ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 10 December 2025

LISTING イベント情報

ニコラス・ケイジ、ドイツの古城を購入? from Germany

ドイツのお城 ハリウッド・スター、ニコラス・ケイジ(42)が、バイエルン州の森奥に佇む16世紀の古城を手に入れるべく進めていた地元管理局との交渉が、最終段階まで来ていることが分かった。これまでにもジョージ・クルーニーが北イタリア・コモ湖の別荘をこよなく愛し、故チャーリー・チャップリンは晩年をジュネーブ湖畔で過ごすなど、有名人のヨーロッパ別宅はスタンダード。だけど今回のミソは、ケイジのお城がドイツの田舎にあるところだ。
お城があるのは、同州アンベルク=ズルツバッハ地域の小村ナイトシュタイン。1513年に建てられた、由緒ある城だ。これまでずっと城主を祖先とするフォン・ブラント家の所有だったが、最後の相続人が死去し、米国に住む甥にその権利が渡ることに。ところが甥はドイツに戻る気もなく、不動産屋に売りに出すとともに、ケイジに声をかけたのがきっかけらしい。
ケイジは今年2月、城を見学するために3人目の妻アリス・キムとともにナイトシュタインを訪れており、隣町のレストランでばっちり目撃されている。話によると、ケイジはドイツ人通訳に勧められて地元名物「サワー・グリル・ソーセージ」を注文。最初はその酸っぱい味に「なに、これー」とちゅうちょしていたが、食べ終わる頃にはすっかりドイツ・ソーセージの虜になっていたとか。さすがオスカー俳優、ドイツの環境に慣れるのも早いってとこか。
近隣地域を合わせても住民1600人のナイトシュタイン。これまでマスコミの話題に上ったことなどもちろんなく、ハインル村長は「知名度アップの絶好のチャンス」とセレブな住民の加入にすっかり気を良くしている。また城は老朽化も心配されたが、ケイジの財力で補修となれば歴史的文化財の保護にもなる。スターにとっては、ファンの喧騒が心配なところだが、城は数ヘクタールの森に囲まれ、村長によれば「付近の住民は約4名」だそうだ。ドイツにはこんな城がたくさんある。補修費がネックだが、お金に困らないハリウッド・スターにはぴったりの物件かも。

7月17日付「Die Welt」紙 "Nicolas Cage will ein Schloss in derOberpfalz kaufen" ほか



 

空前の炭酸飲料水 ブームが到来 from Germany

ポップなラベルも人気の理由
ポップなラベルも人気の理由
おいしくて健康的」との評判でドイツ国内はもとより、米国、日本にも上陸したオーガニックのノンアルコール炭酸飲料水「ビオナーデ(Bionade)」の大ヒットで、空前の炭酸飲料水ブームが到来している。

ビオナーデは、バイエルン州にある破産寸前のビール醸造所の失敗作から生み出されたという代物。ビールのように麦芽を発酵させて作るという奇抜な製造方法に加えて、「マグネシウムとカルシウムが豊富」「低糖、低カロリー」、おまけに「オーガニック」ときたら人気沸騰となるのも不思議はない。お味も「エルダー・ベリー」「ジンジャー・オレンジ」「ライチ」「ハーブ」と豊富に揃っているのが嬉しい。

発売当時は鳴かず飛ばずだったというが、ハンブルクのあるバーで評判になったことをきっかけに、2003年は200万本、04年は700万本、05年は2000万本、06年は7000万本、そして昨年は2億本以上を売り上げるほどに急成長。果実風味の炭酸飲料水としては、国内でファンタ、スプライトに次ぐ売上高を誇るという。

だがここでライバルが出現。果実風味炭酸飲料水の老舗であるジナルコからも「ジナコナーデ」が、ディスカウント・ストアのプルスからは「マルトナーデ」が、アルディーから「ビオ・ドリンク」が……と類似商品が続々と登場している。

