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Wed, 10 December 2025

LISTING イベント情報

世界各国の作品が観られる、歴史ある映画祭

ロンドン・フィルム・フェスティバル 2020 BFI London Film Festival 7-18 October 2020

時代を象徴する話題の映画を楽しもう
今をときめく俳優や有名監督による珠玉の作品が集まるロンドン・フィルム・フェスティバル。64回目となる今年は、40カ国以上の国から130以上の作品が集まる。一部の作品は、ロンドンだけでなく、地方の映画館でも観られるようになった。今年は、人種をテーマにした作品が例年以上に多く選出された。

今年はオンラインでも見られる
新型コロナウイルスの影響を受けた今年は、観客の安全を考慮し、オンライン上映という異例のスタイルを採用。例年とはチケット制度も異なるため、詳細は公式ウェブサイトでチェックしてほしい。

主な上映会場
BFI Southbankなどロンドン中心地。会場の詳細については、公式ウェブサイトを参照。
www.bfi.org.uk/london-film-festival

映画祭の始まりと終わりを告げる1本

Opening Screenings

黒人コミュニティーと警察の全面戦争
Mangrove

(UK 2020 / 126分) 監督: Steve McQueen
Letitia Wright, Shaun Parkes, Malachi Kirbyほか

1960年代から90年代のロンドン西部ノッティング・ヒルで、黒人系ロンドナーのコミュニティー・センターとしても機能した、カリビアン・レストラン「ザ・マングローブ」。このレストランに執拗な嫌がらせを繰り返した警察に対し、地元の活動家が中心となってデモ抗議を行った結果、警察と衝突し、9人の活動家が不当に逮捕されてしまう。英国における黒人コミュニティーの歴史を語る上で、決して外すことのできない事件を、「それでも夜は明ける」でアカデミー賞作品賞を受賞した映画監督として、 またヴィジュアル・アートなど幅広い分野で才能を発揮するスティーヴ・マックイーンが作品化。逮捕後に行われた55日間にわたる裁判を通じ、黒人同士の強い結束と差別に対する激しい抵抗を描く。レティーシャ・ライトやマラカイ・カービーなど、今をときめく俳優が多く出演する。世界各地でブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter=黒人の命にも意味がある)の抗議活動が活発な今こそ鑑賞したい作品だ。

10月7日(水) BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Mayfair, Curzon Soho, ICA

Closing Night Screenings

海沿いで繰り広げられる切ない恋模様
Ammonite

(UK 2020 / 112分) 監督: Francis Lee
Kate Winslet, Saoirse Ronan, Gemma Jonesほか

実在した化石採集家で古生物学者のメアリー・アニング(1799〜1847年)を題材に、アニングの架空の恋愛模様を描いた異色のドラマ。アニングの恋の相手は、一時期共に化石採集をしていた、実在の友人シャーロット・マーチソン(1788〜1869年)だ。本作は、英南部の海岸沿いにあるアニングの故郷、ライム・レジスを舞台に、化石採集に励むアニングのもとに突如現れたマーチソンとの、秘密の関係を描いたフィクションとなっている。アニング役は「タイタニック」「愛を読むひと」で主演を務めた英国人俳優、ケイト・ウィンスレット。「つぐない」「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」に出演したアイルランド出身のシアーシャ・ローナンがマーチソン役を務める。監督は、デビュー作「ゴッズ・オウン・カントリー」で、美しい風景と繊細な人間心理の描写を高く評価された、フランシス・リー。1840年代の小さな町で生まれた身分違いの恋を、当時の社会情勢を織り交ぜて丁寧に表現する。

10月17日(土) BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Mayfair, Curzon Soho, ICA, Prince Charles Cinema
10月18日(日) BFI Southbank

注目の英国作品

Dare

アイデンティティーとの戦い
Mogul Mowgli

(UK, USA 2020 / 89分) 監督: Bassam Tariq
Riz Ahmed, Alyy Khan, Aiysha Hartほか

英俳優でラッパーのリズ・アーメッドが、パキスタン系英国人ラッパーの苦悩を演じた話題作。米ニューヨークを拠点に活躍するゼッドは、体調不良のため、ツアーを前に英国の実家を訪ねる。しかし待ち受けていたのは、両親からの無言の非難、そして友人たちからの「ココナッツ」(自分の属す人種や文化を裏切ったときに使われる俗語)という冷たい言葉だった。

10月10日(土) BFI Player(18:30), BFI Southbank, Barbican, Curzon Soho
10月13日(火) BFI Southbank, ICA, Prince Charles Cinema

Love

愛は認知症を受け入れられるか
Supernova

(UK 2020 / 93分) 監督: Harry Macqueen
Colin Firth, Stanley Tucci, James Dreyfusほか

20年もの歳月を共にしてきたカップル、サムとタスカー。これからも穏やかな日々が続くと思われた矢先、タスカーの若年性認知症が発覚する。全てを忘れる前に大切な時間を過ごそうと、2人は英国中を旅する計画を立てるが……。コリン・ファースとスタンリー・トゥッチが、揺るがない絆を持ちながら不確定な未来に向かって歩むしかない戸惑いを見事に表現している。

10月11日(日) BFI Player(20:30), BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Soho
10月12日(月) BFI Southbank, Curzon Mayfair
10月14日(水) BFI Southbank
10月18日(日) Prince Charles Cinema

人権に焦点を当てた作品

Debate

エア・ジョーダンとマーケティング
One Man and His Shoes

(UK 2020 / 83分) 監督: Yemi Bamiro
David Falk, Jemele Hill, David Sternほか

バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンとナイキのコラボ商品「エア・ジョーダン」。このシューズに象徴されるジョーダンの社会的、商業的な人気と、ブラック・カルチャーの商品化、またその裏にある10億ドル規模のマーケティング戦略に迫るドキュメンタリーだ。一つのブランドが、米国人の消費主義とセレブへの執着心を利用し、若者文化へ介入した経緯を探る。

10月13日(火) BFI Player(18:30)

Debate

メキシコ国境付近の闇
Identifying Features (Sin Señas Particulares)

(Mexico, Spain 2020 / 97分) 監督: Fernanda Valadez
Mercedes Hernández, David Illescas, Juan Jesús Varelaほか

メキシコ中部グアナフアトに住むマグダレーナは、より良い生活のため、息子へヘスとその親友リゴを米アリゾナへ送り出す。しかしリゴは到着前に遺体として発見され、へヘスは消息不明になる。法律も秩序もないメキシコの国境地帯で一体何が起こったのか、マグダレーナは独自のルートでへヘスを探しに行く。近年激化する国境付近で起こる悲劇を取り上げた作品。

10月15日(木) BFI Player(20:30)

世界発の観るべき作品

Laugh

9年ぶりとなる待望の新作
Kajillionaire

(USA 2020 / 105分) 監督: Miranda July
Evan Rachel Wood, Gina Rodriguez, Richard Jenkinsほか

作家や映画監督、パフォーマンス・アーティストとしてマルチに活躍する、ミランダ・ジュライ監督の長編作品。強盗を企てる両親が、計画を遂行するために、面識のない女性、メラニーを突然連れてくる。娘のオールド・ドリオは、この不思議な出会いによって、新たな感情が芽生えたことに気付く。米ロサンゼルスを舞台にした不思議な世界観と、色彩豊かなグラフィックを堪能したい。

10月7日(水) BFI Player(21:00)

Journey

実際にあり得るかも? 芸能人の休日の過ごし方
A Day-Off of Kasumi Arimura (Arimura Kasumi No Satsukyu)

Destroyer
(Japan 2020 / 42分) 監督: 是枝裕和
有村架純、風吹ジュン、満島真之介ほか

日本人俳優、有村架純の撮休(撮影の合間に訪れた突然の休み)をテーマに、数人の監督がイメージを膨らませて撮影した全8話のオムニバス・ドラマ。今回は、是枝裕和氏が監督した第1話のみが上映される。有村は撮休を使い、久しぶりに母親に会いに行くことにする。是枝監督が描く、ゆったりとした時間のなかで交わされる、家族の温かなやりとりに注目。

