インターネットで世界中から手軽に本を取り寄せられる時代。もはや、わざわざ本屋まで足を運ぶ必要はなくなったのだろうか。今回は、ロンドンにある個性的な本屋を紹介。店主の本への愛情とこだわりが詰まった小さな世界に足を踏み入れれば、そこにはどことなく懐かしい空気と新しい発見が待っている。たまには本屋という空間で、店主、そして本とのコミュニケーションを、心ゆくまでゆったりと楽しんでみよう。(本誌編集部: 村上 祥子)
Motor Books

Motor Books
13/15 Cecil Court, London WC2N 4AN
Tel: 020 7836 5376
www.motorbooks.co.uk
ロンドン随一の繁華街、レスター・スクエアの駅近く。駅前の喧騒とはうって変わって静寂が辺りを包み込む小道、セシル・コートには、演劇や音楽など、それぞれの専門書を扱う、こじんまりとした本屋が並ぶ。その 一角にある「Motor Books」は、創業1950年、世界最古の自動車・バイク専門書店を謳う本屋だ。過去数度の移転を繰り返し、2007年にセシル・コートに落ち着いたこの本屋は2軒続きになっていて、左手には自動車やバイク、右手には鉄道、そして地下には航空・軍事関連の書籍が揃っている。
「ヨーロッパだけじゃなく、世界各国からバイヤーが訪れたり、メールでの注文が入るんだよ。もちろん、日本からもね」とちょっぴり自慢気に語ってくれたのは、鉄道関連の販売担当者のジョンさん。ここではエリアごとに担当者が決まっていて、書籍に関するどんな質問にも淀みなく答えてくれる。特にお客さんに人気なのは、ポルシェやメルセデス・ベンツなどのスポーツ・カー関連の本、そしてクラシック・カーや蒸気機関車などを取り上げた「少しノスタルジックな本」なのだとか。
ちょっととっつきにくそうな店員さんも、車や鉄道の話になるや、物静かな口調ながら次から次へとお勧めの本を語り出す。こんな本屋では、本を購入するだけでなく、いかにも英国らしい、ちょっとシャイで頑固な店員との会話を楽しみたい。
上写真:セシル・コートには「Motor Books」のほかにも専門書を扱う古本屋が軒を並べている
下写真:鉄道と本への愛情を、軽妙な語り口で滔々と話してくれたジョンさん
ジョンさん一押し。現在はロンドン交通局が所有するグレート・ウェスタン鉄道のタンク式蒸気機関車の物語。実はジョンさんの共著本だRed Panniers: Last Steam on the Underground
John Scott-Morgan, Kirk Martin (Lightmoor Press)
Hatchards

Hatchards
187 Piccadilly, London W1J 9LE
Tel: 020 7439 9921
www.hatchards.co.uk
2007年度「ガーディアン」紙が選ぶ「世界で最も優れた本屋」において、英国内の本屋で唯一トップ10にランク・インしたのがこの「Hatchards」。創業1797年、3つの王室御用達の称号を持つこの書店にはかつて、オスカー・ワイルドやバイロン卿も通ったとか。
敷地面積はさほど広くはないものの、入ってすぐの螺旋階段を上に行けば、アートから文学、ビジネス書に至るまで、さまざまな分野の書籍が階ごとに整然と並べられている。磨きこまれた木の階段に、深緑を基調にした落ち着いたインテリア、そして慇懃な店員のサービス̶̶ほかのどの書店よりも「英国らしさ」を感じさせるこの場所では、店内を漂う歴史の重みを感じてみたい。
写真上: お勧めコーナーにも、英国の歴史と伝統を感じさせる本が。写真下: 伝統と格式を感じさせる外観
美しい装丁が魅力の教会ねずみシ リーズ絵本。クリスマス・プレゼ ントにもぴったりThe Church Mouse
Graham Oakley (Atheneum)
Murder One

