ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 10 December 2025

LISTING イベント情報

世界初「離婚メッセ」開催 from Austria


なんとなく結婚してはみたけれど……
英国52.7%、ドイツ44.3%、フランス 40.9%、日本33.1%―。さてこの数字 は何を指しているのだろうか。各国の内閣支持率? いや、ずばり答えは離婚率なのである (「経済社会データランキング2000年」より)。 欧州ではほぼ2組に1組が離婚するというこのご時世、機は熟したといわんばかりにオース トリアで今月末、世界初の「離婚メッセ(見本市)」が開催されることになり話題を呼んで いる。

メッセといえば、IT、車、観光、アートに食と、分野は星の数ほどあるけれど、「離婚」 をテーマにしたものは前代未聞だ。主催者であり、この妙案を思い付いたのは、なんとこれまで「結婚メッセ」を手掛けていたというアントン・バルツさん。オーストリアの離婚率は48.9%、首都ウィーンに限ればなんと 65.9%に上るというから、とっても「おいしい市場」に目を付けたというわけだ。 「新たな人生を始めよう(Starte Neu)」と 名付けられたこのメッセ。会場には弁護士や公証人、仲介人、そして精神科医までがずらりとブースを張り、離婚の際の複雑な手続きから心のケアまで、しっかり面倒を見てくれ る。でもそれはあくまで第1ステージにすぎない。タイトルにもある通り、このメッセの 売りは、忌まわしい過去を振り切り、輝ける 未来に向けて第一歩を踏み出そうとしているバツイチさんたちのお手伝いをすること。第2の人生のパートナーとの新生活の準備を早くも着々と進めている人のために、不動産業者や車の販売ディーラー、旅行会社までが至れり尽くせりのサービスを提供してくれるというから驚きだ。

「でも、今この世で誰よりも会いたくないエックスに会場でバッタリ鉢合わせってなことになったら最悪……」なんて不安がよぎっている方、その心配はご無用。メッセは週末に行われるが、土曜は「男性デー」、日曜は 「女性デー」とキッパリ分けられている。 ウィーンを皮切りに年内は計3カ所での開催が予定されており、参加はもちろんオーストリアだけでなく、どこの国からでも大歓迎。 未来のパートナー探しに利用してみるのも悪 くないかも?
www.scheidungsmesse.at

「Die Welt」紙オンライン版 "Weltweit erste Scheidungsmesse in Österreich"



 

献血して、高級フレンチを食べよう! from France

献血して、高級フレンチを食べよう!
献血して良心もおなかも大満足
Fédération française pour le don
de sang bénébole
日本では駅前などでよく見かける移動献血車。実はフランスにも同じような移動献血車があり、広場などで献血が行われている。血液は人工的に作ることが困難なため、輸血用の血液は献血によってまかなわれているが、仏血液センターによれば、全国で毎月およそ8800人が献血に訪れているという。

だが夏のバカンスシーズン中は、献血者の数が約10%も減る。しかし患者に輸血を待ってもらうわけにもいかず、血液センターにとってこの時期は悩みのタネのようだ。そこで 病院側は、一つの名案を思いついた。

名案とは、パリの有名レストランのシェフとタイアップし、献血に訪れたドナーに本格フランス料理を振舞うというもの。白羽の矢が立ったシェフは「café de la paix」のロラン・ドゥラブル氏、「Hotel Crillon」のジャン=フランソワ・ピエージュ氏、「Hotel Ritz」のミッシェル・ロス氏という、自他共に認める腕利きシェフの3人だ。彼らは7月末の3日間、持ち回りで、なんと600食分を用意した。

料理は、軽食ながら「さすが星付きレストランのシェフ」とうなってしまうような内容。ちなみに最終日のメニューは、カジキマグロのスモークサーモン添え、カニと鶏肉のトリュフドレッシング和え、デザートにはチョコレートタルトとアイスクリーム、という豪華なものだった。そのかいあって、パリ・バスチーユ広場の献血場所には3日間で例年を33%も上回る505人が献血に訪れ、「フレンチ大作戦」は大成功に終わった。

