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Wed, 22 January 2020

V For Vendetta / Vフォー・ヴェンデッタ

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第53回

V For Vendetta(2006 / 英・米・独)
Vフォー・ヴェンデッタ

全体主義国家と化した近未来の英国。夜間外出禁止時間にやむを得ず外出した国営放送BTNに勤めるイビーは、秘密警察に見付かり強姦されそうになるが、ガイ・フォークスのマスクを被った謎の男に助けられる。

今週のロケ地

監督 James McTeigue
出演 Natalie Portman, Hugo Weaving, Stephen Reaほか
ロケ地 Whitehall
アクセス 地下鉄Charing Cross駅から徒歩

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  • 今年も間もなくやってきますねー、花火シーズンin the UK!
  • 英国に来たばっかりの頃は、なんで寒い中で花火!? と違和感を覚えたものですが、今じゃすっかり慣れました。むしろ震えながら観る花火っていうのもなかなかオツなものだなあ、なんて思ったりします。
  • まあ、毎秋恒例の英国の花火大会は、そもそも歴史的な火薬陰謀事件にちなんだものだからなあ。
  • さかのぼること1605年、国王ジェームズ1世の国教会優遇政策及びカトリック弾圧に反発し、敬虔なカトリック教徒で従軍の経験もあるガイ・フォークスという男が、派手なクーデターを起こそうとするんですね。仲間とともに上院に爆弾を仕掛け、国王ともども吹っ飛ばそうとしたんです。
  • しかしこの計画は密告によって失敗、ギリギリのところで未遂に終わってしまいました。逮捕されたガイ・フォークスはロンドン塔で凄まじい拷問にかけられた末、計画の全容を自白。容疑者の多くは、裁判にかけられた後に処刑されてしまうのです。
  • そのガイ・フォークスが逮捕された11月5日が、現在「ガイ・フォークス・ナイト」と呼ばれる花火の日となっているわけだね。いやはやすっかり前置きが長くなったが、このガイ・フォークス & 陰謀事件をモチーフに、またその「理念」を下敷きにして生み出されたのが、今週の捜査対象「Vフォー・ヴェンデッタ」なのだ。
  • はい、こちら第三次大戦後、恐怖の全体主義国家となった近未来の英国が舞台とっております。そこにガイ・フォークスの仮面を被った謎のテロリストとして出現するのが、「V」と名乗る破壊的なアナーキストです。ここで示される全体主義国家のイメージは、ナチス・ドイツやジョージ・オーウェルの名作「1984」などがモチーフになっているようですね。独裁者アダム・サトラーの名前は、言うまでもなくアドルフ・ヒトラーからきております。ちなみに原作は80年代に英国のコミック雑誌で連載されていた同名マンガであります。
  • 「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が、脚本と製作を務めていますね。撮影は主にドイツで行われているようですが、英国のロケ地も所々に使われています。
  • オープニングに、例の爆破未遂事件を再現する場面があるよね。捕らえられたガイ・フォークスが、公衆の面前で絞首刑に処されるシーンだが。
  • あれはハートフォードシャー州にあるカントリー・ハウス「Hatfield House」です。
  • 一目でロンドンと分かるのは、Vがテレビ局を乗っ取って、画面を通して全国に向けてメッセージを送るシーンに現れる、ピカデリー・サーカスの電光掲示板ですね。それからクライマックスの、ガイ・フォークスの仮面を被った市民のデモ行進は、ウェストミンスター地区を南北に走る道路、トラファルガー広場からパーラメント・スクエアまで続くWhitehallで撮影されました。Whitehallは英国における政治の中心地、日本でいえば霞ヶ関のようなところですから、デモ行進の撮影はここ以外では様にならないってわけです。
  • そして何と言っても印象的なのは、ラストシーンだね。国会議事堂が、ビッグベンが……うおお。
  • この映画を観てからガイ・フォークス・ナイトを迎えたら、夜空を彩る花火もいつもと違って見えるかもしれませんね。

デカ長、物申す
ウォシャウスキー兄弟だからって「マトリックス」的なアクション娯楽を期待して観ると裏切られるが、奥行きのある、また政治色の強い大河ドラマ的なサスペンスを求めている向きにはお勧めだ。自由、革命、弾圧、復讐、テロ——近未来が舞台だが、現代のようでもあるし、遠い過去の話のようでもある。随所に挿入されたシェークスピア劇の名台詞から、ナタリー・ポートマンの剃髪まで、見どころは満載だぞ。

 
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