Murder One
76-78 Charing Cross Road, London WC2H OBD
Tel: 020 7539 8820
www.murderone.co.uk
鬱蒼とした曇天に石畳の道、暗く長い冬̶̶ロンドンは、幽霊や犯罪といった、少々物騒な物語を生み出す要素に満ちた街だ。そんな場所にぴったりな本屋がここ、「Murder One」。ミステリー関連の専門書店で、特にシャーロック・ホームズに関する本の品揃えには定評がある。
とはいえ、中はいたって普通の書店の構え。1階には新旧問わず、あらゆる犯罪小説が置かれており、右手には、何故かロマンス関連の本がぎっしり。そしてミステリー・ファン垂涎の本が並ぶのが地下。切り裂きジャックなどノン・フィクションの犯罪本と、ホームズ専門コーナーがある。
「元々は出版社に勤めていたんだ。会社を辞めた後、作家になったんだけど、ずっと机にかじりついているだけの生活に嫌気が差してね。それで始めたのがこの本屋だったんだ」。書店経営のみならず、ミステリー作家としても活躍中の店主マキシムさんは、ミステリー・ファンの間では名の知れた存在。店をこのような形にしたのは、勤めていた出版社がミステリー書籍を扱う会社だったことと、米国に旅行した際、ミステリーの専門書店を数多く目にし、「ロンドンでも需要があるはず」と確信したから。その読みは当たっていたようで、「売上は順調だよ」。
ロマンスも扱っているのは、「もちろん、私がロマンス本も書いているからさ(笑)」。マニア向けと思いきや、マキシムさんの個性が反映された、ちょっぴりお茶目な本屋だった。
写真上:ホームズ関連書籍はさすがの充実度。戯曲や注釈本も数多い
写真下:簡単に1冊の本を勧めることは難しいと語るマキシムさん。「日本のミステリーと言っても、江戸川乱歩と桐野夏生じゃ、全然テイストが違うだろう?」
ホームズの物語に詳しい注釈を付けた研究者向けの本。著者は弁護士でシャーロキアンThe Sherlock Holmes Reference Library: The Memoirs of Sherlock Holmes
Leslie S. Klingers(Gasogene Books)
Daunt Books

Daunt Books
83 Marylebone High Street, London W1U 4QW
Tel: 020 7224 2295
www.dauntbooks.co.uk
お洒落なカフェやショップが並ぶマリルボン・ハイ・ストリートにあって、一際目立つエドワード調の建物。「ロンドンで最も美しい本屋」とも言われるこの店は、トラベル関連の書籍を主に扱う本屋だ。入ってすぐのエリアには一般書の新刊が美しく陳列されているが、何といっても圧巻なのが、右手の旅行関連コーナー。大きな天窓から差し込む柔らかい陽射しが、実に居心地の良さそうな、優しい空間をつくり出している。
そしてもう一点、特筆すべきなのが本の配列。旅行書のみならず、小説などすべての書籍が国ごとにまとめられているのだ。本棚を眺めただけで、それぞれの国の文化や歴史まで見えてくるような、時間や空間を超える広がりを持つ本屋である。
写真上:新たな装丁で生まれ変わった英国文学の傑作たち
写真下:「JAPAN」の棚には、遠藤周作や村上春樹ら日本人作家の小説とともに、「Memoir of Geisha」など外国人作家が描く日本の小説も
作家エマニュエル・リトビノフが、ロンドンのイーストエンドで暮らした自身の少年時代を振り返るJourney Through a Small Planet
Emanuel Litvinoff (Penguin Modern Classics)
Gekoski

正面の棚の上に並べられているのは、ウェールズ人作家ディラン・トーマスの著作コレクション。値段はまとめて25万ポンド。
Gekoski
Pied Bull Yard, 15A Bloomsbury Square, London WC1A 2LP
Tel: 020 7404 6676
www.gekoski.com
ビジネス街、ホルボーン駅近くにある小さな公園から続く小道を行くと、パブやカメラ屋が軒を並べる中庭に出る。そのなかにある、一見すると何の店か分からない、個人宅の書斎のような小さな店。「Gekoski」という、店主の名前が付けられたこの店は、英国の近代文学の初版本や希少本を扱う本屋だ。
店内に入っても、ここは本当に本屋なのか、との思いは消えない。入り口には重厚なデスク。壁沿いに置かれた棚には、一目で年代物と分かる本が並べられているが、その数は驚くほど少ない。
「ここにあるのはだいたい500冊くらい。多くはありませんが、どれも選りすぐりの良書ばかりです」。いかにも英国紳士然とした店員のピーターさんの言葉は、サマセット・モームやグレアム・グリーンなど、英国を代表する現代作家たちのサイン入り本の数々に裏打ちされている。価格は数百ポンドから数十万ポンドまで。とても素人が手の出せる金額ではないが、ピーターさんは驚くほど気軽に次々と貴重な本を見せてくれる。
「普通の本屋だったら、本が一番大切でしょう。でも私たちにとって何より大切なのは人との関係なのです」。顧客はほとんどがコレクター。彼らとのコネクションを通して、本を購入し、販売する。長年培ってきた彼らとの関係性を守り続けること、そして「あまり欲深くならないこと」、こうした姿勢を貫くことで、「Gekoski」は希少本の世界における確固たる地位を保ち続けている。
写真上:ここだけ時が止まったかのような静謐な佇まい
写真下:「笑った方がいい?カメラを向かない方がいい?」と何度も確認。真面目な人柄が滲み出るピーターさん
グラハムには珍しいこの詩集は、現在では世界に数冊しか残っていない貴重なもの。何とグラハム本人から購入したという本の最後には、直筆の詩も書き加えられているAfter Two Years / For Christmas
Graham Greene (The Rosaio Press)
Koenig Books

