ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 10 December 2025

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さよなら「マインド・ザ・ギャップ」 from UK

さよなら「マインド・ザ・ギャップ」
 「ギャップ」にはまってしまったのは
 エマさんの方だった!?
 © britainonview/FCO/Damir Fabijanic
ロンドン在住者なら誰でも一度は耳にする「マインド・ザ・ギャップ」と言えば……。そう、地下鉄内で流れるあのお馴染みのアナウンスだ。このアナウンスが近い将来、変わることになりそうだ。というのも、アナウンス担当の声優エマ・クラークさんが自身のウェブサイトで地下鉄アナウンスのパロディーを披露したことで、ロンドン地下鉄(TfL)が彼女をクビにしたと発表したからだ。

1999年からTfLのアナウンスを担当しているエマさん。商売ものの声を利用して、地下鉄アナウンスのパロディーをウェブにアップロードしたまでは良かったが、このパロディーに目をつけたメディアとのインタビュー内で「昔は毎日地下鉄に乗っていたけど、もう利用していないわ。だってサービスが最悪なんだもの」と発言。どうやらこれがTfLの怒りを買ってしまった模様。

エマさんは、「最悪と言ったのは、地下鉄内で自分の声を聞かなくてはいけないことに対してよ」と誤解を解こうと試みたが、TfLは聞く耳を持たなかったよう。そして皮肉なことに、エマさんが自身の解雇を知ったのは新聞記事を通してだったという。

「TfLのサービスをプロモートする立場にありながら、その立場をわきまえた行動をとらなかったことが解雇の原因」とTfLは解雇の正当性を主張しているが、第三者の目から見ると、正しい批判であるがゆえにヒステリックに過剰反応してしまったように見えるのは気のせいか。ちなみにエマさんのアナウンスは、ふさわしい後任者が見つかるまでは利用されるということだ。

最後に、気になるエマさんのパロディーの一部を披露しよう。「米国人の乗客の皆様にお知らせです。地下鉄内ではもう少し小声で話しましょう」「新聞を読んでいるフリをしている男性客の皆様、女性の胸元を眺めるのは変態行為なのでおやめください」「数独に熱心になっている乗客の皆様、それはただのパズルです。数字が羅列されているからといって、賢くなった気分になるのはお控えください」などなどウィットに富んでいるものが揃っていた。

「Times」紙 "How Tube announcer lost her platform"



 

職業は「飲み友」(!?) from UK

職業は「飲み友」(!?)
 ビールを飲んで7ポンド!
お得なフラット情報など意外な掘り出し物が見つかることの多い街の掲示板。英南岸ハンプシャーのとある郵便局の掲示板に最近、夢のような広告が張り出され、話題を呼んでいる。

その広告とは、「パブでの飲み友募集」というもの。一見するとただの友達募集広告のようにも思えるのだが、これは時給7ポンドで経費(ビール代)込みというれっきとした求人広告なのだ。

この広告主は、ジャック・ハモンドさんという88歳のおじいちゃん。故郷の街では仲間と一緒に週4回はパブ通いをしていたというハモンドさんだが、息子夫婦が暮らす街の近くにある老人ホームに入居してからというもの、一緒にパブでパイントを楽しめる仲間がいないことに不満を抱えていたようだ。ホームに入居している人間は一人を除きみな女性で、パイント仲間としてはちと微妙。そして唯一の男性入居者とも馬が合わない(?)ことから「いっそのこと街中の人に呼びかけてみよう」とまずはボランティアを募集したが、最終的にこの求人広告張り出しとなった模様だ。

何らかの理由でパブ仲間を失くした老人が孤独感にさいなまされることはよくあることのようで、チャリティー団体、エイジ・コンサーンのダイレクターは、「家にこもることなく、仲間探しのイニシアティブをとるのは素晴らしいことだ」と感心しきり。

