ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 10 December 2025

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ミステリアスな美人記者の正体とは? from France

ミステリアスな美人記者の正体とは?
 これは本物!? Facebook上に掲載された
 ラシェルさんの顔写真
 写真)Facebook/Rachel Bekerman
ソーシャル・ネット・サービスのFacebookに、「ル・モンド」紙のジャーナリスト、ラシェル・ベッカーマンさんが「フランス人ジャーナリスト」グループを形成した。昨年11月にこのグループがつくられて以来、金髪で若く、好感の持てる顔写真を掲載したラシェルさんのつくったグループに登録したジャーナリストやプレス関係者の数は瞬く間に1200人に。しかしこの美人記者には大きな秘密があったのだ……。

グループ内ではなんの害もない個人情報を載せていたラシェルさん。その一方で「いつも私の情報ばかりを流すのは申し訳ないので、ほかのメンバーの方々からのメッセージも送ります」と、ときどき毛色の変わったメッセージも送っていた。実はそちらの方にこそ、彼女の「真の目的」が隠されていたのである。

1000人以上ものメンバー数を誇る大集団となった、この「フランス人ジャーナリスト」グループ、しかし本家「ル・モンド」が、ラシェル・ベッカーマンなる女性が古今東西、同紙で働いていた事実がないことを発表。身元を追及されたラシェルさんは、ついにFacebook上で「実は私は商業関係のプレスの仕事をしています。『ル・モンド』の記者を語ることで情報に信憑性を持たせたかった」と告白した。つまり、メディア向けに自分の仕事の宣伝となる情報を「ル・モンド」発信として発表していたわけだ。

個人がインターネット上で流す情報に関しては、騙すほうが悪いのか、騙されるほうが悪いのかの判断がつきにくい面があるのも事実。「このやり方は不正直だと思わないのか?」と問われたラシェルさん、「どうして『思う』としか答えられないような質問をするのか?」と返す刀で答えている。こんな強気のラシェルさんだったが、「ル・モンド」の記者ではないことが判明して以来、グループの登録メンバーは激減して今では約400名に。彼女の野望は、大御所「ル・モンド」の前に砕け散った。

「金髪」「若い」「有名紙の記者」という、あまりにあまりな常套手段に群がった1000人以上もの人々とその後の大騒動。いつの世も変わらぬ人間の弱みを巧みに突いた、これも立派なマーケティングなのかも!?

「Le Monde」紙 "Le 'Monde' virtuel de Rachel Bekerman"



 

経済問題となった落ちこぼれ from France

経済問題となった落ちこぼれ
国の未来のためにも、しっかりと勉強しておくれ
5月に開催された今年のカンヌ国際映画祭で中学校を舞台にしたドキュメンタリー・タッチの作品「Entre Les Murs(The Class)」が最高賞のパルム・ドールを受賞して以来、教育に関する話題がフランス国民の関心を呼んでいる。この映画を観たグザビエ・ダルコス教育相も、「(財政的に)厳しい状況の中で、それでも教育に取り組むフランスの教師たちの姿勢に敬意を表した作品だ」と温かなコメントを寄せた。

フランスの教育界といえば、現在最も話題になっているのが落第生の多さ。経済協力開発機構(OECD)加盟国内での留年経験者は平均13パーセントなのに対して、フランスにおける15歳までの生徒の中で、留年経験のある生徒はなんと38パーセント。つまり、5人に2人が留年の経験があるという計算になるのだから驚きだ。

先のダルコス教育相も、この問題についてはかなり真剣に取り組んでいるよう。ある社会学者によると、フランスで落第生を完全になくせば、彼らを受け持つ教員2万5000人に充てる経費、その額約10億ユーロ(約1600億円)が節約できるという。教育予算を大幅に削ることを既に決定し、来年度から1万2000人もの教員を一気に整理しようとしている教育相にとっては、それこそ最大の懸案。つまりは落ちこぼれ学生も、その落ちこぼれ学生を指導する熱血先生も、国の経済問題にまで発展するほどのまさに問題児と化してしまったというわけだ。