10月10日(土) BFI Player(13:00)

Dare

スリリングでパンクな世界観
Siberia

(Italy, Germany, Mexico 2020 / 92分) 監督: Abel Ferrara
Willem Dafoe, Dounia Sichov, Simon McBurneyほか

「永遠の門 ゴッホの見た未来」のゴッホ役が記憶に新しい俳優、ウィレム・デフォーと、米国の鬼才アべル・フェラーラ監督が、2019年の映画「トマーソ」に続きタッグを組んだ実験的な作品。デフォー演じるクリントは、山腹の荒れ果てたバーで、さまざまなタイプの怪しい客と接触するうちに、眠っていた記憶が呼び起こされる。演出家でもあるサイモン・マクバーニーも出演。

10月10日(土) BFI Player(20:30)

Create

1990年代を彷彿させるロード・ムービー
Striding Into the Wind

Destroyer
(People's Republic of China 2020 / 130分) 監督: Wei Shujun
Zhou You, Zheng Yingchen, Wang Xiaomuほか

「オン ザ ボーダー」でカンヌ国際映画祭の短編部門審査員特別賞を受賞した、北京生まれの映画監督、ウェイ・シューチュンが描くロード・ムービー。映画学校の卒業年を迎えたサウンド・レコーディストのクンが、モンゴル行きを夢見ながら、古びたジープで北京をドライブする。監督自身の経験を基にした、1990年代後半の北京の空気が感じられる作品だ。

10月16日(金) BFI Player(18:30)

チケット入手方法

オンライン
公式ウェブサイトから直接申し込む
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/default.asp
電話
Tel: 020 7928 3232 (Box Office)
※ 6日までは毎日11:30~20:30、開催期間中は10:30~21:00
チケット再販売 / スタンドバイ・チケット
売り切れなどで購入できなかった場合にも、当日少数のチケットが販売される。予約はBox Officeへ電話を。

チケット料金

スタンダード・チケット
映画館: £14
BFI Player: £12
割引料金
16〜25歳: £5(当日券。一部の作品のみ適用)
学生 / 高齢者など: £12
(身分証明書必須。平日マチネと土・日の正午前のみ)
 

6 Best Fireworks Displays in London ガイ・フォークス・ナイトロンドン近郊の花火イベント6選

ガイ・フォークス・ナイト

冬時間に変わり日照時間が急激に短く感じられる11月、英国ならではのイベント、ガイ・フォークス・ナイトがある。16世紀後半、イングランドではイングランド国教会が設立され、カトリックからプロテスタントへと移行。1603年にカトリック教徒の母を持つジェームズ1世が即位するも、依然カトリック排除の方針は変わらなかった。これに異を唱えた一部のカトリック教徒たちは、1605年11月5日に王暗殺及び議会爆破を計画。結果は失敗に終わり、ガイ・フォークスを始めとする計画犯は処刑された。以来この時期に、平和を祝ってかがり火や花火をする習慣が始まった。家族同士のパーティーから街レベルで開催される花火大会まで規模は色々。以下はロンドン近郊の注目イベント6選だ。(文:稲村美紀)

テニスの聖地で音楽と花火の華麗な競演 Wimbledon Parkウィンブルドン・パーク

キッズ用と大人用と別々のテーマで2回に分けて花火が打ち上げられる。今年のキッズ用のテーマは「フィール グッド&ポップ」。2019年のテーマ「グレイテスト・ショーマン」に引き続き、子どもたちのあふれる笑顔が期待できそうだ。ちなみに近隣のモルデン・パーク(Morden Hall Road, London SM4 5JD: Morden駅)でも同じ内容のイベントが5日(土)に開催される。

11月4日(金)20:30開始
(子ども用は 18:45開始)
オンライン前売りチケットのみ
大人£10.70~、子ども(5~15歳)£8.02〜、4歳以下無料

Wimbledon Park
London SW19 7HU
Southfields / Wimbledon Park駅
www.merton.gov.uk/news-events/events/
fireworks.htm

キッズに優しい南ロンドンの花火大会  Crystal Palace Parkクリスタル・パレス・パーク

同名の建築物が様々なイベントで多くの人々を楽しませてきたという歴史のある場所、クリスタル・パレス。メインである大規模な花火のほかにも、かがり火や光のショー、子どもも大人も楽しめるアトラクション、DJブースなど、アドレナリンを放出させるような演出が目白押しだ。フードのストールの営業もある。※2022年は開催しません

11月2日(土)17:00-10:30
オンラインでの前売りチケットのみ
大人(11歳以上)£11、子ども(11〜15歳)£9、幼児(10歳以下)£2.50 

Crystal Palace Park
Anerley Hill London SE19 2AA
Crystal Palace駅
https://www.fireworksspectacular.co.uk

ビール・フェス併催のお祭り Alexandra Palaceアレクサンドラ・パレス

19世紀のオープン以来、英国の歴史に残るイベントが数多く開催されてきた「民衆のための宮殿」では、今年もビール・フェスティバルが同時催行される。また、トリビュート・バンド演奏、定番人気の屋台など盛りだくさんの内容だ。アイススケート・リンクや遊園地など家族が楽しめる施設も充実。

11月5日(金)20:00(開場は16:00)
オンラインでの前売りチケットのみ
大人(16歳以上)£16.50、子ども(0〜15歳)£11.50、幼児(10歳以下)£2.50
*大人1枚につき幼児2枚まで購入可※2022年の幼児のチケットは完売

Alexandra Palace
London SW19 7HU
Alexandra Palace Way, London N22 7AY
Wood Green / Alexandra Palace 駅
www.fireworks.london

芸術的な花火と人気DJのコラボ Battersea Parkバタシー・パーク

毎年2万人近い観客動員数を誇る、音楽と花火が織りなす華やかな空のエンターテインメント。30年近いキャリアをもち、芸術性の高い花火で世界中に名を馳せる、花火の職人集団、ジュビリー・ファイアーワークスが花火。また、ライブ・ミュージックやドイツ式のビア・パーティーなどが楽しめるアフター・パーティー(5日のみ)も見逃せない!アフター・パーティーのチケットは花火のチケットの購入の際に別途オプションで付けられる。 

11月5日(土)20:00 開始
(開場は18:00、20:00以降は入場できないので注意)
11月6日(土)19:00 開始
(開場は17:00、19:00以降は入場できないので注意
オンライン・チケット:£11.50+手数料

Battersea Park
Queenstown Road, London SW11 4NJ
Battersea Park 駅
https://enablelc.org/fireworks

入場無料の人気イベント Blackheathブラックヒース

この時期の花火大会は有料が多いなか、数少ない入場無料の花火大会がこちら。グリニッジ天文台で知られるエリアということも手伝い、参加者数は毎年8万人を下らないといわれている。広大な芝生が広がるブラックヒースには、にぎやかな移動遊園地やフード・ストールも設置され、楽しいひとときが過ごせること確実だ。※2022年は開催しません

11月2日(土)20:00 開始
(遊園地施設は12:00、ストールの営業は17:00から)
入場無料

Blackheath
Shooters Hill Road, London SE3 0TY
Maze Hill / Blackheath 駅
https://lewisham.gov.uk/inmyarea/events/fireworks/blackheath-fireworks-2019

英国一のガイ・フォークス・ナイト?Lewesルイス

ロンドン中心地から列車で1時間半程南下したルイスでは近隣の町と共同で、国内で最も大規模なガイ・フォークス・ナイトが開催されることで有名。また、16世紀半ばに、カトリックに異議を唱えて火あぶりの刑にされた地元17人のプロテスタントを偲ぶ日ともなっている。燃える十字架を掲げて街を歩き、毎年お騒がせ人物の肖像を大かがり火に放り込むことでも知られる。