さて肝心の応募者だが、現在4名が「面接」のドリンキング・セッションを控えているとのこと。78歳になってもまだ車の運転が大好きという男性が第一候補になっているようだが、まだ募集は締め切っていないとか。第二次大戦中にはエンジニアとしてボンベイとクアラルンプールに駐留したというハモンドさんは、戦争にまつわる話やエンジニア系のテクニカルな話題を語れる仲間を欲しがっている。こういう話題はわれわれ日本人にはちょっとヘビーかも知れないが、ハンディキャップ6という素晴らしいゴルフの腕前もお持ちのようなので、ゴルフとビール好きのそこのお父さん、英語の勉強がてら、ちょっと応募してみてはいかが?

「Times」紙 "Position vacant: £7 an hour. Person to drink beer"



 

ハリポタの登場人物みたいな奴を逮捕せよ from UK

ハリポタの登場人物みたいな奴を逮捕せよ
 そう言われてみると犯罪者顔に
 も見える? コルトレイン氏
世界中の子供たちを夢中にさせた児童文学「ハリー・ポッター」シリーズ。スコットランドの首都エディンバラ生まれの女性作家、J・K・ローリングが書き上げたこの物語は、いまや不朽の名作となった。原作の人気に続いて映画シリーズも大ヒット、主演のダニエル・ラドクリフの年収はいまや150万ポンド(約3億円)を優に超えるという。そんなハリポタ人気の影で、有名になったばかりに被害を被った一人の役者がいた。

彼の名前は、ロビー・コルトレイン。これまで数々の映画、舞台、そしてテレビ作品に出演してきたスコットランド人俳優だが、日本人読者の皆様には映画版ハリー・ポッターでのルビウス・ハグリッドと言えば分かるはず。そう、禁じられた森の森番ハグリッドを演じる、あの恰幅の良い中年男性のことだ。

この彼が、遠く海を隔てたニュージーランドにおいて犯罪者扱いされているらしい。なんでも、南部サウス・アイランドにて16歳の少年による強盗事件が発生。この男は窓を割って地元の家屋に侵入し、電化製品、貴金属、そして現金を奪っていったという。さらに目撃者の証言により、どうやらこの犯人の顔がハグリッド、じゃなかったコルトレイン氏の顔にそっくりだったことが分かった。そこでニュージーランドの警察は、コルトレイン氏の写真とともに「あなたの近所に、こんな顔した強盗犯がいます」と書いたポスターを作成してしまったというのだ。

地元警察によると、ニュージーランドでは容疑者が未成年だった場合、その人物の写真を公開することが法律により禁じられているんだとか。だから有名人の顔を使う苦肉の策に出たわけだが、勝手に犯罪者に仕立て上げられたコルトレイン氏にとっては迷惑千万な話。警察もちょっとは気を遣ったのか、ポスターには「ロビー・コルトレイン氏はこの強盗事件とは関係ありません。ただ彼が16歳だったと想像してみてください」との但し書きがついているとか。

こういうのを、有名税っていうんだろう。有名になり過ぎてもろくなことないよ、というお話でした。

BBC Online News "Potter star used to crack crime"



 

ハリポタの魔法で成績アップ! from UK

ハリポタの魔法で成績アップ!
あなたなら誰になりたい!?
イングランド中部の街、ノッティンガムのとある小学校で、大人気小説「ハリー・ポッター」の魔法が子供たちの学校生活を一変させた。ロバート・メラーズ小学校は、数年前まで英国で最も算数の学力の低い学校だった。しかし現在では独創的な教育方法が取り入れられたおかげで、その成績は全国でも上位25%に急上昇。さて、一体どんな授業が行われているのか。

朝8時半、この学校では子供たちも教師も、「ハリー・ポッター」のお気に入りキャラクターの衣装をまとって授業を開始する。教師が「さあ、今日は逆数の勉強をしましょう」と言うと、子供たちはハリポタ帽を被って杖を握り、教科書に向かうという次第。難しい問題に出くわしたときには、「ヌメルス・サブトラクティカス!」と呪文を唱えて杖を振れば、あら不思議! 超難問も簡単に……。