そんな中で公開されたのが、フランスにおける教育のあり方を浮き彫りにした映画、「Entre~」。開催地であるフランスの映画が最高賞に選ばれたのは20年ぶりというから、それだけ大きな支持が寄せられたのであろう。そういえば、今年春にダルコス教育相が教員数削減案を打ち出したとき、フランスの学生は真っ先にデモ行進を行って教育者を支援していた。映画のようなハッピー・エンドにはならなくとも、勉学に励む学生と彼らを鼓舞する教師たちが共にハッピーになれるような世の中になれば、この映画も浮かばれることであろう。

「Le Figaro」紙 "Le redoublement dans le collimateur de Darcos"



 

バス運転手がゴス・カップルを乗車拒否 from UK

バス運転手がゴス・カップルを乗車拒否
 こんな人が近付いてきたら、やっぱり怖い!?
全身黒づくめのゴツい服に、男か女かも判別できないようなどぎついメーク。まるでホラー映画から抜け出してきたかのようなカップルが、あなたの周りに現れたらどうしますか。しかも女性はペット用の首輪をしていて、その鎖は男性の手に……。「ちょっと距離を置いておこうかな」というのが、防衛本能の働く普通の人の答えではないだろうか。

先日ウェスト・ヨークシャーのとある町で、バスに乗車拒否されたカップルがバス会社に謝罪を求めた事件が報告された。そのカップルというのが冒頭に上げたようなゴシック・ファッション愛好家、いわゆる「ゴス」として知られる様相だったのだ。

「変な目で見られたり、意見してくる奴らにはもう慣れちゃったけど、公共のサービスを提供するバス会社からもこんな目に遭わされるとは思ってなかったよ。バス・パスだってちゃんと持ってたんだぜ。俺たちの格好への差別だよ」とはカップルの男性の弁。なんでも、1台目のバスの運転手からはバスを降りるように命じられ、2台目のバスには乗車さえさせてもらえなかったという。

この苦情に対し、バス会社は不愉快な思いをさせて申し訳ないと謝罪しつつも「我々の関心は乗客の安全にある。急ブレーキをかけた時に、彼女が鎖で繋がれていると他の乗客へ危害を与える可能性が高いので乗車を断った」とゴス差別を否定。「見た目で乗客を差別することはしないが、バス乗車時には他の乗客への危害を考慮して、犬の鎖を外すようにしてもらいたい」と発言している。

ちなみに、犬の鎖で繋ぐというアイデアは彼女が思い付いたものだという。「今までの彼氏には馬鹿げてるって相手にされなかったの。でも愛の証としての鎖なのよ」という彼女を温かい目で見守る彼氏は「こいつはある意味ペットみたいな部分もあるんだ。食事や掃除なんか全部俺が面倒見てるんだよ。ペットは食事の用意とか掃除とかしないだろ?」と付け加えた。これぞ、まさにバカップル。

当事者同士が問題ないんだからと放っておくべきなのか、常識が常識でなくなりつつある現代社会のあり方を憂うべきなのか、悩むところだ……。

「BBC Online」ほか "Dog-lead goths 'hounded off bus'"



 

50年後は無国籍? from France

ある日、政府から「国籍を剥奪します」と言われたら、あなたならどうしますか?南部カンヌに住むアブデルクリムさんは、1955年チュニジア生まれ。父親はアルジェリア人、母親はチュニジア人だ。生後3カ月で渡仏して以来これまで、フランス国籍を持ち、フランス人として暮らしてきた。しかしこのほど、移民局が各種書類の調査を行ったところ、過去の手続きミスが発覚したため、フランス国籍を剥奪されてしまった。50数年「フランス人」だった彼が、突如外国人となってしまったのである。