11月5日(土)
17:00ごろ〜翌1:00ごろまで

Lewes市内各地
Lewes駅
(ロンドンのVictoria駅からLewes駅まで列車で約1時間30分)
https://www.lewesbonfirecelebrations.com

花火を怖がるペットをリラックスさせる方法

人間よりもはるかに優れた聴力を持つ犬や猫。花火の音に恐怖を感じるのも当然ともいえる。英国動物虐待防止協会は、花火を怖がるペットたちをリラックスさせる対処法や改善法を紹介している。例えば①ペットが隠れる場所を見つけておく、②花火大会が近隣で開催されるときは、日中のうちに十分に散歩をさせ、夜は室内に、③怖がるペットを叱りつけたり罰を与えたりするのは逆効果、④音楽をかけて花火の音をごまかす、など。このほかサウンド・セラピーにトライしたり、ペットそれぞれに応じて的確に診断アドバイスをしてくれるトレーナーに相談したりもお勧めだ。

参考サイト:英国動物虐待防止協会
www.rspca.org.uk/adviceandwelfare/pets/general/fireworks

 

Harvest Festival
英国ならではの秋の収穫祭へ!

リンゴが色づき、野菜がふっくらと育つ秋が訪れ、各地で収穫を祝うイベントが行われている。ロンドンから比較的、簡単に訪れることのできるエリアの収穫祭を紹介しよう。農作物だけではなく、秋らしい景色も楽しめる。

2200種類のリンゴの品種が集まる
National Apple Festival
ナショナル・アップル・フェスティバル

ブログデール果樹園赤く実ったリンゴ
ブログデール果樹園世界のリンゴを集めた納屋「Barn」
ブログデール果樹園リンゴ博士がリンゴの種類を鑑定してくれる
ブログデール果樹園果樹園を巡るトラクターツアーと、小さな列車
ブログデール果樹園ツアーガイド、ポールさんとのウォーキング・ツアー。興味深いお話がたくさん!
ブログデール果樹園広大な果樹園。リンゴの他、クインスやプラムなどもあるそう。
ブログデール果樹園ホームメイドのアップルパイやアップルドーナツ
ブログデール果樹園ランチはアップル・ソースを添えたロースト・ポークのサンドイッチ
ブログデール果樹園リンゴのお酒、サイダーも種類豊富
ブログデール果樹園いろんな種類のリンゴから作ったジュースやジャムも販売

ケントのブログデールに、古代種も含む2200種類のリンゴの品種が集まる、リンゴのことなら何でも分かりそうなイベント。リンゴを使ったお菓子やサイダー(シードル)、ジャムなどの販売のほか、果樹園を巡るツアーやトークも開催される。試食も可能なので、お気に入りの味を探してみては。

2019年10月19日(土)&20日(日)
10:00-17:00
£9

Brogdale Collections, Brogdale Road, Faversham, Kent ME13 8XZ
Tel: 01795 536250
Faversham 駅(London St. Pancras駅から列車で約1時間10分)
https://www.brogdalecollections.org/national-apple-festival/

キプリングの果樹園
Bateman’s Apple Day
ベイトマンズ・アップル・デー

ロスリン礼拝堂

「ジャングル・ブック」の作者ジョセフ・ラドヤード・キプリングの邸宅と庭園で知られるベイトマンズ。この日は、作りたてのフレッシュなリンゴ・ジュースや、ジャム、サイダーなど、ベイトマンズで育ったリンゴを様々に味わえる。

2019年10月19日(土)
11:00-16:00
£11.50(イベントは無料)

Bateman's Lane, Burwash, East Sussex TN19 7DS
Tel: 01435 882302
Etchingham駅(London Bridge/Cannon Street駅から列車で約1時間)
www.nationaltrust.org.uk/batemans

300年の歴史を誇る果樹園
Fenton House Apple Weekend
フェントン・ハウス・アップル・ウィークエンド

フェントン・ハウスイングリッシュ・アップル
フェントン・ハウスハムステッドの丘に建つ17世紀のお屋敷
フェントン・ハウス歴史ある果樹園

ハムステッドにある17世紀の邸宅の歴史ある果樹園で、イギリスの古代種リンゴから作られた新鮮なジュース、カクテルなど楽しめる。アップル・ジュース作り、バッジ作り、ゲームなど子供用のアクティビティーもある。

2019年10月5日(土)・6日(日)
11:00-17:00
£10.00

Hampstead Grove, London NW3 6SP
Tel: 020 7435 3471
地下鉄Hampstead駅から徒歩10分
https://www.nationaltrust.org.uk/fenton-house

ウィリアム・モリスのファンなら
Autumn Harvest at Standen
オータム・ハーベスト・アット・スタンデン

スタンデン・ハウス

19世紀に起きたアーツ&クラフツ運動の中心的存在、ウィリアム・モリスが内装を手掛けた邸宅。アップル・デーでは、アップル・ジュースが搾られる様子を見学したり、リンゴや果樹園について学ぶことができる。子供用アクティビティーもあり。庭園では紅葉の美しい日本原産の植物が観られるほか、果実や野菜が育てられており、毎週金曜日には試食やレシピの紹介が行われる。

Apple Day
2019年10月12日(土) 11:00-15:00
£12.60(イベントは無料)

West Hoathly Road, East Grinstead, West Sussex RH19 4NE
Tel: 01342 323029
East Grinstead駅(London Bridge駅から列車で約1時間10分)
www.nationaltrust.org.uk/standen-house-and-garden

川の近くでモリス・ダンス
Harvest Home
ハーベスト・ホーム

ロスリン礼拝堂

イングランド南東部サリーの、ウェイ川及びゴダルミング水路とダプデュン波止場で開催のイベント。リンゴ搾りや伝統的なモリス・ダンスのほか、かがり火で作った焼きいもや、マシュマロなども楽しめる。

2019年10月6日(日)
11:00-16:00
£4.20

Wharf Road, Guildford, Surrey GU1 4RR
Tel: 01483 561389
Addlestone駅(London Waterloo駅から列車で約1時間)
https://www.nationaltrust.org.uk/events/018209c8-7bf4-4127-b6ce-ad869d6e8659/pages/details

 

第63回 ロンドン・フィルム・フェスティバル BFI London Film Festival 2019 2-13 October 2019

63回目を迎える今年は、世界75カ国から345作品が集まった。時代の流れに合わせ、映画祭後の劇場公開のみならず、動画配信サービス限定の作品も多く選出されている。
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/

Embankment Garden Cinema、Empire Haymarket などロンドン中心地の12会場
会場の詳細については、公式ウェブサイトを参照

映画祭の始まりと終わりを告げる2本

Opening Night Gala

豪華キャスト陣で彩る、逆境に負けない男の人生 The Personal History of David Copperfield

The Personal History of David Copperfield
(UK 2019 / 120分)
監督: Armando Iannucci
Dev Patel, Ben Whishaw, Hugh Laurie 他

今年のオープニング作品に選ばれたのは、文豪チャールズ・ディケンズの名作「デイヴィッド・コパフィールド」の主人公、コパフィールドの人生を描いたドラマ。ヴィクトリア時代の英国を舞台に、コパフィールドの青年から中年期に焦点を当てる。脚本は「スターリンの葬送狂騒曲」など政治的ユーモアに定評のあるアーマンド・イアヌッチと英プロデューサー兼コメディー・ライターのサイモン・ブラックウェルによる共同執筆。原作にある子供に対する大人の無慈悲な仕打ち、労働階級の人々への冷たい処遇など、社会の負の側面も描きつつ、巧みなセリフ回しによって新鮮で笑える現代版コパフィールドとしてスクリーンに蘇った。本作は豪華なキャストが出演することでも話題になっており、「スラムドッグ$ミリオネア」「LION/ライオン~25年目のただいま~」で知られる英俳優デーヴ・パテールが主役を演じる他、ベン・ウィショー、ヒュー・ローリー、ティルダ・スウィントンなどが脇を固める。