もちろんビオナーデも黙っているわけがなく、酷似しているとの理由で他社製品の販売中止を訴えている。ところがライバル会社も負けてはいない。ビオナーデには内容量表示に記されているほど十分なマグネシウムとカルシウムが含まれていないとの訴えが出され、裁判所は同表記の修正を求める判決を出した。

最近では追い打ちをかけるように、あのコカ・コーラ社までもが30歳以上のオトナを対象にした甘さ控えめの炭酸飲料水を発売すると発表。こちらはオーガニックではないが「ブラッドオレンジ・サボテン」「レモン・ビャクシン」「グリーンマンゴー・キウイ」と多様な味が用意されていて、やはりビオナーデを意識した対抗商品だ。強敵の出現に、さあ、元祖ビオナーデはどう出る?

「Die Welt」紙"Bunter Bionade-Rausch"



 

ゴリラの親は飼育係?! from UK

はじめ人間ゴゴンゴーン♪で元気よく始まるテレビ・アニメと言えば、「はじめ人間ギャートルズ」(あっ、年代がばれますね)。さて、このアニメの中では、原始人間のゴン一家とゴリラのドテチンが家族さながらに暮らしていたが、それがいよいよ現実となったようだ。

ゴリラと人間の家族が誕生したのは、飼育動物の元々の生息環境をできる限り再現しているという、ケント州にあるハウレット動物園。この動物園で生まれた6カ月の雌のコウキ(Kouki)ちゃんと10カ月の雄のオウディキ(Oudiki)君は、それぞれ親ゴリラが育児を放棄したと見られている。

そこで登場したのが、飼育係のドナ・ハニーさん(母親役)とマット・スタッグさん(父親役)の2人だ。面白いのは、2匹のゴリラの赤ちゃんが将来は野生に戻れるよう、ドナもマットも出来るだけ人間らしからぬ行動を取るようにしているということ。冒頭に挙げた「ギャートルズ」では、ゴリラのドテチンが人間に近い暮らしをしていたが、この動物園では、ゴリラの赤ちゃんの将来を考えて、親代わりの人間がゴリラに近い生活をすることになったようだ。

例えば、「ウホッウホッ」というゴリラの鳴き声を真似たり、餌を求めてわらをあさったり……。もちろん移動時は、本物のゴリラのごとく2匹を身体にぶら下げているとか。ドナは25歳のうら若き女性なのに、コウキちゃんとオウディキ君のためにゴリラの真似を毎日しているなんて、これぞ母性本能のなせる技か?

しかし、子供はいずれ巣立つもの。ハウレット動物園は親に見捨てられたこのゴリラ2匹をアフリカに戻そうとしているのだ。動物園の広報担当者は「本当の家族のようにドナとマットになついているのに、離ればなれにするのは残酷ですが、ゴリラを野生に戻すチャンスであると考えています」と発言。コウキちゃんとオウディキ君を出来れば今年中に西アフリカのガボンに返したいと明らかにした。そこで気になるのは、ドナとマットの行方。2人も一緒にアフリカへ行ったりして?!

「BBC Online News」
BA cuts Branson from Bond movie



 

フランスで流行するアニメの秘密とは? from France

CGで合成されたCanal+の映像
CGで合成されたCanal+の映像
5月に開催された今年のカンヌ国際映画祭で中学校を舞台にしたドキュメンタリー・タッチの作品「Entre Les Murs(The Class)」が最高賞のパルム・ドールを受賞して以来、教育に関する話題がフランス国民の関心を呼んでいる。この映画を観たグザビエ・ダルコス教育相も、「(財政的に)厳しい状況の中で、それでも教育に取り組むフランスの教師たちの姿勢に敬意を表した作品だ」と温かなコメントを寄せた。

