ヴィトン、シャネル、エルメス……世界中の女心をくすぐるブランドたち。一方、その人気にあやかろうと、偽商品もこれまた世界中に出回っており、あまりの被害の大きさにデザイナーは贋作防止運動に躍起。だがその急先鋒に立つ、ディオールの専属デザイナーのジョン・ガリアーノがこの度、よりにもよって贋作容疑で訴えられてしまった。
ことの発端は彼の独自ブランド「ガリアーノ」の宣伝広告だった。広告を見た米国人写真家ウィリアム・クラインの友人がクラインに電話で連絡。「ウィリアム、なぜあんなダサイ作品をガリアーノに提供したんだい?」。身に覚えのないクラインが問題の広告をリサーチしたところ、女性誌「ヴォーグ」「エル」などを含む5誌でクラインの作風そっくりの宣伝が確認されたのだ。
クラインは1995年の学生運動の写真を「コンタクト・ペイント」という技法で発表したことで知られている。フィルム・チェックに用いるコンタクトシート(べた焼き)を拡大し、赤エンピツの代わりに光沢と質感のある黄と赤のペンキで写真を囲み、通常は表に出てくることのないコンタクトシートをデザイン作品という形に昇格させた第一人者である。
問題の広告には、被写体こそ違え、色遣いや構図など明らかにクラインと同じ手法が使われていた。裁判所も「問題となったデザインの技法の権利を主張するのは難しいが、デザイン自体が写真家クラインを連想させるだけにアイデアの盗用に値する」として、ガリアーノに20万ユーロ(約2億7000万円)を支払うよう判決を下した。
クラインは「モード業界で、若手がアイデアの盗用や過去のデザインの二番煎じなどを行っているのは事実だ。しかし、才能と教養を併せ持ったガリアーノがアイデアを盗用したことは悲しい」とコメントしている。
モード業界と芸術業界の大御所同士が巻き起こした著作権問題。今回の判決は、贋作や盗用に一番真剣をとがらせているモード業界全体のイメージダウンに繋がるだけに、ガリアーノの進退問題につながるのではとの噂も出ている
「Le Monde」紙
Le stylistes Galliano condamné pour avoirplagié William Klein



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ドーバー海峡を挟み対面するフランスと英国。100年戦争以来、なにかと敵対心を燃やす腐れ縁の両国に友好のきっかけをもたらすべく作られたユーロトンネルだが、経営破たんした運営会社の再建の見通しはまだ立っていない。
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1912年4月14日の深夜に氷山に接触し、沈没した巨大豪華客船タイタニック号。処女航海にして、海の藻屑となったこの船にまつわる伝説は数多いが、今月とあるオークションに出品された「鍵」から、新たな英国の英雄の姿が浮かび上がることになった。
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