この学校では、ハリーの通うホグワーツ魔法魔術学校と同様、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンの4つのクラスに分けられており、算数のみならず、すべての教科に「ハリー・ポッター」が取り入れられている。国語では「ハリー・ポッターと賢者の石」の一章を脚本に仕立てる授業が行われ、体育ではホウキにまたがってバランスの訓練。地理では、自分たちが暮らす街とハリー・ポッターに出てくるロケーションを比較し、ITではホグワーツ魔法魔術学校のバーチャル体験をする。こんな独創的な授業に、子供たちは「楽しくて簡単」と大喜び。

喜んでいるのは子供たちだけではない。ダンブルドアならぬ、ドナ・チャンバース校長(もちろんハリー・ポッターの衣装を着用)も「子供たちは学ぶことを楽しんでおり、また自分が学んだ内容を信じています。そうやって自然に国が定めた通常のカリキュラムもこなしているんです」と語っている。こうした「ハリー・ポッター」授業の効果には、教育水準査察院、Ofstedも注目。算数の授業を見学した査察官は、「引き算が魔法のように出来てしまう。授業態度も最高水準だし、生徒が楽しんでいるのがよく分かる」と絶賛した。教育水準の低下が心配されるなか、魔法の授業が英国の教育の未来を救うかもしれない。。

「Times」紙など "Being wizard at maths is magic for failing school"



 

フランスの雇用契約は38種類?!from France

倍率の高いワーキングホリデー・ビザをゲットして、あこがれのフランスに到着。とんとん拍子に就職先の面接にまでこぎ着けたところで、さて問題です。あなたの雇用形態は、何に当てはまるでしょうか?なんてクイズがまかり通るくらいフランスの雇用形態は複雑多岐で分かりにくいと不評だが、こんな現状をふまえて、サルコジ新大統領率いるフィヨン内閣は、雇用形態の簡素化に乗り出した。

フランスでは無期限労働契約(CDI)と短期雇用契約(CDD)の2種類が一般的な雇用契約として認知されているが、実際は年齢や求人内容によって雇用形態は細分化されており、その数なんと38種類。国の指導者が替わるたびに、労働条件の改善を雇用契約の種類を増やすことで解決してきた、なれの果ての姿といえよう。

例えば昨年は、ドビルパン元首相が若者の雇用促進を助けるために、初期雇用契約(CPE)および中小企業を対象にした新規雇用契約(CNE)を新たに作ったものの、CPEは若者からの不支持で、結局消滅してしまったという経緯もある。

新内閣はまず、38ある雇用契約の中から主要な8つを、今年末までにひとつの雇用契約にまとめたいとしている。一本化される雇用契約の具体的な草案は、雇用主にフレキシビリティーを与え、社員には勤続年数に応じた社会保障を適用することで、現状よりも多くのメリットを労使双方に提供しようというものだ。

一見すると、メリットの多い法案実現のような印象を受けるが、実際には、たとえ現状よりも企業側の雇用に関連する負担が減ったとしても、解雇に関する規定というハードルは依然として残っている。何といってもフランスは労働組合が強く、解雇した途端に裁判沙汰に発展するのがつね。この「裁判費用」が企業にとってはバカにできない。さらには、集団リストラの場合はフランスだけではなく「欧州」全体の問題にもかかわるので、現状よりも労働者の反発が強くなるおそれが考えられる。

簡素化に乗り出すのはいいが、何とも前途多難なこの問題。妥協点を探ろうとするあまりに、蓋をあけたら最終的には雇用形態が38から39に増えていたなーんて事態にならなきゃいいのだが…。

「Le Parisien」紙ほか
“Pour Fillon, la prioritê, c’est le contrat de travail unique”



 

