで、2年前からハンブルクに住むゲイリー・アルダーソンさんはこう話す。 「世界の国々がどんどんお互いの距離を縮め、それによって人々が生きていく国の選択の幅が広がる。とってもいいことじゃないか!」。

「Spiegel 」紙 "Lust auf lovely Deutschland"



 

青年(偽)貴族Dの華麗な生活 from Germany

ドイツ人は高級車に弱い? その名も「ベーレブルク伯爵ヨルク・ア レクサンダー・セイン=ヴィットゲン シュタイン」。でたらめに作り上げた貴族名で、 ドイツ国内でも有数のデュッセルドルフの上流階級に仲間入りし、クレジットカードや盗んだ 金で贅沢三昧の生活をして10万ユーロ(約 1480万円)の詐欺罪に問われている21歳の青年ヨルク・Dの公判が先頃始まった。夢のような嘘の世界と、貴族の名前一つで慎重なドイツ 人がころっと騙された実態は、まるで「現代の メルヘン」のようだ。
ヨルク・Dがデュッセルドルフに現れたのは、 昨年8月。高級車で銀行に到着したDは、白い スーツにオーダーメイドの靴を着用し、上品な 香水の匂いを漂わせ運転手から「殿下」と呼ばれていた。慎重さにかけては一番のはずの銀行 だが、その雰囲気は完璧だったようで、まじめ な行員が「貴族様のご機嫌を損ねてはまずい」 と普通ならクレジットカード取得に絶対必要な証明書類を要求するのをためらっているのを見 た時、Dは「いける!」と直感、一気に「貴族劇 場」が開幕したと証言している。
高級車は、購入を前提に試運転と称して借り 出したもの。さらにDはクレジット・カード で高級服や家具を買い、宝石店では貴族の紋章 入りリングを作らせる念の入れようだった。その甲斐あってか2カ月後には上流階級の仲間入 りを果たし、自ら5ツ星ホテルでパーティーを開 くなど社交界の中心人物に。貴族と知己になり たい金持ちは後を絶たない一方、一緒にショッピングをした際に財布を盗まれても、万が一に も「貴族」を疑う人はなかったという。
400件余りの詐欺に問われているDだが、騙 されていたことが公になるのを嫌うお偉方もい る上、少年刑法が適用される見込みで、近く下 される判決では罪状に比べて軽い実刑4年程度で済むものと見られている。子どもの頃から、 他人を演じる癖があったというD。アビトゥア (大学入学資格試験)を断念し、職業教育も受 けていないが、貴族で通せる端正な顔立ちと抜群の演技力で、将来は役者の道を歩むというの はどうだろう。

7月29日付「Die Welt」紙“Falscher Fuerst sieht sich vor Gericht als Problemkind”ほか



 

フランス観光客新世代 from France

フランス観光客新世代 フランスといえば世界有数の観光地、ヨー ロッパの中でも観光客収穫数ナンバー・ワンの国。しかし、ここ数年、この国に変化が 訪れている。
現時点では、フランスに訪れる観光客の大半はヨーロッパの国からなのだが、ここ数年、ブラジル、ロシア、インド、中国からの観光客が 増えつつある。フランスでは、これらの国の頭文字を取って観光客新世代BRICと呼んでいる。
フランス観光省発表によれば、2005年度の アジア・オセアニアからの観光客は26%増。中国人に関しては、月平均5万人強がフランスの ホテルに宿泊している。この数字は年々上昇傾向にあり、観光のため国外に出た中国人が 2900万人だった2004年に対して、2020年には 約1億人の中国人が観光客として世界中を渡り歩くと同省は見ている。BRIC4カ国は、現在急激な発展の段階にあり、中流階級の購買力が数年前に比べ格段に上昇したことが同地からの観光客増加の要因となっている。
世論調査会社によれば、ブラジル、ロシア、インドは資産家の多い国ベストテンに入りここ数年、世界で最も急速に成長している国という。 現在フランスに訪れる年間7600万人の観光客のうち、中国人50万人、インド人20万人、ロシア人30万人、残りの85%はヨーロッパからの観光客となっている。しかし、ヨーロッパからの観光客がバカンス・シーズンに集中するのに対して、BRIC観光客はシーズンに関係なく訪れる。さらに、中国人など初めてフランスの地を踏む観光客は、ヨーロッパからの観光客とは対照的にルイ・ヴィトンなどの高級ブランド店でショッピングをする傾向が強い。
2005年度、中国人観光客はおよそ4.5億ユー ロ(約666億円)ものお金を旅行に使い、観光客平均では1人当たりおよそ3000ユーロ(約44 万円)の出費。そのうち18%は宿泊費、34%はショッピングにあてがわれているという。インドからの観光客に関しても、ここ数年上昇傾向にあり、香港やシンガポールに進出したフランス政府観光局が近いうちにボンベイに進出する可能性も大きくなってきた。