戦後間もない頃は、献血者にはお金が支払われていたため、金銭目的で必要以上に献血に来る人が殺到したものだった。だが、ドナーの多くが健康上なんらかの問題を抱えていたことから、採取血液の質を維持するために金銭の支払いが廃止され、それ以後は献血をすると、オレンジジュースと簡単なサンドウィッチが配られるだけとなっている。

世論調査によれば、フランス人のおよそ50%は「献血をしてもいい」と考えているが、実際に献血に訪れるのは5%にも満たないらしい。本来善意で行う献血だが、何らかの見返りがあってやっと足を運ぶ人が増えるとは、なんとも現金なものである。

「Le Parisien」紙 “Un repas quatre étoiles contre un don du sang”



 

セーヌ川にも「ヌシ」がいた! from France

セーヌ川にも「ヌシ」がいた!
釣りキチよ、アレキサンダー3世橋へ急げ
Le Parisien
スコットランドのネス湖には「ネッシー」、鹿児島の池田湖には「イッシー」、ロシアのヴォルコフ川には「リバーサーペント」と、世界中の淡水地には必ずと言っていいほど巨大な未確認生物(UMA)の存在のウワサがある。「ということは、セー ヌ川にも…」と思っていたら、やっぱりいました。

7月4日付けの地方紙「パリジャン」によれば、セーヌ川左岸のアンヴァリッド(旧軍病院)と右岸のグラン・パレ美術館を結ぶ、パリ一豪華な橋「アレキサンダー3世橋」の高架下で釣りをしていたロベール・カミュさん親子が、なんと1メートル85センチの巨大ナマズを釣り上げたのだ。その日の彼らの「収穫」は結局、1メートル45センチと1メートル50センチの2匹を加えた、計3匹のナマズだったという。

カミュさんはパリ8区にある建物の管理人をしており、日曜日の早朝に息子のビクトール君と一緒に近所のアレキサンダー3世橋を訪れた。カミュさんによれば、5時頃に巨大ナマズはヒットし、釣り上げた後、持参していたメジャーと体重計で測量し、放流したのだそう。その後も、立て続けに2匹のナマズを釣り上げたカミュさん、「パリのど真ん中を流れるセーヌ川に、こんなバケモノが生息してるなんて夢にも思わなかった」とご満悦の様子だ。

日本なら、田舎の沼などには大抵「ヌシ」と呼ばれる巨大ナマズがいたりするものだが、セーヌ川と言えばいわゆるデートスポットの定番。夜などは、ライトアップされたパリの灯が川面に映り、何とも言えない絶妙なロケーションとなる。でもインターネットで調べてみると、セーヌ川はナマズの生息地だという情報も。あの巨大な物体が実はウヨウヨ泳いでいるかもしれないなんて、想像するだけでかなり不気味。でも、幸か不幸か、どんより水が澱んでいるからなーんにも見えないけれど…。

「Le Parisien」 “Bonne pêche en bord de Seine”



 

気ままで楽しいルームシェアが流行中 from France

気ままで楽しいルームシェアが流行中
2人で過ごせば楽しみも2倍に
フランス人といえば個人主義が徹底している人種と思われがちだが、近年そんな傾向に抗う新たなライフスタイルが注目されている。というのも、ルームシェアを楽しむ人たちが毎年20~30%の割合で増えているのだ。高騰し続ける家賃の影響もあるが、それと同時にフランス人の考え方が変化していることの表れと見る声もある。