Koenig Books (Charing Cross Road)
80 Charing Cross Road, London WC2H 0BF
Tel: 020 7240 8190
ヨーロッパ最大の独立系本屋と言われるドイツのWalther Koenig Books。そのロンドン支店としては、ケンジントン・ガーデン内のサーペンタイン・ギャラリー店が知られているが、チャリング・クロス・ロードにも今秋、新たな店舗がオープンした。黒で統一されたシンプル&シックな店内はさほど大きくないが、アートや建築、写真の分野では定評のある書店の支店だけあって、選び抜かれた本はどれも店のセンスがキラリと光るものばかり。また、店独自で出版しているものもあるので要チェックだ。人気の現代作家のアート本や写真集が置かれた1階をゆっくり楽しんだ後は、ぜひ地下へ。分野を問わず、さまざまな本が大幅に値下げされていて、思わず目移りしてしまう。
上写真:お洒落な外観に目をとめる人も多い。
下写真:店のショーウィンドーには日本人作家、村山知義の本も
スーパーのチラシから電話ボックスに貼られた女性のヌード写真まで、さまざまなチラシをユニークなアレンジでまとめたスクラップ写真集Album
Hans-Peter Feldmann (Walther Koenig)
Stanfords

Stanfords
12-14 Long Acre, London WC2E 9LP
Tel: 020 7836 1321
www.stanfords.co.uk
コベント・ガーデンの駅から歩いて数分。「世界最大の地図&旅行関連の本屋」と謳うこの本屋の魅力は、「とにかく旅行に関する本なら何でもあるよ」と店員が胸を張るのも納得の品揃えだ。研究者や地図マニアが国内外から訪れる有名店だが、それとともに注目したいのが「遊び心」。巨大な地球儀に世界地図を敷き詰めた床──店内では、あちらこちらで座り込みながら本を眺める子供の姿が見られる。同じ旅行関連と言っても先述の「Daunt Books」とは全く異なる雰囲気を持つ、胸がワクワクするような、冒険心溢れる本屋だ。

ロンドンの街を網羅した詳細な地図を時代別にまとめたシリーズの1冊A to Z of Georgian London
John Rocque (London Topographical Society)
Magma Covent Garden