事の発端は2003年に遡る。当時、移民局から国籍に関する質問を受け取った彼は、1976年に発行された正規書類を提出した。それを受け2004年1月、カンヌ裁判所は、この書類を元に彼の家族全員に対しフランス国籍の正当性を認めたが、アブデルクリムさんのみが却下された。それは、「アルジェリア国独立後に行われた、フランス国籍維持のための手続きがなされていなかったため」という。

この出来事にさらに追い打ちをかけたのが、国籍紛失に伴い2004年に行ったフランス国籍の再申請手続きの結果だった。カンヌ移民局は、彼が1986年に暴力事件で書類送検されている事実を理由に、国籍の申請を却下したのだ。

とは言え、国立統計研究所(INSEE)のデータ上では、選挙時の際に必要となる有権者リストに依然として登録されており、先月行われた大統領選挙の時も、投票用紙が郵送されてきたという。カンヌのあるグラス市(アルプ・マリティム県)のクロード・セラ県知事も今回の事態に関して「(裁判所の)決定は、現状に矛盾している。早急に現状改善すべきである」とコメントしているが、有効な解決策は皆無というのが現状だ。

移民局は現在、彼に妥協案として「滞在許可証の申請」を勧めている。しかし彼は「なぜ、祖国で外国人にならなければならないのか」と、同提案を拒否している。先頃には、移民2世のサルコジ新大統領が就任したばかり。しかし現実には、その彼が「移民選別法案」を掲げている。果たして、フランスの移民に安息の日は訪れるのだろうか?

「Libération」紙
“Français depuis cinquante ans, désormaissans nationalité”



 

女性飛行のパイオニア、100歳に from Germany

女性飛行のパイオニア、100歳に
同じく飛行士だっ たリーゼル・
バッハ、 テア・ラッシェと並ぶ
バインホルンさん
(写真左から順に)
Sammlung, Caproni, Rom
「母は決して有名になりたかったわけではない。ただ、いつも何か新しいことを発見するのが大好きだったんです」。現在 69歳になる息子のベルント・ローゼマイヤーさんがこう語る女性の名は、エリー・バインホルンさん。女性飛行士として初めて世界一 周を成し遂げた人物だ。偉大なる歴史を築いたそのバインホルンさんがこのたび、めでたく100歳の誕生日を迎えた。

1907年5月30日、ハノーファー生まれ。父親が一流会社に勤める裕福な家庭で、一人娘として大事に育てられた。後に回想録「Alleinflug(単独飛行)」でも語っているように、子どもの頃から大の旅行好きで、いつも未知の世界を夢見る少女だったという。

21歳の時に航空学校の門を叩く。「しばらくは泣いてばかりいた」母親を始めとする周囲の反対を押し切り訓練を開始したバインホルンさんはそれから半年後、操縦席でハンドルを握り、初めて大空に飛び立った。

1931年12月4日、午前9時。エレガントな革のスーツにスレンダーな身を包み、本人いわく「小さなサンタクロースのような」いでたちでベルリンの空港に姿を現したバインホルンさんは、スーツケースに帽子用ケース、それに蓄音機まで機内いっぱいに詰め込んで、世界一周飛行に挑戦する。ヒマラヤ山脈を越え、カルカッタ、バンコクを経てオーストラリアのバースへ。そしてブエノスアイレスなど中南米を回って翌年の7月26日、ベルリンに無事帰ってきた。25歳の快挙だった。

一躍時の人となったバインホルンさんの冒険は、その後数年間、大西洋横断、アメリカ、インド、アフリカと、とどまることがなかった。自動車のレーサーだったローゼマイヤーさんと知り合い、結婚したのもその頃だ。ローゼマイヤーさんは数年後に不慮の事故で亡くなるが、女性飛行のパイオニアと有名レーサーのロマンスは当時、「夢のカップル誕生」と国中が注目した。