スペイン北東部バルセロナで共同生活を送る留学生たちの姿を描いた、フランスの人気俳優ロマン・デュリス主演の映画「スパニッシュ・アパートメント」がフランス国内で話題を集めたのが2002年。この映画のヒットも手伝って、公開当時はまだまだ下火だったルームシェアも、現在ではフランス国民全体の約1割が営むようになった。映画と違う点は、住人たちの年齢、そして職業。現代のフランスにおけるルームシェアは、お金のない学生よりも、むしろ何らかの職種に就いて既に自活している20代後半の人たちの関心を誘っているという。

個人でアパートを借りる経済力がある彼らをも惹きつけるルームシェアの魅力は、ルームメイトたちとの出会い。20代後半の人々の多くが、自分が生まれ育った家庭から独立して、今後パートナーと共に築き上げていく家庭に入るまでの、いわば人生の中間地点に位置している。だから家族でもない、そして恋人でもない他者との共同生活を営むことができる貴重な時間を満喫したい、と考えているのだろう。

もちろん、共同生活を厭わなければ、同じ値段でより広い空間や良い景色に臨む部屋に住めるという利点もある。さらに大家さんたちもこの動きを大歓迎。家賃の納入は共同責任となるため、誰かが家賃を払わない場合は他の借家人に不足分を請求できるからだ。

孤独を癒すことができる利点や家賃の節約に加え、家族からの束縛を受けずに自由を最大限に満喫できる共同生活というライフスタイルは、これからますます注目を浴びそう。もともと気ままな生活を愛するフランス人のこと、ルームシェアがフランス特有の文化となる日も、そう遠くないかも知れない。

「Le Parisien」紙
"La colocation séduit désormais de nouvelles générations"



 

ナメクジ退治にカモ貸します from Germany

ナメクジ退治にカモ貸します
注:じっくり見ないでください
ああ、今日も発見してしまった!あそこの葉っぱの下にチラっと見えるのは、アイツに違いない…。ガーデニングをこよなく愛する人たちの最大の「天敵」、そうナメクジです。「早く私の視界から消えておくれー」と、祈るしか術がなかった皆さん、敵から逃げる時代はもう終わったのです。

バルト海沿岸、グリュックスブルクにあるエネルギー体験パーク。そこで人工産物の研究をするヴェルナー・キウィットさんは、じめじめした天気が続いた影響で例年になく大量発生しているナメクジの退治に、同パークで飼育されているカモを貸し出すことを思いついた。えさの好みにはうるさくないといわれるあのハリネズミでさえ「苦すぎる…」とソッポを向くナメクジが、カモたちは実は大好物。「ヌメヌメしていて、すごく飲み込みやすい」そうだ…。

ドイツでここ数年、幅をきかせているナメクジといえば、オレンジと言うか、赤黒いカラーがトレードマークの「コウラクロ(甲羅黒)ナメクジ」。1970年代に植物を輸入した際、一緒にくっついてきた南欧生まれだ。国産ナメクジの倍以上という400もの卵を産むという、なんとも厄介な種だという。

「儲けにはならないけどねえ」と言いつつも、我ながらいいアイデアがひらめいたとばかりに顔をほころばせるキウィットさん。数日間、選りすぐりの食いしん坊カモ2羽を貸し出して料金も25ユーロと案外手ごろだ。ただ誰もが借りられるというわけではなく、庭が柵で囲まれていて、夜間用の小屋が提供できることが条件。さらには、シェパード犬を飼っていない家の方が望ましいとか。

問い合わせは全国から殺到しており、すでにベルリンやミュンヘンにカモたちは「派遣」されたという。雇い主たちからの評価も上々で、カモの思いがけない可愛さに「ペットにしたい」という声も出ているそうな。でも、「うちでもカモの力をお借りするか」なんて、これまでの長くつらかったナメクジとの対決に終止符を打とうと本気になってる人に、キウィットさんから一言だけ。「成果は保証できないよ。うちの子たちはナメクジも好きだけど、草花も大好きだし。なんてったって我がままだからね」

「Berliner Mogenpost」紙ほか “Rent an Ent”



 