10月3日(木)14:20 Embankment Garden Cinema
10月5日(土)12:30 Empire Haymarket

Closing Night Gala

同胞に潜む悪魔がボスを殺したのか The Irishman

The Irishman
(USA 2019 / tbc)
監督: Martin Scorsese
Robert De Niro, Al Pacino, Joe Pesci 他

「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ヒューゴの不思議な発明」の米監督マーティン・スコセッシが、米俳優ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノなど名優たちをそろえたシリアスな犯罪ドラマ。「ジミー・ホッファを殺したのは誰か?」——20世紀の米国を生きた実在の労働組合のリーダーで、全米トラック運動組合の代表でもあったジミー・ホッファは裏でマフィアとつながっていた。度重なる告発で有罪判決を受けたものの、時の米大統領であるニクソンによって1971年に特赦されるなど、常に局面を回避してきたホッファだったが、突如姿を消し、その後1982年に死亡認定される。本作は、その不可解な失踪に最も説得力のある説として、ホッファの仲間だった「アイリッシュマン」ことフランク・シーランが、死の直前に自分がホッファを殺したと告白した内容をまとめたノンフィクション「I Heard You Paint Houses」を元にしている。シーラン役はデ・ニーロ。最新のデジタル技術を使い、30〜70代までの肌をごく自然に表現したことも注目だ。

10月13日(日)18:30 Curzon Mayfair Cinema

話題の監督&俳優の最新作

Headline Gala

明るいヒトラーが心の友? Jojo Rabbit

Jojo Rabbit
(USA 2019 / 108分)
監督: Taika Waititi
Roman Griffin Davis, Thomasin McKenzie, Scarlett Johansson 他

第二次世界大戦も終盤に差し掛かったドイツに住む少年ジョジョは、架空の友達、アドルフ・ヒトラーが心の支えだった。ある時、母親がユダヤ人の少女をかくまっていることを知り、ジョジョは自身の信念が揺らいでしまう。戦争や愚かな人種差別を、ユーモアかつ心に響く作品に仕上げた。ヒトラーは、ニュージーランド出身の映画監督タイカ・ワイティティ自ら演じる。

10月5日(土)18:45 ODEON Luxe Leicester Square
10月5日(土)20:00 Embankment Garden Cinema
10月6日(日)14:30 ODEON Luxe Leicester Square
10月7日(月)15:10 ODEON Tottenham Court Road

American Airlines Gala

チャーミングな王子から絶対的な君主へ The King

The King
(UK-Hungary-Australia 2019 / 134分)
監督: David Michôd
Timothée Chalamet, Joel Edgerton, Sean Harris 他

「君の名前で僕を呼んで」「ビューティフル・ボーイ」のティモシー・シャラメが、シェイクスピア史劇「ヘンリアド」に登場するハル王子、後のヘンリー5世を演じる歴史ドラマ。ハル王子は、王位継承に消極的で後継者としての生活に背を向けて暮らしていたが、王である父が亡くなり、運命と向き合うことになる。一人の青年から君主へと変貌を遂げていく姿に目が離せない。

10月3日(木)18:45 ODEON Luxe Leicester Square
10月3日(木)20:05 Embankment Garden Cinema
10月4日(金)11:30 Embankment Garden Cinema
10月6日(日)12:45 Prince Charles Cinema

BFI Patrons’ Gala

トム・ハンクスの優しい声に癒やされる A Beautiful Day in the Neighbourhood

A Beautiful Day in the Neighbourhood
(USA 2019 / 107分)
監督: Marielle Heller
Tom Hanks, Matthew Rhys, Susan Kelechi Watson 他

米テレビ番組「ミスターロジャース・ネイバーフッド」で優しい歌声とソフトな語り口で子供たちを魅了した司会者フレッド・ロジャースの実話を元にした伝記映画で、監督は「ある女流作家の罪と罰」のマリエル・ヘラー。雑誌ライターのロイド・ヴォーゲルはロジャースの番組のやり方を流行遅れとみなしていたが……。誠実なロジャースを演じるのは大物俳優トム・ハンクス。

10月12日(土)17:30 Embankment Garden Cinema
10月12日(土)18:30 ODEON Luxe Leicester Square
10月13日(日)11:30 Embankment Garden Cinema
10月13日(日)17:45 Empire Haymarket

The Mayor of London’s Gala

息つく暇もない空への冒険 The Aeronauts

The Aeronauts
(UK 2019 / 101分)
監督: Tom Harper
Eddie Redmayne, Felicity Jones, Himesh Patel 他

「博士と彼女のセオリー」でW主演を務めた英俳優エディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズが再び共演する。気象研究のために熱気球とゴンドラだけで大気圏へ舞い上がる二人の冒険物語で、監督は昨年同映画祭でミュージカル・ドラマ「ワイルド・ローズ」が上演されたトム・ハーパー、脚本は舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」のジャック・ソーン。

10月7日(月)18:20 ODEON Luxe Leicester Square
10月7日(月)20:30 Embankment Garden Cinema
10月8日(火)11:15 Embankment Garden Cinema
10月10日(木)14:30 BFI Southbank

日本が舞台の作品

Dare

日本独特の家族レンタル・サービスに迫る Family Romance, LLC

Family Romance, LLC
(USA 2019 / 89分) 
監督: Werner Herzog
Yuichi Ishii, Mahiro Tanimoto 他

不在の家族を穴埋めする、実在の人間レンタル・サービス「ファミリー・ロマンス」を、数々のドキュメンタリーで知られるドイツのヴェルナー・ヘルツォーク監督が取り上げる。人々の願いをかなえるために、子供たちの前に父親として現れるなど、1日に複数の役柄を演じる同社の代表、石井裕一氏本人も出演。奇妙なニーズとそんな社会の在り方に疑問を投げ掛ける。

10月8日(火)18:20 Empire Haymarket
10月9日(水)15:30 Prince Charles Cinema

Thrill

ひたひたと追い詰められていくスリラー Earthquake Bird

Earthquake Bird
(USA 2019 / 108分)
監督: Wash Westmoreland
Alicia Vikander, Riley Keough, Naoki Kobayashi 他

保守的な翻訳者、ルーシーの周囲ではなぜか人々が次々と死んでいく。「コレット」のウォッシュ・ウェストモアランド監督が、1989年の東京を舞台に、殺人容疑をかけられたある女性を描くスリラー。主演は「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル、物語の鍵を握るカメラマン役にはEXILEのパフォーマー、小林直己が抜てきされた。

10月10日(木)18:00、18:30 Vue West End
10月11日(金)12:15 Embankment Garden Cinema

チケット入手方法

オンライン
公式ウェブサイトから購入
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/
電話
Box Office Tel: 020 7928 3232(毎日10:00~20:30)
会場にて直接
BFI Southbank(毎日11:00~20:30)
チケット再販売 / スタンドバイ・チケット
運悪く売り切れの場合にも諦めないこと! 9月26日(木)からさらにチケットが販売されるので、ウェブサイトをチェック。それでも購入できなかった場合には、当日各会場で上映開始45分前からキャンセル待ちの行列に並んでみよう。

チケット料金

スタンダード・チケット
ウエスト・エンド以外: £13.25~
ウエスト・エンド: £16.50~
平日マチネ: £10~14
ガラ & 特別上映
Galas & Special Presentation: £16.50~30
Opening & Closing Night Galas: £32
Screen Talks: £18
割引料金
16歳未満: £1(ファミリー・ガラ作品の場合は 大人£10、子供£5。大人1人につき子供券は最高3枚まで購入可能) 
学生 / 高齢者など:£6.50(身分証明書必須。平日マチネと土・日の正午前のみ) 
学生イブニング&週末: £10
 