Magma Covent Garden
8 Earlham Street, Covent Garden London WC2H 9RY
Tel: 020 7240 8498
www.magmabooks.com
本屋という枠組みを超え、新しい文化の発祥地として若者を中心に絶大な人気を誇るショップ。本のみならず、Tシャツやキャラクター・グッズ、文房具などが販売されている店内には、混沌としながらもどこか統一感を覚えさせる不思議な空気が漂う。ありとあらゆる分野の人々がドアを開けて店内に入り、何かを求めるという行為はとても人間的に豊かなこと、とはオーナーの弁。客からのフィードバックを大切にし、そのアイデアを取り入れることで進化し続ける空間に、今後も目が離せない。
「MI5の職員をスパイせよ」などユニークな指示が挿入されたダイアリー・シリーズの2009年版This Diary Will Change Your Life 2009
Benrik Ltd
Southbank Centre’s Book Market
Southbank Centre's Book Market
BFI Southbank(South Bank Waterloo, Lambeth, London SE1 8XT)の
向かい側
営業時間: 年中無休。時間は季節によって異なる
テムズ河沿いに伸びる散歩道、クイーンズ・ウォークをそぞろ歩くと、橋の下に本がずらりと並べられたストールに大勢の人が群がっているのが見えてくる。BFIサウスバンクのカフェの向かいに広がるこの空間は「サウスバンク・ブック・マーケット」、そう、店舗を持たない青空本屋だ。
「毎日毎日、雨の日も風の日もオープンしてるよ」と語ってくれたのは、ストールの一つを「経営」するアダムさん。このマーケットは1982年から、サウスバンク・センターの親会社であるサウスバンク委員会により運営されていて、アダムさんらストールの経営者は、同委員会にお金を支払って場所を確保している。
「厳しいのは雨より風だね。横なぐりの風なんかが吹くと、本が台無しになってしまう」。冬場には凍えるような寒さのなか、何時間も河辺に
じっと留まっていなければならないこの仕事は、かなりの重労働に違いない。それでも彼らが毎日、本を売り続けていられるのは、「本が好きで、このエリアが好きだから」。時には馴染み客が本を売りにやって来ることもあるという。本を好きな人と人が集まれば、そこにはもう、「本屋」という空間が存在しているのかもしれない。
右写真:「僕なんかでいいのかい?」とはにかみながらポーズを取るアダムさん



パン柄トートバック販売中












国際的に活躍するビジュアル・アーティストとリバプール近郊の3都市が協力し合い、それぞれの街にパビリオンが作成された今年。中でもリバプールの北に位置するカークデールでは、「見捨てられた土地をコミュニティー・ガーデンにしたい」という街の要望にアーティストが応えた。このパビリオンは2つのエリアに分かれており、1つは城のような、そしてもう片方は「バー・コード」というガーデンとなっている。これは一見すると「一体、どこがガーデン?」と思ってしまうような代物だが、中に入ると、壁の内部が植物で覆われていることが分かるという仕組みになっている。グリーン思想とアート、そして地元の人々の生活が一体となった作品だ。
建築分野でのキャリアも持つ米国人アーティスト、サラ・ジーは、細部まで細かい趣向を凝らしつつも、奔放な雰囲気が漂うインスタレーションを制作することで知られている。今回、展示場である階段横の吹き抜けを最大限に利用したサイト・スペシフィックな作品を発表したジーは、「これは1つの風景というよりも、ある風景のなかで起こっている動きの連続」であると語る。インテリア用品のサンプルやレンガ、建築の材料にコケなどが配置されているのだが、これらの作品の1つ1つが「次の動作」に移ろうとする瞬間で「一時停止」されているのだ。そしてそれらのオブジェは構成されたというよりも、それぞれが生命体として意思を持っているかのように力強い。



破天荒な現代アートの思想がこの空間に凝縮
イタリア人アーティストのロベルト・クオギが作り出す、音の芸術展。紀元前7世紀前後にメソポタミア文明を築いたアッシリア帝国の崩壊をテーマとしたという、ICAらしい一風変わった芸術作品は、11月23日まで公開。入場無料。
コンラン卿プロデュースで食をアートへと変える
Alan Aldridge:
都会人のためのシックなバー
最近のコンセプチュアル・アート界を牽引するブラジ ル人アーティスト、スィウド・メイレリスの特別展。日常生活で手にする事物を使いながら、観る者に驚きや困惑を与えてしまうような、不思議な作品世界を作り上げる。2009年1月11日まで。入場料£8。
待ち合わせにも最適
多角ビジネスを手掛ける英国人企業家ジョン・マデイスキーからの300万ポンド(約6億円)の寄付によって建築された展示スペース。数年ごとに展示内容を変更しながら、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのコレクションを公開している。入場無料。
ロンドン中心部の隠れ家的名所
ナショナル・ポートレート・ギャラリーの最初の所蔵品になったのが、文豪ウィリアム・シェイクスピアの肖像画だった。ただ同館でもこれがシェイクスピアを描いたものであるかどうかを断定できない、いまだ多くの謎に包まれた作品なのだという。
新古典主義の庭で優雅なお茶を嗜む
19世紀のフランス画家エドゥアール・マネが死の直前に完成させたという「フォリ・ベルジェールの酒場」(右写真)は必見。コートールド美術館への入場は£5(60歳以上、学生は£4、月は14:00まで無料)。
破天荒な現代アートの思想が凝縮
Dryden Goodwin: Cast
異なるアートにはおあつらえのカフェを
Kings Place Gallery
甘いお菓子とともにみっちりとお勉強
常設展の中にある人体の展示。体の部位を意味する英単語を押すと、その部位が光る仕組みになっている。「胃」、「肝臓」といった初歩的なものから「膀胱」といった単語の復習に便利。ウェルカム・コレクションの常設展への入場は無料。
世界で初めてのミュージアム・カフェ
Cold War Modern: Design 1945-1970
英国貴族が嗜んだお茶の時間を追体験
フランドル絵画の代表作として知られる、17世紀のオランダ人画家フランス・ハルスが描いた傑作。入場無料の常設展に飾られている。
都会の喧騒から逃れるための隠された屋外庭園
RIBA の内装
The Parlour@Sketch
Poetry Place
5th view@Waterstone's
Books for Cooks




