ナターシャさんに新しい恋? from Germany

ナターシャさんに新しい恋?
ナターシャさん誘拐のニュースは
世界中のメディアを駆け巡った
PA Photo Ronald Zak
ナターシャ・カンプシュさんという女性を覚えているだろうか。オーストリアで8年半の監禁生活の末、昨年8月に自力で果敢に脱出を果たし、当時本国はもとより他国でも大きな注目を集めた人物だ。事件後まもなく行われた、彼女の堂々としたテレビインタビューを記憶している人もいるだろう。あれから1年。監禁中に受けた精神的なダメージと闘いながら、失われた8年を取り戻すかのように、前向きに、少しずつ「普通の」生活を再開していたナターシャさんに、どうやら新しいボーイフレンドができたようだ。

社会を震撼させた事件が起きたのは1998年。当時10歳だったナターシャさんは登校途中に44歳の男に誘拐され、ウィーン郊外の民家の地下に掘られたわずか6平米の窓のない部屋に監禁された。彼女は外の世界との接触をほとんど絶たれ、そこで8年半を過ごしたが、男のすきを見て逃げ出し、無事保護された。犯人はナターシャさんの逃亡を知った直後に電車に飛び込み、自殺。その後、彼女が「ニワトリ小屋」と語った部屋が公開されるなど事件の全貌が明らかになった。

「とても優しそうで、髪は(俳優の)ヒュー・グラントみたいにふさふさしている」。地元紙がこのたび報じたナターシャさんのお相手とされる男性は、彼女の弁護士の息子である21歳の青年。週末、ウィーン市街のディスコに姿を現した2人はとてもリラックスした様子で、仲睦まじそうに肩を寄せ合っていたという。ナターシャさんは黒のイブニングドレスにネックレス を付け、とてもシックな装いだったとか。

不幸な事件を乗り越え、新たな人生を踏み出した19歳の娘に訪れたハッピーな恋。父親のルートヴィヒさんは2人を温かく見守っていきたいと話している。「でも、優しい男じゃなかったら、娘とは付き合わせないよ」と、世の父親の常套句も。一方、母親のブリギータさんは少し心配な様子だ。「ナターシャは外の世界に出ていくのにとても時間がかかったわ。彼はただのお友達なのでは?」

ボーイフレンドにしろ友達にしろ、19歳の女性として普通の生活を送れることこそが、 ナターシャさんにとってはきっと何よりの幸せに違いない。

「Die Welt」紙ほか “Natascha Kampusch verliebt und flirtend”



 

どうやってワインを選べばよいの!? from France


もはや信用できるのは自分の舌だけ!?
フランスでは、毎年秋になるとワイン・フェアが開かれる。ワインの値段が下がるこの機会に、普段はなかなか手が出ないワン・ランク上のワインを買おうと楽しみにしている愛好家は多い。ワインを選ぶ基準と して一つの目安になっているのがAOC(原産 地統制呼称)。AOCワインとして認められるためには、法律で定められた指定地域でつくられていることや、栽培法やブドウ品種など、各基準について細かな規定を満たしていることが必要とされている。

ところが、優良ワインと格付けされているAOCワインの地位が最近揺らいでいるらし い。消費者団体のUFC-Que choisirが行ったアンケートによると、ワイン生産者、卸売商、 醸造学者などの専門家の約40パーセントが 「AOCはもはや品質保証の役目を果たしていない」と回答。これは、生産量や収穫高の向上を目指すあまり、品質管理をおろそかにした結果なのだとか。また、回答者の約65パー セントが、産地の指定地域を広げすぎた為に、 AOCワインはもはや土壌の特性を反映していないという。