英国で最大のインディペンデント系映画祭 レインダンス・フィルム・フェスティバル
27th Raindance Film Festival
18-29 September 2019

触れてはいけない社会の闇、一風変わったテーマなどを扱い、メジャー路線にはないエッジの効いた作品が集まる映画祭。日本作品の紹介に加え、「ドブ川番外地」で今後に期待がかかる渡邉安悟監督のインタビューも合わせてご紹介。

会場: Vue Piccadilly
住所:19 Regent Street St. James's, London SW1Y 4LR 
チケット: £12
https://www.raindance.org/festival/

長編

友人の死から始まった、新たな物語 A Dobugawa Dream
ドブ川番外地

ドブ川番外地
(Japan 2018 / 82分)
監督: 渡邉安悟
北垣優和、藤田尚弘、笠野龍男 ほか

クラスメートの死後、家族やそれまでつるんでいた友人たちから距離を置いていた少年。家を飛び出した少年は、ホームレスの男性に出会い、生活を共にするが……。

9月23日(月)21:00 監督によるQ&Aあり 
9月24日(火)16:00

「ドブ川番外地」渡邉安悟監督 インタビュー

渡邉安悟監督渡邉安悟 ASATO WATANABE 1994年、大阪府生まれ。大阪芸術大学映像学科に進学後、数10本の映画を自主制作。卒業制作として「ドブ川番外地」を発表し、注目を浴びた。現在は東京藝大大学院映画研究科で学ぶ。

ハミ出し者に対する社会の反応を余すところなく描きたい

ご自身初の長編作品「ドブ川番外地」が英国で上映される上、才能ある新人監督を発掘するDiscovery Awardにもノミネートされましたが、どのように感じていますか。

1日1日、1ショット1ショット、とにかくがむしゃらに撮影しました。時間も金もないギリギリの状況で、さまざまな人たちの協力を得て、また多大な迷惑を掛けて、何とか作品を作り上げました。どのような映画になったのか、もはや自分でも分かりませんが、言葉にできない何か大きなパワーを秘めたシーンを多分に含んでいる作品だと自負しています。Discovery Awardノミネートという身に余る光栄を実現させてくれた本作、そして、ひたむきな日々を共にした仲間たち全員に感謝です。僕の作品がどのように受け入れられるのか、皆さんの反応を今から心待ちにしています。

今回の作品で社会からはみ出した人間をテーマにした理由を教えてください。

以前は物語性の希薄な映像ばかり撮っていました。「ドブ川番外地」の一つ前に初めて物語性のある中編映画を監督しましたが、物語と絵の関係性をなかなかつかめず、終始もがき苦しんでいた記憶があります。

その時の経験を踏まえ、自分はどういう物語、人物、そしてテーマに関心があるのかと、見つめ直した先にあったのが、社会のハミ出し者に対する冷たさと温かさを併せ持った映画を撮りたい、ということでした。振り返ってみると、この作品は初めて物語や人物からスタートし、発展していった企画でしたね。

次回はどのような新作を考えていますか。

大学院の修了制作として、長編映画監督作の2本目が来月クランクインします。元プロレスラーである前科者の余命を描いた作品です。この映画も、社会になじめない人物が数多く登場します。ハミ出し者を描く、という点では「ドブ川番外地」を継承していますね。他にも温めているアイデアはいくつかありますが、根底の部分は変えずにやっていきたいなと。設定したテーマや理屈を越えて言葉を失う一瞬、言語化できない感情の表現こそ、僕が目指しているところです。それだけはこの先何があっても変わりません。

長編

絶望の毎日から抜け出すために Demolition GirlJKエレジー

JKエレジー
(Japan 2018 / 88分) 
監督: 松上元太
希代彩、猪野広樹、川瀬陽太 ほか

ギャンブル好きの父とニートの兄と暮らす女子高生の梅田ココアが、貧しい家庭環境という逆境に立ち向かい、自分の未来のために奮闘する。健気な青春ストーリーの主役は講談社主催の2017年度「ミスiD」に入賞した希代彩。

9月19日(木)16:00
9月26日(木)21:00

アニメーション

数々の映画祭で受賞してきた若手のホープ Leaking Life リーキング・ライフ

リーキング・ライフ
(Japan 2019 / 15分) 
監督: 林俊作

文化庁新進芸術家海外研修制度の助成を受け、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジでの留学経験もある映像作家、林俊作。精力的に活動する林氏の今回の作品は、漏れ出る水をテーマにした短編アニメーションだ。
*本作品はショート・アニメを集めたShorts Programme Animation内で上映

9月21日(土)11:15
9月23日(月)11:15

ドキュメンタリー

全盲のミュージシャンの映画制作を追う NIGHT CRUISING ナイトクルージング

ナイトクルージング
(Japan 2018 / 144分)
監督: 佐々木誠
加藤秀幸

先天的な全盲のミュージシャン加藤秀幸が、スタッフとイメージを共有しながら、短編SF映画を制作する姿に迫ったドキュメンタリー。監督はこれまで社会のマイノリティーへ眼を向けた作品を数多く作ってきた佐々木誠。

9月25日(水)20:30 監督によるQ&Aあり
9月26日(木)14:30 監督によるQ&Aあり

ドキュメンタリー

映画監督の私的な旅を綴る My Dearest Sister マイ・ディアレスト・シスター

マイ・ディアレスト・シスター
(Japan-Canada 2018 / 77分)
監督: Kyoka Tsukamoto
Yuuka Bergman, Kyoka Tsukamoto

現在カナダで活躍するキョウカ・ツカモト監督が、福島県に住む陶芸家である姉妹との再会を記録した私的な作品。この旅が異なるもの同士をつなぐ懸け橋となる様子を、物語とドキュメンタリーが混在した手法で映像に表現する。

9月22日(日)18:00 監督によるQ&Aあり
9月23日(月)13:00 監督によるQ&Aあり

 

ロンドンにおける夏の風物詩
ノッティング・ヒル・カーニバルを
楽しむための5つの豆知識

ロンドンにいながらにして、カリブ諸国の文化を堪能できるノッティング・ヒル・カーニバルが2025年も開催。パフォーマーたちの華やかな衣装や軽快な音楽が特徴的なこのイベントは、ロンドンという街の多文化的な側面を浮き彫りにしている。ノッティング・ヒル・カーニバルに関するさまざまな豆知識を紹介する。

Notting Hill Carnival
2025年8月23日(土)〜25日(月)
プログラムの詳細はサイトを参照
入場無料(スチール・バンド・コンペティションは有料)
ロンドン西部ノッティング・ヒル
Ladbroke Grove駅は閉鎖、Notting Hill Gate駅やWestbourne Park駅は降車専用。当日は交通規制があるので公式ウェブサイトで事前に確認を

2025年は8月23日にスチール・バンド・コンペティション(有料チケット制)、24日に子どもたちが参加するパレード、26日はメイン・パレードが開催される。また、2025年はカーニバルの中心となってきた「ウィンドラッシュ世代」が英国に来て77年目に当たる。1948年から70年代初頭にかけて、当時英領だったジャマイカなど西インド諸島から英国にやって来た移民たちが始めたカーニバルだけに、例年以上に熱いイベントになること間違いなしだ。

1 50年以上の歴史を持つカーニバル

ノッティング・ヒル・カーニバルが初めて実施されたのは1966年。ロンドンのアールズ・コートで演奏していたストリート・ミュージシャンを呼び寄せ、パレードを開催した。当時のノッティング・ヒル地区にはカリブ系移民が集中しており、その演奏を聴こうと多くの地元住民たちが詰めかけたという。今では8月最終週のバンク・ホリデー期間にカーニバルを開催することが恒例になり、毎年約100万人以上の人々が参加する欧州最大規模のストリート・カーニバルとなっている。