Melissa
英国出身のシューズ・デザイナー、トーマス・マーフィー。一見、地味であるが、ディテールを見ると実に面白い。例えば金色に輝くコッパー(銅)製のヒールは、年月を経につれダークな茶に変化していくという過程を楽しみながら履くことが出来る。素材は木や金属に皮など、自然の素材を使用。メンズ靴の思考を取り入れ、長く履き込むと味が出るよう計算されている。
ありそうでなかった、雑誌を丸めたようなクラッチ・バッグ。伊勢丹のバイヤーがサンプルを購入したというから、日本上陸も近いかも。雑誌「バニティ・フェア」の表紙デザインでの特注オーダーも入ったのだとか。
プリントからデザインするというケイトのバッグは、ブロードウェイ・マーケットやスピタルフィールズ・マーケットで買うこともできる。カンバス素材のでかバッグは軽くてお手頃価格、普段使いに愛せるタイプだ。プリントものが旬なこのシーズンに、個性を出せる。
シルクのフリル・バッグに革のヒップ・バッグもフリルと、甘くなりそうなデザインなのになぜか辛口なのは、ブラジルとスウェーデンのデザイナーという対極コンビの賜物かも。ベルトも静かなシャープさで、かっこいい印象。日本では「ビームス」などで取り扱っている。
旬のモデル、アギネス・ディーンが雑誌の表紙で被り、一躍注目が集まったベレー帽は、PVC製でどことなくコミック的かわいさがある。長いリボンとメッシュが新感覚のサンバイザーなど、不思議なデザインを涼しい顔で着こなして、目指せ、お洒落の達人!
ステートメント・ジュエリーは素敵だけど、1日着けると重さで意外に疲れを感じるもの。それを意識し、軽い素材で作られた大ぶりのアクセサリーがこちら。果物の木を彫った黒花モチーフなど、見かけによらない軽さにびっくりだ。
こちらのブランドでも、レディースではミニ・サイズの帽子が目立つ。リアルなイチゴがついたカクテル・ハットは、「主役は私」を目指したい日のコーディネートにぴったり。アクリルの蛍光色が近未来的なキャスケットは、冒険好きなメンズへの提案だ。






