サルコジ大統領のワンマン・ショー from France

サルコジ大統領のワンマン・ショー
破局したサルコジ大統領と
セシリアさん。
ちなみにセシリアさんも元モデル。
LAURENT BAHEUX/AP/PA Photos
サルコジ大統領が2007年10月に夫人セシリアさんとの離別を表明したのは記憶に新しいところだが、それからわずか2カ月というタイミングでまた騒ぎが起こった。大統領がパリ郊外のディズニーランドで美女と「笑みをたたえ、リラックスした」様子でデートしている姿が「フィガロ」紙などの一面を飾ったのだ。お相手は元スーパーモデルで現在歌手として活躍中のカルラ・ブルーニさん。

思えば大統領に就任して以来、セシリアさんとの不仲説発覚から離別表明まで、サルコジ大統領の私生活は時に肝心の国内外の政治問題よりも大きく扱われてきた。昨年10月には、現職の大統領が離婚表明をするという前代未聞の出来事に、同月に始まった鉄道員のストライキは軽視されてしまった感すらある。

ところでこのニュース報道に前後して、まるで何者かが糸を引いているかのように、フランスでは重要な法案がいくつか可決された。10月末には、大統領の月給や、大統領官邸エリゼ宮に割かれる本年度予算が大幅に増額された。大統領の月給はこれによって8000ユーロ(約132万円)から1万9000ユーロ(約314万円)へとアップ。フランスの経済成長率が伸び悩むなかでの大幅アップに、野党からは非難の声が上がった。

そして12月に入ると、これまた嘘のようなタイミングで離婚手続きの簡略化が提案された。フランスでは、双方が離婚に合意していても裁判所へ出向かないと離婚は成立しないが、この法案が通れば、公証人による書類のみで離婚手続きが出来るようになる。合意の元に離婚するカップルたちにとっては、手間もお金も節約できるありがたい話だが、弁護士たちはこの余りに都合の良い法案に対して怒り心頭。

ちなみに、今回伝えられたカルラさんとのデート発覚は、リビアのカダフィ大佐のパリ訪問直後。独裁者として知られるカダフィ大佐との接近をメディアに批判されたサルコジ大統領、またもや私生活でその話題を吹き飛ばしてしまった。お相手のカルラさんは、ミック・ジャガーやエリック・クラプトンとも浮名を流した恋多き女性だが、さて、今回のデ ートの首尾はどうだったのやら。

「Le Parisien」紙 “Sarkozy s'expose avec Bruni”など



 

新番組「第2のユリ・ゲラーを探せ!」がスタート from Germany

新番組「第2のユリ・ゲラーを探せ!」がスタート
 超能力か、トリックか……
 ©www.pixelio.de
1980年代後半、スプーン曲げで日本に超能力ブームを巻き起こしたイスラエル出身のユリ・ゲラーさんも、いまや61歳。世界のトップスターの座から離れて久しいが、このほどプロ・ジーベン局で、第2のユリ・ゲラーを発掘する新番組「The Next Uri Geller」が始まった。超能力を信じるという人も信じないという人も、ブーム再来を機にもう一度超能力を検証してみてはどうだろう。

といってもこの番組、実はなんら新しいものではなく、本場イスラエルで放映された番組「The Successor」のドイツ版。イスラエル版は大成功したが、ゲラーさんがコンパスを動かすという念力を披露する際、耳の後ろから何か(磁石!?)を取り出し、左手の親指に付けた様子がしっかりと映像に収められ、全世界から再び「ペテン師」の非難を浴びる結果にもなっている。20~30年前には考えられなかったことだが、今はインターネットで動画を共有するサービスYouTubeがあるおかげで、世界中の人がこの映像を見ることができたのだ。

そんな中でスタートを切ることになったドイツ版だが、同局は「観客がスプーン曲げに夢中になるのは、今も昔も同じ」と自信たっぷり。当のゲラーさんも「私の登場で、視聴者宅でもスプーンが曲がったり、壊れた時計が再び時を刻んだりするだろう」とのたまっている。実際、初回は20.1%(14~49歳対象)という高視聴率を記録した。