ノッティング・ヒル・カーニバル

2 カーニバルの発祥はトリニダード・トバゴ

ノッティング・ヒル・カーニバルの起源は、カリブ海に浮かぶトリニダード島とトバゴ島を合わせた共和制国家であるトリニダード・トバゴにある。両島ともにかつては英国の植民地だった。同国では19世紀前半に奴隷制が廃止されたことに伴い、これを祝うためにカーニバルの開催が恒例化。欧州の人々の服装を風刺する目的で過度に派手な衣装に身を包んだり、白人の肌の色を茶化すため顔に白い粉末を塗った上でパレードを行うようになった。カーニバル名物のスティール・パンやリンボー・ダンスは同国の発祥。

トリニダード・トバゴ

3 発端は人種差別を原因とした暴動

ロンドンではほんの数十年前まで人種差別が深刻な社会問題となっていた。1958年には移民居住区であったノッティング・ヒルで人種差別を原因とする暴動が発生。人種差別問題に対する建設的な解決案の一つとして、その翌年には同地区でカリブ文化をテーマとしたフェスティバルが開催された。このフェスティバルは、やがて同じくノッティング・ヒルで開催されていたヒッピー文化をテーマとしたイベントと合体。規模を拡大し、現在のノッティング・ヒル・カーニバルへと発展する。

ノッティング・ヒル・カーニバル

4 一時はカーニバルでも暴動が多発していた

人種差別問題を背景とした暴動に対するアンチテーゼとして開始されたにも関わらず、1970年代になるとノッティング・ヒル・カーニバル自体が暴動の温床と見られるようになってしまう。多くの場合は、カリブ系の若者とロンドンの警察との衝突だった。移民たちは、ロンドンの警察による路上での職務質問に不満を募らせていた。カーニバル期間中となると万引きや盗難といった犯罪が多発していたために、警察はさらに厳しい取り締まりを行っていたと伝えられている。

5 今では警察もカーニバルの盛り上げ役に

人種差別そして移民と警察との対立といった深刻な社会問題に直面してきたノッティング・ヒル・カーニバルだが、近年は以前よりもずっと平和的な雰囲気にあふれたイベントへと変化してきた。最近ではパフォーマーとの記念写真に応じたり、自ら踊りを披露する警察官が登場するなど、ロンドンの警察もカーニバルに対して協力的な姿勢を見せている。ノッティング・ヒル・カーニバルは、今や真の意味でロンドンの多文化社会を象徴するイベントとして運営されているのだ。

 

大英博物館「日本ギャラリー」がリニューアル・オープン!

ロンドンの観光名所の一つ、大英博物館内の日本ギャラリーが9月27日にリニューアル・オープン。縄文土器や江戸時代の武士の甲冑、アイヌの工芸品など、日本の歴史・文化を紐解く学術的なコレクションに加え、LEDを使ったデジタル・アートで有名な宮島達夫の作品など、著名な現代アート作品も並べて展示するようになった。生まれ変わったギャラリーを訪れ、世界に類を見ないユニークな歴史を歩んできた日本を改めて感じてみよう。
http://www.britishmuseum.org/visiting/galleries/asia/rooms_92-94_japan.aspx

無料 
Japan (Rooms 92–94)
The British Museum 
Great Russell Street London WC1B 3DG
最寄り駅: Tottenham Court Road / Holborn
http://www.britishmuseum.org

大英博物館グレート・コートにある日本ギャラリー再オープンを知らせる大きなバナー

大英博物館展示は縄文時代から現代アートまで、広範囲にわたる

大英博物館武士の甲冑や武具の一揃え

「百華」人間国宝の室瀬和美氏による蒔絵漆器「百華」

 

第62回 ロンドン・フィルム・フェスティバル BFI London Film Festival 2018 10-21 October 2018

62回目を迎える今年のロンドン・フィルム・フェスティバル(LFF)は、世界77カ国から 225作品が集結する。今年は例年より女性監督作品が多く上映されることが特徴といえる。
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/default.asp

主な上映会場
Embankment: Embankment Garden Cinema
Central: Picturehouse Central
Mayfair : Curzon Mayfair
Lumière: Ciné Lumière
OTC: Odeon Tottenham Court Road
CLS: Cineworld Leicester Square
Vue: Vue West End
*そのほかの会場の詳細については、公式ウェブサイトを参照

今年のハイライト

Opening Night Gala

息を呑むスリリングな展開
Widows

Widows
(UK-USA 2018 / 130分)
監督: Steve McQueen
Viola Davis、Michelle Rodriguez、Elizabeth Debickiほか

今年のオープニング作品に選ばれたのは、平和に暮らしていた黒人の男性がある日突然奴隷となり、解放されるまでの実話を描いた「それでも夜は明ける」で、アカデミー賞作品賞を受賞したスティーブ・マックイーン監督の最新作。1980年代に英国でテレビ放映された同名の犯罪ドラマ・シリーズを基にしている。脚本はマックイーンと、米国の推理小説家で、「ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンが担当し、主演は「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」「スーサイド・スクワッド」の米俳優ビオラ・デービス。デービスはトニー賞、エミー賞、オスカー賞すべて受賞という三冠を達成しており、黒人俳優では唯一デービスだけがこの偉業を成し遂げている実力派の俳優だ。舞台は米国のシカゴ。大規模な強盗計画を仲間と遂行中、誤って命を落とした男性の妻、ベロニカが、同じく夫を失ったアリス、リンダ、ベルの3人の妻たちと共に、夫たちがなし得なかった計画を完遂させるべく、犯罪に足を踏み入れる。

10月11日(木)14:00 Embankment
10月12日(金)20:40 OTC

Closing Night Gala

人気コメディアンのセカンド・ステージ
Stan & Ollie

Stan & Ollie
(UK 2018 / 97分)
監督: Jon S Baird
Steve Coogan、John C Reilly、Nina Ariandaほか

12日間の映画祭のラストを飾るのは、1930年から1950年代にかけて米国で活躍した人気のお笑いコンビ、ローレル&ハーディーの黄金期以後に注目した作品。細身のスタン・ローレルを英コメディアンのスティーブ・クーガンが、ふくよかなオリバー・ハーディーを米俳優ジョン・C・ライリーが演じ、公私ともに仲が良かった2人の友情、パフォーマンスへの愛、妻たちの心温まるサポートなどを映し出す。犯罪コメディー「フィルス」の監督、脚本を務めたスコットランド出身のジョン・S・ベアードがメガホンを取った。最後に出演した映画から数年経った1953年、ローレルとハーディーはコメディー界の第一線から退き、かっての勢いは無くなっていた。2人は英国の海辺の街やミュージック・ホールを回るツアーをスタートすることにしたが、米国での華やかな世界から一転、会場は小さな場所ばかり。それでも客は集まらないし、エージェントもパフォーマンスに興味を示さない。そんななか、あるテレビ番組が2人に注目する……。

10月21日(日)20:45 Mayfair

話題の監督最新作

Love Gala

根強い差別が横たわる米国の闇
If Beale Street Could Talk

If Beale Street Could Talk
(USA 2018 / 119分)
監督: Barry Jenkins
KiKi Layne, Stephan James, Colman Domingoほか

ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞を受賞した「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督が、小説家で政治運動家のJ・ボールドウィンの同名小説を映画化した。1970年代のニューヨーク、ハーレムに生きる黒人の若い男女。互いに恋心を抱く幼なじみの2人は将来も続く愛を信じていた。しかし、事態は一変。男はレイプ事件の犯人に仕立て上げられてしまう。

10月20日(土)17:30 Embankment
10月21日(日)11:00 Embankment
10月21日(日)18:00 Central

Headline Gala

女性たちの凍るような美しさ
Suspiria

Suspiria
(Italy 2018 / 155分)
監督: Luca Guadagnino
Dakota Johnson, Tilda Swinton, Mia Gothほか