低所得層の居住区に低予算で建てられた保育園だが、国内では他に類を見ない衝撃吸収効果のあるゴム材を用いた屋上の遊び場を持つユニーク設計で、2007年のRIBA(王立英国建築家協会)アワードを始め数多くの賞を受賞。館内のフロアもスライディング・パネルの仕切りによって50パターンの使い方ができるなど、フレキシブルでアイデア満載のつくりになっている。
閉鎖されたショーディッチの鉄道高架に廃棄処分の地下鉄車両を搬入し、アーティストのスタジオとして再利用。内装に持続可能な建築材を用いるなど、環境保護に十分配慮した設計だ。夏場にはライブやアウトドア・シネマなどのイベントが行われるほか、高架下のウェアハウスでは常時クラブ・イベントやファッション・ショーなどを開催している。
生後6カ月から5歳までの幼児や児童のために開かれた複合施設。幼稚園、レセプション、養護学校を併設しており、各種アクティビティや母親のためのコースも充実している。異素材を効果的に配した有機的なデザインで、自然光の取り入れ方も見事。子どもたちの発想力を高めてくれそうな空間が実現している。
2006年新設の、生徒数1175人の中等学校で、校舎は翌07年に完成。緑が基調の鮮やかな配色が目を引く建物の内外には、環境汚染の原因となるストームウォーター軽減機能や、自然換気による温度調節を実現するコンクリート材の利用など、数多くのエコ機能が搭載されている。2008年RIBAアワード受賞。
ノーマン・フォスター卿設計のロンドン市庁舎。この、卵とも筍とも見紛う不思議なフォルムが、実は自然の断熱や換気を可能にしている。加えて、コンピューターや照明器具の使用から生じる熱の再利用などで温度調節を図っているほか、節水機能や太陽光発電装置も備えるなど、隅々までエコ・フレンドリー。環境保護対策を公約に掲げている市長も満足に違いない。
1861年に創設されたドイツ体操協会の本拠地で、世界で最も古い近代オリンピックの一つとして数えられる1866年大会では、ほとんどの体操競技がここで行われた。木の合板を用いたアーチ状の梁は、キングス・クロス駅の設計の原型として知られる。現在はビジター・センターとして機能しているが、開発が進む周辺地区のなかで、やや異色の存在感を放っている。
1930年代に次々と建造された映画興行チェーン、「グラナダ・シネマ」は、伝統的な装飾をふんだんに施した壮麗なインテリアで知られる。1937年建造のこの建物もその一つで、超豪華シネマ、トゥーティングのグラナダと同様、ロシア人の舞台監督兼デザイナー、セオドア・コミサルジェフスキーが館内装飾を手掛けている。現在は娯楽産業チェーン、「ガラ・ビンゴ・クラブ」のホールとして営業中。
ラッセル・スクエア駅からすぐの裏通りに佇む1797年建造の小さな古びた馬小屋は、なんと国内外のアンダーグラウ ンド・カルチャーを発信する、会員制のアート・ヴェニューだった。レアでアヴァンギャルドな映画や音楽、アート関連のイベントを定期的に開催。ヴィンテージ服の宝庫でもあり、膨大なストリート・ファッションのコレクションを誇っている。
優れた建築に与えられる評価基準の一つ、「グレードⅡ」に認定されている、優美なアールデコ建築の元映画館は、現在、ゾロアスター教の欧州本部センターとなっている。ゾロアスター教とは古代ペルシアで発祥し、世界三大宗教にも影響を与えたとされる、世界最古の宗教の一つ。そう聞くと、アールデコの幾何学的なデザインがどことなく神秘的に見えてくるような……。

貧乏学生だ、まとまった休みが取れない、寒い……。そんな寂しい想いで夏を過ごしている人は多いはず。とはいえ、年に一度しか来ない太陽の季節を満喫するためには、「でも」なんて問答無用。そこで今回は、「キング・オブ・夏の楽園」であるハワイへ読者の皆さんをご招待。ロンドンにあるバーチャル・ハワイをご堪能あれ! (本誌編集部: 國近絵美)