番組の内容はというと、透視やテレパシー、念力、予知能力、はたまた30秒間心臓を停止させるなど、超自然的な力を持つという候補者10人が、生放送でそれぞれの力を示すというもの。毎回視聴者と審査員から選ばれなかった人が落選していき、最終的に残った人が「第2のユリ・ゲラー」となる。でもゲラーさんが引退するわけではないのだとか。

初回で落選したのは、中国人の両親を持ち、精神を鍛えるため日本で何年か修行を積んだという、英語なまりのドイツ語を操る「ザ・サムライ」こと、ハヤシ氏(34)。個人的には参加者の皆が皆、リアクション過多な「マジシャン」という感が否めなかったが……。さてあなたの判断は?

「Spiegel Online」ほか "Deutschlands nachster Loffelbieger"



 

ウィンストン・チャーチルは架空の人物!? from UK

ウィンストン・チャーチルは架空の人物!?
 日本の教科書でもお馴染みのチャーチルが
 架空の人物……?
ウィンストン・チャーチルと言えば、第二次大戦時、不屈の精神で国を導いた英国の英雄。解釈の違いこそあれ、日本の歴史の教科書にも登場するれっきとした英国の元首相であるということは「常識」、のはずだったのだが……。この度、20歳未満の英国人3000人を対象にして行われた調査によると、なんと5人に1人がこの世界の偉人を架空の人物と捉えていたことが明らかになった。

トンデモない事実誤認だが、驚くべきことにこんな誤解はチャーチルだけに留まらなかった。半数近くの47%が12世紀イングランドのリチャード獅子王を架空の人物と考え、27%がクリミア戦争で活躍した看護婦、ナイチンゲールを、神秘的につくり上げられた伝説だと誤解していることが判明したのだ。

さらにこの恐ろしいカンチガイには逆パターンもあった。実際には伝説上の人物であるアーサー王を65%が実在していた人物と回答。そのほか、コナン・ドイルの小説の主人公であるシャーロック・ホームズが実際にベーカー・ストリート221B番地に暮らしていたと信じる若者は58%、はたまたビートルズの曲中に登場する老女、エリナー・リグビーが実在していたとする者が47%にも上ったという。

日本では近年、若者の学力低下が囁かれ「ゆとり世代」と揶揄されることも多いが、ここ英国でも若者の学力低下、いや正確には歴史離れが思いもかけない猛スピードで進んでいるようだ。この調査を実施したテレビ関係者は、チャーチルなどの実在した人物が存在しなかったとされてしまうのは嘆かわしいことだが、架空の人物が実在していたと認識されるのは、よりリアルで迫力溢れる最新映像技術によるものだと分析し、映像が人々に与える影響力の強さを表しているとした。

確かに映画、テレビ、はたまたゲームなどに囲まれて育った新世代の子供たちにとって、リアルとバーチャルの境目はあいまいになっているのかもしれないが、これはそんなレベルを超えているような……。

日本でも同様の調査を行ったら、坂本竜馬や吉田茂は架空の人物、仮面ライダーやウルトラマン、星飛馬は実在するなどといったトンデモ回答で楽しませてくれるに違いない。

「デーリー・テレグラフ」ほか "Winston Churchill didn't really exist, say teens"



 

海辺の町ドーセットが 波作りで町興し from UK

海底に置かれた「波を作る砂袋」のイメージ図
海底に置かれた「波を作る砂袋」のイメージ図
波が出るプール」ならぬ「大きな波が一年中打ち寄せる海」。そんなサーファーにとってはまさに夢のような海岸が、英国南部ドーセットに出現しようとしている。

もともと、ドーセットといえば英国随一の海辺の町として知られており、夏場になると海水浴客で毎年賑わう。ところが中心部をちょっと離れてしまうとその賑わいはどこへやら、特に東部では寂寥とした風景が広がっているという具合。そこで閑散とした地域にも何とかして観光客を呼び寄せることで、町全体の活性化を図ろうと同地の観光局が頭をひねらせ考えついたのが、人口的に大きな波を発生させる仕組みだった。