「Tétes é claques」とはフランス語で「あまりにも馬鹿らしくて叩きたくなるような面」というような意味。確かに、登場人物は見かけからしておちゃらけている。アニメと言っても、動くのは顔の大部分を占める異様に大きな目と唇が中心。しかも、そのよく動く目と唇だけが実写になっているため、グロテスクなことこの上ない。番組の内容は、登場人物の日常生活のひとコマを扱った非常にくだらないギャクのオン・パレードなのだが、あまりの馬鹿さ加減につい笑ってしまうものが多い。

ところで、フランス人が夢中になって観るこの番組には、フランス語放送であるにも関わらず、なぜかフランス語の字幕が付いている。というのも、この番組は実はカナダのケベック産。ケベック州は一応フランス語圏とはいえ、周囲を英語圏に囲まれているために、フランス語の会話にいきなり「Why?」「Unbelievable!」と英語が混ざったり、フランスでは使われていない言い回しが登場したりする。さらにはこれに独特のケベック訛りが加わるため、どうやらケベックで話されているフランス語は、フランス人にとっても理解をするのが容易ではないという事情があるようだ。

この番組の生みの親であるケベック出身のミシェル・ボデーさんは、自ら声優を務め、独特のケベック訛りをありったけ強調することに尽力している。これがベルギー訛り、スイス訛り、アフリカ訛りなどを笑いの対象にすることが多いフランス人の心をつかんだのであろう。訛りでさえも商売道具にしてしまうミシェルさんのたくましさに、外国に在住する私たち日本人も見習う部分があるのかも知れない。

「Libération」紙 "L'ecéurante saga des Tétes é claques"



 

ファルコの死から10年、再び時の人に from Germany

ファルコの死から10年、再び時の人に
 ウィーン中央墓地にあるファルコの墓
ドイツ(語)ヒップホップの先駆けとなっただけでなく、「初の白人ラッパー」としても名を馳せた、オーストリアはウィーン出身の歌手、ファルコ。彼の死から今年で10年が経つ。「ロック・ミー・アマデウス」(1985年)の大ヒットで一世を風靡したが、その後はヒット曲に恵まれず、不遇の時代に突入。そのあまりに突然の死によって「伝説」となったファルコが、死後10年という節目に再び注目を浴びている。

「ロック・ミー・アマデウス」は、クラシックの巨匠ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの曲を、英語を交ぜたラップで面白おかしく歌ったもの。軽快なリズムに、爆発したかつらなどで、同国で人気となるや否や、世界各国でも大ヒット。米国のビルボード・チャートでも3週連続で1位となった。ドイツ語の曲としては前代未聞の快挙で、ワールド・ツアーでは来日も果たしている。

ほかにも、「Der Kommissar」(1982年)や、「Jeanny」(1985年)などのヒット曲はあるが、その後はなかなかヒットが出ず、プレッシャーから逃れるように、ドミニカ共和国に移住。音楽活動は続けていたものの、ファンからも友人からも見放され、孤独な日々を送っていた。そして1998年2月6日、レストランの駐車場から道路に出たところを大型バスと衝突し、即死。40歳という若さだった。検死の結果、コカインなども検出されたことから、自殺説も飛び交った。

若くして死亡し、伝説となった有名人の例は多々あるが、ファルコもその一人。死亡から3週間後に発売されたアルバム「Out Of The Dark (Into the Light)」で、皮肉にもカムバックを果たしたのだった。

それから10年……。最後のアルバム名をタイトルに冠した映画「Falco - Verdammt wir leben noch!」が公開されたり、元妻の娘で、ファルコとはDNA検査の結果、血縁関係がないことが明らかになったカタリーナ・ビアンカ・ビトコビックさん(20)が「Falco war mein Vater(ファルコは私の父だった)」を出版するなど、ファルコの存在が再びメディアを賑わせている。久しぶりに耳にする「ロック・ミー・アマデウス」は、今聴いても新鮮だ。

「SPIEGEL ONLINE」 "MOZART MIT DER PUNK-PERÜCK"



 