「ティキ」とは、ハワイの原住民であるポリネシアの神話に登場する、人類を創造した神たちのこと。木や石で造られたティキ像はお守りとして身に付けられているほか、置物やマグカップなどのデザインにも登場し、世界中にコレクターがいる。また、英国や米国では「ハワイアンの」という形容詞として、よく「ティキ」が使われる。例えば「ティキ・カクテル」と言えばハワイアン・カクテルのことだ。
英国で一番楽園に近い場所
ティキ・スピリット満載のセレブ御用達クラブ
抜いたパイナップルにサーブされ、ほかにもフローズン・ココナッツに入った「ココナッツ手榴弾」や、24金の飾りが付けられた宝箱に好きなシャンペンを入れて注文できる 「Armada宝箱」など、容器も中身も凝ったカクテルが勢揃い。1人用はもちろん、8人用の巨大カクテルも用意されているので、カップルでもグループでも楽しめる。
ハワイでエルビスに遭遇?!
世界各国のラム酒がずらり
心と体のコリを芯までほぐそう
癒しの極意を体と心で味わう
フラ初心者も安心のダンス・イベント
思わず呪文を唱えたくなるような怪しいゴージャスさを持つ「アブラカダブラ・レストラン」は、マハラジャ気分で豪華な食事を楽しみたい人にぴったりだ。ブースはそれぞれ異なるテーマで飾られていて、「自分好み」にするために、テレビ画面やCDが用意されている。ほかにも、ブースが置かれた床が回転する「回転テーブル」や、個室の1つ1つにテレビ画面が設置されている女子トイレなど、仕掛けがいっぱいだ。
大のオペラ好きというオーナーが、長年の夢と情熱をそのまま実現させたのがこのレストラン。オペラ劇場とアラビアン・テイストがミックスされた店内には、舞台の小道具や骨董品が至るところに並んでいる。店名の「ザラストロ」は、店長が特にお気に入りという、モーツァルト作曲のオペラ「魔笛」のキャラクターに由来。劇場ならではのボックス席も再現されていて、まるで観劇しているような気分で食事が楽しめる。
「多島海(たとうかい)」と称されたレストランの内装は、金色に輝く仏陀やヤシの木などに囲まれたエキゾチックなもの。そしてこの異国情緒溢れる店内で挑戦できるのは、普段は目にすることすら稀な、いわゆる「ゲテモノ」食材だ。ワニやクジャク、カンガルーの肉は初心者向け、そして「心臓に毛が生えてます」という人にはイナゴのチリ&ガーリック炒めやサソリのチョコレート掛けなどのメニューをぜひ味わって欲しい。
「暗闇」という店名の通り、完全な暗闇の中で食事ができる。視覚障害者を支援するためのチャリティー団体が始めた同店は、現在では欧州3カ国で展開する人気ぶりだ。注文を決めたら、前の人の肩につかまって、真っ暗なレストランにいざ入室。後は目の不自由なウェイターがガイドしてくれるのに身を任せよう。ぜひ試して欲しいのはサプライズ・メニュー。味だけで何を食べているか当てるのが、実は意外と難しいことに気付くはず。
かつてはロンドンの「顔」として、観光客にも地元っ子にも愛されてきた2階建てバス「ルートマスター」。残念ながら05年に運行が中止されたこの人気者が、なんとベジタリアン・レストランに大変身した。メニューは新鮮なキノコや野菜、チーズなどを使った前菜に、野菜の天ぷらなど。25~30人の団体であれば、食事代+貸し切り代100ポンドで、気軽にパーティー用として貸し切ることができる。
どうせ冷夏を嘆くなら、思い切って氷点下の世界を体験してみては?マイナス5度に保たれた店内は、壁や椅子からグラスに至るまですべて氷で出来ている。欧州3カ国に加え、東京でも展開している人気店だ。また、年に2回がらりと内装が変わるというのも、氷という素材ならでは。現在のバーは、シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドのもとでジュエリー・デザインをしていた「デービッド&マーティン」が担当した。
アクセサリー・デザイナー兼オーナーのフィオナさんが05年にオープンさせた、アクセサリーとヴィンテージ・ドレスを扱うお店。ハワイアンな内装の店内は、50’sの匂いが漂う品揃え。レトロで上品なコルセットや帽子、そしてロカビリー・ファンには堪らない小物やアクセサリーは、ファッション雑誌でも度々取り上げられるほどの人気ぶりだ。オンラインでも注文できるので、こまめに新作アイテムをチェックしよう。
こちらも50’sがテーマとなったボーリング場。当店自慢のカクテルと軽食を楽しみながらプレーできるのが人気の秘密だ。また、「キングピン・スイート」というプライベートのイベント・スペースも隣接していて、貸し切りでパーティーを行うこともできる。40~250人収容可能というこのスペースでは、ラスベガス・スタイルのゴージャスな内装にレーンが5つ完備されている。専用のカクテル・バー2つやカラオケにDJブース、卓球やスヌーカーなどをプレーすることが出来るゲーム・ルームやケータリングも行っているという。







このエス・トレンクに一番近い街が、コロニア・サン・ ホルディ(Colonia de Sant Jordi)。この小さな街にはホテルが多く、ヨット・ハー バーや海に面したプロムナードにはのんびりとした雰囲気が漂っていて、太陽と海を満喫したい人には最適だ。ハーバー近辺にはレストランやタパス・バーなどが軒を連ねているが、ここで試していただきたいのは、やはり本場のパエリアである。