現在バインホルンさんは、ミュンヘン近郊の高齢者施設で余生を過ごしている。車椅子での生活だが、「まだまだ若い女の子のように元気だ」と息子のベルントさん。「午後にたしなむ一服のたばこが、何より楽しみのようです」

「Süddeutsche Zeitung」紙 "Das fliegende Mädchen"



 

歌を忘れた鳥のレッスン from UK

英国では今日も鳥たちが歌の練習を行っている
英国では今日も鳥たちが
歌の練習を行っている

かつて「歌を忘れたカナリア」なんていう悲しい響きを持った曲があったけれど、現代の英国においては心配ご無用。この国では、そんな歌を忘れた鳥たちを対象とした特別レッスンが開講されているというのだから。

野生動物の保護活動を主な目的として設立された、英国が誇る王立動物虐待防止協会(RSPCA)。同協会には、怪我などを理由として通常の野生生活を送ることができなくなった野鳥が年間4500羽も運び込まれている。これらの鳥たちをお世話係が治療しながら面倒をみることになるのだが、問題はその後。なんでも人間に保護されたひな鳥たちは、親鳥から直接生きる術を学ぶ機会を得られないため、「歌を忘れた鳥たち」になってしまうのだという。

だがオス鳥にとって、歌の修得は必須項目。彼らは歌うことで自分の縄張りを主張したり、メスを口説いたりするからだ。特に異性を惹きつけるためには上手に歌う能力がなければやっていけないようで、メスは音痴には見向きもしないのだという。才能ある者がモテるという掟は、鳥の世界にも存在するということか。ともかく歌うことができない鳥は、野生に戻されたときに自分の縄張りは守れない、異性には相手にされないで、随分と苦労することになるんだそう。

そんな悩める鳥たちを助けようとRSPCAが用意したのが、歌う能力を向上させる特別学習プログラム。「夜明けのコーラス」とも表現される鳥の美しき歌声が入ったCDを飼育所で毎日2回ずつかけることで、鳥たちによる歌の学習を奨励した。同協会で働く研究者によるとその成果は上々のようで、親代わりとなったCDの音声を真似ることで、鳥たちの歌唱力は日に日に向上しているという。「鳥たちは歌い方を学習することで、より良い生涯を築くことができるようになるのです」という専属研究者のコメントが、いかにも教室の先生っぽいではないか。

異性を惹きつけるためには、鳥でさえも相応の努力が必要とされるのだ。彼らのモテるための特訓は、今日も続く。

「The Times」紙
"Orphaned chicks taught to sing with a CD of the dawn chorus greatest hits"

 

ロボット指揮者の演奏会 from France

ロボットが指揮者を務める時代になった
ロボットが指揮者を
務める時代になった

指揮者といえば、演奏をリードするコンサートの中心的存在。だから巨匠といわれる有名指揮者が登場するコンサートでは、指揮者の名前が大々的に宣伝されることになる。しかしパリの科学産業都市ラ・ヴィレットで、このほどロボットの指揮者によるコンサートという試みが実施された。驚くことなかれ、このロボット指揮者は9人の楽団員を前に、人間の指揮者に負けず劣らずのパフォーマンスを披露したという。

元は車の部品として開発された機械を改良して作られたというこのロボット指揮者は、人間と同じような関節のついた腕を持っている。しかし所詮ロボットなので、顔もなければ燕尾(えんび)服も着ていない。人間の指揮者が見せる、時に繊細、時にダイナミックな動きを見慣れているクラシック音楽ファンにとってはなんとも味気ない気もするが、このプロジェクトに関わっているフランス人ヴァイオリン奏者パスカルさんにとっては、「クラシック音楽を民主化する」ための企画とのこと。