明るく楽しく政治資金を集めましょう from UK

明るく楽しく政治資金を集めましょう
ブレア元首相のテニスの腕前はセミプロ・レベルだとか
日本だと「賄賂」とか「袖の下」、はたまた「毒饅頭」といった犯罪まがいの行為と結び付けられてばかりの感のある政治献金。背広をきっちりと着こなした中年男性が、アタッシュ・ケースを開けると札束がズラリ……。なんていうシーン、読者の皆さんもテレビ・ドラマなどで見た覚えがあるはずだ。ところが、さすが議会政治発祥の地である英国。この国では、もっと爽やかに政治資金を集めております。

そもそも、どこの国に住んでいようが、政治活動には莫大なお金がかかるもの。11年にわたって政権を握っている労働党でさえ、党資金は2000万ポンド(約40億円)の赤字を抱えていると言われている。どうせお金をかき集めなければならないのならば一層のこと明るく楽しく、と労働党関係者たちが考えついたのが、オークション大会だった。

そこで出展された商品といえば、名門サッカー・クラブ、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督とのランチや、美人モデルとの高級ホテルでのディナーなど。かつて労働党政権で広報官を務めていたアレスター・キャンベル氏が執筆する小説の登場人物になることができる権利なんていうのまであった。しかも彼と食事しながら、あらすじについての相談もできる特典付き。まあ、それが本当に魅力ある商品なのかどうかはちと微妙なところだが。

このオークションに出された商品はまだある。英国の人気コメディアンであるデービッド・ウォリアムズ氏と一緒に水泳を楽しむことができる権利に加えて、著名プロデューサーに自分のCD録音を手伝ってもらえる券。極め付きは、トニー・ブレア元首相と一緒にテニスができる券、なんていうのもあったそうな。

関係者にとっても、こうやって楽しく遊んだ上でついでに政治資金ももらえれば、まあ言うことないだろう。結局、このオークションを楽しんでいたのは、誰よりも労働党党員たちだったのかもしれない。あ、労働党関係者の皆様、集めたお金は英国の未来のために大切に使うこともお忘れなく。

「The Guardian」紙 " Cash-strapped Labour auctions off game of tennis with Tony Blair"



 

フランスの雇用契約は38種類?! from France

フランスの雇用契約は38種類?!
フィヨン首相の手腕が問われる
「新雇用契約」とは?
倍率の高いワーキングホリデー・ビザをゲットして、あこがれのフランスに到着。とんとん拍子に就職先の面接にまでこぎ着けたところで、さて問題です。あなたの雇用形態は、何に当てはまるでしょうか?なんてクイズがまかり通るくらいフランスの雇用形態は複雑多岐で分かりにくいと不評だが、こんな現状をふまえて、サルコジ新大統領率いるフィヨン内閣は、雇用形態の簡素化に乗り出した。

フランスでは無期限労働契約(CDI)と短期雇用契約(CDD)の2種類が一般的な雇用契約として認知されているが、実際は年齢や求人内容によって雇用形態は細分化されており、その数なんと38種類。国の指導者が替わるたびに、労働条件の改善を雇用契約の種類を増やすことで解決してきた、なれの果ての姿といえよう。

例えば昨年は、ドビルパン元首相が若者の雇用促進を助けるために、初期雇用契約(CPE)および中小企業を対象にした新規雇用契約 (CNE)を新たに作ったものの、CPEは若者からの不支持で、結局消滅してしまったという経緯もある。

新内閣はまず、38ある雇用契約の中から主要な8つを、今年末までにひとつの雇用契約にまとめたいとしている。一本化される雇用契約の具体的な草案は、雇用主にフレキシビリティーを与え、社員には勤続年数に応じた社会保障を適用することで、現状よりも多くのメリットを労使双方に提供しようというものだ。

一見すると、メリットの多い法案実現のような印象を受けるが、実際には、たとえ現状よりも企業側の雇用に関連する負担が減ったとしても、解雇に関する規定というハードルは依然として残っている。何といってもフランスは労働組合が強く、解雇した途端に裁判沙汰に発展するのがつね。この「裁判費用」が企業にとってはバカにできない。さらには、集団リストラの場合はフランスだけではなく「欧州」 全体の問題にもかかわるので、現状よりも労働者の反発が強くなるおそれが考えられる。