聞けば、その構想はなかなかダイナミックである。まずは海底にサッカー競技場ほどの面積の巨大なスペースを確保。この上に最長70メートルに及ぶいくつもの巨大な袋を敷いて、この袋の中に機械を使って大量の砂を注入する。するとそれぞれの袋は太さが異なっているので、自ずと段差のようなものができあがる。そのさらに上に今度は交差するように砂袋を置いて水の通り道を整備したら、「大きな波の打ち寄せる海」の完成。この盛り上がった部分に自然発生した波が当たると海水の勢いは増幅され、岸側に着く頃には波は最大4メートルの高さになる計算だ。サーファーにとって、まさに絶好のスポットとなることは間違いない。

この仕組みは、ニュージーランド出身のケリー・ブラックさんが、世界中のいわゆる「サーファーの聖地」と呼ばれる場所の地形の研究を重ねた末に開発したという。建設費用は締めて300万ポンド(約6億円)也。ドーセット観光局ではこの大波によって年間延べ1万人のサーファーを呼び込むことを期待しており、もしこの試みが成功すれば、その他の海岸沿いの地域でも同様の仕組みを建設することを検討しているという。

完成予定は今年の10月。波作りで町興しとはなかなか粋な試みだが、さてドーセットはサーファーの新しい聖地となるのか。ついでに「雨の降らない空」を発明してくれたら、雨続きの英国にも、もっと海水浴客が押し寄せるようになるだろうに。

BBC Online News"Work starts on town's surf reef"



 

トイレの怖~い話 from France

トイレの怖~い話
 油断ならない(!?)パリの公衆トイレ
トイレにまつわる怖い話といえば、日本では「トイレの花子さん」が有名だが、最近フランスで行われたとある調査では、フランスの小学校の恐るべきトイレ事情が明らかになった。

国立保安局(Observatoire national de la sécurit? des établissements: ONS)が、全国865校の小学校を対象に行った調査によると、多くの生徒が「トイレに行くのが怖い」と回答しているが、その理由は照明の暗さや不潔さだけではなかった。もう一つの大きな理由、それは「恐怖」。なんと「鍵が壊れて、トイレから出られなくなったことがある」子どもが全体の15パーセントもいたのだ。悪臭や不潔さ、そして何より「恐怖」により、トイレを我慢して便秘になったり、衛生管理不備のため膀胱炎になる生徒が増加するなど、このトイレ問題はかなり深刻なレベルに達している。

ある泌尿器科の医師によれば、フランスでは排泄の話題がタブーとされており、そのために問題が野放しにされていた面があるという(最近はましになってきたとは言え、パリの歩道に犬の糞がそのまま放置されているのも、その「タブー」のせいなのかもしれない)。

確かに小学校の例を見るまでもなく、パリのトイレ事情はお粗末だ。電車の各駅にトイレが設(しつら)えられている日本と比べれば、天国と地獄のような差がある。やっとのことでカフェなどの中のトイレにたどりついても、今度は紙がなかったり、時間がくると電気が自動的に消えてしまったり……。とにかく、なかなか安心できない。また時々見かける、しゃがんで用を足す「トルコ式」と呼ばれるトイレでは、水を流すのに一苦労。予外の勢いで流れてくる水には要注意である。清潔感ゼロのくせに、入り口で座っている掃除のおばさんにチップを渡さないといけないトイレが多いのも謎。

最後に、パリの街中に点在する箱状の無料公衆トイレの使用について一言。このトイレの扉は、自動で開閉する仕組みになっている。間違って変なタイミングで中から鍵を触ると扉が開いてしまい、非常に恥ずかしい思いをする羽目になるのでご注意あれ。

「Le Parisien」紙 "Les WC à l'École: quelle honte!"



 
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