AOC認定を申請した生産者の98パーセントが試験をパスしていることも、この基準の曖 昧さを示していると言える。これに対して、UFCでは、AOC指定に必要となる基準を定める仕様書を改編すること、さらに基準値を満たしていないワインを格下げするという荒治療まで提案している。 このニュースに頭を抱えているのはワイ の生産者たちだけではない。AOCが信用できないとなると、消費者にとって頼りになるの はワインに対する確かな知識、ということに なるが、実はフランス人の4分の3は、ワインの生産地、銘柄、ブトウ品種、価格などを何も理解していないという。フランス人がみん なワイン通だと思ったら大間違いで、ソムリエ気取りでワインに関してスノッブなコメントをする人などほとんどいない。大多数は、 ラベルのデザインやフィーリング、そしてAOCの基準を頼りにワインを選んでいるのが現実なのである。ワイン大国、フランス国民の名にかけて、この秋はあれこれ試してワインのお勉強!?

「Le Parisien」紙 "Les vins AOC sur la sellette"



 

リニューアル・オープンした「身ごもったカキ」 from Germany

リニューアル・オープンした「身ごもったカキ」
9月で50歳になるHKW  www.hkw.de
Foto: Sabine Wenzel
優雅に、そして大きく湾曲して垂れ下がった屋根が、ベルリン市内、ティーアガルテンの緑の中にぽっかり浮かぶ。その一 風変わった外観から「身ごもったカキ」の名 で知られる多目的施設「世界文化の家(Haus der Kulturen der Welt、以下HKW)」が、900万ユーロ(約14億円)をかけて行われた1年間の全面改修工事を経てこのたび、よみがえった。

HKWの歴史は1957年にさかのぼる。同年、ベルリンで開催された国際建築博覧会に際して、米国の建築家ヒュー・スタビンスが考案したこの建造物は、展覧会の後に米政府から旧西ベルリンに寄与された「プレゼント」で、もとは会議場だった。冷戦時代にあった当時、このベルリン会議場は米国と旧西ドイツの友好のシンボルであったと同時に、いわゆる「陸の孤島」だった旧西ベルリンから、旧東ドイツ、ひいては旧社会主義圏全体に向かって「自由の光を放つ灯台」としての役割を担っていた。またその頃、旧東ベルリンに建設された東のシンボル、スターリン通りに対抗したものでもあったという。

しかし80年に大事故が会議場を襲う。5月のある日、老朽化した屋根の一部が倒壊し、建物の中にいたジャーナリスト1人が犠牲となったのだ。その後、修復を経て87年に再び日の目を見た会議場は、2年後に「ベルリンの壁」が崩壊して以降今日まで、HKWという名の下に会議場としてはもちろん、展覧会や劇場などの文化施設としても幅広く利用されている。

誕生から50年目にして、新たな門出を迎えたHKW。キュレーターにシャヒーン・メラリ氏を起用して開催されている記念すべき最初の展覧会のタイトルは、米人気歌手ビリー・ジョエルのヒット曲の名を頂戴し、ずばり「New York-States of Mind」。ハンス・ハーケら26人のアーティストが、2001年の米国同時多発テロや03年のイラク戦争をテーマに取り組んだ作品などが展示されている。なかには、あの国民的アイドル、白くまのクヌートの額から赤い血が流れている(?)かのようなショッキングなコラージュ作品もあるから見逃せない。

「Die Welt」紙ほか “Schwangere Auster wird wiedereröffnet”



 

無名のサッカー選手のギャラは8億円 from UK

無名のサッカー選手のギャラは8億円
 ちなみにご存知ベッカム選手の
 年収は38億円と言われている
世界一流のサッカー選手たちがしのぎを削るイングランドのプレミア・リーグでは、選手の年棒もまさに桁違い。1週間で10万ポンド(約2000万円)を稼ぐ選手もいると聞くと、まともに働く気が失せるかもしれない。しかもベッカムやロナルドといったスター選手ならともかく、全く無名の選手が8億円以上もの大金を手にしているというのだから、あきれてしまう。