昨年世界中で大ヒットした「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が、ホラーの鬼才、ダリオ・アルジェントの1977年の同名映画に敬意を表し製作したホラー作品。独ベルリンの名門ダンス・スクールに入学した米国人の少女を取り巻く、奇妙な学校生活と謎の多い教師たちを描く。グァダニーノ作品の常連英俳優ティルダ・スウィントンが本作にも出演。

10月16日(火)19:00 CLS
10月16日(火)20:05 Embankment
10月17日(水)11:00 Embankment
10月19日(金)20:20 OTC

Journey Gala

モノクロで振り返る幼少時代の思い出
Roma

Roma
(Mexico 2018 / 135分)
監督: Alfonso Cuarón
Yalitza Aparicio, Marina de Tavira, Daniela Demesaほか

「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督の、幼少時代の思い出を基に製作したドラマ。1970年代初頭のメキシコ・シティ、中流階級の家に住み込みで働くクレオは、主人の4人の子供たちを自分の子供のように愛し、世話をする。だが、そんな平和で心温まる家族生活をよそに、街では不安定な政治に対する反対運動が行われ、時代は確実に動いていた。

10月13日(土)17:00 Embankment
10月14日(日)13:45 Embankment
10月15日(月)18:00 Central

Special Presentation

暴動の下に生きる民衆
Peterloo

Peterloo
(UK 2018 / 155分)
監督: Mike Leigh
Rory Kinnear, Maxine Peake, Neil Bellほか

1819年、イングランド北西部マンチェスターで起こった労働者のデモを政府が弾圧した事件、ピータールーの虐殺を舞台にした歴史ドラマ。民衆の指導者ヘンリー・ハント役に、ロイヤル・ナショナル・シアターやロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属するロリー・キニアが抜擢。監督は脚本を使わず、俳優たちと一緒に役を作り込むことで有名なマイク・リー。

10月19日(金)18:00 BFI Southbank

注目の女性監督作品

Headline Gala

罪の意識なし!? 伝説の米作家
Can You Ever Forgive Me ?

Can You Ever Forgive Me ?
(USA 2018 / 109分)
監督: Marielle Heller
Melissa McCarthy, Richard E Grant, Dolly Wellsほか

世を去った作家や有名人の手紙を偽造して売りさばき、稼ぎを得ていた実在の米女性ジャーナリスト兼作家、リー・イスラエルの伝記映画。ニューヨークに生き、頭の回転が速く、性格は気難しいというイスラエルのリアルな人物像を米俳優メリッサ・マッカーシーが好演する。監督は、ベルリン国際映画祭で賞を受賞した「ミニー・ゲッツの秘密」のマリエル・ヘラー。

10月19日(金)17:30 Embankment
10月19日(金)18:15 CLS
10月20日(土)11:30 Embankment
10月21日(日)20:30 BFI Southbank

Official Competition

悪名高い犯罪組織に立ち向かう刑事
Destroyer

Destroyer
(USA 2018 / 118分)
監督: Karyn Kusama
Nicole Kidman, Sebastian Stan, Tatiana Maslanyほか

同映画祭の米国版、サンダンス映画祭で監督賞を受賞した日系米国人カリン・クサマの最新作。ロサンゼルス市警察の女性刑事が、新人のころにカリフォルニアの砂漠での任務で負ったトラウマに向き合い、数年後再び目の前に現れたギャング組織に立ち向かう姿を描いた犯罪映画。ニコール・キッドマンが心身共に鍛え抜かれた刑事役に挑戦する。

10月14日(日)17:45、18:15 Vue
10月15日(月)12:00、12:30 Vue
10月20日(土)20:45 Lumière

チケット入手方法

オンライン
公式ウェブサイトから直接申し込む。
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/default.asp
電話
Box Office Tel: 020 7928 3232 (毎日10:00~20:30)
会場にて直接
BFI Southbank(毎日11:00~20:30)
チケット再販売 / スタンドバイ・チケット
運悪く売り切れの場合にも諦めないこと! 9月27日(木)から更にチケットが販売されるので、ウェブサイトをチェック。それでも購入できなかった場合は、当日各会場で上映開始45分前からキャンセル待ちの行列に並んでみよう。

チケット料金

スタンダード・チケット
ウェスト・エンド以外: £13~
ウェスト・エンド: £16~
平日マチネ: £10~14
ガラ & 特別上映
Galas & Special Presentation: £13〜30
Opening and Closing Night Galas: £26
Screen Talks: £18
割引料金
16歳未満: £1(ファミリー作品。ファミリー・ガラ作品の場合は 大人£10、子供£5。大人1人につき子供券は最高3枚まで購入可能)
学生 / 高齢者など(身分証明書必須。平日マチネのみ): £6.50
学生イブニング & 週末(身分証明書必須。ガラを除く): £10
 

英国で最大のインディペンデント系映画祭 Raindance Film Festival 2018 26 September - 7 October 2018

エッジの効いた作品を一度に鑑賞できる映画祭。注目を浴びている日本作品に加え、「松千代一代記」の西川顕監督のインタビューを合わせてご紹介。
http://www.raindance.org/festival/

会場: Vue Piccadilly
住所:19 Regent Street St. James's, London SW1Y 4LR 
チケット: £13、平日マチネ£9

長編

現代に生きる若者たちの愛を描く
Love at Least
生きてるだけで、愛。

生きてるだけで、愛。
(Japan 2018 / 109分) 
監督: 関根光才
趣里、菅田将暉、仲里依紗ほか

睡眠障害とうつ病を抱える引きこもりがちの若い女性は、仕事で忙しい彼氏と都心で同棲していた。そこへ、彼氏の元カノが突如現れる。監督はカンヌ国際広告祭でグランプリを受賞した映像作家の関根光才。

10月2日(火)20:30 *Q&Aあり
10月5日(金)13:00

長編

孤独と叶わない愛の葛藤
A Crimson Star
真っ赤な星

真っ赤な星
(Japan 2018 / 101分) 
監督: 井樫彩
小松未来、桜井ユキ、毎熊克哉ほか

かつて病院で出会った少女と看護師の女性。2人が再会したとき、看護師は売春で生計を立てていた。孤独な2人はそばにいるのに心の距離は縮まらない。そんな切ない思いを表現したのは、22歳の気鋭、井樫彩監督。

9月27日(木)17:30 *Q&Aあり
9月29日(土)12:30

長編

傷つきながらも本当の自分を模索する
Bad Poetry Tokyo
東京不穏詩

東京不穏詩
(Japan 2017 / 116分)
監督: Anshul Chauhan
飯島珠奈、望月オーソン、川口高志ほか

東京でホステスとして働く女性は、恋人から裏切られ、しばらく離れていた実家に帰省する。女性の過去のトラウマや抑えきれない激情を、日本在住のインド人、アンシュル・チョウハン監督が鮮明に映し出す。

10月4日(木)17:45 *Q&Aあり
10月6日(土)15:30

長編

未練タラタラの幽霊が織り成す物語
Room Laundering
ルームロンダリング

ルームロンダリング
(Japan 2018 / 109分) 
監督: 片桐健滋
池田エライザ、オダギリジョー、渋川清彦ほか

ワケあり物件に一定期間住み、クリーンな部屋にする「ルームロンダー」の少女。幽霊が見える少女は、部屋で亡くなった元住人に会ってしまい……。片桐健滋監督が死というテーマを軽快なコメディーに落とし込んだ。

9月27日(木)17:45
9月28日(金)12:45

短編

男女3人の不思議な世界
A Song Downwind and Rainbow Upstream
風下の歌、川上の虹

風下の歌、川上の虹
(Japan 2017 / 20分)
監督: 伊東知剛
望月美里、斎木ひかる、森一生

ある晩に再会した姉妹と男1人。姉は期待し過ぎることを恐れ、妹は奇跡的な結びつきが可能であると信じ、男は何も考えず自分本位に誰かを傷つける。伊東監督の独特な世界感で描かれる3人の男女の奇妙な物語。