8月10日付「リベラシオン」紙 "Les ≪Bric≫: nouvelles classes touristes"



 

国民の11%が貧困層? from France

本誌1074号(12月7日発行) 686 万人が貧困者といわれてあなたはどこの国を想像されるだろう? アフリカ、アジアのどこかの国かしらんと思った人は大間違い。これは先日、「リベラシオン」紙が報道した、フランスの貧困者層の話なのである。

統計会社Eurostatの規定では、フランス国民の半数から中間層の平均収入(1314ユーロ(約20万円))を割り出し、その60%以下にあたる788ユーロ(約12万円)以下の所得者層が貧困層にあたる。フランスの総人口がおよそ6200万人なので、実に人口の11%が生活難を強いられていることになる計算だ。

フランスの慈善団体エマウス(Emmaüs)代表のマルタン・ヒルシュ氏によれば、貧困者層の3分の1がパートタイム、3分の1が失業者および求職者、残りはフルタイムで働いているものの政府公認の最低賃金が支払われず、しかも扶養家族が多く生活難で苦しんでいる。

数字だけを見れば、1996年には13.5%あった788ユーロ以下の所得層は、2004年には1.8ポイント減の11.7%になっており、確かに減少傾向にある。

しかし、96年と04年の経済状況ではインフレ率に大きな差があり、英国のような急激な失業者の増加はないものの、99年~01年間は、70年代以降最も高い失業率の上昇を記録しているのだ。

さらに最低限所得保障制度(RMI)の対象者は年々増加する一方で、2005年には120万人に達している。元々フランス人は社会制度や労働待遇に関しては、左寄りの意見を支持する人が多い。もっとも、これはフランス人独特の「適度に仕事をし、しっかりと給料をもらい、優雅に遊ぶ」という気質をうまく象徴しているが、そんな悠長な考えは許されない、厳しい格差社会の波がこの国にも到来している。

あと数カ月後に迫った大統領選。社会党からはセゴレン女史が正式出馬するほか、他党からも次々に候補が名乗りをあげている。もはや貧困層だけではなく、中流層にも打撃を与え始めている経済問題の解決に向け、国民は誰に1票を投じるのだろうか。

「Libération」紙 "6.8 millions de pauvre"



 

法王のカレンダーはいかが from Germany

本誌1072号(11月23日発行) 来年のカレンダーは何にしよう…。好きな画家の絵や素敵な外国風景のものもいいけど、来年はちょっと変わり種で部屋を飾りたいなあ。そんなあなたのリクエストに応え(たのかどうかは知らないが)、バチカン市国からこのたび、とっておきの新作が届いた。なんと、ローマ法王ベネディクト16世の特別撮り下ろし写真付きカレンダーだ。

もちろんこれまでも毎年、「法王カレンダー」なるものはあったが、使用された写真はすでに以前どこかで撮影されたものの流用で、カレンダーのためだけに法王が撮影に臨んだのは今回が初めてのこと。プラダの靴をさらりと履きこなし、お洒落な一面も報じられる現 法王だけに、そのフォトジェニックぶりにも 注目だ。