簡素化に乗り出すのはいいが、何とも前途多難なこの問題。妥協点を探ろうとするあまりに、蓋をあけたら最終的には雇用形態が38から39に増えていたなーんて事態にならなきゃいいのだが…。

「Le Parisien」紙 "Pour Fillon, la prioritê, c’est le contrat de travail unique"



 

愛煙家の大臣が自分のオフィスを喫煙室に from Germany

愛煙家の大臣が自分のオフィスを喫煙室に
 今年1月1日現在、全16州中11州で禁煙法が
 施行
非喫煙者をたばこの害から守る禁煙法が、今年1月からハンブルクでも施行された。非喫煙者にとっては、良いニュースなのだが、愛煙家にとっては何ともつら~いお達し。ただでさえ肩身の狭い思いをしているのに……と地団駄を踏んでいる人も多いのでは?

さて、ハンブルクのウド・ナーゲル内相もそんな愛煙家の一人。でも泣き言など言っていられないというのが、ほかの人と違うところ。吸いたい時に吸いたい場所でゆっくりと燻(くゆ)らせることができるようにと、なんと自分のオフィスを喫煙室にしてしまったのだ。

禁煙法は各州や各官庁などで詳細が異なるものの、隔絶された空間での喫煙は例外として認める、というものが多い。ハンブルク内務省でも「建物内では7階に特設された喫煙室以外での喫煙は禁止」と例外が定められている。しかも同省ではそれに加え、「自室を喫煙室として申請することも可能。その場合は、ほかの喫煙者のために自室を開放しなければならない」という、さらなる例外も設けられていた。

この点に目を付けたのがナーゲル内相。プライベート空間を犠牲にしてでも、自分のオフィスを喫煙室として開放することを即決、申請して認められた。そうまでして……とも思うが、それもそのはず。彼は1969年からパイプたばこ協会が毎年選出している「今年の愛煙家」の一人に選ばれたこともある、お墨付きの愛煙家なのだ。

ちなみにハンブルク内務省の決まりでは、自室を喫煙室とした者は、オフィスを訪問する人に対し、たばこの煙が気にならないかを確認し、気になると答えた来客にはほかの「禁煙室」を用意しなければならないとなっている。また、たばこの煙が嫌なら、ナーゲル内相のアシスタントであろうが誰であろうが、同相のオフィスに入る必要もない。

なんとも法の網をくぐった感があるが、隔絶された部屋での喫煙という理由で、とにもかくにも合法だ。「喫煙法の意義に反している」など反対意見はいろいろありそうだが、「政治家だけの特別法なんて許せない。私のオフィスも提供するから喫煙を認めて!」という訴えまで出てきたりして!?

「Hamburger Abendblatt online」 "Senator Nagel pfeift auf das Rauchverbot"



 

大きな「ß」がようやく誕生 from Germany

大きな「ß」がようやく誕生
「大きな「ß」が ようやく誕生
同じアルファベットでも、フランス語には「アクサン」「セディーユ」とあるように、ドイツ語にも「ウムラウト」や「エスツェット」といった個性的な文字がある。ドイツ語に馴染みのない方のためにご説明すると、ウムラウトは「ä」「ü」「ö」と文字の上にチョンチョンが付いているもの。フランス語の「トレマ」と形が同じせいか、ウムラウトの知名度は意外と高いかもしれない。でも一方の「エスツェット(ß)」は、「B(ベータ)」と間違われることがしばしばで、存在感はいまいち。その上にアルファベットの大文字がないので、これまでなかなか厄介な問題を起 こしてきた。