彼の説明によれば、少人数の楽団にとって生身の指揮者、ましてや著名な指揮者と共演するのはそう簡単なことではない。そこでロボット指揮者に活躍してもらって、1回当たりのコンサートの経費を抑えつつ演奏の機会を増やす、というのがこのプロジェクトの目的なんだという。パスカルさんにとっては注目を集めて自分の仕事を増やす狙いもあるわけだが、それを「民主化」の手段と訴えるところなど、いかにもフランス人らしい理屈。

しかし指揮者の仕事とは、コンサートで指揮棒を振るだけではない。むしろ晴れ舞台にたどり着く前に楽譜を読み込み、その音楽的解釈を楽団員に伝え、コンサートの骨格を徐々に作り上げることの方がより重要な役割であるとも言えるだろう。練習を通して演奏者と交流するからこそ、コンサート終了時に彼らはお互いを拍手で称え合い、観客はその 姿にも感動するのだ。

ならばロボットではなく、才能ある若き指揮者たちにチャンスをあげる方が民主化に繋がるのでは、と思ってしまうのは、ちょっと意地悪だろうか。

「Le Monde」紙
"Les robots mèneront-ils les musiciens à la baguette?"

 

消えたリチャード・ブランソン?! from UK

賛否両論を呼んだ新ボンド、イケ面俳優のダニエル・クレイグを迎え空前の大ヒットとなった「007カジノ・ロワイヤル」。この映画を観た人なら、ヴァージン・グループの創設者であるリチャード・ブランソン氏がほんのちょっぴりカメオ出演していたことに気付いたはず。

このカメオ出演はヴァージン・アトランティック航空が機体提供などで映画撮影に協力する見返りとして与えられたそうだが、なんとライバル会社のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の機内上映では、このブランソン氏やヴァージンの機体だとわかる尾翼部分が映ったシーンがすべてカットされているということが判明した。

これに対しBA広報担当者は、「我々には映画を機内上映にふさわしい内容とするように手を加える権利があり、機内で扱っているすべての映画は大なり小なり編集されています」と発言。ヴァージンのロゴの付いた尾翼はまだしも、ブランソン氏まで「機内上映にふさわしくない」人と判断したようだ。

BAとヴァージンの対立は何も今に始まったことではない。両会社間の確執は1984年、ヴァージン・アトランティック航空が大西洋路線を展開し始めた時まで遡る。93年にはブランソン氏がBAを反トラスト法違反で訴え、事実上の勝訴を収めた。また99年9月、ロンドン・アイのスポンサーであるBAが、テムズ川を覆うように置かれたこの観覧車を立ち上げるのに失敗した時には、ヴァージンが「ざまあみろ」と書かれた飛行船を飛ばしたこともあったっけ。同じ喧嘩するなら価格競争など、もっと消費者に見返りのある形で喧嘩してくれると嬉しいんだけど……。

ちなみに、ブランソン氏のカメオ出演は空港のシーンで、セキュリティ・チェックを受ける人の中に彼が混じっている。彼を見逃したという人は、もう一度よく目を凝らして映画を見てみて。あっ、くれぐれもBAの機内上映で確認しようとしないように。

「BBC Online News」
BA cuts Branson from Bond movie



 

田舎のサッカー・チームがリーグ1部に from Germany

田舎のサッカー・チームがリーグ1部に
フェスティバル当日は海の男たちが
ここぞとばかりに大活躍
© www.pixelio.de
バーデン=ヴュルテンベルク州にある人口わずか3300人の村、ホッフェンハイムのサッカー・チーム「1899ホッフェンハイム」が、来季から1部リーグのブンデス・リーガでプレーすることになった。この快挙に村中が興奮で湧き上がる一方、否定的な意見もちらほら出てきているという。

ホッフェンハイムは何を隠そう、企業向けのソフトウェア大手SAPの創設者の1人でドイツを代表する億万長者、ディートマー・ホップ氏(68)の故郷。ホップ氏もプレーしたことがある地元サッカー・クラブを、同氏が1991年から資金面で支援するようになったのが運命の変わり目だった。当時は最下位となる8部リーグから7部リーグに昇格したばかりの弱小チームだったが、同氏による大規模な強化案が実って、2006/2007シーズンには2部昇進を決めるなど、以後はとんとん拍子で上昇してきた。