「夏休み中に編集者から突然電話があったん だ。今から法王の所に飛んでいけって」と話 すのは、今回カレンダー用写真を撮影すると いう栄誉に預かったカメラマンのジャンカル ロ・ジュリアーニ氏。その足で、法王の夏の 避暑地があるローマ郊外のカステル・ガンド ルフォ(Castel Gandolfo)に向かった。

歴代の法王の写真を撮り続けて40年という ベテランの同氏いわく、ベネディクト16世は 「どちらかと言えばシャイ」。できるだけ自然 なショットを撮ることを心がけ、特にポーズ を取ってもらうことはしなかったという。チ ャペル、図書室、庭園などの異なる場所で撮 影した写真は200点にも及んだが、その中か ら表紙と今年の12月ページ用を合わせて選り すぐりの14点が使用されることになった。

今月23日から発売が始まったカレンダーは 1部5ユーロ、そのうち1ユーロはルワンダの 孤児を支援する慈善団体に寄付されることに なっているが、出版元の伊カトリック系週刊 誌「ファミリア・クリスティアーナ(Famiglia Cristiana)」によれば、そもそもその案を思 いついたのは当の法王自身だったという。

「INSIEME ~Un anno con il Papa」。こ のタイトル通り、法王と一緒に素敵な1年を 過ごしたいあなた、部屋のお気に入りのス ペースを法王に捧げてはいかがだろう。ただ、 同誌によれば発売はイタリア国内のみという から、入手はちょっと困難?

「Zeit Online」ほか “ Exklusive Aufnahmen: Papst posiert fur 法王の笑顔で部屋を華やかにKalender”



 

飛び込む前にご注意あれ from UK

本誌1072号(11月23日発行) コンクリート・ジャングルでの生活に疲れたロンドン市民の憩いの場の1つが、北部に広がるハムステッド・ヒース公園。敷地内の池は、夏のホリデーに行く暇のない面々が集う人気遊泳スポットだ。だがクリスマスの声も聞こえてこようかという今ごろになって、なんとも季節外れな問題が持ち上がった。

問題となっているのは敷地内にある女性水泳客専用の池。実はこの池の水、欧州連合(EU)の定める厳しい水質基準をパス出来ずに「泳ぐには汚すぎる!」との落第点を頂戴していたのだ。その事実をすっぱ抜いた「タイムズ」紙によると、水泳客の数がピークとなる夏季に、なんと4度も検査に引っ掛かっていたという。高級住宅地にある美しい公園というのが売りのハムステッド・ヒースとしては受け入れがたい汚点、いや汚水である。

ハムステッド・ヒースを管理するシティ・オブ・ロンドンの広報担当は、この報道内容に苛立ちを隠せない様子。「水が汚れていたというのも夏の間の数週間だけ。今はまったく問題ない。それに泳ぐという観点で考えれば、健康への心配はありません」と強い口調で語る。

ある環境学者は池の周りをぐるりと囲むマロニエの木が原因ではないかと疑っている。今年は例年より落葉が早く、池のぬるい水に浸かった葉っぱがバクテリアの発生を促し、それが水質の低下に繋がった可能性があるというのだ。

肝心の使用者の反応はというと、正式に「汚い水」と烙印を押されてしまったにも関わらず、池でのひと泳ぎをあきらめる傾向は見られず。常連客には水質基準をパスしなかったと警告したものの、それが理由で水泳をやめたという話も聞かないという。

ちなみにこの池は年間を通じて開放されている。歯の根も合わない真冬のロンドンで誰が水泳など、と思った人はまだ甘い。冬でも変わらず通い続ける人々も少なくなく、中には薄氷を突き破って水浴びを敢行するという強者もいるというから驚きだ。それで風邪をひかないのなら、確かに多少のバクテリアごときはものともしない身体なのかも。

「Spiegel」ほか Jugendzeitschrift feiert mit Stars von gestern und heute



 
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