今秋から大学で文学を専攻する予定のベン・コレットさん(23)は、怪我を理由に若くして引退した元サッカー選手である。昨季のプレミア・リーグを制覇した強豪マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のファーガソン監督が、かつて「突出した才能」と呼んだ逸材というが、まあよっぽどのオタクでもなければ彼の名を知る人は少ないだろう。なぜって、コレットさんは一度もプレミア・リーグの公式戦に出場したことがないから。

実はこのコレットさん、引退の引き金となった悪質なタックルを仕掛けた選手とその所属チームを相手取り、損害賠償を求めていた。そんな彼が一夜にして時の人となったのは、裁判所がこの訴えを認めて430万ポンド(約8億6000万円)の支払いを命じてからのこと。このとき恐らく史上初となる、無名の8億円プレーヤーが誕生することになった。

コレットさんは9歳でマンUのユース・チームに入り、17歳でプロ契約を結ぶなど、サッカー選手としては順調なキャリアを築いてきた。怪我をしてから長期離脱を余儀なくされ、昨年に引退に追い込まれるまでに至る経緯は確かに気の毒ではある。

でも彼の当時の給与は、週に460ポンド(約9万2000円)。その額の約1万倍もの賠償金を手にすることになったのだから、まさに濡れ手で粟の大儲けと言っていいだろう。裁判所が、もし怪我がなければ彼がどれだけ活躍したかという想定をした上で算出した数字というが、いくらなんでも希望的観測が過ぎるのではないか。

英国でサッカーをプレーする際には、対戦相手に怪我をさせないようご用心くださいませ。

「The Independent」紙 "The £4.3million football career that never was"



 

支持率アップの鍵は「環境ニュー・ディール」政策!? from France

支持率アップの鍵は「環境ニュー・ディール」政策!?
環境・持続的開発相のジャン・ルイ・
ボルロー氏
10月24~25日にかけて政府と非政府の環境団体らが出席して行われた「環境グルネル会議」が、サルコジ大統領のスピーチによって閉幕した。

サルコジ大統領はスピーチで、農業、原子力、税制改革などについて説明。特に注目が集まっている農業については、4年以内に最も有害とされる約50種の殺虫剤を禁止すること、また、現在流布している殺虫剤の使用を半減させることなどを発表した。ボルロー環境・持続的開発相は、殺虫剤の使用量半減について「できるだけ早いうちに」と述べるにとどまったが、あくまで強気の大統領は「できれば10年以内に実現させたい」とタイムリミットを明示。現在、全農地面積の2%で行われている有機農業についても、10年までには6%、12年までは20%までに増やす目標を掲げるなど、具体的な数字を挙げた。

ところで、有機農業はフランスでは「持続可能な農業」としてひとくくりに扱われることも多いが、実はその農法によって細かく分類されている。殺虫剤などの化学物質を一切使用しない農法もあれば、減農薬で有機肥料を取り入れる農法、また、無肥料、無耕作、無除草を通す農法もあり、どの方法をとるかは農家の事情により千差万別だ。土地の質、耕作している農作物の種類などによって収穫高が大幅に変わってくるため、有機農法を実践する各農家は、それぞれの目指す目標に向かって日夜試行錯誤を重ねている。

しかし、ここでふと心配になるのが経済上の問題。サルコジ大統領が目標に掲げるように農地面積の20%を有機栽培に割り当てるためには、作物や土壌の研究を進め、農家が収支のバランスをとれるようにするのが必須であるが、そのための研究は誰がするのだろうか。また、有機農業の促進のために300万ユーロ(約50億円)の財政資金を注入すると発表されたが、その資金はいったいどう工面するのだろう。大統領選挙戦も今は昔、勇ましく公約を掲げているだけで国民が喜んでいた時期はもう終わり。今回掲げた一連の「環境ニュー・ディール政策」が成功するかどうかは、今後の大統領の支持率を左右するキー・ポイントになるかもしれない。

「Liberation」紙 "Sarkozy fait son show ecolo"



 
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