9月29日(土)15:30
10月6日(土)12:30

短編

人間の多様性と共通点を見出す
Fullmoon

Fullmoon
(Japan-USA 2018 / 9分)
監督: ショウダユキヒロ
Pete Teo, Chye Chye Keong, E.Ramana Mohan

世界各国の異なるバックグラウンドを持つキャラクターを通し、個々の存在は異なるようで実は一つに繋がっていることを表現。監督は数々のMVや体験アート・フィルム「KAMUY」を手掛けたショウダユキヒロ。

9月29日(土)17:45 *Q&Aあり
9月30日(日)12:45

短編

自撮り用の小道具に着目
Selfie Stick
自撮り棒

自撮り棒
(Japan 2018 / 6分)
監督: Rory O'Donnell
平岡亜紀、山中アラタほか

同映画祭でスタッフとして働き、昨年より日本在住となった、元俳優で映画監督兼脚本家の英国人ロリー・オドネルの作品。ある女性が、セルフィー・スティックで撮影すると毎回同じ男性が写りこんでいることに気付く。

9月29日(土)21:00
10月2日(火)13:15

ドキュメンタリー

神秘に包まれた芸者の姿に迫る
Matsuchiyo – Life of a Geisha
松千代 - ライフ・オブ・ア・ゲイシャ(松千代一代記)

自撮り棒
(Japan 2018 / 69分) 
監督: 西川顕
松千代、西川顕

英国在住歴のある西川顕監督が、母である熱海の芸者、松千代の生き様をドキュメンタリー形式で撮影し、編集、また音楽もすべて担当した。本物の芸者とは一体何なのか、人生と魂を芸に捧げた「究極の女性」に迫る。

10月3日(水)15:00
10月5日(金)17:30 *Q&Aあり

「松千代一代記」 西川顕監督インタビュー

西川顕監督Ken Nishikawa 1967年12月3日生まれ。静岡県出身。17歳で渡英し、一度帰国後26歳のときに再渡英。BBC放送で働いたのち、拠点を東京に移す。現在は映像作家やDJとして活躍。

花柳界でしなやかに生きる
1人の女性を見てほしい

お母様を撮影されようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

7年前、日本でテレビのディレクターの仕事をしていました。そのころ、「今日自分が死んで、今の番組が遺作になったら……」とふと思った瞬間がありました。そして、自分が本当に作りたいものを作らなくてはこの先後悔するのでは、と考えていた矢先、東日本大震災が発生したのです。あの震災で、僕は改めて人生の儚さを悟り、仕事に対し何の不満もありませんでしたが、制作会社を辞め、映画を撮ることにしました。芸者である母の生き様が多くの方々と共有する価値のあるテーマだと思い、予算もないまま制作を始めました。

日本人を含むロンドンの観客に、どのように作品を観てほしいですか

日本の伝統文化について実はよく分かっていない日本人や日本人以外の方々にも、花柳界に身を置く女性の人生がどの様なものかが、ある程度分かる様に作ったつもりです。近年、#MeToo運動のようなフェミニズムの大きな動きは、とてもポジティブなことだと感じています。花柳界というのはある意味そういった価値観とは真逆の世界ですね。ただ、この世界にもしなやかに強く生き、もう一度人生をやり直せるとしても同じ様に生きたい、と言い切る女性がいることを知るのは、重要だと考えています。

 

ロイヤル・アスコットを
楽しむための5カ条 2025年6月17日(火)〜21日(月)

英国王室が主催する競馬の祭典「ロイヤル・アスコット」が今年も開催される。この華やかなイベントの概要を紹介!
*クレジットのない写真:Shoko Rudquist

Ascot Racecourse
Ascot, Berkshire SL5 7JX
Tel: 0344 346 3000
Ascot駅(Waterloo駅から約50分)
www.ascot.co.uk

ロイヤル・アスコット

1ドレス・コード

英王室主催の華やかな祭典とあって、やはり真っ先に気になるのがドレス・コード。観客席のタイプによって規則が違うので、事前にウェブサイトを見てしっかり把握しておきたい。例としては、日本人の観客も多い「グランドスタンド」の場合、男性はそろいのスーツにネクタイが必須。ショート・パンツは不可となる。女性なら、膝丈のドレスかフルレングスのパンツ&ジャケットが基本で、帽子も必ず着用のこと。ストラップが細いまたは付いていないドレスや、おへその見えるデザインは厳禁なので注意して。

観客たち様々な鳥を模した帽子を被った観客たち。

帽子大きな花束の形をした帽子を被る女性の姿も!

2観客席

観客席は4タイプ。入場料金別に上から、厳しい審査を経た登録済みメンバー + そのゲスト専用の特等席「ロイヤル・エンクロージャー」、芝生の上でゴール直前の模様を観戦できる「グランドスタンド」、コーナー部分での観戦が可能な「シルバー・リング」、そして、レース・コースの内側に当たる最もリラックスした雰囲気の「ヒース・エンクロージャー」に分かれる。一般人の「ロイヤル〜」での観戦は実現が少々難しそうだが、そのほかの席も迫力は満点。芝生の席ならピクニック気分も楽しめて一石二鳥だ。

ロイヤル・エンクロージャー「グランドスタンド」から「ロイヤル・エンクロージャー」を見上げる。

3会場の雰囲気

伝統ある祭典とはいえ、英国の短い夏を満喫するための数少ない恒例行事の一つということもあり、実は堅苦しさとは無縁なのがロイヤル・アスコットの魅力でもある。会場内には、芝生上でブランケットを広げてピクニックやアフタヌーン・ティーを楽しむグループはもちろん、威勢良く酒盛りを始める若者たちまで出現。レースが始まれば、誰もがなりふり構わず声を張り上げての観戦だ。緊張して固くなっている暇はない。礼節をわきまえつつも、思う存分楽しもう。

ピクニックピクニックを楽しむも良し、ストールで食事を調達するも良し。

4馬券売り場

馬券の購入場所は、大きく分けて3つ。初心者向けなのは、会場のそこかしこに窓口がある「tote」なる販売所。販売係が馬券の読み方などの説明もしてくれるので安心、かつ賭け金が2ポンドからと割安だ。配当金は当たった馬券を購入した人の総数によって変わってくる。ほかにも「ブックメーカー」と呼ばれる予想屋が、主に「グランドスタンド」内の「ベッティング・リング」と呼ばれるエリアで各々出しているストールか、街中でも見かける賭け屋「Ladbrokes」の場内店舗でも馬券を購入できる。

tote建物内にある「tote」のカウンター。出走馬や賭け率などが電光掲示板に表示される。

5馬券の種類

いざ馬券を購入する段になって困るのが、どの種類にするかだろう。いくつかあるが、主体となるのは1着狙いの「To Win」、1〜3着(出場頭数によっては4着)までに入る馬を予想する「To be Placed」、そして、両方を兼ねる「Each Way」。「Odds(賭け率)」は、「tote」や「Ladbrokes」で購入するとどの窓口でも一律だが、「ブックメーカー」での購入となるとバラバラ。その場合は、電光掲示板で馬の名の横に表示された分数のような数値が賭け率で、公式は「左÷右」。つまり「7/2」とあれば7÷2で3.5倍だ。配当金は、購入した先で受け取れる。

ブックメーカー「ブックメーカー」の電光掲示板が立ち並ぶ様子も、なかなか迫力ある景色。

ロイヤル・アスコット豆知識

「ロイヤル」という名を冠するだけあり、祭典の催される5日間は王室メンバーも観戦に訪れる。各日、レースが始まる前に馬車に乗って登場する王室関係者は、レース・コースを一回りした後「パレード・リング(パドック)」に終着。あらかじめパドックに陣取っておけば、間近で王室メンバーを見られるかも。

パドックパドック女王のお出ましに沸くパドック。ちなみに、期間中はカメラマンなどの取材陣も皆、正装姿。探してみると面白いかも。

 
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