実はドイツ語で「ß」で始まる単語はないので、大文字の必要性はあまりないと言えばない。でも例えば曲の題名のように、全部を大文字で書かなければいけないような場合もある。「ß」は「ss」とも書けるので、これを大文字で書くときは「SS」で代用するという逃げ道もあるのだが、これだと「MASSE」が「Masse(塊、群衆)」なのか「Maße(大きさ、範囲)」なのかが曖昧になってしまう。無理やり大文字の間に小文字を「MAßE」と埋め込んでしまえば、今度はどうも不格好になって しまうし……。

そんな悩みを解決すべく、最近になってその「エスツェット」にようやく大文字形が誕生した。「ß」の大文字誕生の必要性については、すでに130年も前から論議されていたというが、コンピューターが普及して私的な文書も活字体になった今日になって、「B」と間違えられないような形がデザインされたというわけ。

とはいっても、ドイツ語のつづり方を決める「正書法」では、引き続き大文字の「ß」は「SS」で書くのが正規のルールとなる。そもそも、ほとんどのパソコンでは「ß」の大文字をキーボードで打ち出す方法がない。通常なら各アルファベットは、シフト・キーとの併用で大文字になるはずだが、「ß」キーとシフトを押すと「?」が出てきてしまうのはちょっと皮肉。大きな「ß」の前途は、まだまだ多難なようだ。

yahoo nachrichten (DPA) "Das große ß ist da"



 

まさか、ドイツで from Germany

最後の最後でVfBシュトゥットガルトがシャルケ04からマイスターシャーレ(優勝杯)をかっさらい、劇的な幕切れとなった今シーズンのサッカー・ブンデスリーガ。優勝を決めた最終日、市内中心部を埋め尽くしたサポーターは、選手らと真夜中過ぎまで有終の美に酔いしれた。でもこんな光景、ちょっと前にも同じくシュトゥットガルトで見たような…。そう、地元開催で沸きに沸いた昨年のワールドカップ(W杯)で、ドイツ代表が3位と健闘し、サポーターに迎えられたあの感動のシーンだ。あれから早や1年。もしかしたら、あの感動をまた地元で味わえるかもしれないという、耳を疑うようなニュースが舞い込んだ。

ご存知の通り、次回2010年のW杯開催地は南アフリカ共和国に決定している。しかし関係者の間では、スタジアムの建設や街のインフラ整備、安全対策など不安要素が取り沙汰されているとか。自然災害の恐れを無視できないとする見方もある。

そこで口火を切ったのが、国際サッカー連盟(FIFA)のヨーゼフ=ゼップ・ブラッター会長だ。「Die Welt zu Gast bei Freunden(友達をつくる時)」をテーマに掲げ、国内はもとより国外から押し寄せるサポーターの受け入れ態勢も上々、大きな問題もなく幕を閉じたドイツ大会に今でも心酔しているブラッター会長は先頃こんな大胆発言をして、周囲を驚かせた。「南アフリカでの開催が困難となった場合、代わりの最有力候補地はドイツだ!。

「南ア大会組織委員会を全面的に信頼している」とは付け加えたものの、会長の口から飛び出した、まさかの「もう一度ドイツで」発言に、ドイツサッカー協会(DFB)などは猛反発。同大会顧問のホルスト・シュミット氏は「南アでの開催実現に向けて最善を尽くす」と、はっきりノーの姿勢を示した。ドイツ大会で組織委員長を務めたご意見番のベッケンバウアー氏も、「南ア大会の実行委員会メンバーに敬意を表し」、ドイツでの連続開催はあり得ないとコメントしている。

どうやら、それほど現実味はなさそうな今回のブラッター発言。「燃え尽き感」がある私としても、いまいちピンとこない話ではあるけれど、あなたはどうですか?

「stern」誌ほか
“Deutschland erster Ersatzkandidat”



 
<< 最初 < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 > 最後 >>

24時間365日、安心のサービス ロンドン医療センター Ko Dental 日系に強い会計事務所 Blick Rothenberg Dr 伊藤クリニック, 020 7637 5560, 96 Harley Street

JRpass totton-tote-bag