2006年になると、ホップ氏はブンデス・リーガでの経験が豊富なラルフ・ラングニック氏を監督に、ホッケーの元ドイツ代表監督ベルンハルト・ペータース氏をスポーツ・ディレクターに迎えるなど、トップ・クラスの指導者を結集させた。指導部だけでなく、有能な選手も次々と獲得。小さな田舎から生まれたこのチームが選手獲得に費やした金額は、王者バイエルン・ミュンヘンに次ぐ高さだったというから驚きだ。将来的に値が上がると見込んだ若手選手を獲得したというのも、実業家ならではの計算が働いたのか。

そういうわけで、1部の壁もなんのその。2部でプレーした初めてのシーズンでさっそくリーグ2位になり、1部への昇格を決めた。現在は近くのシンスハイムに、3万人を収容する新スタジアムを建設中。総工費6000万ユーロ(約100億円)も、もちろんホップ氏のポケット・マネーから出ている。

ただそんな散財ぶりから、「金にものをいわせて即席で生まれたレトルト・クラブ」やしょせんは「金持ちの道楽」と言われるなど、批判的な声があちこちで上がっているのも事実。ならばやっぱり、最後は実力を見せつけるしかないだろう。来季におけるこのチームの活躍に注目だ。

ZDF.de
"Hoffenheim, der ungeliebte Aufsteiger"

 

サンダルに靴下が最新トレンド? from Germany

この記事を今まさに読もうとしている男性のみなさんに、ひとつお願いです。春うららの休日、ちょっと街でも散歩すっか、という時のご自分の服装を上から下まで思い浮かべてみてください。そして足元にズームイン!その時あなたは何を履いていますか?「特に気にしたことないけど、靴下にサンダル」なんて答えたお父さん、あなたにこの記事を捧げます。

前置きはさておき。ファッションの都パリやロンドン、流行の発信地トーキョーから大きく後れをとってはばからないドイツのモード事情。だが、ここにきて何やら異変が起きているようだ。きっかけは、先頃行われた「プラダ」の春夏コレクション。会場には毎年、世界中からバイヤーや有名人が駆けつけるこの超売れっ子メゾンが何と今回、メンズ・コレクションで「靴下+サンダル」ファッションを発表したのだ。ルーズな靴下にサンダルをひっかけモデルがキャットウォークに登場すると、カメラのレンズは一斉にその引き締まったふくらはぎから足元に集中。客席からはどよめきが起きた。

それがどうした、俺は流行を先取りしてたってわけか!とニンマリしたお父さん。すいません、そーじゃないんです。「靴下+サンダル」といえば、今日まで続くドイツ・メンズ・モードの汚名の元凶、おしゃれピープルの間では絶対にタブーなコンビネーションなのだ。ドイツでサンダルといえば日本でも人気が定着した「ビルケンシュトック」が有名。お膝元だけに、この国では街を100メートル歩けばこの「靴下+サンダル」スタイルが定番という男性に少なくとも2人はお目にかかれるわけだが、これがなんともダサい。歩き心地はよいかもしれないけれど、やっぱりサンダルには素足でしょう!

コレクション発表後、世界中のファッション各誌はこぞってこのセンセーショナルな「最新トレンド」を紹介。反響はかなりのものだったようで、プラダもご満悦の様子だ。ただ中には、この新たなルネサンスの幕開けに首をひねる方々も。メンズ・モード本を手掛けるライターのベルンハルト・レーツェル氏は、こう豪語する。「靴下とサンダルの組み合わせは、超イケメンのセクシー・モデルにしか似合いません」。さてお父さん、どうしましょう?

「Rheinische Post」紙ほか
Sandale+Socken=erlaubt???



 
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